──お前には妹がいたんだ……しかし、産まれてから少しして直ぐに死んでしまってな……
今まで言ってやれず、すまなかった──
3ヶ月と少し前、俺は両親からそんな告白をされた。
皆ならばどう思うだろう。
たとえば、
「最強の萌え属性である妹が俺にいただと……なんで、なんで死んでしまったんだ──なんで俺の妹がそんな命運を辿らなくちゃいけないんだ……!」
と、悲しさと理不尽に必死に訴えかける人。
たとえば、
「俺にも妹が──?まぁ妹っていうのは古今東西兄を嫌い、兄にウザがられるものらしいしな。一人っ子でも不自由に感じたことは無いが、やはり家族が死んでしまったというのは……悲しいものだな」
と、ツンデレなセリフで寂寥と疼痛を隠す人。
他にも様々な反応を示す人がいることだろう。
そして、みんなが皆悲しむはずだ。
俺だって凄く悲しい。
実感こそ湧かないが、それでも悲しいに決まっている。
自分にもしも妹がいれば──自分に妹がいたらどんな生活をしているのか──という思いを何度もした。
思う度に悲しくなり、無意味だと悟る。
どれだけ願おうと死んだ人が戻ってくる訳では無い。どれだけ願おうと想いは叶えられない──
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「お前の妹は生きていたんだ。明日から家(ここ)に住むことになる。そう、家族みんなで暮らすんだ」
そして、ついさっきの事だ。
思い返せば、あの時の俺は相当に呆けた顔をしていたに違いない。鏡を見なくたってわかる。しかし、両親の顔は至って真面目だ。それから、俺が真面目に話を聞く姿勢になるのを待ってから、ゆっくりと話し始めた。
曰く、死んだ妹は人様のお家の子供だった。
曰く、3ヶ月と少し前にそれが発覚し、うちに連絡が来た。
曰く、田舎の病院で出産し、非常に混雑していた日であり、取り間違えを病院側が犯してしまったらしい。
詳しくはないが、現実味のない話だとは思った。突拍子のない話だ、とも思った。
だが、疑う俺の思惑を両親の真剣な瞳と表情が許してはくれない。あくまでもゆっくりと、まるで諭すかのように話し続ける。
「兄として、妹に優しく接するように。わかったか?」
思うことはたくさんある。この親は何言ってんの?とか、妹が死んだという告白を受けてから思い、悩み、眠れずにすごした夜をどうしてくれる、とか。いい加減少し眠たい、とか場違いなことも思った。
だが、家族が1人、実は生きていたという話は絶対に大切な、大事な話だ。俺が両親にその真贋を問おうとする。
「もうこんな時間だ。今日は寝ようか」
しかし、釘を打たれたところで今日という日が終わり、日付が変わる。
──今日は始業式だ。
お読みいただきありがとうございます!
次話からが本編となっておりますので、そちらも読んでくださると幸いです。
これはあとから書き直したものなので、投稿日時がおかしくなっておりますがどうかお気になさらず。
追記
@Damy16388212
Twitter始めたので作ってみました。