井尻又兵衛由俊
のび太の剣の師匠の一人。
戦国時代、天正2年の武蔵国に存在した小国・春日領に仕える武将であり、周辺諸国からは《鬼の井尻》と恐れられるほどの猛将。春日領主・春日安綱とその娘である廉姫に仕えている。
戦場では非常に勇猛かつ冷静で、兵を率いる指揮能力にも優れる。のび太が《時雨蒼燕流》の技を用いて苦戦した彦蔵を通常の剣術で圧倒するほどの実力者であり、戦国時代を日々生き抜いてきた経験から、技の威力だけでは測れない高い戦闘能力を持つ。
一方で無闇な殺生を好む人物ではない。自分の命を狙った者であっても必要以上には追わず、野伏へ身を落としていた彦蔵と儀助にも金子を渡し、
「もう一度仕官してやり直せ」
と再起の機会を与えた。その人柄に心を打たれた二人からは、後に自ら家臣になることを願い出られている。
のび太としんのすけとは、本来なら又兵衛が敵兵によって命を落としていた戦場で出会った。二人が偶然その場へ現れたことで命を救われ、その後は安綱の命により、現代へ帰る手段のない二人を自宅で預かることになる。
最初こそ子供を預かった経験がないことに困惑していたものの、短い共同生活の中で二人を非常に大切に思うようになる。特にのび太には剣士として目を掛けるようになり、のび太が戦場で倒れた際には咄嗟に抱き留め、彦蔵から「父親に見える」と指摘されたことで、自身がのび太に子を思うような情を抱いていることを自覚した。
のび太との師弟関係
現代へ移住して以降は準レギュラーとなり、山本武に次ぐのび太の剣の師匠となる。
山本武が《時雨蒼燕流》そのものを教える師匠であるのに対し、又兵衛は戦国武士として培った実戦剣術と、刀を持つ者としての心構えをのび太へ教える立場。
のび太の剣を一目見て、力に頼る《剛》へ極端に偏っていることを見抜いた。
又兵衛曰く、
「柔なき剣に強さなどない」
敵の攻撃を真正面から受け止めるのではなく、受け流し、すかし、必要以上の力を使わず的確な一撃を決める《柔》の剣を実演してみせた。
この教えはのび太に大きな影響を与え、大蔵井高虎との戦いでは《柔》を意識した新たな型、
《時雨蒼燕流“攻式”十八の型・疎雨》
を使用。高虎本人を傷つけず、突きによって刀だけを弾き落とすことに成功している。
また、戦国時代に生まれたばかりの《時雨蒼燕流》についても知っており、過去に門下の剣士と実際に戦った経験を持つ。その剣士を「手練れ」と評価しており、現代まで流派が残っていることには驚いていた。
金打
又兵衛がのび太としんのすけへ教えた、武士にとって非常に重い誓いの作法。
刀の柄を持ってわずかに抜き、再び納めるという簡単な動作だが、又兵衛によれば、
「武士が金打し、その約束が破れれば、それはもう武士ではない」
とされるほど重い意味を持つ。
当初は廉姫への自身の想いを誰にも話さないという《男同士の約束》として三人で金打を行った。その後、又兵衛が未来へ旅立つことになった際にも、しんのすけの提案でもう一度三人で金打を交わしている。
廉姫との関係
廉姫とは幼馴染。
又兵衛の父が安綱の近くに仕えていたため、幼少期から廉の遊び相手を務めていた。しかし本人曰く「遊び相手というより手荒くこき使われていた」とのこと。
15歳頃から戦へ出るようになったため会う機会は減ったものの、成長した廉に強い想いを抱いている。
ただし、
「自分は一介の家臣、廉は一国の姫」
という身分差を非常に重く考えており、自分の恋心を大それたものとして押し殺していた。
戦場では《鬼の井尻》と恐れられるほど勇猛でありながら、廉の前では極端に初心。顔を真っ赤にして緊張し、しんのすけから嘘で「廉ちゃんがいる」と言われただけでも激しく動揺するほど。
一方の廉も又兵衛を深く想っており、自身のお気に入りの泉へ足を運んでは、
又兵衛が戦で死なないよう祈っていた。
大蔵井家との縁談を前に感情を抑えられなくなった際には、自ら又兵衛へ抱きついている。
後に父・安綱も二人の関係を黙認していたことが判明。又兵衛が現代へ避難することになった際、廉本人から、
「又兵衛が戻ってきたら婚儀をしますので」
と宣言され、安綱も即座に承諾した。
そのため現在は事実上の婚約状態であり、又兵衛は現代での役目を終えて春日へ戻った後、廉と婚儀を挙げる予定。
家族
母は病で亡くし、父・兄・弟は戦で亡くしている。
そのため井尻家で残っているのは又兵衛のみ。
長年、
「妻や子がいればこの世への未練が生まれ、戦場で十分に働けなくなる」
という武士としての考えから妻を娶らずにいた。
しかし、のび太達との出会いや廉との関係を通じ、その考えにも少しずつ変化が生まれている。
本来の歴史と黒の組織
又兵衛は本来、しんのすけとのび太が現れなければ、最初に出会った戦場で敵兵によって命を落としていた可能性が高い。
二人によってその死を回避した後も、春日と大蔵井の戦が終結した直後、未来から来た何者かによってベレッタ92Fで狙撃される。
しかし銃弾は何者かによって弾かれ、又兵衛は生存。
タイムパトロール隊の調査により、事件の裏には《黒の組織》のジンとウォッカが関わっていたことが判明した。
狙われた理由は又兵衛本人ではなく――
又兵衛の子孫。
その血筋の先には、後世で《日本警察の英雄》と呼ばれるガープが存在する。
黒の組織は過去の又兵衛を殺害することでガープへ続く血統そのものを歴史から消そうとしていた。
再度命を狙われる危険があるため、タイムパトロール隊の判断によって又兵衛は一時的に2019年へ避難することとなった。
現在
2019年ののび太達の世界で生活している。
現代へ来る際には洋服へ着替えており、戦国時代とのあまりの文化差に驚きながらも少しずつ適応していく予定。
のび太にとっては山本武に次ぐ剣の師匠となり、《時雨蒼燕流》とは異なる戦国剣術や《柔》、そして武士としての精神を教えていく。
しんのすけとも非常に仲が良く、相変わらず「お又のおじさん」と呼ばれて弄られている。
現代へ到着した際、空を見上げて戦国時代と変わらず浮かんでいる雲――しんのすけ曰く《おじさんの旗》を見つけ、
「時代は変わってもあれは変わらないんだ」
と喜んでいた。
なお、現代での役目を終えれば春日へ帰還し、廉姫との婚儀が待っている。
廉姫
『アッパレ戦国大合戦』編に登場するヒロインの一人。
天正2年の武蔵国に存在する小国・春日領の姫で、春日領主・春日安綱の娘。気品と芯の強さを併せ持つ美しい女性であり、家臣である井尻又兵衛由俊とは幼馴染。
のび太としんのすけが戦国時代へ飛ばされる以前から、二人の夢の中に姿を現していた。
夢の中では馬に乗って湖のほとりへ赴き、一人で空を眺めながら、
「……青空侍。」
と呟いていた。
この場所は廉にとって幼い頃から大切な場所であり、又兵衛とも何度も訪れた思い出の地でもある。
又兵衛との関係
又兵衛とは幼少期からの付き合い。
又兵衛の父が安綱の側近くに仕えていたため、幼い又兵衛は廉の遊び相手を務めていた。ただし又兵衛本人によれば、実際には遊び相手というより「手荒くこき使われていた」とのこと。
又兵衛が15歳頃から戦へ出るようになると以前ほど会えなくなったが、廉は成長した現在でも又兵衛を深く想い続けている。
特に又兵衛が戦へ赴くたび、幼い頃から二人で訪れていた湖へ足を運び、
又兵衛が戦で死なないよう祈っていた。
一方の又兵衛も廉を愛しているものの、「自分は一介の家臣、廉は一国の姫」という身分差を重く考え、自らの想いを押し殺していた。
廉はその態度に気づいており、のび太としんのすけから21世紀では身分に関係なく自由に恋愛できると聞いた際には、又兵衛へ、
「……本当にそう思うか?」
「お前もか?」
と、自身の政略結婚を本当に望んでいるのか問いかけている。
しかし又兵衛から「一国の姫君の縁組は国のために必要」と返され、傷ついた表情を見せた。
武士を嫌う理由
廉自身は戦や武士という生き方を好んでいない。
自身の兄達を戦で失っており、又兵衛も母を病で、父・兄・弟を戦で失っている。
又兵衛から、
「姫様は武士が御嫌いか?」
と尋ねられた際には、
「嫌い!」
とはっきり答えている。
ただし武士個人を憎んでいるわけではなく、戦によって大切な人々が次々と命を落とし、さらに又兵衛までいつ死ぬか分からないという現実を嫌っている。
そのため又兵衛が僅かに手を切っただけでも、
「又兵衛!血だ!」
と慌てて駆け寄るほど彼の身を案じている。
又兵衛への告白
大蔵井家との政略結婚が迫る中、湖で又兵衛と話した際、感情を抑えきれなくなり自ら又兵衛へ抱きついた。
突然の行動に又兵衛は完全に狼狽し、
「どうか……どうか……!!お戯れが過ぎます!!」
と土下座までしている。
これによって、のび太としんのすけにも廉から又兵衛への想いが完全に知られることとなった。
その後も又兵衛が銃撃されかけた事件から無事に戻った際には、人目も気にせず再び又兵衛へ抱きつき、
「お主が無事でよかった!!」
と喜んでいる。
大蔵井家との縁談
大蔵井高虎から婚姻を申し込まれていた。
小国である春日領にとって、大国との婚姻は国を守るための政治的な意味を持っていたため、廉自身も一国の姫としてその運命を受け入れようとしていた。
しかし本心では又兵衛を想っており、顔も知らない相手へ嫁ぐことを望んではいなかった。
のび太達から未来の日本について聞いた父・安綱は、「現在存在する大国も未来では全て滅びている」という事実を知り、大国へ従属するために娘を嫁がせることへ疑問を抱く。
さらに妻と息子達を既に失い、残された家族が廉だけであることから、
「今しばし、わしの元に居てくれ。」
と縁談を正式に断った。
これが大蔵井家との戦へ繋がることとなる。
野原しんのすけとの関係
しんのすけが夢の中で見た「超美人のお姫様」本人。
しんのすけからは初対面直後から、
「廉ちゃん」
と呼ばれている。
当初、又兵衛は「姫様と呼べ」と注意していたが、廉本人は特に気にしていない。
しんのすけから猛烈なアプローチを受けており、又兵衛との両想いが判明した後も相変わらず口説かれている。
一方で廉もしんのすけを大切に思っている。
しんのすけが未来から自分達の時代へやって来たことについて、自分が又兵衛の無事を願い続けたことが原因だったのではないかと考えており、
「私の願いが届いたせいで、しんのすけにはつらい思いをさせてしまったか……?」
と気に掛けていた。
しかししんのすけ本人から、
「廉ちゃんに会えてほんっとうに嬉しかった」
と言われ、救われている。
のび太との関係
のび太についても、しんのすけと同じく未来から現れた不思議な少年として興味を持つ。
時雨蒼燕流を扱う剣士であることも知っており、その実力を信頼していた。
のび太達から21世紀の恋愛観、文化、科学、環境問題など様々な未来の話を聞き、春日の未来について考えるきっかけを得ている。
また、野原一家が未来で暮らす場所が、自分と又兵衛にとって大切な湖の場所であると知った際には、
「だからこそ、あなたたち家族はそんなにも仲睦まじく幸せなのだと思いたい。」
と語った。
美夜子との関係
満月美夜子が心の声を常時聞くことのできる魔法を持つと知った際には驚愕。
美夜子本人から、
「廉さんの気持ちもばっちり聞こえてます。」
と言われ、自分が又兵衛へ抱いていた感情まで筒抜けだったことを知り、さすがに少し引いていた。
大蔵井との戦
大蔵井高虎との縁談を安綱が拒絶した後、大蔵井家と周辺諸国が春日領へ侵攻。
廉は戦そのものを嫌っているため、敵を殺さず無力化できる未来の道具を持つドラえもんを戦へ参加させてほしいと安綱や武将達へ懇願した。
春日領が勝利した後、又兵衛が無事に帰還したことを心から喜んでいる。
又兵衛との婚約
又兵衛を狙った未来人の存在が判明し、タイムパトロール隊の判断によって又兵衛が2019年へ一時避難することが決まる。
春日の人々も又兵衛の安全を優先し、未来へ行くことに全員一致で賛成した。
その際、父・安綱が以前から二人の仲を黙認どころか応援していたことも判明。
廉は皆の前で堂々と、
「父上、又兵衛が戻ってきたら婚儀をしますので。」
と宣言。
安綱も即座に、
「おう!そうしろそうしろ。」
と承諾した。
そのため現在は又兵衛と事実上の婚約状態。
又兵衛が現代での役目を終えて戦国時代へ帰還した後、婚儀を挙げる予定となっている。
現在
天正2年の春日領に残り、父・安綱や家臣達と共に国を守っている。
又兵衛が2019年へ旅立つ際には、二人にとって大切な湖で見送った。
廉は、
「これからも私はこの場所に通い、そなたたちの事を思う。」
と告げ、
又兵衛から、
「姫様は……行って参る。」
と言われると、
「行ってらっしゃい。」
と送り出した。
二人にとってこれは永遠の別れではない。
又兵衛はいずれ春日へ帰ってくる。
そして帰還したその先には――
廉姫との婚儀が待っている。
野原しんのすけ
『アッパレ戦国大合戦』編から本格的にのび太達と関わる少年。
5歳。野原ひろしと野原みさえの息子で、妹にひまわり、愛犬にシロがいる。引っ越しによって、のび太達が暮らす町の双葉幼稚園へ転園してきた。
非常にマイペースかつ自由奔放。綺麗な女性を見ると年齢を問わず口説こうとし、人前で平然と尻を出すなど奇行も多い。
一方で、見た目や普段の言動からは想像できないほど肝が据わっている。危険な状況でも物怖じすることが少なく、時には大人ですら言えないことを真正面から言ってのける。
野原一家そのものが過去にも数々の異常事態や冒険を経験しており、本人も幼児とは思えないほど修羅場慣れしている。
のび太との出会い
2019年6月14日、学校から帰宅途中ののび太と出会う。
走っていたのび太へ、
「お兄さん、走ったらコケちゃうゾ?」
と声を掛けたのが最初。
自己紹介では、
「オラ!野原しんのすけ5歳!双葉幼稚園に転園してきたんだゾ!」
と名乗った。
その直後には女性をナンパしており、のび太から早々に「変わった子」と認識されている。
後に静香とも遭遇するが、尻を出して逃げ回ったことで彼女を怒らせ、町中を追い掛け回されることになった。
戦国時代への転移
野原家の庭でシロが掘っていた穴から、豪華な木箱と手紙を発見。
手紙には、
「とーちゃん、かーちゃん、オラ、天正2年にいる。」
「お姫様は超美人だぞ。」
「あと、のび太のお兄ちゃんもいるぞ!」
など、未来の自分自身が書いたとしか思えない内容が記されていた。
以前から家族全員で謎の女性の夢を見ていたこともあり、その女性へもう一度会いたいと願ったことで天正2年の戦国時代へ転移。
同じく謎の力によって転移していたのび太と再会する。
戦国時代での度胸
転移直後から戦場へ遭遇するが、本人は当初それを時代劇の撮影だと思い込んでいた。
敵の足軽へ平然と話しかけ、刀を向けられても尻を出しながら回避するなど、良くも悪くも恐怖心より好奇心が勝っている。
この行動によって敵兵の注意が逸れ、偶然にも井尻又兵衛由俊の命を救った。
そのため又兵衛からは、
「お前の声と尻のおかげで命拾いしたわ!」
と感謝されることになる。
井尻又兵衛由俊
戦国時代で出会った春日家の武将。
しんのすけからは主に、
「お又のおじさん」
と呼ばれる。
安綱の命令によって、現代へ帰る方法が見つかるまでのび太と共に又兵衛の家へ預けられた。
又兵衛とは年齢差を越えて非常に仲良くなり、遠慮なくからかったり、核心を突いた質問をぶつけたりする。
特に又兵衛が廉姫を愛していることには早々に気づいており、
「ほんとは廉ちゃんの事好きなんじゃないの?」
と真正面から指摘。
身分差を理由に否定する又兵衛へ、
「身分が無かったらどうするの?」
「廉ちゃんに好きって言う?」
と追及し、又兵衛を完全に追い詰めた。
後に又兵衛から武士の重い誓いである《金打》を教えられ、のび太を含めた三人で約束を交わしている。
事件終結後、又兵衛が2019年へ避難することが決まった際にも、
「金打!」
と自ら提案。
三人でもう一度同じ誓いを交わした。
のび太との関係
出会った当初は「お兄ちゃん」と呼んでいたが、戦国時代でのび太が剣士として戦えることや、その女性関係を知ったことで、
「師匠」
と呼ぶようになる。
ただし剣術の師匠という意味ではなく、特にのび太の凄まじい女性関係を聞いたことが大きな原因。
のび太本人は最初こそ否定したものの、途中から諦めている。
戦国時代では行動を共にすることが多く、又兵衛を介して三人には強い友情が生まれた。
廉姫
戦国時代へ来る以前から夢で見ていた女性。
実際に会った瞬間から気に入り、
「廉ちゃん」
と呼んで猛烈にアプローチする。
又兵衛と廉姫が互いに想い合っていると判明した後も諦める様子はなく、相変わらず廉姫を口説いている。
ただし二人の仲を本気で邪魔しているわけではなく、又兵衛が廉姫への想いを隠していた際には積極的に背中を押している。
又兵衛が銃撃されかけた事件を知った際には涙を流し、
「おじさんが……生きてて……本当によかったゾ!!」
と本心から喜んだ。
大蔵井高虎との戦い
春日領と大蔵井家の戦では当初非戦闘員として保護されていた。
又兵衛が決死隊を率いて大蔵井本陣へ突入した際には、逃げることより又兵衛を助けることを望み、
「お又のおじさん大丈夫かな?」
「お助けしなくていいかな?」
と発言。
この言葉がのび太達や野原一家を動かし、全員が又兵衛達への助太刀へ向かうきっかけとなった。
大蔵井本陣では高虎本人へ、
「お前、偉いんだろ?だからこんなことになったんだゾ!なのに逃げるのか!?」
と真正面から啖呵を切る。
激昂した高虎が刀を抜いた際には、のび太が《時雨蒼燕流“攻式”十八の型・疎雨》で刀を落とし、その直後――
高虎の股間へ頭突きを直撃させた。
これによって高虎は完全に戦意を喪失。
結果的に春日軍勝利の決定打となった。
「もう許してやろうよ」
高虎を倒した後、又兵衛は戦国武士として高虎の首を取ろうとした。
しかししんのすけは、
「もういいでしょ!?オラたち勝ったんだよ!?」
「こいつ悪い奴だけどもう大丈夫だよ!」
「だからもう許してやろうよ!」
と止めた。
又兵衛はその言葉を受け入れ、高虎本人を殺す代わりに髻だけを切り落として大蔵井軍へ返還。
これによって高虎は生存したまま戦が終結した。
普段はふざけてばかりいるしんのすけだが、敵味方という立場を越えて「もう戦う必要のない相手を殺す必要はない」と考えられる優しさを持っている。
野原一家
父・ひろし、母・みさえ、妹・ひまわり、愛犬・シロを心から大切にしている。
普段は両親を振り回しているものの、家族の絆は非常に強い。
戦国時代へ取り残された際も両親を信頼しており、後に野原一家はドラえもん達と共に戦国時代へ到着した。
春日の決戦では、
「春日町住人!野原一家とその仲間!!義によって助太刀いたーす!!」
というひろしの宣言に続き、全員で、
「ファイアー!!」
と叫びながら又兵衛達を救援した。
現在
大蔵井家との戦争終結後、野原一家と共に2019年へ帰還。
同時に、黒の組織から命を狙われたため現代へ避難することになった又兵衛とも再び一緒に暮らす時代となった。
戦国時代で又兵衛や廉姫と過ごした日々を大切にしており、又兵衛とは時代を越えた友人関係を築いている。
又兵衛が現代へ到着し、戦国時代と変わらない雲を見つけて喜んでいる横でも、
「廉ちゃんとケッコンできるからっていい気になっちゃって。」
と相変わらず弄っている。
又兵衛から、
「おい」
と睨まれても、
「言って無いゾ。」
と返すなど、その自由奔放さは戦国時代を経験しても一切変わっていない。
ただ、その底には家族や仲間を大切にし、誰かが死ぬことを心から嫌う優しさがある。
ふざけている時は徹底的にふざける。けれど、本当に大切な場面では誰より単純で真っ直ぐな答えを出す少年。
野原ひろし
『アッパレ戦国大合戦』編に登場する人物。
野原しんのすけの父親で、妻は野原みさえ、娘は野原ひまわり。愛犬のシロを含めた野原一家の大黒柱である。
普段はごく普通のサラリーマンとして生活しているが、これまで家族と共に幾度もの騒動や冒険を経験してきた。そのため一般人ながら非常時には肝が据わっており、家族を守るためなら危険な場所へ飛び込む覚悟を持つ。
足の臭さについてはしんのすけから頻繁に弄られている。
野原一家
しんのすけの奇行には日々振り回されているが、息子への愛情は非常に深い。
しんのすけが謎の手紙を残して姿を消した際には、春日町の郷土史を調査。その中で天正2年の記録に、
「野原信之介」
そして、
「野比のび太」
の名前を発見する。
その後、同じくのび太を捜していたドラえもん、和人、静香、美夜子、直葉と遭遇。
しんのすけが戦国時代へ飛ばされた可能性が極めて高いと知る。
みさえから、
「どうやって戦国時代へ行くのか」
と問われた際には、
「しんのすけのいない世界に未練なんかあるか!?」
と即答。
たとえ帰ってこられなくなる可能性があったとしても、息子を迎えに行く覚悟を示した。
その言葉を聞いたみさえも同行を決意し、野原一家はドラえもん達と共に戦国時代へ向かうことになる。
ドラえもん達との出会い
ドラえもんを初めて見た際には当然のように、
「青いタヌキ?」
と発言。
即座に、
「僕はタヌキじゃなくて猫型ロボット!!」
と怒られている。
過去にロボットに自分の記憶を植え付けられた事件を経験しているため、「感情を持つロボット」という存在そのものへの理解は比較的早かった。
ドラえもん達が大人の付き添いなしで何度も大冒険を経験していると知った際には、その強さよりもまず、
「子供達だけでそんな危険な場所へ行っていた」
ことを心配していた。
自身も家族と数々の冒険を経験しているが、基本的には親である自分とみさえがしんのすけ達の側にいたためである。
戦国時代
ドラえもん達と共に野原家の庭に存在した特殊な経路を通り、天正2年の春日領へ到着。
無事しんのすけ、そしてのび太と再会する。
愛車も戦国時代へ持ち込んでおり、ドラえもんによって未来の燃料へ変更されているため排気ガスは発生しない。
戦国時代の人々からすれば自動車そのものが未知の存在であり、ひろし達はその便利さだけでなく、自動車事故や環境汚染など未来社会が抱える問題についても説明している。
井尻又兵衛由俊
戦国時代で出会った春日家の武将。
又兵衛とは短期間ながら意気投合し、戦の前夜にはドラえもんの《グルメテーブルかけ》を利用してビールを振る舞った。
ビールを初めて飲んだ又兵衛は大いに気に入り、
「この様に美味なるものは30年生きて来て初めてだ。」
と発言。
そこで初めて又兵衛が30歳であり、自分より年下であることを知って驚いている。
春日の決戦前には又兵衛から刀を渡され、
「丸腰では不安だろう。持って行け。」
と言われた。
又兵衛が決死の覚悟で戦へ向かう際には、短い付き合いながら別れを惜しみ涙を流している。
のび太との関係
アッパレ戦国大合戦編において、ひろしはのび太に非常に大きな影響を与えた人物。
9回もの冒険を経験し、時雨蒼燕流・魔法・覇気まで身につけていたのび太は、自分でも気づかないうちに「自分は戦える」という意識を強く持つようになっていた。
しかし本物の戦場で佐久間権兵衛の濃厚な殺意を見聞色で感じ取ったことで、恐怖のあまり身体が動かなくなってしまう。
又兵衛に救われたのび太は戦場から退き、非戦闘員である野原一家の元へ戻ってきた。
顔色の悪いのび太を見たひろしはすぐに異変へ気づき、事情を聞く。
のび太が、
「又兵衛さんに助けてもらわなかったら死んでいました。」
と告白すると、ひろしは意外にも、
「そうか、なんだ。安心したよ。」
と答えた。
「お前も普通の子供なんだ」
ひろしが安心した理由は、強大な力を身につけたのび太にも恐怖心が残っていたから。
「魔法?覇気?時雨蒼燕流って奴を覚えてるお前も普通の子供だって知ったからな。」
そしてのび太へ、
「いいか、お前はしんのすけと一緒で子供なんだ。」
と伝えた。
強くなることそのものを否定しているわけではない。
その力によって誰かを守れるのなら、それも立派なことだと認めている。
しかし同時に、
「自分ひとりでデカくなった気でいるヤツは、デカくなる資格がないんだ。」
と諭した。
さらに、
「恐怖心もあっていいんだ。」
「何よりお前は世界のヒーローなのか?お前の本質はなんだ?」
とのび太へ問いかける。
この言葉によって、のび太は自分が英雄になるために戦ってきたわけではないことを思い出した。
本当はただ、
親友や大切な人達と一緒に過ごしたい。
剣術も最初は興味から始めた。
数々の事件も、自分から英雄になろうとして飛び込んだわけではない。
その過程で無意識に「自分がやらなければ」と背負いすぎていたことに気づく。
又兵衛がのび太へ《柔》の剣を教えた人物なら、ひろしは、
「心まで力み続ける必要はない」
と気づかせた人物となった。
ひろし自身も怖かった
のび太を励ました直後、しんのすけから、
「とーちゃんカッコつけてるけど……震えてるゾ?」
と暴露される。
ひろし本人も戦争が怖くないわけではなく、実際には身体が震えていた。
だからこそ、
「恐怖心もあっていい」
という言葉には本人自身の実感が込められている。
超人的な強さを持つ人物ではなく、恐怖を感じる普通の大人だからこそ言えた言葉でもある。
春日領の戦い
又兵衛からは、決死隊が大蔵井本陣へ攻撃を仕掛け、敵軍が混乱した隙に家族やのび太達を連れて脱出するよう頼まれていた。
一度はその言葉に従って春日城を出る。
しかししんのすけが、
「お又のおじさん大丈夫かな?」
「お助けしなくていいかな?」
と口にしたことで全員の気持ちが揺らぐ。
のび太、静香、美夜子、直葉、和人、ドラえもんからも又兵衛達を助けようと提案され、みさえ達家族も賛同。
ひろしは覚悟を決める。
そして愛車を再び戦場へ走らせ、
「春日町住人!野原一家とその仲間!!義によって助太刀いたーす!!」
「いざ――!!野原一家!ファイアー!!」
と叫び、春日軍へ加勢。
全員の、
「ファイアー!!」
と共に大蔵井本陣へ突撃した。
戦国時代の武士ではない。
特殊能力もない。
それでも家族や仲間を助けるためなら戦場へ戻るのが、野原ひろしという人物である。
愛車
現代から戦国時代へ持ち込んだ車。
ひろし本人は愛車を非常に大切にしており、ドラえもんの《スモールライト》で突然小さくされた際には大慌てしていた。
春日領の決戦では事実上の突撃車両として活躍。
火縄銃で車体に穴を開けられた際には――
ひろし本人がブチ切れた。
そのまま勢いを増して敵本陣へ突撃している。
現在
春日領の戦いを終え、野原一家と共に2019年へ帰還。
短い期間ながら又兵衛とは強い友情を築いており、又兵衛が黒の組織に命を狙われたことで現代へ避難してきたため、今後も交流が続くことになる。
のび太にとっては剣や魔法を教える師匠ではない。
しかし、強くなり続けるのび太へ、
「お前はまだ子供で、怖がってもいい」
と教えた大人。
又兵衛が《剣士としてののび太》を成長させたなら、
ひろしは《普通の少年・野比のび太》を忘れさせなかった人物である。
そして本人は最後まで――
特殊能力を持たない、ごく普通のサラリーマンであり、しんのすけ達の父親。
野原みさえ
『アッパレ戦国大合戦』編に登場する人物。
野原しんのすけの母親で、夫は野原ひろし、娘は野原ひまわり。愛犬のシロを含む野原一家の母親。
普段はしんのすけの自由奔放すぎる行動に振り回されており、怒鳴ったり叱ったりすることも多い。しかし家族への愛情は非常に深く、特に子供達の身に危険が迫った時には自分自身の危険を顧みず行動する。
野原一家はこれまでにも家族揃って数々の異常事態や冒険を経験しており、みさえ自身も一般人ながら非常時への適応力はかなり高い。
しんのすけとの関係
日常ではしんのすけの奇行に最も振り回されている人物の一人。
『アッパレ戦国大合戦』編の発端では、シロが庭に掘っていた穴をしんのすけに埋めるよう頼んだ。
しかし、その穴から豪華な木箱と未来のしんのすけが書いたと思われる手紙が発見され、その後しんのすけ自身が姿を消してしまう。
手紙には、
「とーちゃん、かーちゃん、オラ、天正2年にいる。」
と記されていた。
最初は到底信じられる話ではなかったものの、ひろしが春日町の郷土史を調べたことで、天正2年の記録からしんのすけとのび太の名前が発見される。
さらに、のび太を捜していたドラえもん達と出会ったことで、息子が本当に戦国時代へ飛ばされた可能性を知ることとなった。
「戦国時代でもどこでも行ってやろうじゃないの!」
しんのすけが戦国時代にいると知った当初、みさえは当然ながら動揺した。
しかもドラえもんの《タイムマシン》ですら、その時代へ直接入ることができない。
それでも、ひろしが、
「しんのすけのいない世界に未練なんかあるか!?」
と告げ、自分一人でも助けに行く覚悟を示したことで、みさえも腹を括る。
「分かったわよ!!私も行くわよ!」
「しんのすけに会えるんなら戦国時代でもどこでも行ってやろうじゃないの!!」
こうしてひまわり、シロも含めた野原一家全員で、しんのすけを迎えに戦国時代へ向かうこととなった。
普段はひろしやしんのすけへ容赦なくツッコミを入れているが、家族のためなら危険な時代へ飛び込むことにも躊躇しない。
ドラえもん達との出会い
ドラえもんを初めて見た際には、
「……タヌキ?」
と発言。
当然、
「僕は猫型ロボット!!」
と訂正されている。
野原一家は過去にロボットに関わる大きな事件を経験しているため、感情を持ったロボットという存在そのものについては比較的すんなり受け入れている。
ドラえもん達から、のび太達が大人の付き添いなしで何度も大冒険をしてきたことを聞いた際には驚いていた。
戦国時代
野原家の庭に生じた特殊な経路を通り、ドラえもん、和人、静香、美夜子、直葉らと共に天正2年へ到着。
そこで無事しんのすけ、のび太と再会する。
戦国時代という未知の環境でも家族と行動し、春日領の人々と交流。
廉姫や井尻又兵衛とも知り合うこととなった。
未来の生活について聞きたがる春日の人々には、ひろし達と共に現代の家族や暮らしについて話している。
野原家の夫婦漫才
しんのすけが廉姫達へ未来の家族について説明した際には、ひろしとみさえの夫婦喧嘩を再現。
「こらァ、みさえ、この頃たるんでるゾ腹が!」
「なんですって?あなたこそ足クサいくせに!」
「くらえ!足クサキーック!」
「やったわねー!ぶよぶよ三段腹アタック!!」
という再現を披露され、廉姫やのび太達を大笑いさせている。
未来の野原一家がどれほど賑やかな家庭なのかを、戦国時代の人々へ強烈に印象付けた。
美夜子との関係
満月美夜子が常時、人の心の声を聞くことのできる魔法を持っていると知った際には、その能力をすぐ夫へ利用しようとした。
みさえ:
「じゃあ、美夜子ちゃん。旦那が何考えてるかおしえて。」
ひろし:
「い!?」
しかし美夜子から、
「……言えばみさえさん、殺しちゃうかも。」
と言われる。
それを聞いたみさえは無言でひろしを睨み、ひろしを完全に縮こまらせた。
美夜子が具体的に何を聞いたのかは不明。
春日領での籠城
大蔵井家と周辺国が春日領へ侵攻した際には、ひまわりやしんのすけと共に非戦闘員として城内に避難。
みさえ自身には、のび太達のような剣術・魔法・覇気などの特殊な戦闘能力はない。
それでも戦場から逃げることだけを考えていたわけではなく、又兵衛達の身を案じながら戦況を見守っていた。
また、強力な戦闘能力を持つのび太が見聞色を酷使して倒れたことからも、子供達が決して無敵ではない現実を目の当たりにしている。
又兵衛との別れ
大蔵井家との決戦を前に、又兵衛は野原一家へ城から脱出するよう指示。
その際、ひろしへ護身用の刀を渡し、
「お前達に出会えてよかった。短い日々だったが……共に過ごせて楽しかったぞ。」
と別れを告げた。
みさえもその言葉に涙を流している。
短期間の交流ながら、又兵衛を単なる戦国時代の武将ではなく、大切な友人として見るようになっていた。
「又兵衛を助ける」
又兵衛率いる決死隊が大蔵井本陣へ向かう一方、野原一家は約束通り戦場から脱出しようとする。
しかししんのすけが、
「お又のおじさん大丈夫かな?」
「お助けしなくていいかな?」
と口にする。
のび太達も又兵衛を見捨てられないと賛同。
ひろしが迷う中、みさえも夫へ、
「あなた。」
と声を掛けた。
ひまわりとシロも続き、野原一家全員の意思が一致。
ひろしは車を反転させ、大蔵井本陣へ向かった。
つまり、みさえもまた、
安全に帰ることより、家族が大切に思った人物を助けることを選んだ。
春日領の決戦
決戦ではひろしの愛車に乗り、しんのすけ、ひまわり、シロ、のび太達と共に又兵衛達を救援。
ひろしが、
「春日町住人!野原一家とその仲間!!義によって助太刀いたーす!!」
「いざ――!!野原一家!ファイアー!!」
と宣言すると、みさえも家族や仲間達と共に、
「ファイアー!!」
と叫び、大蔵井軍へ突入した。
戦闘能力こそ持たないが、危険だからという理由だけで家族を置いて逃げることはない。
野原ひろしとの関係
普段は喧嘩も多く、しんのすけから夫婦喧嘩をネタにされるほど。
ひろしのスケベ心にも容赦がなく、美夜子の読心能力によって何かを知られかけた際には、無言の威圧だけで夫を震え上がらせている。
しかし本質的には互いへの信頼が非常に強い夫婦。
ひろしがしんのすけを助けるため戦国時代へ行く覚悟を決めれば、みさえも同行する。
又兵衛を助けるため戦場へ戻る時も、最後は夫の判断を後押しした。
口喧嘩は多くても、いざという時には同じ方向を向ける夫婦である。
廉姫との関係
戦国時代で交流した春日領の姫。
廉姫からは野原一家の仲の良さを非常に好意的に見られている。
廉姫は、自分と又兵衛にとって大切な場所が未来では野原一家の住む場所となっていることを知り、
「だからこそ、あなたたち家族はそんなにも仲睦まじく幸せなのだと思いたい。」
と語った。
戦によって家族を失ってきた廉姫にとって、喧嘩しながらも一緒に笑い合える野原一家は、平和な未来を象徴するような家族でもあった。
現在
春日領と大蔵井家の戦争終結後、家族と共に2019年へ帰還。
しんのすけも無事に取り戻すことができた。
また、黒の組織から命を狙われた又兵衛が2019年へ一時避難することになったため、戦国時代で築いた縁は今後も続いていく。
特殊能力を持つわけでも、剣豪でも魔法使いでもない。
それでも、
息子が戦国時代にいるなら戦国時代へ行く。
友人が死ぬかもしれないなら戦場へ戻る。
普段の豪快な怒り方やしんのすけとのドタバタの裏に、家族や仲間のためなら危険へ飛び込める母親としての強さを持っている。
野原一家を支える、強くて賑やかなお母さん。
野原ひまわり
『アッパレ戦国大合戦』編に登場する野原家の長女。
野原ひろしと野原みさえの娘で、しんのすけの妹。まだ幼いため基本的に言葉を話すことはできず、
「たいや!」
などの赤ちゃん言葉で意思を表現する。
兄のしんのすけ同様、野原一家の一員としてこれまでにも家族と共に様々な騒動や冒険を経験している。そのため本人が事情をどこまで理解しているかはともかく、普通の赤ん坊ではまず経験しないような状況にも何度も居合わせている。
しんのすけ失踪
しんのすけが戦国時代へ消えたことで、野原一家は彼を捜すことになる。
しんのすけが残した手紙と郷土史、そしてドラえもん達の調査から、しんのすけが天正2年にいる可能性が判明。
タイムマシンですら直接入ることのできない異常な時代だったものの、ひろしとみさえは息子を迎えに行くことを決意する。
ひまわりも当然、家族の一員として同行。
愛犬シロを含む野原一家全員で戦国時代へ向かった。
戦国時代
天正2年の春日領へ到着し、しんのすけと再会。
まだ赤ん坊であるため、戦国時代の人々との交流や戦闘へ直接関与することはほとんどなく、基本的にはひろしやみさえ達に守られている。
しかし野原一家そのものが戦国時代の人々にとって「平和な未来の家族」を象徴する存在となっており、ひまわりもその一員。
廉姫からも、喧嘩をしながら仲良く暮らしている野原一家の姿を好意的に見られている。
春日領の決戦
大蔵井家との戦では、しんのすけ達と共に非戦闘員として保護されていた。
又兵衛が決死隊を率いて敵本陣へ突撃した際、野原一家は一度その場から脱出しようとする。
しかし、しんのすけが、
「お又のおじさん大丈夫かな?」
「お助けしなくていいかな?」
と言い出したことで状況が変わる。
のび太達も又兵衛を助けたいと賛同。
みさえがひろしへ、
「あなた。」
と声を掛けた際には、ひまわりも、
「たや!」
と声を上げた。
言葉こそ話せないものの、家族と同じ意思を示した形となり、シロも続いて吠えたことで野原一家全員の意見が一致。
ひろしは又兵衛達を助けることを決断した。
その後は車に乗ったまま大蔵井軍の本陣へ突入。
ひろしの、
「いざ――!!野原一家!ファイアー!!」
という掛け声に続く、野原一家と仲間達の突撃に参加した。
現在
春日領の戦いが終結した後、家族と共に2019年へ帰還。
しんのすけも無事であり、野原一家全員が揃って現代へ戻ることができた。
本人はまだ幼く、今回の出来事をどれほど記憶しているかは不明。
それでも、
家族の誰か一人が欠けるなら、残り全員で迎えに行く。
という野原一家の強い結びつきを象徴する一員となっている。
シロ
野原家で飼われている白い犬。
しんのすけの相棒とも呼べる存在であり、野原一家の立派な一員。
非常に賢く、しんのすけからも、
「シロは偉いんだゾ!」
と自慢されている。
芸も得意で、
「わたあめ」
や、
「ちんちんかいかい」
などを披露することができる。
しんのすけの自由奔放な行動に振り回されることも多いが、飼い主への忠誠心と家族への愛情は非常に強い。
アッパレ戦国大合戦の始まり
今回の事件における極めて重要な存在。
2019年6月14日未明、野原家の庭で突然穴を掘り始める。
みさえから穴を埋めるよう言われたしんのすけだったが、シロはなぜかそれを頑なに止めようとしていた。
しんのすけが「何か埋まっているのではないか」と考え、逆にシロと一緒に穴を掘り進めると――
豪華な木箱が発見された。
中に入っていたのは、未来のしんのすけが書いたと思われる手紙。
「とーちゃん、かーちゃん、オラ、天正2年にいる。」
「お姫様は超美人だぞ。」
「あと、のび太のお兄ちゃんもいるぞ!」
この手紙をきっかけとして、しんのすけは戦国時代へ転移することになる。
つまりシロが穴を掘らなければ、少なくとも野原一家が戦国時代へ繋がる手掛かりを発見することはできなかった。
不思議な夢
野原一家はしんのすけだけではなく、ひろし、みさえ、ひまわり、そしてシロまで同じ謎の夢を見ていた。
夢に現れたのは、天正2年の春日領に生きる廉姫。
後にしんのすけとのび太が戦国時代へ転移したことから、この夢自体が時代を越えた何らかの現象だった可能性が高い。
犬であるシロまで夢を共有していた理由についても、現在のところ明確には判明していない。
戦国時代
しんのすけを救出するため、ひろし、みさえ、ひまわりと共に戦国時代へ向かう。
しんのすけとの再会後は野原一家と行動。
戦闘能力を持つのび太達とは違い、基本的には非戦闘員として保護される立場だが、危険な戦国時代でも家族から離れることなく行動した。
又兵衛救援
又兵衛率いる春日軍が決死の突撃を開始した際、野原一家は又兵衛の指示に従い脱出する予定だった。
しかししんのすけが又兵衛を助けたいと言い出し、のび太達もそれに賛同。
最後に家族の意思を確認する場面では、
みさえ:
「あなた。」
ひまわり:
「たや!」
そしてシロ:
「ワン!」
と続いた。
シロもまた又兵衛を見捨てないという野原一家の意思を示し、ひろしは車を反転。
家族全員で戦場へ戻ることとなった。
しんのすけとの関係
単なるペットと飼い主というより、非常に強い絆で結ばれた相棒。
しんのすけ本人もシロを強く信頼しており、戦国時代でのび太へシロについて話した際には誇らしげに、
「シロは偉いんだゾ!」
と語っている。
今回の事件でも、最初に異変を察知していたのはシロだった。
穴を埋めようとするしんのすけを止め続けたことからも、木箱やその場所に何らかの異常を感じ取っていた可能性がある。
現在
春日領の戦争終結後、野原一家と共に2019年へ帰還。
家族全員が無事に戻り、再び現代で生活している。
今回のアッパレ編では派手な戦闘をしたわけではないものの、
時代を越えた手紙を最初に発見するきっかけを作った存在。
そして、
又兵衛を助けるという家族の決断にも一票を投じた野原家の一員。
野原一家は、
ひろし・みさえ・しんのすけ・ひまわり・シロ。
誰か一人でも欠ければ野原一家ではない。
仁右衛門
『アッパレ戦国大合戦』編に登場する春日領の武士。
井尻又兵衛由俊とは長い付き合いのある人物で、春日家に仕えている。又兵衛に対して遠慮なく物を言える数少ない人物の一人であり、戦場では《鬼の井尻》として恐れられる又兵衛を普段から「若」と呼んでいる。
妻はお里。夫婦仲は良好だが、二人の間に生まれた息子は戦で亡くしている。
又兵衛との関係
又兵衛の性格を昔から熟知しており、特に彼が女性に弱いことについては容赦がない。
又兵衛が、
「妻や子があればこの世に未練が生まれ、戦場で充分な働きができなくなる」
と独身を貫いていることに対しても、
「おなごが好きなら早く嫁をもらったがよいわ。」
「井尻の家名が途絶えたら何もならんぞ!」
と真正面から説教している。
又兵衛から耳を引っ張られて連行されても懲りない。
当然、又兵衛と廉姫の関係についても察しており、二人の仲を応援している。
戦場
春日領の武士として数々の戦を経験しており、戦場でも精神的な支柱となる人物。
大蔵井軍に包囲され、家老の榊が逃亡したことで兵達の士気が落ちた際には、
「我らには戦にはめっぽう強い鬼の井尻がついており、未来からの強い味方もおるわ!」
と皆を励ました。
その直後、
「おなごには滅法弱いのが玉に瑕だがの!」
と余計な一言まで付け加え、兵達を大笑いさせている。
単純な武勇だけでなく、暗くなった空気を笑いで変えられる人物でもある。
のび太との関係
戦場で見聞色の覇気を酷使したのび太が気絶した際には、その身を案じている。
又兵衛と共に、
「明日は戦わせない方がいい」
と判断。
又兵衛が「のび太のことだから無理にでも来る」と言えば、
「その時は気絶させるまでじゃ。」
と返している。
又兵衛がのび太を抱きかかえる姿を見て、父親のような情を抱いていることにも気づいていた。
和人との関係
桐ヶ谷和人とは非常に馬が合う。
年齢も生きてきた時代も大きく異なるが、和人自身が剣士であり、仲間を大切にする性格であることから自然と打ち解けた。
大蔵井家との戦が終わった帰路では、弥助・儀助と共に和人を交えて談笑している。
和人も三人に対して堅苦しく接することはなく、短期間ながら戦友に近い関係となった。
『アッパレ戦国大合戦』編に登場する春日領の武士。
仁右衛門、儀助と共に又兵衛の周囲にいる人物の一人。
春日領で生まれ育ち、又兵衛達と共に国を守ってきた。小国である春日では幼い頃から互いの顔を知っている者が多く、又兵衛が決戦前に兵達を見渡して、
「皆、幼い頃より知っている顔ばかりだな。」
と語ったように、弥助もまた春日の土地と人々に強い愛着を持つ武士である。
大蔵井家との戦い
大蔵井家と周辺諸国が春日領へ侵攻した際には、春日兵の一人として戦いに参加。
圧倒的な兵力差がある中でも逃げず、又兵衛達と共に春日領を守り抜いた。
又兵衛の決死隊が大蔵井本陣へ突撃した際にも戦い抜き、ドラえもん達未来人の助力もあって戦争を生還している。
和人との関係
仁右衛門、儀助と同様に桐ヶ谷和人とは妙に気が合う。
和人は現代人でありながら剣を扱い、危険な状況でも仲間を見捨てない。そのため戦国武士である弥助達から見ても話しやすかったらしく、戦が終わる頃にはすっかり打ち解けていた。
和人側も三人との会話を楽しんでおり、時代を越えた男同士の友人関係を築いている。
儀助
『アッパレ戦国大合戦』編に登場する春日領の武士。
仁右衛門、弥助と共に又兵衛達の近くで戦う人物。
春日領への忠誠心が強く、大蔵井家との戦では最後まで又兵衛達と共に戦った。
春日領の戦い
大蔵井軍との最終決戦にも参加。
大蔵井高虎の本陣へ到達した際には、仁右衛門達と共に敵兵を引き受け、又兵衛が敵将へ集中できる状況を作っている。
のび太達や野原一家の介入もあって春日軍が勝利すると、無事生還。
戦いが終わった後には、
「また、お里殿の飯が食えますなァ。」
と喜んでいた。
仁右衛門が照れ隠しで、
「へ、もう食い飽きたわい!」
と返した際には、周囲から完全に照れ隠しだと見抜かれている。
又兵衛が未来へ行った後
黒の組織によって又兵衛の命が狙われていたことが判明し、又兵衛が2019年へ避難することになる。
その際、仁右衛門や弥助達が見送りへ向かう一方で、儀助は――
春日領を守るため家臣団と共に残留。
又兵衛という春日最大級の戦力が不在となる以上、誰かが国を守らなければならないためである。
又兵衛が安心して未来へ行ける背景には、儀助を含めた春日家臣団の存在がある。
和人との関係
仁右衛門、弥助と並んで和人とは非常に気が合う。
大蔵井家との戦を共に乗り越えたことで距離が縮まり、戦後には四人で自然に会話するほどになった。
和人にとっても、三人は「戦国時代の武士」という歴史上の遠い存在ではなく、実際に共に笑い、戦った仲間。
そのため、
仁右衛門・弥助・儀助+和人
は、アッパレ編で地味に出来上がった仲良し四人組でもある
春日安綱
『アッパレ戦国大合戦』編に登場する人物。
天正2年、武蔵国に存在する小国・春日領を治める領主で、廉姫の父親。井尻又兵衛由俊をはじめとする家臣達からは「殿」と呼ばれている。
戦国時代の領主らしい威厳を持つ一方、非常におおらかで柔軟な人物。身分や常識だけに囚われることはなく、未来から突然現れたのび太としんのすけの話にも興味を示す。
また、妻と息子達を既に亡くしており、現在残っている家族は娘の廉姫のみ。そのため廉を非常に大切にしている。
のび太・しんのすけとの出会い
又兵衛によって春日城へ連れてこられた、のび太としんのすけに謁見する。
二人が、
「自分達は未来から来た」
と語った際、家臣達の多くは信じようとしなかった。
しかし安綱本人は頭から否定せず、
「この安綱にも未来の話聞かせてくれぬか?遠慮はいらん、好きなように申してみよ」
と興味を示した。
飛行機、自動車、離れた国の人間とも話せる通信機器など、未来の技術について楽しそうに話を聞いている。
のび太がスマートフォンを見せた際には、未知の道具を様々な角度から眺めるなど、好奇心旺盛な一面も見せた。
未来の料理にも興味を持ち、カレーやすき焼き、豚カツなどの話にも関心を示している。
しんのすけへの対応
しんのすけが謁見中にもかかわらず自由奔放に振る舞っても、必要以上に怒ることはない。
家臣達が、
「無礼な!」
と怒る中でも、
「まぁよい。」
と受け流している。
しんのすけの性格を短時間である程度受け入れており、戦国時代の身分制度からすれば異例なほど寛容。
又兵衛に対しても、
「この二人はそちの命の恩人ではないか。これも何かの縁じゃ。」
とのび太としんのすけを預かるよう命じた。
又兵衛本人は子供を預かった経験がないとして狼狽したものの、安綱は笑って押し切っている。
井尻又兵衛由俊
春日家に仕える武将であり、安綱から非常に厚い信頼を置かれている。
又兵衛は《鬼の井尻》と恐れられるほどの猛将で、春日領が周辺国から攻撃を受けながら存続できている大きな理由の一つ。
安綱もその働きを高く評価しており、戦から帰還した又兵衛を直接労っている。
一方、主従関係だけでなく幼少期から又兵衛を知っているため、彼の性格もかなり理解している。
特に――
又兵衛が廉姫を愛していることには、とっくに気づいていた。
廉姫
安綱の娘で、現在残っている唯一の家族。
妻と息子達を失っているため、廉への愛情は非常に深い。
しかし娘をただ甘やかしているわけではなく、当初は小国・春日を存続させるため、他国との政略結婚も必要だと考えていた。
大国である大蔵井家から廉との婚姻を申し込まれた際にも、春日の安全を考えれば有力な選択肢となっていた。
だが――のび太達との出会いによって、その考えが変化していく。
未来を知って変わった決断
のび太達から、未来では春日領だけでなく、この時代に勢力を誇っている多くの国や家も消えていることを知る。
安綱はそこで、
どれほど大国と手を組んでも永遠に続くわけではない
という事実を突きつけられた。
「虚しいのぉ。戦に明け暮れ国を守っておるが……いずれは消え去る定めか……。」
小国が生き残るためには大国と手を結ぶしかない。
しかし、その大国さえ未来には残っていない。
その事実から、
「きっと欲が深すぎたのです。」
という廉の言葉にも納得する。
そして最終的に――
大蔵井家との縁談を断ることを決断した。
「今しばし、わしの元に居てくれ」
安綱が縁談を断った理由は政治だけではない。
大蔵井高虎について、
「なかなかやり手らしいが、どうも非情な所があって、わしゃ好きになれん。」
と本人への不信感も持っていた。
さらに何より、
「奥や息子たちを亡くしたわしにはお前しかおらぬ。」
「今しばし、わしの元に居てくれ。」
と廉へ本心を明かしている。
国を守るための「姫」ではなく、
自分に残された大切な娘
として廉を手元に置くことを選んだ。
この決断が結果的に大蔵井家との戦争へ発展することとなる。
春日領主として
おおらかな人物ではあるものの、戦国の小国を治め続けてきた領主でもある。
春日領は大国ほどの兵力を持たず、又兵衛をはじめとする家臣達の力によって何度も周辺国の攻撃を凌いできた。
大蔵井家との戦争でも逃亡せず、春日領を守る決断をする。
未来から来たドラえもん達の力についても、単純に恐れたり排斥したりすることなく、春日を守るための仲間として受け入れた。
又兵衛と廉の恋
安綱は二人の関係にかなり早い段階から気づいていた。
廉には当初、
「又兵衛と結婚しろ」
と直接言うことはなかったものの、内心では二人が結ばれることを望んでいた。
又兵衛が未来人から命を狙われ、2019年へ一時避難することになった際、その本音が完全に表へ出る。
春日の人々が又兵衛へ未来へ行くよう勧める中、吉乃から、
「姫様の為にも……」
と言われると、
「はっはっはっは!そうじゃそうじゃ!廉の為にもお主は生きよ!」
と大笑い。
又兵衛:
「と、殿!?」
完全に親公認だった。
そして廉本人が、
「父上、又兵衛が戻ってきたら婚儀をしますので。」
と宣言すると、
「おう!そうしろそうしろ。ハッハッハッハ!!」
と即答。
政略結婚ではなく、
娘が本当に愛する男との婚姻
を認めた。
現在では又兵衛が無事春日へ帰還した後、二人が婚儀を挙げることを心待ちにしている。
又兵衛の未来行き
黒の組織が又兵衛を殺害し、その子孫であるガープへ続く血筋を歴史から消そうとしていたことが判明。
タイムパトロール隊から、又兵衛を2019年へ一時避難させる案が提示される。
春日にとって又兵衛は非常に重要な武将であり、彼が長期間不在になることは大きな痛手。
それでも安綱は迷わず、
「又兵衛、お主は未来へ行け。」
と命じた。
戦場で武士として命を落とすことと、未来人による歴史改変で暗殺されることは別問題だと判断したためである。
国の戦力よりも又兵衛本人の命を優先できるところにも、安綱の人柄が表れている。
のび太達との関係
のび太達を単なる未来人ではなく、春日を救ってくれた恩人として認識している。
彼らから未来の技術だけでなく、
平和な日本
自由な恋愛
未来の社会
などについて知ったことは、安綱自身の価値観にも影響を与えた。
特に「未来では現在の大国ですら消えている」という事実は、春日のために娘を政略結婚させるという考えを見直す大きなきっかけとなった。
性格
基本的には豪快かつおおらか。
身分の違う相手や子供相手でも、面白いと思えば積極的に話を聞く。
未知の未来技術にも怯えるより先に興味を示すなど、かなり柔軟な思考を持つ。
一方で小国を治める領主としての現実感覚も持ち、春日を守るために何が必要なのかを常に考えている。
そして何より――
かなりの親バカ。
最後には又兵衛と廉の結婚話を誰より楽しそうに進めていた。
現在
天正2年の春日領に残り、廉姫や家臣達と共に国を治めている。
又兵衛が未来へ避難している間は、仁右衛門、弥助、儀助をはじめとする家臣達と春日を守る。
又兵衛が2019年へ旅立つ際にも見送りへ訪れ、
「未来はこことは違うんじゃ。ここの常識で暮らすんじゃないぞぉ、又兵衛。」
と送り出した。
又兵衛が帰還すれば――
次に待っている大仕事は、娘・廉姫との婚儀。
雷神「よし、できた」
銀「まぁ普通に十八と走り梅雨の設定を掘り返せたのは成果だな」
雷神「18禁?」
銀「うるせぇ!!!」
雷神「ぎゃあああああ!?」
作者はサイコロにされた