「どうか…どうか…!!お戯れが過ぎます!!」
土下座になって、又兵衛さんは息遣いを荒くして心の底から叫んでいた。廉姫様は乙女な顔になって、後ろを振り向く。
「「「「「「……」」」」」」
えげつないラブコメを見せられた僕達は時が停まったかのようになってた。
「おい、しんのすけ、のび太。」
「てい!おじさんの嘘つき!」
脛を蹴った。まぁ、又兵衛さんと廉姫様のあれを見ればやっぱり怒っちゃうかぁ。
「ウソではない!それより、お前達は何故ここにいる?」
「あ~あ!」
「まぁまぁ、しんちゃん怒んない怒んない。」
「だって、師匠あのしょぼくれ侍!!」
「わかったから。この子達の秘密の場所って言うのがこの場所で、そんで僕達が最初に来たとこなんです。」
「「そうだったのか。あ…」」
「……」
2人合わせて言うもんだから顔が赤くなった。それを見たしんちゃんはさらに嫉妬する。スーパーサイヤ人ゴッドになるんじゃないかってくらいのオーラにオオマサを含めた5人の子供たちは若干引いていた。僕もだけど。
――――――――
僕達は文箱を埋めるために穴を掘っていた。
「不思議な縁じゃの。ここにしんのすけの家が建つとは…」
「この泉もいずれ枯れるのだな。」
「うん。…多分。」
又兵衛さんはめっちゃ廉姫様を見ていて、それを見ていたしんちゃんが不機嫌気味に又兵衛さんを見ながら返事すると、又兵衛さんは…
「さあ、よかろう。しんのすけ…文箱を。」
目と話を逸らした。わっかりやすい。それで文箱を入れて、また埋め直した。僕達は手を泉で洗っていた。
「い!?」
「のび太君!!」
「ふんぎゃ!?」
いきなり背中に重みが出て変な声を出して泉に落ちそうになった。
「誰!?あれ?ドラえもん?それに和人、しずちゃん、美夜子さん、直ちゃんも!」
振り向いたら、見知った顔が5人いたからびっくりした。
「とーちゃん、かーちゃん!?いくら何でも早過ぎるゾ。」
「埋めた場所にみんなが現れてるし。きっかけは文箱かな?」
「って冷静に分析すんな。巻き込まれ体質!!」
「そうよ!心配したんだから!」
「のび兄が無事でよかった…」
「のっちゃん、今度居なくなったら蹴り飛ばす。」
和人は僕の言葉にツッコみ、美夜子さんと直ちゃんは大変安心した顔で僕を見ていて。しずちゃんに至っては物騒過ぎるし、僕不可抗力なんだけど。
「しんのすけ!」
「しんのすけ!!」
としんちゃんの両親と思われる人たちがしんちゃんを抱きしめた。そして
「「戻れ!戻れ!戻れ戻れ!!」」
2人はそう唱える。けどま、戻れないよね~
「戻れぬなら、ひとまず城へ来たらどうか。」
「だって、どーする?とーちゃん。」
「いかがでしょう?」
廉姫様が問いかけると顔をきりっとさせてから太い声で返答した。
「…男ってやつは。」
「本当に。」
「美人に」
「「「弱い」」」
「やっぱりドストレート。」
ジト目であの人を見る3人、おそロシア。
「のっ君、下手な洒落はいらないから。」
「理不尽。っていうかドラえもん。何で[タイムマシン]でこっちに来なかったのさ。」
僕は今なお僕に抱き着いてるドラえもんに聞いた。ドラえもんが言うには僕の居場所がここで[タイムマシン]でこの時代に行ったは行ったけど、そこには見たこともないドラゴンみたいなのがいて、この時代に入れなかったらしい。
「何そのドラゴンみたいなのって。」
「そう表現した方が一番しっくりくるんだよね。」
「そうだな。」
「うん、この時代周辺が特にやばかったんだよ?ヴァサゴに[タイムマシン]で追いかけられた時並みの全速力で逃げたんだから。」
「[タイムマシン]よく壊れなかったね。」
「去年より、パワーアップさせてるからそこは問題なし。」
「そっか…ていうかそろそろ降りてくれない?暑い。」
「あ、ごめんごめん。」
「「…タヌキが喋っておる…」」
又兵衛さんと廉姫様はお約束な言葉をぼそっと言った。
「僕はタヌキじゃない!!猫型ロボット!!」
「…この者が絡繰人形なのか?」
「そうですね。」
「ほう。感情豊かになるとは…未来は安泰だな。」
廉姫様はドラえもんの頭を撫でた。
「ゴロニャーゴ♪」
「「「「「本当に男って奴は…」」」」」
懐柔されたドラえもんを見て、しずちゃん、美夜子さん、直ちゃん、ねねちゃん、すずえちゃんはジト目で見る。何か増えたんだけど。
「…ってこの子、うちに似てる!」
「初めまして、すずなと申します。」
「…万陽奈に似てるわね。」
「それに他の子もあの子達に似てるご先祖様?」
「そうみたい。」
「ヘェ…」
とりあえず僕達は自己紹介をしてからしずちゃん、美夜子さん、直ちゃん、廉姫様と子供たちはひろしさんの車に乗った。僕、和人、ドラえもんは、タケコプター、又兵衛さんは2匹の馬を引くから馬に乗る。
「[スモールライト]で小さくする?」
「又兵衛さんには少しお仕置きしたいんだってしんちゃんが。」
「お仕置き?」
「おじさんは廉ちゃんを…」
「バカやめんか!馬を引くから気にするな!」
又兵衛さんは顔を赤くしながら馬に乗って先導する。
「それにしても、それは空は飛べ、あれは飛ばんのじゃな?」
「あっちは馬の代わりの奴ですね。」
「免許って言う、こっちで言う巻物がないと軽々しく乗れません。」
「何故じゃ?」
「見ての通りあれは鉄って言う物質でできています。集中をしないと事故が起きて人一人の命を簡単に奪える代物です。」
自動車は、便利だけど、だいたい事故が多発する。この前だって、小学一年生の子が突っ込んできた車に轢かれて亡くなった事件だってあるし。
「…戦国の世でも危険が伴うと言うのにそっちの世界でも意外と危ないんじゃな。」
「だからこそ、22世紀ではそんな事故が起きないようにこの[タケコプター]や[空飛ぶ絨毯]が開発されたんです。」
「ほう…ん?」
「どうした…あ。」
又兵衛さんが前の方を向いて、僕達を後ろに回した。前から来てるのはさっきの野伏のリーダー格の男と儀助の2人だけだった。又兵衛さんは刀に手をやったけど
「違う!聞いてくれ!俺達を旦那の家来にしてくれ!」
「お願いでございます!!」
「何?」
「俺は彦蔵、元大蔵井家足軽。」
「同じく儀助。」
…え?今なんて言った?足軽!?は!?待って、元はとはいえ、階級最下位の人に僕は手こずってたの!?ていうかこの実力で足軽ってやっぱり戦国時代の人ってフィジカルもポテンシャルも高すぎない!?
「勝手は承知だが、旦那のもらった命だ。旦那の為に使いてぇ!」
「他の者たちはどうした?」
確かに他の3人の姿が見えない?
「もらった金子を渡して、国へ帰らせた。俺達は金はいらねぇ。何だってやる!頼む!使ってくれ!」
「又兵衛、私は構わぬぞ!父上には私から言っておく!」
車から降りた廉姫様がそう言った。まぁ、廉姫様が構わないならそれでいいか。又兵衛さんは慈愛に満ちた顔で彼らを見た。やっぱり優しいや、又兵衛さんは。
「じゃあ、キミ達もこれをつけて。」
「「タヌキ?」」
「僕はたぬきじゃなーーーーい!!」
――――――――――
「それにしても…ここは…」
「どうしたの?」
「トキやタンチョウがいるなと思ってな。」
「ああ…」
ボクらの時代ではめっきり姿を見せなくなった鳥や動物を和人は観察していたみたい。
「お、お前達のじ、時代ではいない…のか!?」
彦蔵さんはバランスを取りながら[タケコプター]で飛んでるから言葉が途切れ途切れ、最初にしてはよく頑張ってる。儀助さんはドラえもんに助けてもらってるけど。2人にも僕らの事情は話した。
「そうなんです。僕らの時代ではいない動物だらけです」
「ほう、何故そなたらの時代にはいないんじゃ?」
「…環境汚染ですかね。」
「「「環境汚染?」」」
ドラえもんの言葉に聞き慣れてないのか反復する3人。
「僕らの時代では工場のヘドロ、車に使われるガソリンって言う油の排気ガスなどが出て来たことによって、汚い空気や海になってるんです。」
「そうなのか?」
「はい。動物たちはその空気を吸い込んで死滅したり、姿を隠したんです。それだけじゃありません。今問題になってるのは緑が消えていることなんです。」
「森などか?」
「はい、人によって伐採された木は何年もかけないとまた元通りになりません。地球は二酸化炭素を木や草の光合成によって新しい酸素を作っています。その緑が消えると言う事は。」
「その循環機能が消えてしまうな。」
「はい、だからこそ。環境汚染は動物や緑を守る取り組みもしている団体や国が多く存在しています。」
「日本は特に頑張ってるんです。」
「この国がか?」
「はい。大切な緑を、動物を守るために日夜頑張ってるんです。」
「…我々も頑張らなくてはな。」
「又兵衛さん達が悪い訳じゃないです。現にこの時代は血こそ流れていますが環境自体は悪くないんですから。」
「そうか。」
「俺達は俺達の好きなようにってわけだな。」
「そうです。」
てあれ?話してるうちに車のスピードが上がった。ま、道路交通法がないこの時代なら別に構わないけど…排気ガス…
「大丈夫、未来のガソリンを入れてるから排気ガスはないよ。」
「そうなの?ならいいけど。」
―――――――――
「これは美味い。」
「美味し美味し。」
「なかなか」
「ちと、辛うござるな。」
ドラえもんの[グルメテーブルかけ]でカレーを殿様たちに振る舞っていた。よかった、ドラえもんがメンテナンスに出してなくて。そして、カレーを食べ終わると話をすることになった。
「私の知る限り、春日という名は歴史の表舞台に出て来ませんし、今の春日町…いいえ、練馬区にはこの時代の名残はほとんど残ってません。」
「そうです。22世紀ではさらになくなってしまうので名残もクソもありません。」
「そんなハッキリ言わなくても。」
それを聞いた殿様は少し寂しそうだった。
「虚しいのぉ。戦に明け暮れ国を守っておるが…いずれは消え去る定めか…。どこぞの大国に呑み込まれるやも知れんのォ」
「なれど父上。しんのすけの世界はとても平和の様です。」
「そこよ、わしが虚しいと言ったのは。この乱世に春日のような小国が生き残るには大国と手を結ぶしかない。じゃが、そんな大国のどれもこれもがこの者達の時代には綺麗さっぱり滅び去っていると言う。」
「きっと欲が深すぎたのです。」
「わしもそう思う。…決めた!!廉!此度の大蔵井家からの申し入れ断ることにする。」
「え?よろしいのですか?」
「良い良い!大蔵井と同盟を結んだところで対等な立場にはなれん。それに大蔵井高虎という男、なかなかやり手らしいが。どうも非情な所があって、わしゃ好きになれん。」
私怨入ってるね。
「高虎様は承知するでしょうか?戦などになりやしませぬか?」
「そんな事、お前が心配せずとも良い。奥や息子たちを亡くしたわしにはお前しかおらぬ。今しばし、わしの元に居てくれ。」
「はい」
…まぁ、ハッキリ言ってしまえば大蔵井家も僕らの時代では有名な武家でもない訳だから潰れるんだろうけどね。
「ひろし、のび太、ドラえもんよ。おぬしたちの話を聞いて、腹が決まった。かたじけない。」
「あ…あ、いえ。」
僕達は殿様の部屋から出ていく。ひろしさんは浮かない顔をしてる。
「どうしたの?」
「早く戻らねぇとあの本の通りになりそうだなってよ。」
「一回あそこに行って戻ってみます?」
「…いや無理だろうな。未来の道具を弾くような力だし…」
「ねぇとーちゃん。もし帰れなかったら侍になる?」
「いや、せいぜい足軽だろうな。」
「別に侍にならずとも良いのだぞ?」
「そうなんですか?」
「農家を目指してもよいのだ。ひろし。」
「…はい。」
「とーちゃんの場合は足クサ軽だね」
「ふふふ。うまいうまい!」
「アハハハ…」
家族の中で盛り上がらないでください
雷神「はい終わり。」
銀「またすごいとこで切るな。」
雷神「切る場所で困ってます。」
銀「そうか。」
ウタ「のび太より強い人が足軽なのが驚き。」
雷神「ま、その事完全に忘れてたからのび太よりも強くしちゃって。戦国時代の人達の実力がやばいバケモン級になっちゃったけど。」
ウタ「やばいじゃん、それ。」
雷神「邂逅をさせたいなと思ってる自分がいるけど、今回の事でトラウマになりそう。」
銀「お前の匙加減だろうが。」
雷神「あ、うっす。では次回もお楽しみに。」
アッパレ戦国大合戦の次は同率だった、日本誕生です。その次はどれがいいですか?
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