仮面ライダーW 『Case of Chaotic City』   作:津田 謡繭

31 / 37
信頼のかたちも十人十色


Several men, several 『trusts』

 ◇

 

 

 

 不気味なほど静まり返った本部のオフィスで、フィリップは白紙の本をパタンと閉じた。

 すでにテンプテーションドーパントの情報は収集済み。あとは翔太郎に目を覚ましてもらうだけである。

 もちろん「目を覚まして」とはダブルミーニング。まずは気絶している翔太郎を叩き起こすところからだ。

 フィリップは気付けに用意した『物体』を翔太郎の鼻先に近づけた。

 と、その瞬間──

 

「ぶぉっはっ! ぅゲぇっほ、げほっ」

 

 翔太郎が跳ね起きた。ひとしきりゲホゲホと咳込んだ後、心地よいとは言えない目覚め方に気色ばむ。

 

「フ、フィリップ! いったい何の──」

「悪いが、そんなことを説明している時間は無い」

 

 ぴんと立てた人差し指を面前に突きつけ、フィリップは翔太郎を制した。

 床から体を起こした翔太郎に対し、片膝立ちの状態で目線を合わせ、まっすぐにその顔を見つめる。

 

「わかっているはずだよ翔太郎。君が今、何をするべきなのか」

「…………」

 

 しかし、そんなフィリップの眼差しから逃げるように翔太郎は目を伏せた。

 

「お前こそわかってんだろ。俺はタマラを裏切ることはできねえ」

「その忠誠はドーパントの能力で植え付けられたものだ」

「それでもだ。間違ったことをしてる、言ってるってのは俺だって理解してる。だが、現に今も、俺はライブラじゃなくタマラの方について戦いてえ……逆らえねえんだよ」

「ぼくの見解は違う」

 

 フィリップが立ち上がった。だが視線は翔太郎から離さない。かたくなに目を合わせようとしない翔太郎を、それでも目をそらすことなく見据える。

 

「奴の能力については検索済みだ。テンプテーションの洗脳は本人のそばに居続けることで持続力を強める。君は攻撃を受けてから一晩経っているし、さっきの接触も一瞬だった」

 

 微塵の疑いもなく言い切った。

 

「君なら振り払えるはずだ。絶対に」

 

 しかし、翔太郎は顔を上げなかった。板挟みになる苦痛にあえぐように頭を掻きむしり、吐き捨てる。

 

「無理なんだよ! 俺に耐性がまったく無いってことはお前も知ってるだろ!」

「ああ、もちろん知っているさ。君は照井竜やぼくのような特異体質ではない。そんなことはわかっているとも」

「だったら! もう、諦め──」

「知っているからだ!!」

 

 それまでの静かな口調から一変した感情的な叫びが、翔太郎のよれた言葉を打ち切った。同時に両腕で翔太郎の胸ぐらを掴み上げ、二人の視線を無理矢理ぶつからせる。

 

「ぼくは知っている! 左翔太郎という男を!」

 

 今度は翔太郎も目をそらさなかった。いや、そらすことができなかった。その瞳に映った、フィリップの思いを視てしまったから。

 

「確かに君には耐性なんかない! だから今まで幾度となく窮地に陥って来た! 何度も何度も何度も! でもその度に君はそれを乗り越えてきた! あのテラーの恐怖に打ちのめされた時でさえ、また立ち上がってぼくを助けに来てくれたじゃないか! 何度折れそうになっても誰かのために戦い続ける、特異体質なんかよりずっと偉大な不屈の心を持った男──それが左翔太郎だ! ぼくが信じ、尊敬する、たった一人の相棒だ!」

 

 それは憤りでも悲しみでもなく、ただまっすぐな翔太郎への信頼だった。

 

「断言しよう。君の心はまだ折れていない。なぜならあの時、君は()()()()()()のだからね」

 

 そう言われて、翔太郎は思い出した。ミーティングの最中、自分が帽子を取ってテーブルに置いていたことを。

 意味があってしたことではない。知らない内にそうしていた。フィリップに指摘されて初めて、その行動を自覚した。

 

「君がいつか、ぼくに教えてくれたことだ」

「俺が……?」

「ああ。帽子をかぶる君のスタイルは、鳴海荘吉から受け継いだポリシーだと。探偵として、人として、彼の後継として恥じない生き方をすると、鳴海荘吉と自分自身に誓ったその証明だと」

「そう、だったな。そんなことを言ったっけ……」

「その信念はまだ君の中に残っている。だから無意識に帽子を脱いだんだ。依頼人を裏切るような発言を、他の誰でもなく君自身が許さなかったから」

 

 掴んでいた手を離し、フィリップはテーブルへと歩み寄った。

 家具の破片が散乱する荒れた室内。しかし、翔太郎の帽子はテーブルの上に坐したままだった。

 フィリップはそれを手に取り、翔太郎へと差し出した。

 

「征こう。ぼくはまだ、()()()()()()()()

 

 差し出された黒いソフトハット。

 それを翔太郎は──受け取らなかった。

 つかの間、帽子を見つめた後、部屋の端へと歩いていくと壁に両手をついて(うつむ)いた。堕した自分につくづく嫌気がさした、そんな哀れな姿に見えた。

 

「翔太郎……」

 

 駄目なのか。届かなかったのか。

 フィリップまでもが俯き、諦めかけた。

 その時──

 

 渾身の力で壁を打つ、強く鈍い音が響いた。

 

 壁際の巨大な本棚が振動するほどの衝撃。

 淀んでいた部屋の空気が砕け散る。

 弾かれるようにフィリップは顔を上げた。

 

「忘れる……もんかよ」

 

 その視線の先で、翔太郎が噛みしめるようにつぶやいた。壁に打ちつけた頭をゆっくりと持ち上げる。額から流れた血が数滴、ぱたぱたと足元に滴った。

 

「まったく、情けねえったらねえぜ……これじゃあハーフボイルドすら名乗れやしねえ」

 

 壁を押さえつける拳には力がみなぎっていた。

 熱を帯び始めた背中に立ち昇る気炎が見えた。

 顔の血を拭いながら、翔太郎が振り返る。

 

「ああ、そうだよな……忘れていいはずがねえ! おやっさんへの誓いも、お前と交わした約束も! お前が俺を相棒と呼ぶ限り、俺は絶対に折れねえ!」

 

 迷いなく歩み、フィリップの掲げたソフトハットを受け取る。

 パン、と二人の掌が鳴った。ハット越しのハイタッチ。いや、きつく交わした握手か。帽子と一緒にフィリップの鋭気をも受け取るように、強く、固く。

 

「対策はできてるんだよな、フィリップ。せっかく頭がスッキリしたんだ。対峙した瞬間にまた愛の奴隷なんてカンベンだぜ?」

「もちろんだとも。テンプテーションへの対抗策はすでに構築済み。まあ、これには君にも多少の覚悟がいるが、まさかここで日和りはしないだろう?」

「上等だ。とっととメモリブレイクして、タマラもライブラも元に戻すぞ!」

 

 宣言と共に、翔太郎は受け取った帽子を深くかぶった。押さえつけた帽子の下で、澄みきった瞳がフィリップをまっすぐに見ていた。

 

 彼は完璧ではない。完璧な人間などいない。

 時に甘く、時に散漫で、時に空回り、そのせいで窮地に陥る。

 だが、彼は折れない。どんな脅威がその信念を踏みにじろうとしても、必ず跳ね除けて立ち上がる。

 フィリップは無意識に微笑んでいた。

 

 Wの半身、敬愛する相棒。

 左翔太郎が──蘇ったのだ。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「では」

 

 そう言ってフィリップが手に取ったのは、ライブラ本部の非常用食糧庫から拝借してきた缶詰だった。

 

「これを使ってテンプテーションに対抗する」

「……なんだそりゃ」

「知らないのかい? これはシュールストレミングという食べ物だ」

「いや、シュールストレミングは知ってるが……」

 

 もちろん翔太郎はその缶詰を知っている。ニシンを発酵させたそれは、非常に有名な、というより非常に悪名高い食品である。世界一()()食べ物として。

 そこで、はたと気づいた。

 

「もしかして、最初に俺に嗅がせたのコレか?」

「おや、よくわかったね」

「ものすごい臭いだったからな。……で?」

「テンプテーションの洗脳攻撃の正体は、体から発生させる特殊な匂いだ。俗な言い方をすればフェロモンかな。簡潔に説明すると、テンプテーションの発するある種の匂いを認識することで、異性は強力な暗示にかかってしまう。『タマラを愛し、何よりも彼女の望みを優先する』という内容の暗示にね」

 

 話しながら、フィリップは両手にゴム手袋をつける。

 

「そこで、この缶詰の臭いで一時的に君の嗅覚を麻痺させる」

「なるほど……」

 

 納得しつつも翔太郎は眉をひそめた。準備をするフィリップの、まるで劇物でも扱うような慎重さが気になったからだ。

 

「……鼻栓とかじゃダメなのか?」

「その程度で防げるほどテンプテーションの能力は弱くない。強烈な臭気で上書きした方が確実だ」

「そりゃそうだろうけど……」

「ああ、この缶詰で本当に対抗できるか心配なのかい? 安心したまえ。ヘルサレムズ・ロットのシュールストレミングがどんな臭いになっているのかは想像もできないが、()()()()()()()()()()()君が跳び起きたほどだ。テンプテーションに対抗するには充分だとぼくは分析する」

「……なあ」

 

 おそるおそる尋ねる。

 

「もしかして、まだ怒ってるな?」

「まさか」

「本当か?」

「もちろん。君が洗脳されていたのは不可抗力だ。こうやって正気に戻ってくれた今、どうしてぼくが怒る必要があるんだい? ……おや、原材料の欄に『大西洋ニシン』じゃなく『糞尿地獄ニシン』と書かれている。知らない種類のニシンだが、異界(ビヨンド)の固有種かな」

 

 後半のつぶやきは聞かなかったことにした。と同時に確信した。

 怒っているとかではない。そうでなく、もしかするともっとタチが悪い。

 この作戦には間違いなく、フィリップの個人的興味(こうきしん)が含まれている。もちろんこの状況下ゆえほんの僅か、それこそ()()()()ではあろうが。

 が、翔太郎はそれも込みでおとなしく従うことにした。迷惑も心配もかけたのだ。償いとしては安いものである。

 

「オーケー。んじゃ、さっさと頼むぜ相棒。あ、中身が服に飛び散らないよう開けてくれよ。今んとこ一張羅なんだ」

 

 やや引きつった顔で両手を上げる(ホールドアップ)。懲罰にも似た処置を受け入れる。

 

「善処しよう。では、覚悟はいいかい?」

「ああ……できてるよ!」

 

 翔太郎の返事に微笑むと、フィリップは缶切りを握った手に力を込めた。

 

 

 

 数秒後──

 翔太郎はバルコニーのガラス扉を突き破り、弾丸のような速度で飛び出した。

 それが、どろどろに発酵しているにもかかわらず何故かピチピチと元気に跳ね回る糞尿地獄ニシンがぶちまけられたオフィスから一刻も早く脱出するためだったのは、この際言うまでもない。

 だが、当然それだけであるはずもない。霧の空へと身を躍らせた翔太郎の顔は、臭気に悶える道化でも、まして色香に惑わされる愚者でもなかった。

 

 その姿は、眼差しは、風に舞う切り札のカード。

 

 超高層ビルの最上階からの自由落下。吹き上げる強風に煽られ、カジュアルベストがマントのように大きくなびく。

 吹き飛ばされぬよう帽子を左手で押さえつけながら、翔太郎はジョーカーメモリを取り出した。

 

「「変身!!」」

 

 オフィスの相棒と声を合わせ、吹きつける向い風に叫ぶ。転送されてきたルナメモリとジョーカーメモリをドライバーに押し込むと、翔太郎の体を神秘の光が包み込んだ。

 

 《ルナジョーカー》

 

 上空120mで変身したW。

 即座に、限界まで伸ばした右腕でビルの窓枠を掴むと、落下のスピードを振り子のように利用して前へと飛んだ。そして接地の直前に腕を戻し、そのまま前転して見事に歩道へと着地する。

 コミックヒーローよろしく突然現れたWに通行人から歓声があがった時にはすでに、その姿は彼方へと消えていた。

 依頼人を、その家族を、仲間を、そして待ち受ける敵をも救うべく、二人で一人の仮面ライダーは街を駆けた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「な……なにやってんだ、あのバカどもは……」

 

 まだ長いタバコをぽとりと口から落としたのは、トレンチコートを羽織った痩身の男だった。

 彼の名はダニエル・ロウ。鋭い三白眼と無頼な言動のせいで悪人に間違われることもあるが、ヘルサレムズ・ロット市警(HLPD)の警部である。

 

『家に帰ったらアパートの前でアパートを木端微塵にしそうなレベルの大喧嘩をしている奴らがいて非常に困っているのでなんとかしてほしい』

 

 という通報を受けたHLPDは、まず近辺をパトロールしていた男性警官二人(バディ)を向かわせた。

 だが、現場に到着した直後に彼らとの無線は途絶えた。中年巡査の「ありゃ……なんてイイ女だ……」という謎の言葉を最後に。

 そうなるとさすがに片手間の対応とはいかず、珍しく手が空いていたロウが直接指揮を執り、現場へと出向くことになったのだ。

 

 機動装甲強化外骨格(ストライカーパワードスーツ)爆裂徹甲弾使用重機関銃(HEAP‐HMG)で完全武装した部下8人を引き連れて現場へとやってきたロウ。

 遠目から状況を確認した瞬間、彼は強烈なめまいに襲われ気が遠くなった。

 信じられない、というより信じたくない光景だった。普段は前髪で隠している左目まで皿のように見開いて凝視したが、やはり現実はそのまま広がっている。

 

「……っ、封鎖だ封鎖! 署に応援要請して今すぐ100人態勢で非常線を張れ。アパートから3ブロック……いや5ブロック圏内には誰も入れるな。無理くり入ろうとする連中にゃ、威嚇射撃までなら許可してやる。グズグズすんなそら急げ!」

 

 飛びかけた意識を気力でつなぎとめ、背後の重装部隊に指示を出す。

 

「警部、アレは止めなくていいんですか?」

「バカ言うな」

 

 部下の質問に、ロウは苛立ちと諦めが半々に混じった嘆息で返した。

 

「あの間に割り込むとか正気じゃねえぞ。どういう理由か毛先ほども理解できねえが、アイツらが本気でやり合ってんなら機動装甲警官(ポリスーツ)なんぞ1秒ともたずに磨り潰されるぜ」

 

 もちろん臆病風に吹かれたわけではない。立ち振る舞いはややダウナー気質なロウだが、仕事に関して手は抜かない男だ。

 けっして手を抜かず、そして抜け目なく計算した結果の守勢である。単純に、現状で使える戦力ではどうしようもないと判断しただけだ。

 アパートの駐車場で暴れている者達の実力を、ロウはよく知っていた。

 戦力換算してせいぜい戦車一台分()()()()鎮圧用パワードスーツ()()()()、1対20でも瞬殺されるだろう。

 

「うまく牽制し合って、今んとこは駐車場のスペースだけで収まってるからいいようなものの」

 

 戦闘のとばっちりが、いつ災害級の被害に発展してもおかしくないメンツである。

 

「本気で何考えてんだ……ライブラ?」

 

 苦々しくつぶやいて、新しくタバコを口にくわえたその瞬間。

 約150m前方で、白服の褐色男が何やら叫んで放った火焔を、対戦者の青い半魚人が弾き、その一部がピッチャーライナーよろしくロウの顔面に向かって飛んできた。

 

「──っぶねぇ!」

 

 間一髪のところで身をよじる。

 くわえていたタバコにボンッと火が付いた。

 燻り始めた紫煙と、すこし焦げたトレンチコートに悪態をつく。

 

「派手に暴れまくりやがって。今回ばかりはマジで連中しょっ引けるんじゃねえか?」

「あの……警部」

「ああイヤなんでもねえ独り言だ。気にすんな」

「いえ、その、前髪が燃えて……!」

「……あ?」

 

 数秒後──

 言葉にならない叫びをあげて拳銃をぶっぱなそうとしたロウを、機動装甲警官(ポリスーツ)二人が羽交い絞めにして止めた。

 

 

 

 ◇

 

 

 

(おう)(じょう)っせいやああ!」

 

 ザップが叫び、紅蓮の火焔を走らせた。

 ぐるん、とツェッドが廻した槍に、弾けた焔がいくつかの塊となって周囲に飛び散る。

 すでに駐車場の一角は火の海だった。

 血法(カグツチ)の炎は普通の炎とは違う。燃えるも消えるも使い手であるザップの意思に沿う(しもべ)だ。

 アスファルトも土も関係なく、打ち合う度に炎は周囲へと燃え広がっていく。

 そしてその度に、気温がぐんと高くなる。

 

「……ッ……ハア……!」

 

 襲いくる神速の剣を、最小限の動きで凌いだツェッド。その口と呼吸用エアギルスから苦しげな吐息が漏れた。

 ほぼ同格の相手と死闘を続ける疲労。だがそれだけではない。

 ツェッドだけにのしかかる憔悴の原因は、押し寄せる熱波と気温上昇による()()だった。

 

 どうごまかしてもツェッドは水棲として生まれた存在だ。水分を奪われることで受けるダメージは、人間とは比べ物にならない。

 例え、常軌を逸した師との修行で、並の生物を超越したレベルまで鍛えられていたとしてもだ。

 

 揺らめく炎が容赦なく大気を焼く。

 ヒュウッと灼けつく空気を吸い込む度、体の内側が乾びていくのがわかった。

 翡翠を透かしていた皮膚は白く濁り、すでに軽微なヒビ割れすらでき始めていた。

 

(これは……かなりマズい……!)

 

 テンプテーションが離脱し、ザップの目的が長期戦での確実な決着に切り替わった時点で、戦況は大きく動いていた。

 先に述べたように、水棲のツェッドと火属性のザップでは相性が最悪だ。

 ツェッドの血法(シナトベ)で周辺の炎を消すこともできるが、そちらに意識を割けるほど生易しい相手でもない。

 ザップも理解しているのだろう。大ぶりな一撃ではなく、途切れのない鎖のような手数で追い込んでくる。それもとんでもない精密さで。

 

(理詰めの思考じゃない。最も効果的な攻撃をほぼオートで判断してる。だからこそ、一手一手が本当に(はや)い……! まったく……こと戦闘面でこの人は──)

 

 人間性に関してはケシ粒ほどの信望も抱いてはいないが、その力量については一点の曇りもない信頼があった。

 目の前で刀を振るうザップは、まごうことなき天才なのだ。

 

(ここらが限界かもしれません……ミスタークラウス……!)

 

 途切れた攻撃の合間にクラウスの方を見やる。

 目の端に映る、氷と十字架の狂騒。どちらが優勢か、ぱっと見ではわからない。

 もっとも、クラウスに限っては心配する必要など皆無であろうが。

 と、ザップの方へ意識を戻したツェッドは、今まで途切れることがなかった攻撃が止んでいることに気づいた。

 

「……?」

 

 訝しみながらも、浅く呼吸を整えた。

 もらえる時間であるならありがたく頂戴する。また始まる刹那の打ち合いに備えて。

 だが身構えたツェッドに対し、次に飛んできたのは刃ではなく言葉だった。

 

「オイ、もういいんじゃねえか」

「……どういう意味です?」

 

 訊き返して、降伏を勧めているのだと気づいた。

 気づいた途端さすがに腹が立ってきた。

 思わず、煽るような言葉を投げる。

 

「焼魚にすると息巻いていたのは風呂敷ですか」

「もうレアぐらいにはなってんじゃねぇか」

「なってません。生きているレアステーキを見たことがあるんですか貴方は」

「この前ジョーズで自立稼働ピザの踊り食いした」

「自立稼働ピザってなんですか……いえ、違います。そういうことを言いたいのではなく──」

 

 くだらなさすぎる応酬を切り上げて。

 

「まさかとは思いますが、僕に情けをかけているつもりですか……?」

 

 灯るような怒りを含んだツェッドの言葉。

 が、ザップはそれにポカーンと口を開けた超まぬけ面で応えた。

 

「んなわきゃあ、ねーだろがーい!!」

 

 心底。いっさいの含みもなくザップは言った。

 

「あのなあ腐っても鯛って言葉があるだろ」

「……はあ」

「たとえお前が腐った魚類だとしてもだ」

「それ、どちらかと言えば貴方の方では」

「腐り果てて腐臭漂うクソ魚類だとしてもだ」

「どう考えても腐り果てているのは貴方では」

「ウルセエ! いいから聞け!」

 

 すい、と真面目な顔になる。

 

「いいか。いくらイケすかねぇ腐れ魚でも、テメエだって(ひきつぼし)流だろうが。舐めてかかれる相手なワケねえだろ」

「は……?」

 

 今度はツェッドがポカンと口を開けた。

 

「それは……褒めてるんですか?」

「だ、れ、が、褒、め、る、か、ッ!! 認めてんのは(ひきつぼし)の強さだボケ。俺ほどじゃねえにしろ、テメエもジジイに認められたシナトベの後継だろうがよ。だから言うぞ。雑魚相手にこーいうこたァ死んでも言わねえが、こっちもしんどくなってきてんだよ!」

 

 そう言われ、ツェッドは初めてザップの異変に気づいた。

 明らかに顔色が悪い。抑えているが呼吸も浅く間隔が狭い。手に下げた焔丸の刃渡りまで、わずかに短かくなっているようだ。

 それに気づけば、何が起こっているのかは容易に推測できた。

 

 普通ならばまず考えられない愚かなミスだった。踏んできた場数はツェッドよりはるかに勝る、戦い慣れしているはずのザップが、完全にペース配分を間違えたのだ。

 邪魔をするツェッドを早急に倒そうと、開幕から途切れなく炎をばらまき続けてきた結果だ。

 あろうことか、ザップは()()を起こしていた。

 

「タマラもどっかへ逃げてくれたみてえだし、これ以上は続ける理由もねえだろ」

 

 降伏勧告ではない。停戦の相談だった。

 頭に上っていた血も抜けて冷静になったのか。激昂も冷めてしまったようだ。

 

「……なるほど」

 

 ツェッドがうなずく。

 だが──

 

 ()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そも、それ以前に気持ちが悪い。

 あの負けず嫌いの塊のようなザップが、虚勢も張らずに自らの困窮を晒したことが不気味でしようがなかった。

 傍若無人に研がれた刃物のような男が、まるで(なまくら)ではないか。

 なので、ツェッドは消えかけた火種に燃料を注ぐことにした。

 

「ええ、そうですね。お互い困憊(こんぱい)していますし、ここでやめにして帰るのもいいかもしれません。ただ、敵前にあって背を向けたとなれば、()()()()()()()()()()()()()()

「…………は?」

 

 瞬間、ザップの顔が引きつった。

 良い反応だ。投下した燃料は予想通りよく燃えそうである。

 

「イヤおいコラまてコラ。なんでそこで師匠(ジジイ)が出てくんだよ」

「当たり前です。まさか隠し通すつもりだったんですか。当然ミスタークラウスは牙狩り本部へ報告するでしょう」

「だ──」

「もちろん()()()()()()()()()()()()()。詳細に記すべきでしょうね。女性にかどわかされアッサリ洗脳された醜態も、ライブラ本部へ元凶を招いた裏切りも、同門で討ち合うという不肖(ふしょう)も」

 

 ツェッドが喋るにつれて、ザップの顔が青白くなっていく。

 基本、本能に任せて後先考えずバカをやるザップのことだ。自分のしでかしたことをハッキリとした言葉で並べられ、ようやく考えが及んだらしい。

 それらひとつひとつが各々に、師の逆鱗をなめまわすが如き愚行であるということに。

 そして、ツェッドはトドメを刺した。

 

「挙句、手柄を急くあまり貧血に陥るという血法使いとしてあるまじきお粗末さ。対峙した相手に停戦を乞う為体(ていたらく)です。この報告書が何かの拍子に師匠の目に触れたなら、我らが師は大いに嘆き、憤るでしょ──」

「おおおおお鬼かテメエはっっ!」

 

 絞り出された掠れ声だけでザップの狼狽ぶりがよくわかる。仮に声がなくとも、全身からダラダラと流れる滝のような汗で十分に察せるレベルだ。

 それほどまでに、(ひきつぼし)流の師匠はザップにとって恐怖の対象だった。

 思い出されるのはあの修行の日々。別名、悪夢の満漢全席。

 ツェッドが並べた内容の、どれか一つでも師の耳に入ろうものならどうなるか。

 一時間もしないうちに拉致され、十分ごとに死ねる地獄に耳鼻と手足を削がれた状態で放り込まれるに違いない。

 

「…………す」

 

 想像した瞬間、ザップの限界を師への恐怖が上回った。(なまくら)だった闘志が怖気に研がれる。

 さて、なぜ闘志が研がれたかといえば、これはザップの性根の話だ。

 つまるところザップ・レンフロという男は、自業自得の展開に対し自身を正そうとはいう考えは一切持たず、結果だけを修正したがる真正のクズなのだ。

 今回の場合──

 

「テメエは死んでもここでぶっ殺す!!」

 

 こういうことである。

 

「ハア……貴方という人は……」

 

 ツェッドはため息を吐いた。

 そして、下げていた三叉槍を構えなおした。

 

「まったく、なんて扱いやすい」

 

 最大限に美化すれば、まあこれも一種の信頼と言えないこともないだろう。

 が、ちょっとした誤算もあった。

 師匠をだしに焚きつけたまでは良かったのだが、想像以上に追い詰めてしまったらしい。

 

(ひきつぼし)流血法カグツチ──」

 

 ザップの手から焔丸が溶け落ちた。

 

「刃身の参拾壱(さんじゅういち)──」

 

 代わりに現れた得物は、刃渡り3m強はあろうかという超長刃の大太刀だった。

 長さだけなら紅蓮骨喰をも上回る。しかし極薄の刀身は一切の重量を感じさせない。

 例えるならば一縷(いちる)の光芒。

 山喰いの大蛇すら一振に裂く無窮の紅。

 

「──『蟒蛇下(うわばみおろし)』!」

 

 ザップが沈み込むような居合に構える。

 後ろに長く伸びた刀身が白く揺らめいた。

 深い呼気に噴き上がる異常な熱量。

 白熱した刃に沿って、真下のアスファルトが直線状に融解し始める。

 

「なっ……そっ……!」

 

 それを見たツェッドの顔が引きつった。

 かつて師との修行中、その技を一度だけ見たことがあったからだ。

 ザップが同じことをしようとしているのならヤバいどころの話ではない。ツェッドどころかこの区画をまるごと焼き尽くしてまだお釣りがくる。

 

「そこまでしますかあああああああ!?」

「奥義!!」

 

 同時にザップが吠え──

 

火龍天昇(かりゅうてんしょ)──ぅう、ッぎょべばああああ!?」

 

 刃が振り抜かれることはなかった。

 技名も言わせてもらえずに、ザップは()()()()()()()()気絶してしまった。

 

 ツェッドは長々と安堵の息を吐いて、そのままバタリと倒れ気を失った。

 肉体的ダメージはもちろんだが、想像以上の愚か者だった兄弟子による精神的ダメージで、いろいろと限界だったのだ。

 

 

 

 ◇

 

 

 

(……何を狙っている?)

 

 戦闘開始直後から、スティーブンは違和感を感じていた。

 クラウスは本気ではない。いや、正しくは「スティーブンを倒すことに本気ではない」だ。

 そして、その違和感は確信へと変わる。

 

 タマラが姿を消した後、クラウスの戦い方は明らかに守勢に偏っていた。創り出した十字架は盾として使うことが多くなり、攻撃もスティーブンを直接狙うより、動きを牽制するようなものへと変わっていた。

 撃ち出す技の鋭利さは、いつもとなんら変わらない。ただ、その鋭さが別を向いている。

 つまり最初から目的が違うのだ。おそらく、撃破ではなく時間稼ぎ。

 瞬きする間に数回攻防が入れ替わるこの戦闘中にあって、ここまで思考を巡らせられる今の状況こそが証明だ。

 そもそも、そうでなければここまで長引くわけがない。相手は正面戦闘では間違いなくライブラ最強の男なのだから。

 

 一瞬、仲間を気づかって手加減しているのでは、とも思いかけた。

 クラウスの使うブレングリード流血闘術は、数ある血法の中でも撃砕殲滅に特化している闘法だ。

 もちろん拘束用の技もあるが、今の自分のように『全力で抵抗する同程度の実力者』を無力化するには幾分か足りない。なるべく傷つけないようにとなると尚更だ。

 それゆえの手加減ではないか、と。

 だが、やはり考えにくい。いやありえない。

 クラウスは心優しい男だが、やると決めたなら一徹だ。自身の情を理由にやるべきことを違える性格ではない。それでどれほど自分が傷つくことになろうとも。

 

(手加減じゃない。やっぱり時間稼ぎだ)

 

 寸秒をさらに切り分けた、刹那の間に考える。

 もちろん戦闘の手を──スティーブンの場合は足だが──休める余裕はない。

 人間離れした超人同士の戦闘。小技の一つですら、対応を間違えれば即死の致命傷となる。

 クラウスが余人にとっての必殺技を牽制として使えるのは、スティーブンが的確に捌けると信頼しているからだ。

 知り尽くした相手の手を読み、攻撃に的確に対応し、攻防を入れ替えながら、合間に考えを巡らせる。

 

(まるでボードゲームでもしてるみたいだな)

 

 また、思わず笑みがこぼれた。

 

(さて、いまクラウスがやると決めていることは何だ?)

 

 まずはタマラの、テンプテーションドーパントの脅威を取り去ること。これが何を置いても優先される。

 次にユキトシ氏を始めとする一般市民を無事に解放すること。そこから一段優先度を下げて、スティーブン達ライブラメンバーの解放だ。

 そして、最後がタマラ本人の救済。最優先事項は上記の通りなので不可能に近いだろうが、クラウスにとってはここまでできるのが理想だ。

 

 ──と、そこでわかった。

 考え始めてから約6秒。

 蹴り出した氷柱を、3本同時に叩き落したクラウスへ話しかけた。

 

「信じているんだな」

 

 その言葉をきっかけに、ピタリ、と。開戦から初めて両者の動きが止まった。互いにそう意図したわけではないが、示し合わせたようだった。

 クラウスが応えた。

 

「無論だ」

 

 誰を、とはどちらも言わなかった。

 スティーブンは薄く微笑み、自分の仮説が正しかったと確信した。

 

(クラウスが待っているのはあの探偵達だ)

 

 守備側の最大戦力を釘付けにして攻め手が狙うことなど一つしかない。こちらの女王(キング)、タマラだ。

 しょせん自分たちはテンプテーションの能力で無理矢理つくられた近衛兵。タマラが倒れればそれですべて終わるのだから当然の作戦と言えよう。

 

 そしてその役に最適なのがあの二人だ。

 ドーパントとの戦いに慣れた彼らなら、メモリブレイクでタマラを傷つけることなく無力化できるだろう。

 それを邪魔されないよう、正面戦闘の形でスティーブン達を抑え込んでいるのだ。

 

「なるほど。君の信頼は理解できる。君はそういう男だ。けれど──」

 

 スティーブンの口元が歪んだ。

 微笑んだのではなく、ほくそ笑んだ。

 

「少しばかり見立てが甘いんじゃないかクラウス」

 

 クラウスは何も言わない。

 スティーブンはそのまま続けた。

 

「君の作戦の成否はあの二人にかかっている。だがハッキリ言ってそんな時間は無い」

「……どういう意味だ?」

「そのままの意味さ。Wの半身、左翔太郎はこちら側だ。タマラに逆らうことはしないよ。まあ()()、左翔太郎が君レベルの精神力を持っていたとしても、ここに到着する頃にはもう手遅れだろうがね」

 

 テンプテーションの能力は強力だ。性別が男であれば問答無用で配下にできる。

 それは究極のスカウト能力だ。タマラが望むだけ、彼女の軍隊は大きく強力になる。

 そして、彼女はそれを望んでいる。

 ならばスティーブン達の勝利条件は、その時間をつくること。

 

「残念だが、クラウス。僕らの目的も時間稼ぎだ」

 

 スティーブンは確信していた。

 タマラはますます魅力的になっていくだろう。

 人間を魅了し、人外を魅了し、もしかすると、いずれは血界の眷属(ブラッドブリード)にすら──

 

「君らしくないなスティーブン」

 

 ゾッ──と背筋が凍った。

 静かに、ぽつりと。なんの力も込めずに放たれた言葉が、スティーブンの余裕を砕いた。

 

「おそらく洗脳の副作用のようなものだろう。普段の君ならばそんな読み間違いは絶対にしない」

「……どういう意味だ?」

 

 クラウスと同じ質問をしていた。

 心臓が早鐘のように打ち、全身から汗が滲む。

 気温が一気に上がったように感じた。

 

「確かに私はミス・サローヤンの無力化を翔太郎とフィリップに託している。だが──」

 

 だが? その先にどう続く? 

 いったい何を見落としているというのか。

 スティーブンが、自分の言ったセリフを反芻した瞬間。

 

 ──『作戦の成否はあの二人にかかっている』

 

 その間違いが理解できた。

 

 

 

「私が信じているのは──()()ではない」

 

 

 

 そこからは本当に一瞬だった。

 

 

 

 後ろからツェッドの叫びが聞こえ、同時に凄まじい熱波が吹きつけた。続いたザップの咆哮。それが途中でパタリと途切れる。

 思わず浅く振り向くと、目の端に吹っ飛ぶザップが見えた。

 マズい。

 攻撃の方向を判断し、氷壁を生成しようとする。

 だが、誤算だったのはその瞬間の環境。

 ザップの暴走によって駐車場の気温は跳ね上がり、大気はカラカラに乾燥していた。

 故に遅れる。氷の発生が──0.7秒。

 それはあまりに大きな隙だった。

 

 振り上げた右脚。

 支えの左脚。

 バランスをとっていた腰。

 急所の鳩尾(みぞおち)

 そして右肩。

 ダメ押しに、額のド真ん中にも。

 

 撃ち込まれた計6発の特殊皮膜成型血液梱包弾(シムニッション)が破裂する。

 

(──6発って……これ絶対に私怨入ってるよなぁ……まあ、しょうがないっちゃあしょうがないんだろうけども……うーん)

 

 それが最後の思考だった。

 次の瞬間、目の奥から閃光が弾けた。

 轟く、ガラスの塊を砕くような雷鳴。

 全身を貫いた超電流が、容赦なくスティーブンの意識を刈り取った。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「──全弾命中(オールヒット)。お見事です。ミスK・K」

 

 望遠機能付きパイロットゴーグルを通常モードに戻しながら、ギルベルトは後部座席を振り返った。

 

「あら、ありがと」

 

 称賛に礼を言いながら、超高倍率のスコープから目を離したK・K。

 とびきりの笑顔でハートマークが飛びだしそうなウィンクを返す。

 

「ギルベルトさんこそ流石の腕よねえ。この高度でミリ単位の揺れもないなんて」

「いえいえ、運よく風の少なかっただけのこと。ですが、お褒めの言葉はありがたく頂戴いたしましょう」

 

 ギルベルトは謙遜も交えつつ、にっこりと微笑みを返した。

 

 上空700mでホバリングするオートジャイロからの超長距離狙撃。ザップとスティーブン(ターゲット)までは直線で約4000mだ。

 難易度SSSの狙撃を成功させたK・Kは満足げに鼻を鳴らした。まるで、ずっと前から撃ちたいと思っていた何かに思いっきり弾をぶちこめたような、そんなスッキリした顔で。

 

「それじゃ、送ってくださるかしらミスター」

 

 K・Kはフウっと息を吐くと、爽やかな微笑みから一転、今度は無理やり筋張った笑顔を作った。

 

卑怯な手段(チート)旦那(ユキトシ)をたぶらかしたっていうクソ雌豚(ビッ○)のところまで」

 

 血走った眼でビキビキと音がしそうなウィンクをする。飛び出してきたのはハートマークではなく、漆黒の殺意だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




気づけば一周年なんですね。早いものです。
実はこの小説、予定では全三部構成なんですが、一年経ってまだ第一部の半分程度しか行ってないんですよね(;^ω^) 遅筆すぎて申し訳ないです。
まあ、一部は両作品の設定やキャラ紹介的なパートなんで、ここが終わればもうちょいテンポもよくなるでしょう(常軌を逸した希望的観測)。

ともあれ、一年書き続けられたのも皆さんの応援あってこそ。
これからも「仮面ライダーW CCC」をどうぞよろしくお願いします!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。