仮面ライダーW 『Case of Chaotic City』 作:津田 謡繭
設定集③は第三話の重大なネタバレを含んでいます。
第三話の読了後に閲覧されることをお勧めいたします。
◇オリジナル技
〇
●超超ハエ叩き
広げた手のひらを振り下ろし叩きつけるだけ、という非常に豪快かつ単純な攻撃技。が、一撃でWを変身解除に追い込むほどの破壊力がある。
技名に関して、ハエ叩きの英語フライフリッパーと超超の部分を蝶々にひっかけた『バタフライフリッパー』とルビを振ろうかとも思っていたが、ハマーっぽくないので却下した。
●僕流ニンポウ・タターミガエーシ
力づくで床をひっぺがし盾にするだけ、という非常に豪快かつ単純な防御技。以前観たアニメのジャパニーズニンジャが使っていた畳返しを思い出して即興で作った技。忍ぶどころか暴れるぜ。
ハマーの技の技名を考えるのが一番しんどい。即興っぽさを出すのほんと難しい。
〇合体技
●一本だけどWバット
マグネティズムドーパントに対抗するため策を弄した結果、動けなくなったWヒートメタルをブローディ&ハマーが掴んで武器にするという、ちょっと何を言っているかわからない技。しかし実用性は抜群。あらゆる攻撃を打ち払い、その破壊力は狂気の沙汰。まさに鬼に金棒。
実のところ、この頭のおかしい絵面にもっていきたいがためだけに第三話のプロットを練ったと言っても過言ではない。
●Wバットスウィング・
右腕にほとんどのパワーを集中させた状態のブローディ&ハマーが振り下ろすのに合わせ、Wがマキシマムドライブを放つ合体技。過剰どころか超越的な破壊力でどんなドーパントも一発メモリブレイク。排出されたメモリも即座に蒸発するので、従来のメモリブレイクのように破片が飛んでくる心配もありません。
ただし周囲の被害も甚大。間違っても室内で使ってはいけません。
◇オリジナルドーパント
〇マグネティズムドーパント
●見た目
全体はゴツゴツした黒い鉱石の塊。肩や膝などには正八面体の黒い結晶体が突き出している。これらは磁鉄鉱をモチーフ。
それにプラスして、背中には磁力線をイメージした四重の楕円と曲線状の突起が生え、両腕にはU字磁石をかたどった磁気エネルギー弾発射部がある。
●能力
メモリが内包する記憶は『磁気』。
発生させた磁力によって鉄を自在に操る、攻防どちらにも応用が利く能力を持つ。また磁力で結合を強化した体組織と、その表層を覆う磁気バリアの効果で非常に頑強なボディをもち、あのジュエルドーパントにも迫る防御力を持つ。以上の特性により、力づくでの正面突破は(本来は)かなり難しい。
かなり強力なドーパントだが、能力と防御力にエネルギーの大半を使っているため本体のパワーとスピードはドーパントの中でも最低レベル。そのため周囲に操る鉄がない場合、まともな攻撃手段が両腕から発射する磁気エネルギー弾のみとなってしまう。
なお使用者との適合率が上がると能力の応用範囲はさらに広がり、鉄以外の金属も電磁誘導から生み出した渦電流でむりやり操る、地磁気と反発する磁力でリニアモーターカーのように高速移動する、等の芸当も可能となる。もっとも、そのレベルまでT-0ガイアメモリを使い続ければ、使用者は無事ではいられない。わずかな時間ドーパントとして活動した後、待ち受けるのは侵蝕による自壊である。
●正体
その正体はパンドラムアサイラム看守長マイルズ・エッジコム。無骨に見えて実はおちゃめな一面もある白人の大男。パンドラムアサイラム職員のほとんどに言えることだが、マイルズは自らの職務に大きな誇りと高い責任感を持って看守長としての務めを果たしていた。そんな彼がどうしてガイアメモリの力に固執したのか。
以下は裏設定。
生まれつき他人の思考を読めるという能力を持っていたマイルズだが、そのせいで脳の構造が常人とはやや異なっており、神経接続タイプのパワードスーツの負荷に耐えられないという欠点を持っていた。能力により囚人監視に多大な貢献はしていたものの、有事に際しては何もできず、傷つき倒れる仲間たちを見て無力感に苛まれることが多々あった。もともと責任感が強い彼の内で、その負い目はやがて大きなコンプレックスになり、今回ガイアメモリの強大な力に魅入られることとなってしまったのだ。
ちなみに名前の元ネタはとある映画。一発でわかる人はかなりのファンだろう。ヒントは『緑』。