視点はのび太、美夜子さんになります。
「私と入れ替わってくれ。」
「「え!?」」
入れ替わるって、僕が王子様になるって事!?さっきまで神妙な顔をしてたと思ったらそういう事!?美夜子さんは不機嫌で今にもティオに殴り掛かりそうになっていたから、必死で腕を掴んでいる。めっちゃ力強いけどね!?
「日本をもっと見たい。そして、レディナを倒す秘策を見つけたいんだ。」
意外とまともな理由だった。それを聞いた美夜子さんも力が緩んだ。でも顔はまだ、不機嫌のままだけど。
「…そして、ミナモに願いがある。」
「おや、私にお願いとはお兄様も珍しい。」
笑ってるのに、目が笑ってない…さっきの最悪な感じからよくティオも話をかけられるよね。
「…こいつのお目付け役になってほしい。」
「お目付け役?」
「レディナの奴や下僕がいつ来るかもわからない。お前の千里眼や魔術はレディナ対抗に使えるからな。」
「はぁ……お兄様は素直なお願いの仕方を知らないのですね。まず彼らにレディナの事を説明なされては?」
「……お前が怒るから話せなかっただろうが…」
「何か?」
「…。」
何というか、兄は妹には勝てないって事かな。ドラえもんもドラミちゃんを思い出したのか苦笑いをしてる。そして、ティオは僕達に向き直した。
「レディナは、以前このマヤナ国の新官長を務めていた。だがだんだんと怪しげな魔術を使いだし、民衆を惑わすため母上が追放したんだ。」
「それで、ティオとミナモさんのお母さんはレディナに眠らされたんだね。」
「気安いぞ。私をティオ様と呼ぶな。王子様と呼べ。」
「バカ王子。」
「あ?」
「あああ!!ごめんなさい王子様!!」
火に油を注がないで!?話が折れちゃうから!?え?僕がティオを普通に呼んだから?…僕が原因じゃん。僕のバカ!
「私はミナモと呼んでてください。同世代のご友人はいないので。」
ミナモさんは、相変わらずキレイな笑顔でそう言った。ティオに向けては全く向けないのに…
「それでは続きを…国を追われたレディナは、白骨の森と呼ばれる誰も寄せない森のその奥にある、闇の神殿にいます。母上は日に日にやせ衰えていきます。私の魔術でレディナの魔術を相殺しています。しかしレディナの力は前より強くなっているのでそれも徐々に…」
ミナモさんは、顔を歪めて悔しそうな表情になっていた。ものすごく歯がゆいんだろう。たぶんだけど、自分には抵抗しうる魔術がある、でもレディナの魔術の方が上になっているから、何もできない自分が…気持ちはわかるな。
「だから私は誓ったのだ。必ずレディナを倒し、母上を術から解き、み、ミナモの負担を無くさせたいとな。」
めっちゃ照れ臭そうに言ってる。
「だからもっともっと強くなりたいんだ!
なんだ、ちゃんとミナモさんの事も心配していたんだ。……ただただ、不器用なだけなんだ。
「ねぇドラえもん、美夜子さん。少しの間だけなら入れ替わってさ。」
「ダメダメ!!僕がどれだけ苦労をしたことか!!」
すごい剣幕で言ってきた。僕らが、マヤナ国に連れてこられてる間にいったい何があったんだろう。
「人助けだよ。ねぇ王子様!」
「よし、決まったぞ!明日から入れ替えだ。いいな!」
「はぁ……」
こうして僕とティオの入れ替えが決まった、さっきも美夜子さんに言ったけど、王子様の生活って楽しいからね。
「…でしたら私も行きます。」
「ミナモ、お前にはこいつのお目付けと言ったはずだ。お前が離れたら母上にかけられた魔術が」
「ご心配なく、どうやら美夜子様にも魔術は使えるようですし。」
ミナモさんは美夜子さんの身体に手を構えながらそう言った。やっぱり、ミナモさんにはわかるんだな。でもあの力は僕達の世界に来るときに一緒に消えてしまった。
「私は力になれないわ。」
「…そうですね。貴方の力は魔術によって、封印されています。」
「「「…魔術!?」」」
「そうです、この魔術は…どうやら
「「「……」」」
僕達は、ミナモさんの言葉を聞いて、驚きを隠せなかった。つまり、もしもボックスで世界を戻す時に、美夜子さんの他に誰かが居たって事になる、美夜子さんの魔力感知は、誰よりも自信があると言っていた。その魔力感知以上の実力者あの場にいたのか。
「私の魔術で戻せますよ?」
「ほんとに!?異世界の魔術なのよ!?」
「原理は一緒みたいです。」
「じゃあお願いしてもいい?」
「ええ、では…
ミナモさんは美夜子さんに向けて、唱えた。この唱え方は…あの世界の!?
「ドラえもん、タイムホールって平行世界にも通じるの!?」
「知らないよ!?こんな事例は初めてなんだ!!」
ドラえもんに聞いても寝耳に水だったらしい。ていうか、美夜子さんさっきから黙ってるけど、どうしたんだろ?
「美夜子さん?」
「……」
「ま、まさか…」
ボウ!
美夜子さんの手から、青い火が出てきた。一瞬、戻ってないかと思った。こういう脅かし方は本当にやめてほしい!!和人も前にやってたなこれ…とほほ
「これで私も戦線復帰できるわ!!」
…あっ、ずっと見守ってたもんね。美夜子さんが魔法を使えるようになった事でもし、戦うことができる。そんなことは絶対あってほしくない。って待てよ…美夜子さんとの出会いもあのサルと美夜子さんが戦ってた時だったっけ。
「話は終わったか?」
ティオはずっと待ってたのか、少し不機嫌になってた。やっぱり短気だな。この王子様は…
「お兄様、これで私も行きますね。」
「勝手にしろ。お前、母上の魔術に何かあったら許さないからな。」
「あんたに言われなくてもそのつもりよ。」
「あ?」
「なに?」
「可愛くない女だ」
「あんたに可愛いとも思われたくないわ。」
「ミナモの方がもっと可愛げがある」
「のっ君の方がもっと優しさがあるわ」
「「何を~!ふん!!」」
いや僕ら2人を引き合いに出さないで、同じ顔だから…ってやっぱティオ、ミナモさんの事大事にしてるよね。この二人はすっかり犬猿の仲になってしまった。仲良くしてほしいと思うけど無理にしても逆効果だろうし。今はそっとしておこう。
「では明日から頼んだぞ。」
「任せてよ!」
「じゃあ、帰るよ。」
僕達は約束をして、ドラえもんがどこでもドアを出して帰ろうとした。
「あっ、美夜子様。すこしお時間を。」
「…そっか、わかったわ。のっ君、ドラちゃん先に帰ってて。」
「大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、危険はないから
美夜子さんはきっと、念話で何かを聞かされたみたい、危険がないならそれでいいけど…
「じゃあ、気を付けてね。」
僕はそれだけ言うと、ドラえもんと共に先に帰ったのだった。
ー-----
「やはり、お兄様と違って、優しい方ですね。」
のっ君とドラちゃんが帰ってからミナモちゃんがそう言ってきた。本当につくづくそう思う。のっ君の爪の垢を物理的に飲ませたいくらいに、あと、あのバカ王子はのっ君が帰った同時にどこかに行った。ミナモちゃんが言うには鍛錬らしい、どうでもいいけど。
「先ほど申した通り、母上様のお部屋に。」
さっき、ミナモちゃんが念話してきたのは二人の母親であるアダリナ様に会わせると、ミナモちゃんに言われたから。私は、ミナモちゃんの後をついていく。
「あっ、美夜子様これをかぶっておいてください。さっきみたいなことになりたくはないでしょ?」
ミナモちゃんが出してきたのは、あのバカ王子がつけていた仮面の目元だけの物だった。さっきのあれは確かに焦ったわね。
「ありがとね、使わせてもらうわね」
「はい!」
そして私達はまた歩き出した、王宮は見た目以上に広く女王がいる場所まで5分掛かるらしい。ここに住んでると歩くだけで鍛えられそう。現にすれ違う人たちは筋肉が付いてる人ばっかりね。
「こちらが母様のお部屋になります。」
大きな扉がそこにあった。それを開けると、暗い部屋の一角に蠟燭の光でうっすら見える所にベッドがあり、そこに向かう。
「…!!」
そこには頬がこけて、苦しそうな女性が眠っている。
「この方が現女王で私達の母、アダリナです。」
苦しそうで泣きそうな声で私に言うミナモちゃん。私ぎゅっと抱きしめた。
「ありがとうございます。…美夜子様、この魔術を貴女に教えます。」
少し安心したのか、ミナモちゃんは私に言ってきた。でもこの魔法は…
「…ミナモちゃん、この魔術は私、知ってるわ。」
相殺している魔術はやっぱり、私の世界の魔法に似ている…いや違う、そのものなんだ。…ここはやはり、あの世界の過去の世界?
「不思議ですね。貴女の魔法を消していたのも、この国の物にそっくりでしたし。」
そこが問題だった。私の魔力感知をも突破した。人物がいるって事に、その人が何の目的で私の魔法を封印したのかは知らない。その人物も一緒に来ているのかな
「…子様。美夜子様!」
「あっ、何?」
「ですから、そろそろ帰りますよ!」
考えすぎて、ミナモちゃんの話を聞いてなかった。危ない危ない。このことはのっ君達と話した方が速いわね。私は、一通りミナモちゃんに相殺してる魔術を聞いてから、家路についたのだった
ーーーーーーーー
けど…
「どうしたのこの汚さ。」
「ティオが…」
「あっうん。もうわかったからいいわ。」
帰ってきたら、のっ君の部屋が行く前よりも汚くなっていた。原因はもう聞くまでもなくあほ王子のせいね。はぁ……
「燃やそうかしら」
「お願い、物騒だからやめて!?」
「冗談よ。」
冗談はさておき、入れ替わりの件、和君達に言うのかしら?和君の事だからあのバカ王子の事なんかすぐにバレそうだけど。
「うーん、内緒にしておくよ。明日は和人アキバに行くらしいし。まぁ、バレないでしょ」
「ひと悶着なきゃいいけど」
「二人とも僕の負担も考えてよ」
「「頑張って。」」
「あぁ~!!!ひどいよぉ!!!」
そんなにあいつ、やばかったの?いやまぁ、この汚さでもわかるけど。ママの怒りっぷりが目に見えるね。
「いい加減片付けないと。ママに…」
「もう見つけたわよ!!」
「「「あっ」」」
最悪のタイミングでママが上に上がってたみたい…
「こんなに散らかして!!!すぐ片付けなさい!!」
私達は大慌てで散らかった部屋を片付けるのだった。あのバカ王子明日会ったらただじゃおかない!!
雷神「よし、終了。」
銀「今回もいろんなものぶっこんだな」
雷神「いやぁ、こうなったら面白いかなって。
銀「実質太陽王伝説は、魔界大冒険の続編か?」
雷神「そう思ってもらっても構わんよ。ヨホホ!では次回もお楽しみに!」
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