俺の日常に妹が追加されるようです   作:Damy

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14話です。


兄と変態

あー、疲れた。何が疲れたって授業……ではなく、いや充分疲れるんですけどね? 机の寝心地めっちゃ悪い。

そうではなくて、疲れたのは周りからの視線。

男からは警戒の視線。女子からは朱羅くんって腕っ節強いんだってー、っていう興味津々な眼差し(希望的観測)。

どちらも俺が視線に気がついて振り向くと目をそらす。いや、ほんとこれが辛いんだって……認識されて注目を浴びているはずなのに、誰も近寄らず誰も試験を合わせずってのは辛い。

那由多にも助けを求める視線を送ったけど寝てた。なに?寝不足なの?幼馴染よりも睡眠が大事ですかそうですか。いやそうだわ。

そんなこんなで2時間目の終了を知らせるチャイムが鳴るのとほぼ同時に教室の扉がスライドされた。

 

「だっだいまぁ〜」

「何警戒に帰ってきちゃってんだよ、サボり」

「いや、お前のせい……いや、おかげ?」

「……なんだったらあと数発なぐてあげようか?」

 

殴られて喜ぶ趣味とかあるのかよ、彩斗。

生理的欲求に答えるという形でストレス発散してあげようかしら?

なんて考えていると周りから悲鳴が上がった……やめて!俺は怖くないよ!

 

「そーゆーんじゃなくて。……なんてーか、可愛い女の子に会った」

 

……こいつ那由ラーの切込隊長じゃなかったっけ? それで俺に殴られていたような……

と、俺が思いはせていると、後ろの入口から出てぐるっと前の入口つまり俺達がいる方の入口へと何人かの男子生徒が来た。そこまでして俺に近寄りたくないんですかねぇ……

 

「なになに、だれだよ」「何年生?胸は、なぁ胸は!」「黙れよ童貞。石澤、ちっちゃかった?ロリっ子だった?」「ロリコンきめぇんだよ!」

 

男どもがむさくるしく矢継ぎ早に質問をしていると、教室内から「……キモッ」という冷えた女性陣の声が聞こえた。

男は全員氷のように固まった!

 

「なんか1年の挨拶代表でやったって言ってたよ」

 

ん?

 

「あー……あのちっこい子か……」

「よっしゃ!! え、なに、連絡先は!?おい、石澤、いや隊長!!」

「貰ってねぇよ……でもな、腹痛くてうずくまってたら保健室まで運んでくれてさぁー。優しかったなぁ、踏み方とか引きずり方とか」

 

それは優しいって言うのか……?あ、我々の業界ではご褒美です!ってやつか。マジか石澤さん。

にしてもかなでが引きずってでも保健室まで誰かを運ぶなんてな……見ず知らずの男子とかには近寄ろうともしなさそうなのに。

出会った当初の俺への対応って言ったら酷かったよなぁ……そう思うと石澤さんの方が高待遇?

 

「なあ、石澤さん。それって頭の左右に束ねた髪の毛がぴょこってあるやつだったか?」

「ん?おお、そうそう。え、なんでさん付け」

「身長は小さくてつり目?」

「そう、だけど。なんでそんな詳しいのお前」

「変なことはしてないな?」

 

俺がそう言うと石澤さんの視線が一瞬泳いだ。

 

「いや、ほら、なんていうの? 絶対領域っていうがはぁ!?」

「石澤ー!」「隊長ぉー!」「キャー!」

「あ、ヤベ」

 

なんか最近は手が出るのが早くなってしまったらしい。多分原因はかなで。あいつすぐ俺のこと殴るし叩くし蹴るしで暴力のオンパレード。トドメにはお母さんに告げ口して俺への精神攻撃。

だから、俺から石澤さんへの攻撃は言ってしまえば大したことない。むしろ、かなでの暴力によって育てられた俺の暴力だから、石澤さんはかなでに殴られたと言っても過言ではない!

 

「おい……朱石、さん」

 

と、俺が現実世界からのトリップを測っていると正面から低く深い声が低いところから聞こえた。ってえ?さん?

下を見やるとそこには土下座した男子生徒が1人。……えぇ……

 

「……なに」

「どうか俺のことも殴ってください!そうすれば──!俺もロリっ子と──合法的にロリっ子に踏まれたりなじられたり罵倒されたり、純粋無垢な瞳で調教されることが出来るぅ!低身長、貧乳、未発達なおっぱいこそ嗜好!──ロォォォリィィイっ子さぁぁいこぉぉぉ!!!」

 

 

 

 

──その魂の雄叫びを耳にしたものは誰一人として動くことが出来ずにただただ時間だけが過ぎていった。自分の鼓動がいやに大きく聞こえる、教室からは息遣いのひとつも聞こえてこない。聞こえたのはマイナス273度の「キモ……」の一言だけ。

どれほどの時間が経ったのかわからない。もしかしたらもう既に3時間目が始まってるかもと思い時計を見やると、秒針が4から5に移っているだけで他にはなんの変化もなかった。

 

もちろん俺はそのスーパーロリぺド変態ソウル(のちのち命名)のことは殴らなかった。むしろ触れたくすらなかった。

もし俺がこれを殴ればかなでのところに行き着く可能性がある。まぁ、かなでならなんの問題もなく抹殺しそうだけど、一応兄としてこれを妹の元に送り付けるのはどうかと思いました。

 

ちなみにスーパーロリペ(以下略)は俺の知っている限りでは今日一日中半径3メートル以内に誰も近寄らなかった。もちろん授業中も。それで男子と女子の間が物理的に縮まっていたのだから男子諸君はむしろ感謝するべきなのでは?いやしないけど。

 

蛇足だが、放課後にも5人ほど変態が俺のところに来て「殴ってくれ」って頼んできたけれど無視した。全力疾走で住宅街を走って撒くぐらいしかしなかったですよ?ハァ………うちの高校、変態多くない?それも常軌を逸した奴が。




ロリコンは最高!でも俺は紳士だからイエスロリノータッチの精神を心がけているよ!
先日、変態王子と笑わない猫を読んでその影響でこんなことに……
あ、俺は2次元と3次元の区別をちゃんと付けてますから。ニュースにそういうニュースが出ても犯人は俺じゃないからね!?
ヘ、ヘンティカーン!ヘンティカンヘンタイ!(挨拶)
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