「ーーーーなるほど、あなたも訳アリだったのね?」
僕の部屋に戻り、待機していた美夜子さんと直ちゃんにさっきの出来事を話した。美夜子さんはソフィアさんの秘密を聞いて、妙に納得していた。まぁ、美夜子さん自身も訳アリ中の訳アリだもんね。平行世界の住人だし。
「あなたにもそんな秘密があったのね。」
ソフィアさんが秘密を教えたのに、美夜子さんはフェアじゃないと思ったのか自身の事を話したら、ソフィアさんも納得してくれたみたい。
「なぁ、のび太、ソフィアさんって何歳なんだろうな?」
「何さ、いきなり?」
「いや、気になってな?「私は12歳よ?」おっと聞こえてたか。」
「いえ、いいのよ。」
「年齢は僕達より2歳年上なんだ…恭奈と一緒か」
2歳年上…美夜子さんは見た目は僕達と一緒だしね。美夜子さんが何でこうなったのかは結局の所わかってない、色々憶測があったけどね。ってこんな事話してる場合じゃないんだった。
「美夜子さんと直ちゃんも来る?ソフィアさんの街に。」
「行きたいのは山々だけど、こんな人数行って大丈夫かなぁ?」
「大丈夫よ。何とかなるわ。」
ソフィアさんはなんてことなく、言った。ソフィアさんがいいならいいのかな。
「じゃあ、行く!楽しそうだし!」
「私もね。」
直ちゃんと美夜子さんはそれぞれ嬉しそうな顔でそう言った。
「よし決まったね!その前に…[フエルミラー]!」
ドラえもんが2人の言葉の後に謎の鏡を出した。
「これは物体を複製できる鏡台で、スイッチを入れるとこれにに映った物が鏡の中で実体化します。この鏡は中へ手を入れられるので、それをつかんで取り出せば一つ増えるんだ!ただしフエルミラーから取り出した物は、元の物とは奥行きが反転した鏡像と呼ばれる形態になってるけどね。服は字や絵が描かれていなければ何も変わらないよ!」
久々の道具紹介だけど、これ何気に使ってる時があった気がする。
「タケコプターもこれで増やしてるんだよ!じゃあ、ソフィアさんこれの前に立って! ってみんなはどいて!」
すると、フエルミラーから、ソフィアさんの服に似た物が人数分出てきた。それも色別に。
「いっちょ上がり!海底に行くのなら、ソフィアさんの人魚スーツが便利だと思ってね!」
さすがドラえもんだなぁ。あれ?ソフィアさんが不思議そうに見てる。そりゃこれみたら不思議に思うか
「これって、どういう魔法なの?」
ははは…何かデジャヴなんだけど、向こうのしずちゃんや美夜子さんも同じこと言ってたっけ。
「そうよね〜。私もドラちゃんの道具みた時そう思ったわ!」
美夜子さんは、ちょっと嬉しそうにそう言っていた。やっぱ化学の力ってそれを見ていない人からすると逆に魔法に見えるのか、まぁ…ドラえもんのはチートな気もするけどね。
「これは魔法って言うか、まぁ…魔法みたいなものか」
「おいおい、とにかくドラえもんには出来ない事なんてないんだよ!」
「何回か失敗するけどね。」
「それは言わない約束でしょ!」
「「「ふふっ」」」
「じゃあ着替えたら、出発準備いいね!」
「「「「「「「うん!」」」」」」」
ーーーーーーー
それから僕達は着替えてから庭に来ていた。しずちゃんは黄色を、直ちゃんは緑、美夜子さんはピンクだった。しずちゃんはよく黄色い服を着てるし、直ちゃんは色々着込んでる。美夜子さんは、ピンクがよく似合うよなぁ。向こうの世界ではよく着てたみたいだけど、この世界来てから、他の色の服も来ていた。閑話休題。
「じゃあ早速、[テキオー灯]これは22世紀の未来において宇宙の様々な天体に進出した人類が、大気・温度・重力などが地球と著しく異なる環境で活動するために開発された道具なんだ!この道具から照射される光を体に浴びることで、高水圧の深海だろうと、宇宙空間だろうと、特別な装備なしでも地上と全く変わりなく活動できるんだ!」
あれ?スネ夫を助ける時、それ使っていればよかったんじゃ?
「何で前は使わなかったんだ?」
「スネ夫くん救出の時は、メンテナンスに出してたんだよ。あとこれの効き目は24時間だからね!」
前に貰ったアメの時も効き目を話しておいてほかったよ。なんて言うのは無粋だと思ったので、何も言わなかった。
「上乗せ可能なのか?」
「もちろんだよ!」
ドラえもんは、僕達にテキオー灯を浴びせた後にお座敷釣り堀を出した。これで海底にまで行く事になる。何かドキドキするなぁ。っていうか。
「ドラえもんは浴びなくていいの?」
「僕はロボットだよ!」
ごめん。愚問だった。
「じゃあ!行きましょう!」
ソフィアさんの掛け声で僕達は早速お座敷釣り堀に飛び込んだ。お座敷釣り堀の中は見事なサンゴ礁があった。ソフィアさんが言うにはここはハワイの近くらしい。そりゃこんなに綺麗なはずだね。僕ら早速服で人魚になった…けど
「お、泳げなかったんだった。」
わかってた。わかってたさ!これで泳げるかなぁって思ってたよ!?でもやっぱり泳げない。もう!アクア星は見つけられないし…泳げないしなんなんだよ…
「のび太大丈夫か?」
「だ、大丈夫…!」
「やっぱり泳げないのかよ〜!のび太〜!」
「ふんっ!!」
「グヘェア!?」
スネ夫が僕に何か言ってたみたいだけど、しずちゃんが鳩尾に肘をぶつけ、スネ夫が悶えた。
「ははは…じゃあ行きましょ。」
ソフィアさんの掛け声で僕らは進んだ。サンゴ礁には色んな熱帯魚がいるなぁ。イワシの群れの穴を通ったり、亀と戯れたり、ハリセンボンに驚いてるスネ夫を横目に僕はちゃんと泳げるようにしていた。けど…
「のっ君。もっとゆっくり足を動かしてみて?」
「よしゆっくりだね?ゆっくりゆっくり、あれ?!」
「違うそうじゃない!?」
ゆっくりゆっくり泳ごうとしたけど、またもや違うのか上手く泳げなかった。何が違うんだよ…。すると目の前にクジラの群れが現れた。なかなか見えない光景だよね。そして夕方になってきたから、ドラえもんがある物を出した。
「これはね?[水避けロープ]このロープの中に入ると水を避けてくれるんだ。」
「うわぁ」
ソフィアさんは、避けられた水を見て驚いていた。僕達も驚いてる。レベルを超えすぎてるしさ。
「それじゃ次は…テントアパート!これはボンベで膨らませて使用する中は広間と六つの個室が完備されている。海底などで生活するための家なんだ!」
僕達は、中に入り中央の椅子に座って、雑談をすることにした。
「驚いた〜。ドラちゃんって、伝説に出てくる海の神様マナティアみたい!」
「伝説の神様…マナティア?」
「ええ!お祖母様が教えてくれたの」
何でも、ソフィアさん達人魚族が危険に晒されると、人魚の剣を使って助けてくれるという伝説らしい。
「人魚の剣?」
「そんなものがあるんですか?」
「そう、私達人魚族の先祖はその人魚の剣を大切に守ってきたと伝えられているわ。でも今はどこにあるのか…」
「なくなっちゃんですか?」
「もう5000年以上の昔の話だから、単なる伝説に過ぎないって言っている人もいるし…」
伝説の剣かぁ。そういうのはロマンも感じるし、かっこいいとは思うけど、どこにあるのか、分からないんじゃしょうがないか。
「ねぇ!ドラちゃん!探してみようよ。伝説の剣!」
「え!そんな直ちゃん!」
「そんな事ができるの?」
「だいじょーぶ!だってここにいるのは、伝説の海の神様マナティアにも負けないドラティアなんですもん!」
「え!?」
「直ちゃん」
「え?何のび兄?」
僕は少しイラッと来た。何故だか分からないけど。
「ドラえもんを過信しすぎだよ。ドラえもんだってできないことだってあるんだからね。それに!今ここに来てるのは伝説の剣とかそんなものじゃないでしょ。はぁ…何か僕疲れたから寝るね。」
「ちょ!のび兄!?」
「おい、のび太!」
僕は直ちゃんや和人の呼び掛けに気にせずに部屋に入った。はぁ…何やってんだろ僕。何にイライラしてんだろ。これじゃただの八つ当たりじゃないか…自分が何かできるとでも思ったんだきっと、過信していたのは僕の方だよ。
ーーーーーーー
「…のび兄…」
スグは部屋に入っていたのび太の方を見て少し落ち込んでいた。やっぱり今日ののび太は様子がおかしい。そうだ。アクア星を見つけられなかったってわかった時からあんな感じだよな。
「…何か悪いことしたかしら?」
ソフィアさんは、のび太が急にあんな感じを自分のせいだと思ったのか、そう呟いた多分ソフィアさんのせいじゃないし、ましてやスグのせいでもない。
「うーん…多分ソフィアさんは気にしくていいと思うわ。のっ君も何か心につっかえがあったんだろうし。直ちゃんも気にしないの」
「でも…」
「何であいついきなり?」
「スネ夫に何か言われても怒らないのっちゃんがあんなにイライラするのって、和くんが戻ってきた時くらいなんだけど。」
しず、それは何か違うと思うぞ?ちょっと少しトゲがある言葉だぞ!?てか、なんでジト目でこっちを見る!?
「はぁ…とりあえず俺が…」
「待って、私が行くわ。」
俺がのび太の方に向かおうとしたら美夜子さんに止められた。
「のっ君ちょっと病んでるっぽいから年上の私になら何か言ってくれるかもしれないし」
確かに俺が行くより、年上の美夜子さんが行った方がいいかもな。魔法の世界の時もそうだったし。
「…ここは美夜子さんに任せるか」
「うん!任せて、じゃあみんなも早く寝なさいよ?」
美夜子さんは、ウインクしてからのび太の部屋に入っていった。明日になったら、元ののび太に戻っていて欲しいけどな。俺はそう思いながら、割り振りされた部屋に入ったのだった。しずとスグはちょっと羨ましそうにしていたのは内緒だ。
ーーーーーーー
私はのっ君の部屋に入ると暗い部屋の隅でのっ君は体操座りをしていた。はぁ…これ相当さっきのにこたえてるみたいね。
「のっ君」
「…!」
私が声をかけるとのっ君は体をビクつかせた。それに構わず、横に座ってさらに話しかける
「あなた、アクア星が見つけられないのを自分のせいにしてない?」
きっと今ののっ君はあの時と一緒の精神状態だと思った。私がデマオンに単身で向かった後にのっ君は自分のせいだと、自分がこんな事思いつかなかったらって、自分を責めたててたと和くんから聞いていた。
「そんな事…」
「のっ君…いえのび太さん。あなたが言ったこと覚えてる?」
「言った…事?」
「助けるって、言ってくれた。ほんとに助けてもらった時は嬉しかった。のび太さん、だから。」
私は笑顔でこの言葉を、言うことにした。のっ君が教えてくれた事。
「1人で抱え込まないで、私を…いえ私達を頼って?きついでしょ?これはあなたの言葉よ?」
私はのっ君目を見ながら、そう言った。
「…美夜子さん…ごめん。僕は手伝うとか言っといて…何も出来なかった…それに…それに泳ごうとしても泳げないし…それで直ちゃんの言葉にイラッと来ちゃったんだ…何だか僕は無能だって、ドラえもんがいれば何も問題ないって言われているみたいで…被害妄想だよね。」
のっ君は、言葉を振り絞るように言った。はぁ…やっぱり泳げないのも原因だったのか、確かに被害妄想なのかもしれないけどね。
「でも、さっきも言ったようにのっ君は私や地下恐竜達を助けてくれたじゃない。」
「それはドラえもんの道具があってこその結果だよ。僕なんか何も」
この子は…自分が何を言ってるのか、わかってるの?これはガツンと言った方がよさそうね。
「そんなことない!のび太さんは言葉で!行動で!私を救ってくれた!確かにドラちゃんの道具があってこその結果かもしれない。けど…結果的に私やバンホーさんを変えたのはあなたの言葉よ!」
「み、美夜子さん…」
「のっ君…だから元気だしなさい!あなたは無能なんかじゃない!自分で自分を蔑まない!あなたの言葉で行動で!変わった人は多いんだからね!」
私は思っていた事をすべて吐き出した。のっ君がここまで悩んでたとは思ってなかったし、助けてくれた恩人…いや好きな人を助けたいと思った。助けてもらってから、何も出来てなかったし。
「…うん、僕どうかしてたみたいだ、美夜子さんありがとう!」
「ふう…いいのよ。のっ君には私や和人君がいる、ドラちゃんだっているのよ!だからまた何かあれば吐き出しなさいよ?」
「今回は、美夜子さんが吐き出したように思えるけどね」
「それは言わないの!とにかく明日直ちゃんに謝りなさいよ?」
「うん…美夜子さん、本当にありがとうね」
のっ君はさっきまであった陰りもなくなりキラキラの笑顔でそう言ったそうあなたはそのキラキラが似合うのよ!それが、あなたの取り柄なんだからーーーーーー