蒼天の海原、風と波の音を裂き、閃光と爆音が交錯していた。硝煙を纏い海上を滑るのはその身に不釣り合いな兵器を装備した少女たちとそれに相対する異形、そして異形と同化した蒼白い少女だった。
「シズメ……‼」
頭に怪物の頭を乗せた様な少女、空母ヲ級から異形の艦載機が発艦される。兵器を身に纏った少女たち、艦娘(かんむす)が各々に回避行動に移るなか、ほんの一瞬回避が遅れた艦娘、駆逐艦・時雨に敵艦載機が殺到する。一瞬後の苦痛に顔を歪めた時雨だったが、果たしてその苦痛が彼女に訪れることはなかった。
―彼女を守った者がいたからだ
「仲間を護れたのだもの、こんな痛み、全然不幸なんかじゃないわ‼」
「山城、なんで僕を庇ったのさ!」
「泣き言は後よ、時雨!今から隼鷹と私で航空攻撃を行うわ。敵を撹乱したその隙に貴女達で雷撃!」
航空戦艦・山城はそう叫ぶや否や、軽空母・隼鷹と共に艦載機を発艦、航空攻撃を仕掛けた。敵陣が混乱に陥ったその隙に時雨と山城の意思を汲み取った他3名、軽巡洋艦・天竜、駆逐艦・夕立、同じく駆逐艦・叢雲は素早く敵艦隊中枢へと接近、魚雷による雷撃を行った。
耳を塞ぎたくなるような轟音が響き、敵艦隊はほぼ壊滅へと陥った。が、空母ヲ級だけは中破となりながらもなんとか撤退しようとしていた。
だが、
「―捕らえたわ」
山城の無情なる砲撃により、彼女もまた、先に沈んだ仲間たちと同じ運命を辿ることとなった。
立ち上る水柱が決着を告げていた。
「―旗艦、山城小破。ならびに叢雲、天竜が小破。以上で今回の出撃報告を終了します」
「了解です。山城サン、ご苦労様です。ゆっくりと休んでください」
提督・日吉誠(ひよしまこと)の言葉をうけ、山城は執務室から退室した。
「空母ヲ級他異形種深海棲艦からなる小規模な航空艦隊ですか…」
「何か、思うところでもありますか?提督」
「いえ、最近人形深海棲艦一体を軸とした深海棲艦の編成が増えているな、と。そう思いましてね」
「確かに、榛名が最近交戦したのもそのような編成が多いですね。何か、深海側に動きでもあるのでしょうか?」
「決めつけるのは早計ですが、注意しておくに越したことはありませんからね。現段階では、何とも」
「煮え切らない返事ですね、提督」
「からかわないでくださいよ、榛名サン。これでも色々と考えてるんですからね?」
―ここは鎮守府。人ならざる深海棲艦の脅威に立ち向かう人類最後の砦、その一翼を担う場所である。
一先ずのつかみというか何というか。Twitterで「こんなの書きたい!」と思って書き始めたのである程度オチは決まってますが自分なりに書ききってみたいと思います。