許嫁は生徒会長   作:高崎瑞希

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ありゃー…どこかで聞いたことのあるようなタイトル…すまない。


許嫁は生徒会長

僕の目に飛び込んできたのは鮮やかなまでの白だった。

頭上から降りそそぐ水。

流れ、滴る水滴。

引き締まったお腹。

ウェーブがかった茶髪も水で肌に張りついている。

 

「い…」

 

目の前には裸の女の子がいた…

 

「いやぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ…今日から学校かぁ…」

 

長いようで短い春休みも終わり、僕は高校二年生になった。

特に宿題も出ていないのでゆっくり過ごせた。

しかし、そのせいで学校まで歩くことすら億劫だ…

重い体を引きずり、学校へ…

 

 

「今日から新学期ですね。私が休み前に言ったことを覚えていますか?あれは…」

 

長い校長の話を聞き流す。なんでこうも話したがるのだろうか。『今日から新学期ですね。頑張ってください。』でいいではないか。わざわざお前の話を誰が聞くんだ?

 

「続いて、新生徒会長のお話です。」

 

そういやこの前生徒会が新しくなったっけ。

たいして興味もなかったから適当に丸して出したけど…

どんなやつだ?生徒会は二年から選ばれるからもしかしたら知り合いかもな…

 

一人の女の子が壇上に上がった。

歩くたびに長い茶髪が揺れている。

足も細くスタイルもいい。

ちょっと…胸に難ありだけど…でもそのぶん歩く姿が様になっている。

まるでモデルみたいだ…

 

 

「おはようございます。私が新しく生徒会長になった天城(あまぎ)(さき)です。よろしくお願いします。」

 

ぺこり、と頭を下げる。それに合わせて茶髪も揺れる。

 

「新学期も始まり、学年がひとつ上がりました。それで…」

 

話が頭に入ってこない。

それほどに僕は彼女に見いっていた。

 

「…以上です。」

 

気がつくと終わっていた。

ただひたすらに美しい。それが僕の彼女に対する第一印象。

その余韻に浸ったまま解散になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新しい学級が発表された。

僕は2-3。そして驚くことに隣の席は…

 

「私は天城咲。よろしくね。」

「あ…うん…よろしく…」

 

先程の彼女だった。

ありがとう神様!このご恩は一生忘れないよ!

本気でそう思ったのは初めてだ。まさか神に祈る日が来るとはね…人生なにが起こるかわからないな。

 

「えっと…君の名前は?」

「え?ああ。僕は一之瀬(いちのせ)樹来(じゅらい)。帰宅部です。」

「君が一之瀬君…?」

「はい?そうですけど…」

 

こちらを見つめる天城さん。くりくりな目が可愛い。真正面から見ることができてとても幸せです。

 

「そっか…」

「えっと…?」

 

なんだろう。僕なにかしたのかな?印象に残るのは嬉しいけど…悪い方では残ってほしくないな…

 

「放課後、空いてるかな…?」

 

突然のお願い。

上目づかいで見つめる彼女に…

 

「も、もちろん…」

 

逆らうことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。

まぁ始業式のあとは担任の紹介やそれぞれ自己紹介などがあっただけなので結局現在昼の12時なのだが。

ちなみに天城さんのときはすごかった。

 

 

「天城咲です。」

 

「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」

 

「えっと…生徒会長をやらせてもらってます。」

 

「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」

 

「み、みんなと仲良くなれたらいいな…」

 

「「「「「もちろんですよぉぉぉ!!!!!」」」」」

 

 

なにやら一年生の時からかなりの人気だったらしい。

他人に興味を持って見たことのない俺は完全に流行に乗り遅れていたわけだ。

そんなこんなで僕の普通の自己紹介も終わり放課後だ。

 

「一之瀬君。」

「うん。なに…ですか?」

 

どうにも敬語が抜けない。

普段は結構崩して話すほうなんだけど…緊張してるのかな…僕…

 

「おうち行ってもいい?」

 

ザワザワ…

 

回りがどよめく。

視線が集まる。

 

『なんであんなやつのところに…』

『咲たんが…弱味とか握られてるのか…?』

『殺す。家に天城さんが来るとか…殺す。』

 

恐ろしいほどの殺気が俺を襲う。

 

「え…えっと…なんで…ですか?ここじゃダメなのでしょうか…」

 

そして追い討ち。

 

「うん。二人きりで…話したいから…」

 

両手で口元を隠しながらのこの一言。ハートにクリティカルヒット!

 

『殺す。』

『殺す。』

『殺す。』

『殺す。』

『殺す。』

 

「わ、わかった…じゃあ行こうか…」

 

これ以上ここにいたら危険だ。

そう思い、天城さんを連れて家へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

返事はない。

早くに母を亡くし、父は稼ぐために外に出ている。

帰ってくるのは月に一度あるかないか。なので僕はこの家に一人暮らしだ。

 

「おじゃましまーす。」

 

でも今日は一人じゃない。こんな可愛い子が来てくれるなんて…もしかしてこれ…夢?それとも実は全部僕の妄想とか…?

うわぁ、だったら恥ずかしいぞ…

 

「あの…一之瀬君?」

「はっ!ごめん。座っててください。すぐにお茶を淹れますので…」

「あ…うん…」

 

 

急いで用意を済ませ、戻る。

いつもは一人で使う机に美人が…

 

「ど、どうぞ…」

「あ、ありがと…」

 

ずず…お茶を啜る。あれ…?おかしいな…味がしない…茶葉古いのかな…

 

「一之瀬君。」

「は、はひっ!」

 

声が裏返る。ヤバイ…明らかに緊張してるよ…僕…

 

「一之瀬君は…聞いた?」

「な、なにをでございますでしょうか…」

 

もはや日本語すらおかしい。わかってはいるが直せない。

 

「私たちが…」

 

な、なにをですか?でいいのかな…いや、知りませんとかのほうが…

 

「許嫁だってこと…」

 

………はぇ?

 

 

 

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