視点はのび太です。
「あっははははは!!はーっはは…」
夜になり、又兵衛さんの家でプチ宴をしていた。又兵衛さんにビールの美味しさを教えてあげたいとひろしさんが言ったからドラえもんが[グルメテーブルかけ]でビールや牛丼、カレーとかを色々と出していた。
「びぃるとやら気に入った!」
「そりゃよかった!」
「この様に美味なるものは30年生きて来て初めてだ。」
「「「え!?」」」
「俺より年下なの!?」
初耳、そういう話はしてなかったし。30歳に全然見えない。威厳がありすぎて、もっと上かと思ってた。
「てゆうか老けてるぞ。お嫁さんいないうちから老けちゃっておじさんも大変だねェ」
「お、大きなお世話だ。」
「廉ちゃんがお嫁に行かないからってご機嫌になっちゃって。」
「おい。」
「言ってないゾ!」
ははは…確かに廉姫様が結婚しないって聞いた時はニヤつきが止まらないでいたのは事実だし。
「おい。」
「僕も何もしゃべってません!?」
「顔で何を言うておるのかわかる。」
「「「うんうん」」」
これでもかと頷く3人、やめてもらえませんか?それから楽しく宴は続いた。
―――――――
次の日、僕は稽古場で又兵衛さん、彦蔵さんから指南を受けていた。確かに時雨蒼燕流は強い、魔法や覇気を併用しながら使えばさらに強くなるし。でも又兵衛さんや彦蔵さんにも指南を受けてみたかった。
「何故俺達なのだ?お主の師匠も強いのであろう?」
「そうなんですけど、師匠は忙しい身ですし、お二人の剣術技術を盗みたいと思いまして。」
「俺、そんなに強かったか?」
「僕の時雨蒼燕流を見切ったのはあなたぐらいですし。そのあなたより強い又兵衛さんからはさらに吸収できそうなので。よろしくお願いします。」
「「強引だな。」」
「褒めても何も出ませんよ!」
「おまえまでしんのすけみたいなノリをやめろ!」
「ばれました?」
そして僕の剣さばきを見てもらうことになった。時雨蒼燕流の覚えてる型全部を見てもらった。全部を見てもらうとすっごく渋い顔で又兵衛さんが見ていた。
「御師匠から力を抜けと言われたことはないか?」
「あ、はい、それは何回も言われました。」
ウタの時も精神を研ぎ澄ませたらバリアを破壊できたし。師匠に言われなかったら力押しでずっとぶった斬ってたと思うし。
「そうだろうな。お前には剛でしか剣術をしていない。」
「…た、確かに。ですが、力押しの方が敵を圧倒できますし。」
「それも一理ある、俺も拳で解決する時があるしな。しかし、それだけでは圧倒的な敵には敵うわけないんだ。」
「そうなんですか?」
「そうだ。柔なき剣に強さなどないと言われておるしな。お主の剣技には剛の力しかない。」
「…確かに。」
言われて見れば、時雨蒼燕流の功式は全部力押し全ぶりな気がする。元々からして時雨蒼燕流自体が殺しの剣術だしね。そこは仕方ないかもしれないけど。
「柔の剣術をお前に教える。」
「柔の剣術。」
「ああ、刀を抜け。」
「はい。」
僕は時雨金時を抜いた。又兵衛さんも抜いた。
「少し、俺に攻撃してみるといい。」
そう言われたから又兵衛さんにとりあえず普通に踏み込んで縦斬り。又兵衛さんはそれを刀で受けた。こちらのことを観察しているように見える…なんだか受け止められた時の感触がおかしかった。時雨金時の重量は他の刀より重い。でも今、又兵衛さんの刀にぶつかった時…滅茶苦茶軽かった。
「どうした?」
「少し、違和感があっただけですよ。」
「そうか。及第点だな。」
又兵衛さんに言うと、小さな声で何を言ったけど、一瞬だったからわからかった。
「今の感触を覚えていろ。」
「え?」
「次も来い。」
「あ、はい。」
僕は剣戟をさらに浴びせるけど、やっぱり軽い。刀は確かにぶつかってるし、感触はあるんだけど、スライムを斬ってるような感覚に陥る。
「そこまで。」
「はい。」
「どんな感触だった?」
「何というか、柔らかい物を斬ってる感覚でした。」
「これこそが柔だ。」
「攻撃的なものかと思ってました。」
「そうだな。戦の時にこれを使うのはあまりいない。それと柔の攻撃はこうだ。」
しゅっと、僕の顔を刀が掠めた。え?よく見ると逆刃になってるからものすごいスピードで持ち替えたの!?
「何が起きたという顔だな。」
「そりゃもう。」
「柔の利点はこれじゃ。柔は敵の攻撃を受け流し、すかし、必要以上の力を用いず的確に一本を決めるような剣風だな。」
「…そうか、剣道の基本中の基本ですね。」
「柔なき剣に強さなどない。これこそ侍や武士が心得ていることの一つだ。」
…又兵衛さんの言いたいことはわかる。僕の作った功式も師匠が作った功式も剛、ごり押し型だったし。これは反省点だなァ。まぁ、師匠は師匠で本業は殺し屋でも侍でもないからそこは盲点だろうし。前も言ったけど時雨蒼燕流自体もツナさんを守るために覚えたからね。
「ありがとうございました。」
「いや、お前の時雨蒼燕流。なかなかであったぞ?」
「ありがとうございます。」
「柔を手に入れろ。お前はさらに強くなる。」
又兵衛さんは僕の頭を撫でてくれた。師匠の手よりもごついし、パパの手よりも大きい、戦国時代で戦ってきた又兵衛さんの手は僕の尊敬する人達の手よりも大きかった。
――――――
「大蔵井の軍勢が、こちらに向かっているそうだ!そなたたちは早く城を出ろ!」
「やっぱり攻めてきたんですか!」
「早く支度を!」
僕が戻ってくると、廉姫様が吉乃さんと一緒に焦った顔でそう言っていた。又兵衛さんは家臣の人に呼ばれて、城に向かってから戻ると言っていた。
「どうしたの?」
「のび太!おぬしも支度を!」
「姫様、お待ちを。岩月などの隣国も大蔵井と示し合わせ。兵を動かしてる様子。かような目立つ者達が外を出るのはかえって危のうございます。」
なるほど、又兵衛さんはそれを言われたんだ。確かに僕らが急いで出ていくと狙われやすいかもしれない。ドラえもんの道具や美夜子さんの魔法、しずちゃんの魚人空手、魔法、僕の魔法なんかで銃弾は弾けれるけど。
「行かないの?」
「行けないの。」
「ほっほ~い!何か盛り上がって来たゾ!」
――――――――
夕方、城下町の人達は荷造りをしてから城に逃げ込んできた。篭城の時は女性や子供はこの一曲輪に避難することになっているらしい。廉姫様が教えてくれた。
「それにしても不思議。」
「どうしたんですか?」
「北と南で生まれた2人が江戸で出会い、夫婦となって春日の私の一番好きな場所に住んでいるなんて…」
「「ああ…」」
「だからこそ、あなたたち家族はそんなにも仲睦まじく幸せなのだと思いたい。」
「ですかね。」
「まぁ、色々言えないこともありますが」
「おい。」
「だとしたら私はうれしい。本当に…」
…野原一家は本当に仲がいい。家族で冒険をしてるくらいだもんね。…いつかママやパパが冒険について行くこともあるのかな。そうだとしたら何もなく冒険をしたい。家族で冒険ってのもいいかもしれないし。
「それはいいわね。私は賛成よ。」
「でしょ?」
「そう言えば、美夜子は魔法を使えると聞いた。どんなのを持ってるのだ?」
「攻撃系なのがだいたいですが…心の声がばっちり聞こえますね。常時開放型の魔法です。」
「…と、と言う事は?」
「廉さんの気持ちもばっちり聞こえてます。」
「そ、そうか。」
少しドン引きする廉姫様、まぁ、僕は慣れてしまったから何とも思わないけど、他の人からしてみればドン引いちゃうよね~
ぎゅーーーーーー
「いってえええええ!!?」
「のっ君、聞こえてるの知っていながらよくもぺらぺらと」
「ごめんなさい。」
「はっはっは!のび太も女子には弱いのだな!」
「じゃあ、美夜子ちゃん。旦那が何考えてるかおしえて。」
「い!?」
「…言えばみさえさん、殺しちゃうかも。」
「…。」
一体何を聞こえてるんだか、みさえさんはめっちゃ睨みつけてる。ひろしさんはさらに縮こまった。まさに蛇に睨まれた蛙の如くだね。
「きっと…きっと帰れます。強い味方もいますし。」
廉姫様はドラえもんを見ながらそう言った。ちなみにドラえもんは戦に参戦することになってる。殺しをよしとしない廉姫様が殿様や武将さんに懇願したんだとか。ドラえもんが居たらオーバーキルな気がするけど。
「あなた達に不幸は似合いません。」
「廉ちゃんも不幸は似合わないぜうひゃ~、へへへへ。」
しんちゃんも廉姫様と又兵衛さんが両想いと知っても相変わらず、廉姫様にアプローチかけてる。ま、これはこれでいいか。
「ふふ…
雷神「終わり。」
銀「柔なき剣ね。」
雷神「剛一刀だった銀さんには耳が痛いね。」
銀「俺は流派を持ってねぇし。」
雷神「銀ノ魂流?」
銀「それはこの小説中の俺だっての。いやあれはおれじゃねェか。」
雷神「似て非なる人だからね。」
銀「そろそろ、クライマックス行きそうだな。」
雷神「せやせや」
銀「頑張れよ。」
雷神「おう!では次回もお楽しみに!」
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