ほんとすいませんお久しぶりですDamyですすいません。
謝罪の代わりという訳では無いのですが、今回は少しだけ長めに書きました。
久しぶりに書いたので駄文に滑車がかかっているかも知れませんすいません。
では、16話です!
次の日、お母さんに晩飯を人質にされたため渋々と学校へと向かっていると(かなでは用事があるそう出先に家を出た)1つ目の角を曲がったところで珍しいものを見た。
「何やってんだ?」
「うわあっ!」
那由多が道の真ん中にしゃがみこんでいたのだ。
声をかけるとその華奢な肩が大きく跳ね、那由多の影から黒猫が飛び出す。きっといきなり声を上げたせいでびっくりしてしまったのだろう。
「……あぁ!」
その姿を眺めて那由多が落胆の吐息を漏らした。なんかすいませんね……
しかし、ここら辺で野良猫を見るのは珍しい。
あと、那由多は昔から意味もなく動物に嫌われる質なので、黒猫が那由多に懐いて撫でられていたのも珍しかった。
そんなことを考えていると、黒猫が逃げてしまったことに肩を落としていた那由多が勢いよくこちらに振り返る。
フーッ、フーッ!とまるで猫が威嚇するかのようにこちらを睨みつけていてその姿を少し可愛らしく感じた。
「おー、よしよしよし」
「うにゃぁっ!」
サラサラとした撫で心地のいい感触が手のひらに伝わってきて、ずっとこうしていたいとすら思えた。
そう言えば、こうやって那由多の頭を撫でるのは何年ぶりだろうか。小学生の……高学年とか、それくらいか?
と、懐かしい思い出に思い馳せていると、腕を勢いよくはじかれる。
「しょ、小学生じゃないんだから!やめてよね!」
そこには赤毛の子猫ちゃんがいた。いや、自分で言っててこれは少しキモい。
「わるいわるい。ってか遅刻するぞ?」
「え、あ、ホントだ」
フシューッ!と威嚇してくる赤毛猫を宥めてから話題転換するとすぐに乗ってくる。
腕時計で時間を確認すると結構ギリギリな時間。
「俺に感謝しとけよ?もし俺がここを通らなかったら、お前猫と遊び続けて遅刻するところだったんだからな?むしろ、頭を撫でるくらいのご褒美が俺にもあっていいと思うぞ」
「頭を撫でることがご褒美とか……石澤くん?だっけ。と同じレベルの変態じゃない」
おい待てそれだけはやめてくれ。と、自分の中で自己弁明してしょげていると、隣で那由多がふふっ、と笑う。
昨日と同じように2人で登校しているとやはり、思うことも似てくる。
重く閉ざされた見慣れたはずの……しかし、酷く久しぶりに見たように感じたあのカーテン。
話していることも、雰囲気も、歩調も。その全てが今までと同じ。なのに1部にだけ靄がかかっていて取り除けず、無視することも叶わない。
いつも通りであればあるほど、いつも通りではない部分が浮き彫りになってくる。
まるで別の何かのようだ。
「かなでちゃん。大丈夫なの?」
唐突に話し始めた那由多に俺はすかさず反応して返す。
恐らく、変態共の話だろう。
「だいぶ疲れていたみたいだけどな。俺に八つ当たりしたおかげでいくらか気晴らしになったみたいだ」
「なんか……朱羅がかなでちゃんにおざなりに扱われるのが当然みたいになってる……M?」
「ちがう!」
そういったきり通学路には沈黙が流れる。靴がコンクリートを踏みしめる音がいやに大きく聞こえ、そばを通る車が発する音が体を震わす。
いつもであれば、むしろ心地いいこの沈黙の時間が……なんだかむず痒い。
最近、那由多といるとこうなることが多くなった気がする。いや、以前まではこんなことは……無かった。
「そう言えば、あの変態共に八つ当たりしたいんだけどなんかいい方法ないかね」
沈黙を埋めるために矢継ぎ早に口にした言葉にしかし那由多は、眉を寄せた。
「……朱羅がそんなこと言うなんて……珍しいね」
「え、そうか?……あー、あれだ。かなでに毒されてるのかも」
「ふーん……良くないよ、そういうの。朱羅らしくない」
少し思案顔した後に那由多はそう言った。
俺らしさって言うのはイマイチ分からないが、唯一の幼馴染がそう言うならそうなのだろう。
「だな、やめとくわ」
だから代わりに、と俺はもう一度那由多の頭を撫で回した。
髪の毛が乱れるとか、ウザイとか、子供扱いするなー!という反論が聞こえたような気がしないでもないが無視しておいた。
というか、俺も大概だが那由多もかなでに毒されてんじゃねえか……
『反朱羅同盟・改』のメンバーが激減したため、俺と那由多が遅刻ギリギリに教室に入ろうと大した騒ぎは起きなかった。
代わりに女子間では「あ、今日も一緒だ」「やっぱり付き合ってるのかな?」「えー?でもそんな話聞いてないよー?」「あたしもー」という会話が繰り広げられていた。
え?なに。女子ってそういうのいちいち報告しなきゃいけないのん?ちょっとそういうリアルな話は聞きたくないかな!
「お、朱羅。遅刻ギリじゃねえか、おはよー」
「あ、石澤さん。お心遣いありがとうございます。おはようございます」
「その敬語って今日も継続なのかよ!?」
はて?なんのことでございましょ……記憶にございません。
後ろからかけられるうざったい声を無視して俺は先生の話を聞いていた。曰く「おい石澤ぁ……あとで話あるからこっち来いやぁ」だそうです。ププッ……
あ、ちなみに今日はスーパーロリぺド変態ソウルさんの周囲1.5メートル範囲には誰も近寄っていなかったですね。
あと、俺に殴ってくれと懇願してくる変態共は無視するという方針ですね。はぁ……
学校も終わり、帰ろうとカバンを掴むと女子達の会話が耳に入ってきた。べ、別にいつも聞き耳を立ててるとか、そういうんじゃないんだからね!ぜ、絶対絶対違うんだからぁ!
「ねーねー、那由多ちゃんって朱石くんと付き合ってるの?」
「えぇ!?……な、なんで?」
「だってー昨日も今日も一緒に学校来てたしぃ、那由多ちゃん、朱石くんといる時すっごい楽しそうなんだもん」
それって暗に「私たちと居る時はつまらなそうだろね」って言ってるのかな……ってこれは考えすぎだな。うん、たぶんきっと……え?そうだよね?
「いや、あ、あいつとはただの幼馴染みってだけで……恋愛とか、そういうのは」
「えー?本当?でもでも、先週と今週でなんか二人の間の雰囲気違くない?」
那由多と俺の肩が、ほぼ同時にギクリと跳ねる。
よ、よく見てるなぁー。あ、さては俺のファンだなそうだなガハハ。ハ、ハハ……
ちらりと、那由多の顔を盗み見る。すると、目が合ってしまいすぐさまそらす。え、なにこれ。
その仕草を見ていた女子達からキャーと黄色い声が上がり、数少ない『反朱石同盟・改』と『那由ラー』の皆さんから睨まれた。ふぇえ……
居心地が悪くなり、そそくさと教室から出ていく。
もう一度那由多に視線を送ると、また視線があっていまい気まずくなった。そんな俺に那由多は微笑み女子達のほあへと向き直った。
いやまて。考えろ。よーく考えるんだ。今までの人生の数少なすぎる、むしろZEROと言っても過言ではない経験を元に考えるんだ。
熟考に熟考を重ねて出た結論。
「……那由多って俺のこと……す、好き、なの、か?」
言ってから鳥肌が立った。さすがに今のはキモイ。
那由多は言うまでもなく美人だ。長く艶やかな黒髪は惚れ惚れするほどに綺麗だし、女子にしては高い身長も、スラリと伸びた四肢も、抜けるように白い肌も、その全てがモデルのよう。
顔だって整っているし、なんならそこらのモデルよりもいい顔をしている。
いや、幼馴染の評価高いなおい。
その那由多が、俺を好き……?ありえん。でも最近の反応とか、この前の夜、相談してこなかった内容とかはもしかして……
などと考え始めると止まらなくなってしまい、気づくと既に家の前へとついていた。
しかし、違和感があって空を見上げてみると暗くなり始めていた。いつもならば、もっと明るいはずなのに。
歩くスピードが異常に遅かったようだ。そう他人事のように認識するほどに驚いた。
最近わかったことだが、俺は悩み始めると時間を忘れてとことん悩むらしい。大した成果も出さずに。
「ただいま……」
「……?おかえり」
家のドアを開けるとかなでがいつかのように階段から降りてくるところだった。
怪訝そうに形のいい眉を寄せていた。
「どしたの兄貴。いつもみたいに死人のような顔して」
「……少し、悩み事だな」
そういった声は自分でも驚く程に掠れていて、離れたところにいるかなでには聞こえなかったかもしれない。
それでもかなでは、
「ふーん、そ。あ、将棋部できたから今日一局指してよ」
「あぁ、いいぞ」
流石。俺の悩みなど知ったことかと、そ、の一言で片付けた。
かなでを見ていると俺が悩みすぎなのでは?と思えてくる。実際悩みすぎという自覚はあるのだが……
「お母さんご飯できたって。早く着替えてきてよ」
「ん、了解。先、食べてていいぞ」
部屋に入り、窓の外を見やると見慣れたカーテンからは光が漏れだしていた。
俺よりもあとに学校を出たはずなのに俺よりも先に家に着いていたようだ。道ですれ違ったりなどはしていないはずなのに。
「……やっぱり、意識されてんのかな」
俺は最短ルートで帰ってきた。那由多もいつも使っているはずの道だ。なのに会わなかったということは、那由多がわざわざ遠回りして帰った、ということになる。
はぁ、ともう一度ため息を漏らし、着替えてから1階へと戻った。
今度、『俺の日常に妹が追加されるようです』を1話から少し書き直していこうかな、と思っています。更新した都度ご報告していこうと思っている次第です。
現状況でもしっかりアップ出来てないのに何言ってんのこいつ、と思うかもしれません。僕もそう思います!
できるだけ定期的に短期間でアップできるよう努力はしますので、今後ともよろしくお願いします。