俺の日常に妹が追加されるようです   作:Damy

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久しぶりの投稿になってしまい申し訳ないです!
13話です!


妹と先輩

「はぁ〜……あ、あー」

 

昨日声を出しすぎてちょっとかすれ気味……それもこれも全部あいつが悪い。

あー、思い出しただけでもイライラしてきた……

 

「意外とこの時間帯でも生徒って少ないのね」

 

改めて周囲を見渡す。廊下から見える教室の中には生徒が2、3人しかいない所がほとんど。

8割がた仲睦まじい男女。残りはあいつみたいなモブキャラ。すなわちあたしにとっては全員モブキャラ!

ああいうのに羨望の眼差しを向けて妬んじゃうのは仕方が無いことだと思うな。

改めて視線を廊下に戻す。灰色の壁に床。このままあたしの未来も灰色ロードウェイなのかしら。

……なんか最近あいつの思考がうつってきているきがする。すごく嫌だちょー嫌だ帰ったら無視しようこれ以上関わりたくない……

 

「あれ?かなで、どうしたの?こんな朝早くに」

 

曲がり角から現れたのは麻那だった。朝早くから学校にいるあたしに少し戸惑っている。

まぁ、いっつもは遅刻ギリギリぐらいだからね……お母さんに晩御飯を人質に取られるまではテコでも動かないし。

 

「今日あたし日直だからさ、中学の時の名残でつい」

 

中学時代の日直は割と大変だった。朝早くに職員室までプリントを取りに行って(というかほとんど職員会議とかで中に入れないんだけど)、黒板の消し残りを確認して(前日の掃除当番の人がちゃんとやってくれている)、花に水をあげたり(生け花なんて学校にない。倒れたりしてすぐ割れちゃうから)、飼育している動物に餌をあげる(これは小学校)。

あれ?特にやってることがない……?

しかし、あたしの横に沿って歩き始めた麻那はそんなことを気にせずにふふっ、と可愛らしく笑った。

麻那は身長の割にすごく大人びていると思う。一つ一つの所作が完全に大人のそれ。

 

「かなで、かわい」

「え、もしかしなくてもバカにされてるの?あたし」

「そんなことないよー。それにしても最近のかなではとっつきやすくなったよねー」

 

え、どこが……むしろあいつのせいで人間不信になりかけてるまであるんだけど?

嘘っぱちのモーニングコールとか腹痛の収まらない手料理とか。

あいつの非を上げたら話題が尽きない、とばかりにあたしがネタを頭の中で複数製造していると、

 

「お兄さんに似てきて話しやすくなったよ」

「それはない!え、ほんとやめて、嘘だよね……?ってか今までのあたしは話しづらかった……」

 

んふふ、と微笑を浮かべるだけで何も答えてくれない麻那。なんだか涙が出てきちゃう。

でも、麻那のこういう所はあたしは嫌いではない。あいつ云々の話は嫌いだけど。

麻那はいい意味で女子っぽくないのだ。相手への気遣いとか同調とかお世辞とか言いづらいことを言ってくれるところには素直に共感を持てる。

身長は小さくても器の大きい女ね、と同じ高さにある顔を見やる。むしろ睨む。

 

「あ、将棋部ってどうなったの?」

「……今聞きに行ったんだけど会議中だった」

「あららー」

「でも、問題は無いと思うよ。たぶん無事に創立出来ると思う」

 

えへへー、と麻那と笑い合っていると灰色の廊下も花色の教室も気にならなかった。

そう、あたしには周り同行行っている余裕なんてないんだ。自分の手の届く範囲でもうていいっぱい。主に勉強とか。いや、あれは手が届かない位置にあったわ。

 

HR開始の少し前の時間にトイレに行った。毎回思うんだけどお花を積みに行くとか何時代の表現なのよ。潔くトイレって言えばいいのに。ただの生理現象なんだから。

ちょっと女の子捨ててるかなー?っていう思考をしていると廊下を這っている男子生徒がいた。変質者。

 

「……ううっ……腹、いたい」

「と思ったら病人だった!」

 

思わず口をついてしまい少し赤くなってしまう。

すぐに這っている人に近づいて声をかけた。

 

「あの!大丈夫ですか!聞こえますかー!」

「それ……ビミョーに違うかな……保健室までお願いしてもいい?」

 

なんだか呆気に取られた……図々しいなぁーこの人。心配して損したまでは言わないけれど大損したと言える……あれ?

 

「絶対領域………へぼっ!」

 

あ、あいつと似た雰囲気を醸し出していたからつい踏んでしまった!あ、でもお腹が痛いのと背中が痛いのでプラマイゼロよね!

 

完全にダウンした状態の人を引っ張ってすぐそこの保健室に向かった。

 

「ありゃ?誰もいない」

 

どーしよ、困っちゃった。と思っているとお腹と背中を両手で抑えて蛇みたいに進んでいる人を発見した。気持ち悪いのでもう一度踏もうかな、とか考えていると男子生徒がベットに這い上がりながら声を上げた。

 

「俺は、2年のはぁ、石澤……助け、て……くれて、ありがとう」

「いえ、それでは」

 

なるほど、先輩さんでしたか。と思って保健室から半歩ほど出ると呼び止められた。

 

「俺さ……君のこと見たことあるような」

 

あたしはないです。と言おうと思ったがすぐに思い当たる節があって口を噤んだ。

 

「たぶん新入生代表の挨拶?の時ですね」

「……ああ。……寝てたからわからないや、でも多分そうだ」

 

寝てた……?たしかあの時はみんな立っていたはず。疑問に思ったが男の人は未だに苦手。すぐに帰ることにした。

 

「それでは」

「ああ、うん。ありがとね」

 

教室日戻る途中ふと思った。前よりも男の人と話せるようになっている。

そう思った時にあいつの顔がちらりと横切った。

………あいつのおかげって思うのはなんだか癪だから……あいつのせいでってことにしておこう。

 




俺は男の子なので女の子のドロッドロな関係とか内面とかにはあんまり詳しくないです、知りたくないです、いつまでも夢を見ていたいんだもん!
あと、絶対領域は正義!!
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