視点はのび太です。
「んでねぇ~、ん~とぉ~」
「ま、こんな感じですね。
「う~む、未来には人知を越えた技が数多あるようじゃな。」
僕達が話したのは飛行機や自動車などの17世紀から21世紀の物を説明した。さらに未来である22世紀の事は話してない。頭がパンクしちゃうし。でも家臣さんたちはやっぱり信じられないような顔になってる。
「殿!子供の申す事ですぞ!」
「左様!某、空を飛ぶ乗り物や他国の者と家に居ながら話せる道具などとても信じられませぬ!」
やっぱり、その物を見せないと信じてもらえないか…何か持ってたかなぁ。時雨金時は小さくして常備してて、あ、これだ!
「ちなみにこれが他国と話せる道具です。」
ポケットに入ってたスマホを殿様や家臣さん、又兵衛さんに見せる
「「「「なぬ!?」」」」
「お前、持っておるなら出さぬか。」
「あ…」
ははは…僕もドラえもんみたいなことしちゃった。
「まぁ、電波がないんで使えないんですけど。」
電源はつくけどやっぱり圏外になってた。この時代に電波塔があるわけないしね。
「…ほう、これがすまほ?というものか。貸してみてはくれぬか」
「はい。」
僕は殿様にスマホを渡したら、目新しさからか下から上を見まくっていた。
「ありがとう。」
「いえいえ。」
「殿、わしはかれぇというものを食ってみたいのぉ」
「他にも美味しい物いっぱいあるよ。すき焼きとか豚カツとか。」
「ほう、しんのすけ、のび太!」
殿様は一通り聞いてから、住むあてがないのなら又兵衛さんの家に住んでいいと言われた。折を見てまた話を聞いてくれるそうだけど…又兵衛さんは狼狽えてた。
「殿っ!ご勘弁を!某!子供を持ったことはありませぬ!!」
「オラもこんなむさ苦しいおじさん嫌だゾ!もっとキレイなおねいさんがいい!」
「それはしんちゃんの願望じゃない?僕は大丈夫ですよ?」
「何!?」
又兵衛さんは驚いていた。僕の言葉になのか、しんちゃんの言葉になのかわからないけど。
「又兵衛…」
「はっ!」
「聞けば、この二人はそちの命の恩人ではないか。これも何かの縁じゃ。」
「ははっ…しかし…」
「違うゾ!オラ、遊んでただけだもん!こうやって!」
としんちゃんはブリブリと言いながらお尻を出しながら動き出した。これ意外と器用な気がする。でも又兵衛さんはそれを止めていた。
「しんちゃん。迷惑かけない。」
「おっ。お兄ちゃん意外と動体視力すごいゾ。」
「ワハハハ!主命じゃ!下がってよい。」
と言われたからしぶしぶ又兵衛さんは半尻しんちゃんを小脇に抱えてから僕を連れて、殿様の部屋から出る。
「何かごめんなさい。」
「謝るな。…殿も言ったようにお前らは俺の命の恩人だしな。」
「おい、青空侍!」
僕と又兵衛さんが話していたら綺麗な声が話しかけてきた。そっちを見ると…
「あ…」
「死にぞこなったようだな。」
…ゆ、夢のあの人だ。着物を着て化粧をしてるけど。あの人だ。
「あっ!これは姫様!」
「姫!?え?どこどこ!?」
「お前の事だ。どうせぼんやり空を眺めていたのであろう。」
「え?何故それを…あ、いや違うのです!」
「ああああああ!!!」
としんちゃんがあの人に気づいて、叫んだ。美人好きなしんちゃんだからそりゃこうなるか。
「黙れ!某!決してぼんやりなど!」
又兵衛さんが姫様に近づきながら弁明していた。
「ほ~い!おねいさーん!オラだよー!やっと会えたゾ!」
そっか、しんちゃんもあの夢を見てたんだ。僕はややこしくなるからちょっと黙って事の成り域を見ようかな。
「おぬし、廉姫様を知っておるのか?」
「廉ちゃんって言うの!?」
「ば、バカ!姫様と呼べ!姫、この者をご存じで?」
「いえ…そのような可愛いお尻、初めて見たが?」
あ、そうだ、向こうからお尻丸出しの状態だ。だから後ろの付き人の女性二人が笑いをこらえてたんだ。
「いやーん!オラ、お嫁に行けな~い!!おじさんのおバカ!これじゃまるでオラが人前でお尻を出すのが好きみたいに思われちゃうよ~。」
「「好きでしょ(ではないか)…」」
初対面の時は…ナンパしてたけど、ドラえもんから話を聞いてからもそれに足軽を無意識に翻弄してた時もお尻を出してたし。
「そなたらは未来から来たと聞いている。私といつどこで会った?」
「夢で…」
あら、しんちゃんナンパはするのにちょっと美人過ぎてるのか緊張してるのかな。これは僕も言った方がいいね。
「おぬしもか?」
「はい。湖のほとりで、青空侍と言いながら空を見てました。」
「面白い、明日また改めて話を聞かせてもらう。」
着物を翻しながら姫様は付き人と一緒に去って行った。やっぱり実物はキレイだったなァ。…女性陣の前で見てたら血の雨が降るからよかった。…ていうか2人とも顔を真っ赤にしてる。
「行かないんですか?」
「…あ?あ、ああ、参ろうか。」
又兵衛さんもしかして…いやまぁわからないから言わないけど。僕達は歩いて又兵衛さんの家へ向かうけど、しんちゃんが姫様が独身かを聞いた。
「姫様だ!」
「いいじゃん!ね?独身?」
「当たり前だ!」
「廉ちゃん偉いの?」
「ああ、殿の娘御だからな。」
…おっと、僕何気にまた王族の人と関わってたんだ。
「いやぁ…綺麗だよね廉ちゃん!」
「こう見えても俺と姫様は幼馴染なのだぞ。父上が昔、殿のおそば近く仕えておってな。おれもよく連れられて行っては姫様の遊び相手をさせられたものだ。」
「ヘェ…」
「いや遊んだというより手荒くこき使われたのだが…」
「いや、わかりますよ?女の子ってすぐにこき使いますよね。子供の頃は特に。」
しずちゃんとかしずちゃんとかしずちゃんとか…本人が居たら絶対に感づかれてブチ蹴られるけど。
「廉ちゃ~ん」
「俺も15の時からは戦に出ようになったのでお会いすることも少なったがいやァ…本当に美しくなられた。」
気持ちはわかる、しずちゃんは昔も今も正義感は人一倍あるし。見た目はすっごく可愛くなってきてるし。何なら今じゃ、学校美人ランキング殿堂入りだもん。…まぁ、美夜子さん、万陽奈さん、ウタ、直ちゃんも殿堂入りしてるんだけど。
「他国の殿が何人も嫁に欲しいと言って来ておるが…なかなかお気に召す話がないようでな。全くわがままな姫だ。」
…幼馴染を好きだから断ってるとか?いやまぁ、それはわかんないけど
「しんちゃん、あっちに居ますよ?」
「ん?おい!こっちだ!」
しんちゃんは話も聞かずにずっとのろけてたから曲がらずにまっすぐ行ってた。僕も今気づいたんだけどね。
――――――――――
「ヘェ、お城の中に住んでるんだ!」
あれ?僕のお爺ちゃん(母方)のお家と同じ外観にそっくり。そっかその辺は変わらないんだ。僕としんちゃんは練馬区に住んでるから新鮮だけど。
「仁右衛門、お里。」
あ、あのおじさん、又兵衛さんと一緒に居た人だ。
「お帰んなさいませ。」
「しんのすけとのび太を預かることになった。」
「よろしくお願いします」
「くるしゅうないゾ!」
「あ~あ、嫁もいないのに子持ちになっちまって。」
「あんた。」
やっぱり中も田舎のお爺ちゃん家に似てた。
「お前達の住んでる家とはだいぶ様子が違うか?」
「いえいえ、田舎のお爺ちゃん家に似てます。」
「オラのも!」
「ほう、意外と変わらんもんだな。」
都市部に遠のくほどに車や新幹線は通れない場所もあるし、何より山が多いからポツンと一軒家とかもある。その辺はこの時代と変わらないかもしれない。22世紀は全部変わってるから驚いたけど、100年で変わりすぎだけどね。
「着替えてくる。お前たちは部屋で待ってろ。」
「はい。」
「うん!」
「しんちゃんは寂しくないの?」
「何が?」
「お父さんやお母さんと離れ離れで。」
「外国に遊びに行った時もジャングルで迷った時も案外楽しかったゾ!」
…ま、他の5歳児とはちょっと違うし、足軽相手にもあんなに翻弄してたから杞憂かな。
ガラ!
あ、又兵衛さんが戻って来た。
「何かがらんとしてるね!」
「俺と仁右衛門たちだけだからな。」
「他の家族は?」
「皆、死んだ。」
…又兵衛さんが言うには母親は病で、父親、兄、弟は戦で亡くなったらしい。…ここは戦国時代、親族もいつ誰が亡くなるかわからない時代だし。病気に至ってはワクチンや薬がない。
「お前たちの家族は?」
「みんなお元気だよ!」
「僕の方も元気です。」
「それは何よりじゃ。」
又兵衛さんは家族を失っている。だからこそ顔も言葉も重みを感じる…
「でもこの国の人だからって事もあります。」
「武蔵野国は無くなり、大きな国となったと言っておったな。」
「はい。さっきも説明したように今の時代では日本は平和です。ですが他の国は今でも戦争が起きています。」
殿様に話さなかったけど、又兵衛さんには日本や世界の事を話していた。織田信長が火縄銃をこの国に持ってきたから、又兵衛さんも外の事を知っていたらしい。
「それはいいけどさ!お嫁さんはいないの?」
…うわ、ダイレクトに聞いたなこの子。
「ん、ん~…ああ、よいか、しんのすけ!のび太!俺は武士だ!妻や子があればこの世に未練が生まれる。そうなっては戦場では充分な働きは発揮できない!」
「男が好きなの!?」
「そう言う事じゃないでしょ」
「そうじゃ!!俺は武士の心構えを…!!!」
「イャーン!よきにはからえ~ン!」
どこからその言葉を覚えてるんだろホントに、意味わかってないでしょ?
「違うと申すに!俺はおなごが好きじゃ!!」
「又兵衛さんも変にカミングアウトしないでください!ペース乱れてます!」
「…そうじゃな。」
「おなごが好きなら早く嫁をもらったがよいわ。」
仁右衛門さんが外から話しかけてきた。
「しんのすけ、のび太。このだんなはな。戦場でこそ、鬼と恐れられておるがおなごが相手じゃとどうしょうもない臆病者なんじゃ。」
あれれ?おかしいな、又兵衛さんの事言われてるはずなのに僕にぶっ刺さってるんだけど!?
「やめんか!」
「ほ~それはお困りでしょうにぃ!」
「こやつ言うわ。若、尤もらしい事を言っておっても井尻の家名が途絶えたら何もならんぞ!」
し、死活問題ではあるんだ。武家には武家のお家騒動があるんだね。
「む…むぅ…」
「御父上が生きておったら、さぞお嘆きじゃろうて。いててててて!!」
と仁右衛門さんは耳を引っぱられ怒られながら連れてかれた。
「おお~、昔も女房が強かったんだね~!」
「あの夫婦も倅を戦で亡くしておるのじゃ。」
「そうなんですか。」
―――――――
そして、夕方この時代に来て、一夜を迎えるんだ。やっぱり、電気なんてものはないから辺りは暗い。しんちゃんは縁側で外を見ていた。やっぱり寂しいのかな。
「案ずるな、しんのすけ。来れたのだから必ず帰れる。父母が恋しかろうがしばし我慢してくれ。」
「オラ、平気!」
「そうか、強いな。」
「おじさんこそ大変だね!お家族もいないし!お嫁さんももらえないし!」
「大きなお世話じゃ!」
いいこと言うと思ったのにしんちゃんは絶対余計な一言を言うよね。
「オラ…腹減った。」
「ここに来て何も食べてないね。」
「うん。」
「よし、メシにしよう!すぐじゃ!お~い飯だ!飯はまだか!」
と又兵衛さんはちょっと忙しなく、仁右衛門さんたちに言ってたけど、仁右衛門さんはちょっと怒ってた。
「…お里かれぇとやらを作れるか?」
「あの魚の?」
「あ、違う、かれぇとは…こう良き匂いがして得も言われぬ味の…」
この時代にその材料がないから作れようがないだけどね。鰈はこの時代から食べられてるんだ。
「ではすき焼きはどうじゃ!豚カツでもいいぞ!!」
「「ハハハ…」」
僕としんちゃんはもたつく又兵衛さんに笑った。カレーは食べたいなぁ。すき焼きはしょうゆや砂糖があれば、とんかつはパン粉があればできるけど…まぁ、この時代どれもこれも高級食材だから無理か。
「嫁にでも作ってもらうがよいわ。」
「こいつまたそれを!!」
雷神「はい終わり。」
銀「日常系だな。」
雷神「ここのシーン意外と好きなんだよね。今見たらあの哀愁に満ちた又兵衛さんの顔にうるっと来る。」
ウタ「家族を失うのは悲しいしね。」
雷神「ウタが言うと説得力がありすぎる。」
銀「やめろ辞めろ、家族の話は。」
雷神「銀さんは孤児だったね。」
銀「まぁな、あの人のおかげで生きてこれたが。」
雷神「どこを間違えてこんな皮肉人になったのやら」
銀「サイコロステーキにするぞおい。」
雷神「冗談だよ。」
ウタ「じゃあ、次回もお楽しみに!」
アッパレ戦国大合戦の次は同率だった、日本誕生です。その次はどれがいいですか?
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