ドラえもん のび太の彼らとの大冒険   作:雷神 テンペスタ

15 / 111
視点はのび太です


第10話魔界大冒険〜魔界歴程争奪戦と偽物〜

「…ん?」

 

僕は何だか美夜子さんに呼ばれた気がした。何だろう嫌な予感がする…

 

「どうしたの?のび太君?」

 

「…何か、美夜子さんに呼ばれた気がして…」

 

ドラえもんに聞かれたので、ご飯を食べながらパパとママに聞こえないようにそう言った。

 

「美夜子さんが?そんな馬鹿な。僕達は魔法を使えないんだよ?美夜子さんの声が聞こえるもんか」

 

「何かの間違いじゃないか?」

 

「そうだよ。のびちゃん…まぁ、さっきまでその事について話し合ってたから心配なのはわかるけど。」

 

「のび兄…」

 

ドラえもん、和人、あーちゃんはそう言ってきた。直ちゃんは心配そうに見つめた。まぁ、確かに気のせいかもしれないからね。その時だった…

 

カタ…カタ…カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ!!!!

 

急に揺れだした。地震だ。この地震は昼間のよりもひどい揺れ方をしていた…僕達は机の下に潜り込み地震が収まるを待った。その後地震が収まり一目散に居間に行きテレビを…付けられなかった…いやなんでだよ!?

 

「何してるんだ?テレビの点け方も忘れたのか?スイッチに触れて念力を送るんだよ。」

 

パパが丁寧にそう言ってくれて、テレビを点けてくれた。ニュースには超大型の台風がこちらに迫っていると報道されていたが、さっきの地震の速報が入った。震源地は樹海の森の奥地と言っていた…そこって!

 

「美夜子さんがいる教会の近くだ。」

 

「のび太」

 

「うん…あーちゃんと直ちゃんは待ってて、嫌な予感がするから」

 

「でも」

 

「私達も」

 

あーちゃん達は心配そうにこちらを向いてきた。

 

「大丈夫さ…美夜子さん達が無事なら一緒に連れて帰る…だから心配しないの」

 

僕はあーちゃんに向かってそう言った。あーちゃんはまだ少し不安そうだが、こう言った。

 

「絶対よ!のびちゃん!和人君!ドラちゃん…美夜子さんをどうか連れてきてね!」

 

「のび兄!絶対だよ!」

 

「「「ああ(うん)!!」」」

 

僕、和人、ドラえもんは、タケコプターで美夜子さんと満月牧師がいるであろう樹海へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして樹海の中に入り、教会の近くに来たが…

 

「これは…」

 

「ひどいな…」

 

「教会がなくなってる…」

 

僕達が着いた時にはもう教会も、美夜子さんも、満月牧師の姿はなかった。

 

「美夜子さーーーん!!」

 

「美夜子さん!!!」

 

「満月牧師ーーー!!」

 

僕達は大声を上げて、2人を探していた。しかし2人の声は聞こえなかった。

 

「戦った後がある…一体何が起きたんだ?」

 

ドラえもんは、周りを見てからそう言った。

 

「何かが美夜子さん達に襲いかかったって事か?」

 

「多分ね。…?ぎゃああああ!!ネズミ!?」

 

ドラえもんが急に飛び上がって、どうやらネズミが出たようだ…そういえばドラえもんの耳がないのはネズミにかじられたって言ってたけな。

 

「チュウ…?チュ?チュウ!!!」

 

そのネズミは、ピンク色のした体を持っていた…何かどっかで見たようなぁ…

 

「何で!!こんな所に!いるんだよーーー!!」

 

「いいから落ち着けよ!!」

 

ドラえもんは、すごく跳び回っていた。いやどんな反射運動だよ…

 

「だぁぁ!!!ばぁ!?」

 

ドラえもんは、何かに当たったらしく、こちらに反動で帰ってきた、その方向を見るとそこには…

 

『ぶおおおおおおおおおおおおん!!』

 

ドラゴンがいた。僕達は咄嗟に動きドラゴンの攻撃を避けた。自分でもびっくりなくらい避けれたのが奇跡だった…って前の黒マスクの男(ヴァサゴ)の時でも反射神経はよかった気はする。

 

「お前らも小娘の仲間か!」

 

僕達に言ってきたのは、ドラゴンの上に乗っていた悪魔だった。テンプレな悪魔の容姿だなって思ってたのは余談だよ…その悪魔も手からビームを出して、攻撃してきた。そのビームが和人の目前まで来るとドラえもんがマントのような物を持ってビームを打ち返した。

 

「これは[ひらりマント]!目の前に迫ってくる物に対してこのマントを振りかざすと、闘牛士のマントの如く、どんな標的でも回避したり跳ね返すことができる。跳ね返せるのは物体等の物理攻撃だけではなく、衝撃波や光線などの不定形なもの、更には魔法にも効果がある!電磁波の反発を利用した道具で静止している物体でも、こちらからマントを振りかざせば向きを変えたり吹き飛ばすことが出来るんだ!」

 

「長々と説明ご苦労さん!!」

 

「チッ…もう一回だ!!」

 

今度は僕に標的を変えたのか僕に向かって撃っていた。

 

「ダメだ!間に合わない!!」

 

「のび太!!」

 

ビームは僕の目前まで来たが、氷の巨塔が僕を守ってくれた。下を見ると美夜子さんが悪魔を睨みつけていた

 

「美夜子さん!?無事だったんだ!!」

 

悪魔は標的を美夜子さんに再度変え特攻して行った。僕達はそれを黙って見てるわけにはいかなかった。加勢するため近づこうとするが美夜子さんが防いだビームがこちらに来て近寄れなかった。そしてビームが氷の巨塔に当たってその部分が溶けてしまい、僕達はそれを避けたが美夜子さんは昼間の猿に襲いかかられて、倒れていたのを見て悪魔が攻撃した。僕は咄嗟にドラえもんが持っていたひらりマントを手に取って、美夜子さんの前に立った。

 

「の、のび太さん!?」

 

「大丈夫だよ!僕が守る!」

 

「あ、ありがとう///」

 

そして、ひらりマントで跳ね返した悪魔の大技は悪魔とドラゴンに直撃し、悪魔はこの世を去った。

 

「大丈夫?美夜子さん…?」

 

「え、ええ…大丈夫よ?」

 

あれ?何か美夜子さん…違う?

 

「のび太!美夜子さん!」

 

「大丈夫!?」

 

和人とドラえもんが上から下へと降りてきた。

 

「ごめんなさい。あなた達を巻き込むつもりはなかったの。」

 

「ふぅ…美夜子さん、あれが悪魔なんですね?」

 

「ええ…私も初めて見たけどね。」

 

「…満月牧師は?」

 

「悪魔族が教会ごと異空間へ連れ去ってしまったの…」

 

美夜子さんは立ち上がり上を見ながら、そう淡々と言った。

 

「そんな…」

 

「私だけは運良く逃げられたんだけど。さっきの悪魔に見つかって追われていたの。でもこの古文書は無事だったわ。魔界歴程を探し出せば、悪魔族の力を封印する方法がわかるわ。それを持って魔界星へ乗り込めば…」

 

美夜子さんは、決意した目でそう言った。

 

「大魔王デマオンを倒さない限り彼らはきっとここへ来るわ。それにパパを助けることも…」

 

僕は美夜子さんの言葉に少し考えさせられた。このまま行ってしまっていいのだろうか。何か他にも方法が…

 

「いきなりでごめんなさい、でもお願い!3人とも!」

 

「気持ちはわかります。協力もします。けど…4人だけで何ができるんですか?」

 

和人がそう言った。確かに今の人数では蟻が人間に戦いを挑むようなものだから、和人もそう思い言ったのだろう。美夜子さんは少し暗い顔になり、こう続けた。

 

「そうよね…やっぱりあなた達を巻き込むのはひどいわよね。これは私の問題だわ。」

 

「み、美夜子さん?」

 

 

ピーーーーーーーーーー!!!

 

そう言うと美夜子さんは口笛を吹いた。次に絨毯がこちらに来た。

 

「ごめんね?さようなら…」

 

「ま、待って!!」

 

「美夜子さん!!」

 

美夜子さんは、そのまま絨毯に乗り雲の上に飛んで行った…僕達はなにも出来ずに場を後にした…さっきのネズミが付いてきてることも気づかずに…

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

「のびちゃん!!美夜子さんは!?」

 

「のび兄!」

 

家に帰るとあーちゃんと直ちゃんが玄関の前で待っていた。

 

「…美夜子さんには会ったよ…」

 

「…でも…行ってしまった。」

 

「そんな…」

 

「どこに向かったの…?」

 

「きっと魔界歴程がある所に向かったんだろう。」

 

「…何で止めなかったの!!お兄ちゃん達なら止められたはずでしょ!?」

 

直ちゃんは和人にそう言った。確かに僕達になら止められたはずだ、でも…

 

「止めたかったさ!!でも美夜子さんは止めても、行ってたはずだ!そんな人を止めれない!」

 

「お兄ちゃん…ドラちゃん…これからどうするの?」

 

「とりあえず今日は、もう休もう…明日学校でジャイアン達にも相談して。」

 

「それがいいな…」

 

僕達は美夜子さんの事を考えながら、眠りについた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして次の日、僕達は学校でジャイアン達に昨日の事を話した。

 

「じゃあ、美夜子さんは1人で魔界歴程を取りに行ったのか?」

 

「そうかもしれない…」

 

「…わかんないけどな。」

 

「のび太!和人!」

 

「で、でもさ!流石に魔界星に行くなんて無茶だよ!僕達簡単な物体浮遊術と箒に乗ることしか出来ないんだから!」

 

スネ夫は少し怯えたようにそう言った。

 

「そりゃ…そうだけど…」

 

「足でまといになるだけだよ!」

 

「スネ夫の言う事も最もだ。」

「美夜子さん1人でなんて…」

 

僕達が話していると先生が入ってきて、午後の授業は中止になった…スネ夫とジャイアンは急いで帰って行った。

 

「待って!スネ夫!ジャイアン!」

 

そして僕達も帰ることにした。このまま学校に居ても埒が明かないからだ…。途中からあーちゃんと直ちゃんと合流し、家に入りママが居間から顔を出してきた

 

「のび太!和人君に直葉ちゃん、明日奈ちゃんも!大丈夫だった?」

 

「はい…なんとか。」

 

「翠さんや京子さんも今日は帰れそうにないから今日も皆泊まりなさい。パパも心配だし…」

 

僕達はそれを聞いた後に直ぐに部屋に入った。ドラえもんは窓の外を見ていた。

 

「おかえり皆…」

 

「「「「ただいま」」」」

 

「すごいことになったね。魔界星はどこまで近づいたかな…大地震…巨大台風…」

 

「そして…」

 

「世界の終わりかぁ…」

 

僕達はなんとなく話し始めていた…すると窓から物音が聞こえた。そこには…

 

「野比のび太さん!速達です!!」

 

郵便局の人が箒でこちらを見ていた。

 

「ぼ、僕に?」

 

僕は窓を開けた。大きな風が部屋をめちゃくちゃにしたがなんとか荷物を受け取れた。しかし…

 

「ぎゃああああ!!!」

 

「またネズミか?って前に見たやつだな?」

 

「冷静に言ってないでよ!!鬼は外ビーンズ!!鬼は外!!」

 

ドラえもんが不思議な豆を投げるとあのネズミは外に行き風でどこかに飛ばされた。

 

「ねぇ…あのネズミは?」

 

「昨日教会の近くでいたネズミだよ。」

 

「ふーん、ってのび兄…届いた物って?」

 

僕は直ちゃんに言われると受け取った荷物を見た。それは美夜子さんからの古文書だった。内容は。

 

《私に何かあった時はこれを役立ててください。最後まで迷惑かけてごめんね 美夜子》

 

と書いてあった。

 

「やっぱり…」

 

「美夜子さんは行ったんだね…」

 

「1人で魔界歴程を探しに…」

 

美夜子さん…僕はこれを読み…決心した。美夜子さん1人で魔界歴程を探しに行ったんだ…だから。

 

「のび太君」

 

「のび太…」

 

「うん…行こう」

 

「私も行くよ!」

 

「私だって!!」

 

ドラえもんと和人、あーちゃん、直ちゃんも行く決心がついたようだった。そして…

 

「俺達も行くぜ!」

 

ジャイアン達が部屋を開け入ってきた。

 

「はははっ!覚悟決めたぜ!」

 

「ほ、本当は行きたくなんかないんだけど、けど魔界星が来るのを待つよりは!いっそこっちから!」

 

スネ夫はそう言ってくれた。こっちの世界でも男を見せてくれた。ジャイアンもそう思ったのか、スネ夫の背中を叩いていた。

 

「置いてかないで!」

 

声が聞こえ外にはしずちゃんが風に吹かれて入るに入れないでいた。咄嗟に僕とジャイアンがしずちゃんを助けた。

 

「足でまといになるだけかもしれない、けどやっぱりじっとなんかしてられないわ!」

 

「しずちゃん…」

 

どの世界にいたとしても、性格も違うとしてもしずちゃんはやっぱりしずちゃんだった。

 

「よーし!そうと決まったら、これだ!魔法帽子!」

 

「何だ?何かすごい魔法でも使えるのか?」

 

ドラえもんが何やらすごいのを出したので、和人が聞いていた。

 

「ううん。ただの飾り」

 

返ってきた答えは、ただの飾りだと…ははっ♪

 

「いっぺん死んでみる?」

 

「物騒な事を笑顔で言わないでよ!?」

 

「…ともかく行くぞ」

 

「気分の問題だったんだけどなぁ。[どこでもドア]〜!」

 

ドラえもんがぶつくさ言ってから出したのはドアだった…

 

「やっぱり…1回死ぬ?」

 

「だから物騒な事を言わないでよ!?このドアは行き先を言えばその場所に行けるんだ!美夜子さんの所まで行って驚かそう!」

 

「それはいいかもしれないけど。」

 

「危なくないか?」

 

「大丈夫でしょ!じゃあ、行くよ!美夜子さんの所まで!!」

 

ドラえもんがドアを開けるとそこは…

 

ビューーーーーー!!!

 

 

絨毯の上だった。それも高速で動いている。

 

「え!?」

 

美夜子さんが前に居て僕達に驚いていた。よかったねドラえもん、美夜子さん驚いたみたいだよ!?僕達も驚いたけどね!?

 

「うわぁぁ!?」

 

「またこんなのーー!?」

 

そして周りを見ると氷の世界が広がっており、周りにはドラゴンと悪魔の大軍が大勢いた

 

「皆!来てくれたの!」

 

美夜子さんはそう言ったけどね。今すごい事になってるんだよ!?ドアから出た時落ちそうになっていたスネ夫と僕はジャイアンに掴まれてる状態になってる

 

「来るんじゃなかったーーー!」

 

スネ夫はそう言った…まぁ確かにね!?誰がこの状態になると予想した!?

 

「スネ夫暴れんじゃねー!!」

 

「のび太もしっかりしろ!!」

 

「洞窟を見つけるまで持ちこたえて!!」

 

oh......これをずっと!?スネ夫の足が変色しちゃうよ!?っていうかスネ夫離せってひどいな!?

 

「洞窟!?」

 

「魔界歴程はその中よ。悪魔が入れないように結界が張ってあるの!」

 

美夜子さんはそう説明してくれた…全然入って来ないけどね!?

 

「この近くなんだけど…雪が多くてどこにあるのか。」

 

そうしてる間に敵の攻撃が来たので、美夜子さんは避けながら探していた。

 

「んー!![ひらりマント]![空気砲]!!和人君!」

 

「あっ…」

 

ドラえもんが出した空気砲が僕の腕に入ってきた…僕がやれと!?

 

「のび太君!![空気砲]には中にボタンがある!それを押して打つんだ!」

 

僕は説明を受け、手の感触で確認すると確かに中にボタンがある。僕は小さな頃から射撃も得意なんだ。そして僕が撃つとドラゴンの一体に命中し落ちていった。そして…

「あれは!」

 

どうやら、落ちたドラゴンのブレスで雪で隠れていた洞窟が出てきた。

 

「見て!あれが魔界歴程がある洞窟よ!私が悪魔達を引き付けてる間にみんなは洞窟の中へ行って魔界歴程をお願い!」

 

「1人じゃ無理だ、僕も手伝う!」

 

「皆!!俺に掴まれ!!」

 

「「「うん!!」」」

 

そして、洞窟の周りに魔法陣が出てきて、ジャイアンがジャンプして僕達は魔法陣から出る光に包まれた。そのままゆっくりと下へと降りて行った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕達は洞窟の中に入っていた。下へ降ろされるとそこには五芒星のマークが掘られた箱があった。

 

「うーん、チンカラホイ!!」

 

「「チンカラホイ!!」」

 

「よし僕も…チンカラホイ!」

 

「「「ひゃ!?」」」

 

「あっ…またやっちゃった…」

 

ジャイアンが物体浮遊術をやったのを皮切りに、スネ夫としずちゃんもやっていたので僕も物体浮遊術をやったが…直ちゃん、あーちゃん、しずちゃんのスカートがまためくられてしまった。

 

「もうのびちゃんは物体浮遊術をやらないこと!!///」

 

「はい!!」

 

あーちゃんにそう言われ、僕は背筋をピーンとしてそう言った…

 

「ってどうするよ…これは…」

 

「そうだなぁ。こういう時はドジなやつがたまたま押すんだけど、な?」

 

「僕の方向かないでよ。僕はそんなにドジじゃな…」

 

じゃないって言う途中で滑ってしまい、なにかボタンを押した。って何でこんな時に限ってドジが発動するんだよ…

 

「あっ…開いた」

 

「ナイスドジだなw」

 

「褒めてないでしょそれ…とにかく持っていこう。」

 

僕らは、そのまま上に行き僕が持っていた空気砲で邪魔な雪を吹っ飛ばしてから外に出た。外には悪魔達の姿は無く、ドラえもんと美夜子さんだけだった。

 

「ドラえもん。悪魔達は?」

 

「それがどっかに消えちゃったんだ」

 

「魔界歴程が怖くて逃げたのよ。きっと」

 

「何だそうか…」

 

「それより魔界歴程は?」

 

…おかしいぞ?悪魔達は魔界歴程を欲していたように美夜子さんを襲っていたというのに、何で僕らが手に入れた途端に引き上げたんだ?そもそも魔界歴程を欲していなかった?いや…それだと何で美夜子さんを襲っていたんだって事になるけど…

 

「へへっ!じゃじゃーん!手に入れたぜ!」

 

考えたってしょうがないな。こうして魔界歴程は手に入ったんだ。ジャイアンは魔界歴程を出して喜んでいた…次の瞬間…

 

「うわっっはぁ!?」

 

ジャイアンが倒れた…他でもない美夜子さんの手によって…

 

「ふっふっふっ…」

 

「み、美夜子さん?」

 

「魔界歴程…確かに貰ったぞ…こんなものは始末せねばならん…我々にとっては邪魔な代物だ…」

 

我々…?まさか…さっきの考えた事が本当なら…

 

「お前…美夜子さんじゃないな!」

 

「ふっ…今更気づいても遅いぞ。ふふふふふ…」

 

美夜子さん…いや謎の人物は笑いながら正体を顕にした…悪魔の容姿だった…

 

「我の名は、メジューサ…大魔王デマオン様の忠実な下僕だ…」

 

「ちっ…最初から仕組んでたって訳か!!!美夜子さんをどこにやった!!」

 

僕は少し口調が変わってしまったが目の前の悪魔…メジューサに向かってそう聞いた。

 

「さぁな…どの道死にゆく者達は知る必要はない!!」

 

そう言って、メジューサは氷の柱を僕らに目掛けて投げつけてきた…がしかし僕はそれを避けると、タケコプターでメジューサの目前まで来た。

 

「ほう…貴様はよく動けるようだな。」

 

「そんなことどうでもいい!!美夜子さんはどこに居るんだ!!」

 

「ふっ…冥土の土産に教えてやろう…愚かな人間よ…あの小娘はネズミにしてやったわ。」

 

「なに!?…まさか!あのネズミが!」

 

メジューサの言う事を信じるならば、思い当たるネズミは一匹いた…あれが美夜子さんだとしたら、ピンク色も納得する。

 

「ふっ…お前もあの世へ行け…」

 

「そう簡単には…」

 

いかないと言いかけたが、そうは言えなかった。言う前にメジューサが魔法を使い僕を皆の所まで飛ばしたからだ…

 

「くっ!!メジューサ!!!」

 

「さらばだ…愚かな人間達よ。フリーズ……スピア!!」

 

僕はそれから記憶が無い…最後に見たのはメジューサの不敵な笑みだった…


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。