そして地球から3日が経ち…僕らの目の前には黒い星…魔界星があった。
「ついに…来たね」
「あれが、魔界星か…」
「あの星の接近を止めるには、悪魔族の王…大魔王デマオンを倒すしか道はないわ。」
美夜子さんは僕達にそう言い聞かせるように、魔界星に顔を向けながらそう言った。
「魔界星を包む黒い炎への入口はただ1箇所に存在する。地球で言うと南極にある場所にある穴から入るらしいわ。ただし、10秒で通り過ぎないと何もかも燃やし尽くしてしまうらしいわ。」
魔界歴程を開き、美夜子さんは魔界星の入口を教えてくれたが、猶予は10秒…10秒以内に入らないと絨毯はもちろん僕らのやき尽くされてしまう。
「10秒か…」
「フルスピードで突っ込んでも、もつかどうか…」
美夜子さんの心配をよそにとうとう炎裂け目までやってきた。その裂け目は、見た目は台風のようだった。
「重力圏に突入するわ!みんな!何かに捕まって!」
そう言われたみんなはなんとか掴んでいたが…僕は何も掴めずすんでのところで転がってしまった…こういう時に不運はいらないんだけど!?…そうこうしてるうちに絨毯は魔界星の重力圏に入りフルスピードで魔界星に突っ込んだけど、やはり炎の威力に負けて絨毯は至る所から、燃えだしたので僕らは急いで脱出し、タケコプターで空を飛び絨毯が南極に激突し爆発した所を見ていた。
「急いで!悪魔達がこれに気づいて、ここに来るかもしれないわ!」
美夜子さんそう言われ、僕らは物陰に隠れその様子を伺っていた。するとほんとに悪魔達が来て、絨毯の周りを取り囲んだ。そして話し終わったのか、再び飛び立ちどこかへ行った、それをスパイ衛生で追跡させた。それはともかくとして…
「さ、寒い…」
「この格好だからなぁ…」
僕らの今の格好は半袖に半ズボンだったので、当たり前だけどすごく寒かった。
「さ、寒いけど、後を追うよ!」
僕達はタケコプターで、悪魔達のあとを追うため飛び立った。しかし…
「…眠い…」
吹雪の中、突然睡魔が襲いかかってきた。ここで寝たら頭が凍って死んでまう…でも僕は知っての通り睡魔には従ってしまうわけで…
「ぐぅ…」
僕はその後の記憶はなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
僕は夢を見ていた…謎のクリームがその手にあり、それを手で少し肌に付けるとそこだけ暖かくなった。どういう夢だよ。そして僕は誰かに呼ばれた気がした。これは夢つまり誰かが起こしてるんだ。
「まぁ、起きるしかないよね。」
僕はそう言った後に目を覚ました。身体が火照っていた。横を見るとドラえもんと和人が2人で僕に何かを塗っていた。
「…和人にドラえもん?」
「あっ!起きたね!今塗ってるのは[あべこべクリーム]!寒いところでこれを塗れば、熱くなるんだ!その逆も然りだよ!」
「すごい!身体中ぽかぽかだわ!」
「あったかいー」
どうやらみんなもそれを塗っていた。あれは夢じゃなかったのか。そして僕達はまた飛び立った。
「見て!南極を抜けるわ!」
南極を抜けると海が広がっていた。それを通り過ぎた。そして…
「気をつけて!あと少しで悪魔達が住む大陸よ!」
美夜子さんがそう言い目の前にあるのは悪魔達が住む陸地があった、僕達は上陸しようとしたしかし…
「あぁ!!タケコプターが!」
僕のタケコプターのバッテリーが切れて、白亜紀の時みたいに回された。それが終わった後に周りを見たらみんなも同じでバッテリーが切れていたようだった。僕達は陸上に急いで行ったら間に合った。そしてその後にスパイ衛生を見ることにした、スパイ衛生に映っていたのはデマオンがいるであろう城だった。
「あれにデマオンが…パパも…」
「どうやって近づくんだ?周りは魔物だらけだぞ?」
和人がそう言うとドラえもんは少し考えてから言った。
「考えがあるよ![モグラ手袋]!」
ドラえもんは手袋を出してから、掘り出した。岩も柔らかく掘れるんだな。僕達は穴に入ってドラえもんの後を追った。美夜子さんがナビゲーションしながらドラえもんは掘り続けていた。途中からジャイアンに変わってからはものすごい勢いで掘り進めれた。そして目的の場所の真下に着き、再びスパイ衛生の映像見ていた、スパイ衛生は悪魔の裾に忍び込んだ。そのまま広い広場まで来たら大きな影がそこにはあった。
「あれは?」
「多分あれが、大魔王デマオンよ。」
あーちゃんが代表して口にした時に美夜子さんがそう説明してくれた。そして再びスパイ衛生の映像に目を移すと。
『地球人達は依然見つかりません。』
『ふふふっ…少しはやるようだな』
デマオンはそう言いながら、手に稲妻を走らせ悪魔…いやスパイ衛生に向けてその稲妻をぶつけた。どうやら見破られたようだった。スパイ衛生からの映像は消えてしまった。
「…映像越しからでも強さがわかるな。」
和人は汗をかきながら、そう言った…実際僕も汗が止まらない。
「大魔王デマオンを倒すには、この銀のダーツを心臓に投げつけること。」
美夜子さんが魔界歴程から出した銀のダーツを出しながら僕達にそう説明した。
「ダーツは12本…今居るのは9人か」
「3つ余っちゃうね…どうする?」
「…公平にジャンケンで行くか。」
僕達は余った3つを誰が持つかを決めるためにジャンケンをした。その結果…
「のび兄とお兄ちゃんと美夜子さんかぁ」
余った3つは僕と和人と美夜子で持つことになった。これに加えて、ドラえもんから月光灯も人数分配られた、ドラえもんは他にも。
「[盲点星効き目長持ち安心バージョン]!これを付けた人は相手の盲点に入ってしまうんだ!」
「盲点って視神経と接続する、網膜上の点。映像がここに結んでも視覚を欠き、その物が見えないってあれか?」
「そうそう!これはそれを意図的にするやつなんだ!つけてみるよ!」
ドラえもんが盲点星を付けるとドラえもんの姿は消えた。それに続き僕らも付けたら完全に皆消えてしまった。ほんとにドラえもんの道具の効力ってすごいね。ある人の言葉を借りるならば…かがくのちからってすげー!
「馬鹿な事考えてるだろ。」
「な、なわけないだろ!」
和人が姿は見えないけど、多分ジト目でこちらに声をかけてきた。何でわかるんだよ…
「じゃあ、みんな行くよ!」
ドラえもんの一声で僕達は地上に向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
地上に出ると、悪魔やドラゴン達がそこら中にいた。途中の階段で悪魔に見つかりそうになったけど、相手は見えてなかったので事なきを得た。
「それにしても広いな」
「とりあえず満月牧師が捕まってる部屋を探そう。」
「でもこんなに広いと探すのも骨だぞ。」
階段を登る途中悪魔と顔が合った。でもやっぱり見えていないようなので、急いで上へと向かった。しかし…
「もう…登ったり降りたりへとへとだよ。」
この城はすごく入り組んでいて、登ったと思ったら、また降りたり、登ったりを繰り返した。直ちゃんが言うのも納得するよ。
「満月牧師〜!」
僕は小さな声で満月牧師を呼んでいた。ドラえもんにたしなめられたがそれでも呼んだ。
「ん〜…?あっちだよ。」
寝ぼけていた悪魔に教えて貰った。いやいや見えてないはずなのに何で顔がかち合ったんだよ!?とりあえず、僕達は言われた方へと進んだ。奥には大きな扉がありそれを開けたがそこにはだだっ広い部屋があるだけで何も無かった。満月牧師の姿も。
「ねぇ…人を閉じ込めておくには広すぎない?」
しばらくそこを歩いてたら、あーちゃんがそう言った…確かにこの部屋は人一人を閉じ込めるには広すぎる気がする…というかここってスパイ衛生が最後に映した部屋にそっくりだ。次の瞬間だった…
『地球人の分際でよくここまで来たな。』
デマオンの声が姿も無く聞こえてきた。僕達は厳戒態勢を取った。僕らの目の前に大魔王デマオンが姿を表した。
「デマオン!!パパはどこなの!」
「満月牧師じゃなかった!あの寝坊助悪魔に騙された!」
「ふふふっ貴様らの姿など、全てお見通しだ!」
デマオンはそう言って、水晶を僕達に向けた。そういう事かあの水晶で僕らの姿を見て、ここまで誘導されたってわけか!!僕達は盲点星を外してからデマオンに向き直った。
「大魔王デマオン!地球侵略を諦めて、引き返しなさい!!」
美夜子さんがそう叫んだ。しかしデマオンは不敵な笑みを浮かべ嘲笑うかのように。
「ふん…それは出来ぬな…地球には我々悪魔族が何千年もの間、狙ってきた獲物…諦めるには美しすぎる星なのだ…」
デマオンは淡々とそう言った。
「ならば覚悟!!」
美夜子さんの合図で僕達は銀のダーツを構えた…しかしデマオンは青や紫といった色の炎を纏った後に僕らの周りにデマオンが増えた。
「本体は一体!他は幻よ!!」
美夜子さんが僕達にそう言った後に銀のダーツを投げたがその先にいたデマオンは幻だった。みんなも次々と投げたがそれも空振りだった。
「くっ!!もう銀のダーツもない!!どうすれば!!」
僕と和人と美夜子さん以外のみんなは銀のダーツを投げ終えたので、もう手持ちに銀のダーツがなかった。他には月光灯…これだ!!
「はっ!!」
僕は月光灯をデマオンに向かい放った。デマオンは幻を消しながら、苦しんでいた。
「何だァ…この光はぁ!?」
「今だ!!」
和人と美夜子さんは銀のダーツを投げた。僕は投げなかった何だかいや予感がしたから。
「う…うわぁぁ!!!…ふふふふ!!!ハハハハハ!!!効かぬ。」
「そんな!?何でなの!?」
確かに2人は心臓に向けて銀のダーツを投げたはずだ…胸の左側に…いや待てよ?
「そこには心臓がないんだな!」
「ふ…その通りだ。」
「くっ!!」
デマオンがそう肯定した後に美夜子さんが走り出した。剣を持って、デマオンに向けて斬りかかったがデマオンは斬られても何事もなかったかのように立ったままだった。そして風を起こし美夜子さんを吹き飛ばした。僕は走り出して美夜子さんを受け止めた。そして僕は美夜子さんが持っていた剣を持ちデマオンに斬りかかった。やはり実体がないようにすり抜けてしまった。
「のび太!無茶するな!!」
「分かってる!でも!」
「ふっ!!虫けらどもめ!!」
僕と和人が話してるうちにデマオンが風の魔法を放ち、僕達は城の壁をぶち破り吹き飛び散り散りなってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「のび太君!!」
「のび太!!」
「…ん…?」
僕はどうやら気を失ってしまってた…ドラえもんと和人の呼び声で目が覚めた。
「早く隠れて!!」
「悪魔族が来る!」
「うわっと!!」
僕はそう言われ、物陰に隠れた。
「みんな!一旦逃げて作戦を練り直しましょう!城の反対方向に森があるのが見える?」
美夜子さんが言った方を見るとほんとに森があった。
「[盲点星]を付けたら全速力であの森を目指して!森の入口で落ち合いましょう!」
僕はそう言われてから、盲点星を付けて走ろうとした。しかし…
「痛い!」
「あーちゃん!?」
走ろうとした時にあーちゃんが隣に居たらしくぶつかってしまった
「ごめん!あれ?何この柔らかいの…?」
「早く手を離して!!」
あーちゃんがすごい形相でこちらを睨んできた。僕は自分の腕の先を見ると僕の手があーちゃんの胸を掴んでいた…ってこんな時まであれって出るの!?じゃなくて!!
「あーちゃんごめん!!」
「もういいわ!!さっさと行くわよ!//」
「はい!?」
少しトラブルが起きたが、僕達は盲点星を付けて走り出した。しかし…
「うわぁ!?」
ジャイアンが…
「ママぁ!!」
スネ夫が…
「いやぁぁ!!!」
しずちゃんが…
「きゃあああ!!」
さっきまで近くにいたあーちゃんも…僕はみんなの悲鳴を聞きながらも走り続けた。こうしないといけないから、でも僕はつまづいてしまいちょっとした穴に落ちてしまった…その時盲点星が砕けてしまった。
「くっ!!ここまでか!!ってうわぁ!?」
僕は捕まるかと思ったけど、身体が宙に浮いた。そのままに僕は洞穴まで来たそこには…
「美夜子さん!?」
美夜子さんがそこにはいた。盲点星を外して、僕を助けてくれた。
「し…」
美夜子さんは、上を見たそこには悪魔達が落ちた洞穴を囲っていた。
「…のび太さんこれを使って。」
「これは…」
美夜子さんが渡してきたのは、美夜子さんが付けていた盲点星だった。待ってよこれって!
「まさか!犠牲になるつもり!?」
「そうよ!私が悪魔達を引きつけるから、その間に!」
「待ってよ!!言っただろ!!守るって!」
僕はそう言った。でも美夜子さんは少し怒りに満ちた顔でこちらを向き。
「あなた魔法が使える!?悪魔と戦える!?ここで2人とも捕まったら誰が地球を守るのよ!!」
「美夜子さん…」
わかってはいた…僕には魔法も戦える道具もない…守るとか言っといて結局は何も出来やしない…
「…ごめんなさい…言いすぎた…とにかく今は逃げて。私ね…最初に会った時のび太さんの事頼りにないなぁって思ってたんだ。でも2人で話した時にあぁ…この人ってこんなに頼れるんだって、3日前の絨毯の時も…それに皆が一緒にいてくれたから、一人じゃなかったから何も怖くなんかなかった。のび太さんと和人さんが言ってくれた時なんてほんとに嬉しかったの。」
美夜子さんはそう語ってくれた。そして涙を流しながら笑い悪魔達がいる所へと飛び出して行った…
「美夜子さーん!!」
僕は涙を流し、再び走り出した。無我夢中で森の方に駆け出した。必ずみんなを助けに戻るから!美夜子さん!!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
森に着き、和人とドラえもんと直ちゃんが後からやって来た、叫び声は聞こえたけど、まだ捕まってないと思って、僕らは空を見上げながら、みんなを待っていた。
「月が…真っ赤だ…血みたいに真っ赤だ…」
ドラえもんは空を見上げながら、そう呟いていた。この魔界星にも月があるとは思ってなかった。
「みんな…来ない…」
「……やっぱり捕まったんだね…」
考えたくはなかった。でも…来ないという事はやっぱり捕まったんだ。
「銀のダーツが使えなかったのは、あそこの部分に心臓がなかったから…どこかにあったんだ。」
「魔界歴程のもう半分があればそれもわかったのかもしれない。」
「……僕がこんな世界にしなければ…」
あの時魔法なんて思い付かなかったらこんなことにはならなかったんだ。僕は魔法ならなんでも出来るって思い込んでいた。これがこの結果だ。
「お前だけ責めるなって…俺達もあの場に居たから、同罪だ…」
「でも!!僕が最後まで駄々を捏ねて!魔法を否定した和人やドラえもん、あーちゃんの言葉を素直に受け取ってなかったから!!」
「私だって、魔法の世界を否定しなかった!もしもボックスを思い付かなかったらって…!」
僕と直ちゃんは罪の意識からか、涙を流しながら言っていた。するとドラえもんが…
「みんな……取り返しはつくかもしれないよ」
「何でだ?もしもボックスはもうないぞ?」
ドラえもんは神妙な顔をして僕らに話しかけた。和人はもしもボックスの事を言ったがドラえもんは…
「…明日奈ちゃんの時みたいに過去に戻って過去の僕らにもしもボックスを使わせないようにするんだよ!」
「…それはどういう意味かわかってるのか!?また時間犯罪に手を染める気か!!」
「世界を救うためにやるんだよ!」
「…くっ…背に腹はかえられんか…でもタイムマシンはのび太の部屋にあるぞ?」
和人も言った通り、今タイムマシンがあるのは僕の部屋の机の中だ。いくらこの星が地球には近づいてるとはいえ、戻るには時間がかかる。
「これを使おう。[取り寄せバッグ]!これはワームホールが内蔵されており、遠くの場所にある物をバッグを通じて手元に取り寄せることができる道具なんだ!地球ののび太君の部屋から机をっと。出た!さぁ、3人とも!」
「「「うん!!」」」
僕らはタイムマシンに乗り超空間に居たしかし…
ビーッ!ビーッ!
「なに?」
「後ろに何かいる…」
タイムマシンから警報がなり、後ろを見てみると
「メジューサ!?ドラえもん!!」
「うん!」
メジューサが超空間を何も無く航行していた。ドラえもんはヴァサゴの時の様に猛スピードで過去の世界に行った。そして僕達は過去の僕の部屋まで来た。
「くそ!まだ追ってくる!!」
「一先ずタケコプター!!」
僕らはタケコプターで逃げようとした…が
「電池切れーー!?」
電池切れなのを忘れていて、落ちた。僕達は箒があったので仕方なくそれを乗ることにした。
「大丈夫なのか!?」
「火事場の馬鹿力ってやつだよ!!」
そう言った瞬間飛べた。上を見るとメデューサがこちらに来たので急いで飛べと言った。
「飛べ!!」
飛べはしたが、やはり4人も乗ってるので上手く飛べずにジグザグに進んでいた。そして僕達はメジューサからの魔法で石になってしまい、ドラえもんと直ちゃんは僕の家へ。僕と和人は木の上に落ちた。そうか…やっぱりあの時の石像は僕らだったんだ…そう思ってるうちに僕らは木の下に落ちて、ジャイアン、スネ夫、しずちゃんがやって来て、しずちゃんがどこかに行き。そのあとに僕達がやって来て僕らを持ち庭へ行き、そのまま放置された…そして夜になり、月が出てきた時だった。
「痛たたぁ…戻った。」
「きっと月の光だ。ってそんなこと言ってる場合じゃない!あと少しでもしもボックスが使われる!」
「早く急ごう!」
僕達は急いで玄関から通り抜けフープっていう道具で中に入り、行こうとしたが…
「あぁぁ!!?月が!!」
「固まるぅ!!」
僕達は再び石になってしまった…
「なーにこのガラクタ?」
「勝手に入ってきたんだよ!」
「庭に置いてあったんですよ!?」
「そんな馬鹿な石が勝手に動くわけないだろ」
「夜中にこんな悪ふざけして、早く片付けなさい!」
僕達はドラえもんのポケットの中にいた…ポケットの中は色んなひみつ道具があった。
『ドラえもん!』
『んー…どうしたらいいんだよ〜…あっ!』
ドラえもんは何かに気づいた。そこには月光灯があった…なるほどあれの光を浴びて元に戻るのか。
『ぐぬぬーー!』
『ドラちゃん!頑張って!』
『おりゃ!』
ドラえもんが少し動いて、月光灯を蹴り飛ばしたそしたら、色んな道具がぶつかった後に月光灯にヒットマンのような道具があたり月光灯は光出して僕達に当たった。
「あおーん!!」
「鳴いてる場合か!!暴れてここのドラえもんに気づかせるんだ!」
「そうだね!!」
僕達はひたすら暴れた。月光灯の効き目が切れるまで…しかし過去のドラえもんには気付かれずにそのまま月光灯の効き目は切れてしまった…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「ーーー太君!のび太君!!」
僕はいつの間にか気を失っていたようだった。ドラえもんに起こされた。でも何で僕達は元の姿に戻ってるんだ?
「この子が助けてくれたんだって!」
直ちゃんが指をさした。その先には黄色いドラえもんより小さなロボットが目の前にいた。
「…はじめまして!私!ドラミ!お兄ちゃんの妹なの!」
「でもどうしてここに来たんだ?」
ドラえもんは疑問に思ったのか。ドラミちゃんに聞いていた。
「セワシさんが言ったの、お兄ちゃんの腹痛の原因は四次元ポケットにあるかもしれないから、スペアポケットで様子を見たらどうだって、そしたら、石になった4人を見つけたってわけ!」
「ドラミー!!」
ドラえもんは感極まってドラミちゃんに抱きついた。ドラミちゃんのお陰で助かったんだ。僕らは兄妹の抱擁を微笑ましくそれを見ていた。
「やめてよもう〜…一体どうなってるの?」
「それは僕から説明するよ。ドラミちゃん。」
僕はドラミちゃんに関節丁寧に事の次第を説明した。
「まぁ、そんな事があったの?じゃあ、これで解決よ!もしもボックス〜!」
ドラミちゃんは即解決とばかりに、もしもボックスを出した。でも僕は少し疑問に思った。
「…疑問なんだけど、これで世界は元に戻るけど、魔法サイドの出来事はどうなっちゃうの?」
「そ、それは…」
ドラえもんは歯切れ悪く、少し申し訳なさそうにしていた。
「つまり
「パラレルワールドって…あの?」
「ダメじゃないか!そんな事したら、美夜子さんを裏切ることになる!それにあーちゃんも置いてくことになっちゃうじゃないか!」
向こうの世界にはあーちゃんもいる。そんな事したら、あーちゃんは置いてけぼりにしてしまう。それに僕は、美夜子さんと…だから…!
「…ドラえもん…和人…直ちゃん…戻ろう…」
「のび太?」
「僕は約束したんだ…美夜子さんのお父さんを助けて、悪魔達から美夜子さんを守るって…誓ったんだ!必ず美夜子さんを助けるって!!」
「俺だってそうだ…忘れるとこだった…」
「私も戻るよ!!私だって、美夜子さんやアス姉達を助けたい!」
「うん…戻ろう!決着をつけるために!」
僕達は決着をつけるために、魔界星に戻った…美夜子さん、みんな!待っててね!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
僕達は魔界星に戻り、まずは絨毯をタイム風呂敷で戻してから、城へと直行した。
「じゃあ、作戦通りにね!」
「「「「うん!!」」」」
僕達はそれぞれ魔界星に行く前に練った作戦通りに行動を開始した。僕はみんなを助ける為和人と共に皆が捕まってる所までやって来た。中にいる悪魔達が出ていった後に僕は通り抜けフープを壁に付けてから、中に入った。
「みんな!」
「助けに来たぞ!」
「「「「「「のび太(のびちゃん)(のび太さん)(のび太君)!?和人(和人君)(和人さん)!?」」」」」」
「って美夜子さん元に戻ってる!」
「そうなの!魔法をパパが解いてくれたの!」
「よかった!」
僕は美夜子さんが人間の姿に戻ったのを見て嬉しくなった。するとドラえもんが後から入ってきた。
「みんな…あれ?美夜子さん元に戻っちゃったの…?」
「ジャキ…何か文句でも?」
ドラえもんがあからさまに落ち込んだのを見て僕はまた空気砲を装着し、突きつけそう言ったらドラえもんはすごい汗をかき
「な、ないです!?」
と全力で言った。ともかく皆を助けることが出来た。
「のび太さん!!」
安心してる間に美夜子さんが抱き着いてきた。ドラえもんが美夜子さんについていた手錠を外したんだろう。
「本当にありがとう!約束を守ってくれて!」
「うん!でもまだ安心は出来ないよ。」
「そうね…行きましょう!」
美夜子さんは笑顔でそう言った。そしてドラえもんが通り抜けフープで外に出たが…
「さぁ、急いで!ドラミが悪魔を引き付けてるうちに…あっ!?」
悪魔の1人とかち合ったやばいな。
「だ、誰だ貴様!ん?星が1つ2つ3つ4つ…!?し、失礼しましたー!?」
「何今の?」
「この帽子が役に立ったみたい…ははは…心臓に悪い。」
そんな事がありながらも、僕らは直った絨毯に乗り、飛んでいた。
「絨毯は燃えたはずなのに!?」
「…僕の魔法さ!」
ドラえもんが疑問に思っていた美夜子さんにそう言った。その後ドラえもんの気球を壊したドラミちゃんを救った。
「ドラちゃん!このまま月に向かうわ!メデューサが月の魔力を消し去るつもりなの!」
「…なるほどね…じゃあ、みんな!中に入って!大丈夫!あべこべクリームを絨毯に塗ってあるから!」
僕達は絨毯の中に入り、炎を突っ切った。そのまま絨毯は月まで直行した。月まで来ると、裏側にメデューサがおり今にも中心部を突き刺そうとしていた。
「まてぇ!!」
「もう遅い…地球は悪魔族の…?」
メデューサの動きが止まった。美夜子さんの方を見ていた…
「やめてぇ!!」
「う…うぅぅぅ!!」
メデューサは急に苦しみ出した。美夜子さんを見てから何だかおかしい。そしてあの猿が苦しむメデューサを押さえつけいた…しかし猿はメデューサにぶん投げられた…仲間割れか?でもメデューサはそのまま剣を月の中心部に突き刺した。月は眩い光を放ち、次の瞬間には月の光が無くなっていた。そして僕達はいつの間にか月に落ちていた。メデューサの方を見ると…
「う、うわぁぁぁ!!?」
メデューサはさっきより苦しんでいた。直に月の光を浴びたせいなのか。
「あれは…嘘…!ママ!」
美夜子さんと満月牧師は、苦しんでいたメデューサの方に走り出した。メデューサの姿はどんどん溶け出して、女性の姿になり倒れかけたところを美夜子さんが受け止めた。あの人はまさか…
「美夜子…!」
「ママ…?」
「こんな…こんな事が…どうしてなんだ…」
「あの時の悪魔と契約を交わした時に私の魂は悪魔に囚われてしまったの…それかずっとデマオンの下で…ごめんなさい…あんな事をするなんて…美夜子の大切な友達まで騙して…でも…貴女を…貴女を助けたかった…だけなの…」
美夜子さんのママは、涙を流しながら美夜子さんや満月牧師にそう言っていた…
「ふふふふ!!ははははは!!!皆の者!!月の魔力は解かれた!!我々の邪魔をする者は生きて帰すな!!!」
デマオンの声が聞こえた。そんな中まだ美夜子さんのママはまだなにか言おうとしていた。
「魔界星に…魔界星に浮かぶ赤い…月…」
「月…?月が何!」
その瞬間また美夜子さんのママが消えそうになったが、なんとか持ちこたえたらしくこう言った。
「それが…デマオンの…心臓!」
「ママ!行かないで!」
美夜子さんのママは力の限り声を振り絞りそう言った…しかしどんどん姿が消えだしていく…
「美夜子…あなたを愛してるわ…大切な人を大事に…ね…」
そう言って美夜子さんのママは完全に消えてしまった…美夜子さんのママはメデューサの姿になったとしても、美夜子さんを見守っていたんだ…魂を捕われたとしても…
「うぅ…」
「くっ……」
僕達は泣いている満月親子を見て…決意をさらに強固なものとした…僕は…いや僕達はアイツらを絶対に許さない!
「「「「「「「「美夜子さん…」」」」」」」」」
僕は後ろを振り向き、美夜子さんが涙を流しながらペンダントを抱きしめていた。僕達は手を出し美夜子さんを呼んだ。美夜子さんと満月牧師は涙を拭き、こちらを向いた。そして美夜子さんが僕の手を握った後にみんなも握り。最終決戦へと身を投じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
僕達は絨毯に乗り、デマオン率いる悪魔族に向かっていった。
「星よ!雷となれ!人間どもを打ち砕け!!」
デマオンは、星を謎の魔法をかけて、僕達を襲わせた。僕らはドラえもんの道具で戦う者と自身の魔法で戦う者に分かれてからそれを打ち破っていた。そして僕達の最終目的である、デマオンの心臓まで近づいた。デマオンも気づいたのか悪魔達に指示していた。
「くそ!キリがない!」
「近づけないわ!
「数が多すぎる!」
「そうだ![どこでもドア]ーーー!!!」
ドラえもんがどこでもドアを出して、心臓の近くまで来た。僕が持ってる銀のダーツを打ち込んだらこれで終わりだ!
「のび兄!決めちゃえ!!」
「やっちゃぇぇえええ!!!」
「おりゃああああ!!」
「[ビッグライト]ーーー!!!」
僕が投げた銀のダーツをドラミちゃんが大きくして、大きくなった銀のダーツはデマオンの心臓に突き刺さった。
「やめろーーーーーーーーーーー!!」
デマオンの心臓は一回脈打ち、そして崩れ始め、魔界星にぶつかり魔界星は完全に消滅した。
「終わったね…」
「うん…のび太さん…本当にありがとう!大好き!」
「えっ…ははは…ってあれ?ペンダントが光ってるよ?」
「これはママの…あぁ!」
美夜子さんの持っている美夜子さんのママのペンダントが光りだして、いい線上になった光が月に向かって行きその光の元なのか…美夜子さんのママのおかげなのかわからないけど、月の魔力と光が元に戻った。それを見届けた。
「やったぁ!」
「のび太やったな!」
「え?あぁ…うん!これでみんなとお別れだね…」
「のび太さん?お別れって?」
「訳は帰ってから説明するよ…それに教会も直さないとね…」
僕は…美夜子さんに疑問を持たれたのか聞かれたが帰ったら話すと言った。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
地球に戻り壊されていた協会を僕達は直した後に湖で美夜子さんと二人きりで話していた。
「まさか…のび太さん達が科学サイドの人間だったなんてね…」
「なかなか言い出せなくてごめんね」
「いいのよ…でも私諦めないからね?」
「この世界には魔法サイド僕もいるんだよ?そっちに…」
僕は言葉を続けられなかった。どうしてかって?それは頬に美夜子さんからキスをされていたから…ってなんで!?
「…これが私の気持ち…確かにこの世界ののび太さんもいる…でも私は科学サイドのあなただったから好きになったの…」
「僕が元に戻したらもう会えなくなるんだよ!」
「この恋を諦めないわ。たとえ別世界なったとしてもね?」
「…はぁ…僕の周りの女の子はほんとに活気だよ…」
「そういえば、科学サイドの静香さんって…」
「元気いっぱいで曲がったことが嫌いな女の子だよ」
「ほんとに性格が違うのね。」
「
「そっかァ…明日奈さんも直葉ちゃんも和人くんも科学サイドなのね?」
「うん…そ「のび太くーん!!」どうやら、時間みたいだね。」
「もうそんな時間か…そうだ!握手しよう!のび太さん!」
「それくらいは…」
僕と美夜子さんは最後に握手をし、和人、あーちゃん、直ちゃん、ドラえもん、ドラミちゃんと一緒にこの世界から化学サイド戻す為に、家に帰るために空を飛んだ。下を見ると美夜子さんは、まだ笑顔で手を振っていた。ありがとう美夜子さんやこの世界の事はかけがえのないものだからね。どんなに離れていても…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
僕達はドラミちゃんのもしもボックスで元の世界に戻した。
「ほんとに戻ったのか?」
「さぁ?じゃあ一応…チンカラーッホイ!」
僕は確かめるため、あーちゃんと直ちゃんに向けてチンカラホイと唱えた…
「何も起きないね…でもねのびちゃん…何で私達に向けてやったのかなぁ?」
「いやぁなんとなくなだよ…ははは」
「笑って誤魔化さないの!もう…あっ。」
「どうしたの?…あっ。」
あーちゃんが居間の方を見て止まったからそこを見るとテレビに取材陣に囲まれているこの世界の満月教授と遠くでその様子を見ている美夜子さんが映っていた…。内容的には突如としてブラックホールが、出てきたけど、消えたらしい…あの世界の魔界の件がこっちの世界にも影響していたのか…
「こっちの世界もえらいことになってたんだな。」
和人が驚いた顔をしてそう呟いていた。僕も実際驚いてる。魔界の事や美夜子さんの事…終われば全部が嘘のように感じる。…この世界には僕達が知ってる美夜子さんがいないし…
「ん?どうした。」
「美夜子さんの事考えてるの?」
和人や皆は心配そうな顔で僕を見ていた。いや考えたって、しょうがないか。この世界の美夜子さんとも縁があれば会えるかもしれないしね!僕は考えを振り払った。
「なんでもないよ!さぁ!しずちゃん達にこの事話に行こ!」
「あっ、おい!」
「のび兄、いきなり元気なった!?」
「のび太くん!」
そう決意して、僕は走って空き地にいるであろうこの世界のジャイアン、スネ夫、しずちゃんに会うために玄関の外に出て、道路に飛び出した。でもそこには人がいたから急ブレーキで止まった。
「すいま……美夜子さん!?」
謝ろうとしたらそこには、ついさっき別れたばっかりの美夜子さんがいた…いやいやさっき決意したばっかりなのに!?
「こんにちわ。のび太さん!」
「どうしてここに!?ていうか近くにいたの!?」
「そうよ、もしもボックスの事はある程度聞いてたし。」
「でも満月牧師にはどう!?」
「パパにはちゃんと説明して、説得したわよ?」
「えぇ…じゃあ、この世界で生きる気?」
「もちろんよ!これからもよろしくね!」
美夜子さんは笑顔でそう言った。よく見てみると美夜子さんの背があーちゃんくらいの背になっていた。この科学の世界に来たからなのか。彼女の笑顔を見ながら何かが起きてるんだろうかと思いながら、僕達の魔界大冒険は幕を閉じた…