前回のあらすじ
「死ね」
えぇぇぇぇぇ……
「もう少し会話したいな……」
「私とですか?ブヒ、ブヒブヒ、ブヒ?」
「豚じゃないし!」
まったく似せるつもりのない豚の物真似をしながら辺りを見渡している妹さん。
ゆっくりと眺めるように首を回す様子はまるで怪しいものはないかチェックしているよう。
表情は変わらないから気にさわるものは今のところないんだろうけど……ジロジロ見られるのは恥ずかしいな。
「はぁ……こんなところでお姉様が過ごしていらっしゃるなんて……不愉快極まりないですね」
「どこかダメなところでもあった?」
「あなたの存在です」
「存在が否定された!?」
本当に咲さんの妹さんなのだろうか。全然性格が違いすぎて扱いに困るんですけど……
でも何とかするって咲さんと約束したわけだし、せめてどういう目的で来たのかくらいは聞き出しておきたい。
「あの~……桜さん?」
「雄獣のくせに人間様と会話を試みますか。いいでしょう喋ってみるがいいです。ブヒ?ブヒッ!!」
あ、今の顔傾げるやつ可愛い……じゃないや。話せって言われたんだから少しは話す意思を持ってくれているのだろう。ならば……
「えっと……桜さんは何歳なの?」
「はっ、お姉様だけでは飽きたらず私にも発情しているのですかまず年齢を聞くなんて雄獣はロリコンなのですか私の小さな胸に視線が向いているのは分かっているのですよって誰が小さな胸ですかお姉様と一緒で少し控えめなだけですそもそも日本人の本来の姿形はこれが正しいのですよ欧米からパンとか言うものが入ってきたせいで巨乳なるものが生まれてしまい私やお姉様は貧乳と言われることにって誰が貧乳ですか興奮してるんじゃねーですよ雄獣」
「誤解だ!」
なんだこの子は!?1聞いたら100返してきたしそれに小さな胸なんて思ってないし!
そりゃ確かに咲さんは小さいけど貧乳には貧乳の良いところがたくさんあるしって僕は貧乳なんて思ったことない!咲さんは咲さんだ!!!
「鼻の下が伸びてます。いやらしいですね胸目的でお姉様をたぶらかしたのですかやめてもらえますか?」
「違うし!胸目的じゃないし!咲さんには咲さんの魅力があるし!あるし!!」
「なんで二回も言ったのですか?そんなにムキになるということはお姉様=胸ということですね!?そう思っているということですね!?!?」
「思ってないですし!咲さんの胸小さいとかその分お尻も小さいけど共にハリがあって可愛らしいとか思ってないですし!!」
「そうです!最近の男共はやれ巨乳だとかやれ安産型だとかふざけたこと言っていますがやはり時代はスレンダー!!キュッ、キュッ、キュッなお姉様こそ至高なのですよ!!!」
「わかる」
「ほう」
「………………」
「………………」
ガシッ!!!
「あなたとはいいお酒が飲めそうです」
「奇遇だね、僕もそう思ってた」
なんだいい子じゃないか。まさかここまで話せる子だとは思わなかったよ。ちゃんと咲さんのことを分かっている姉思いの妹さんだ。
多少は心を許してくれたのだろうか、僕の目を見つめる彼女の瞳はどこか笑っているようにも見えた。今ならちゃんと話せるかも……
「あなたは昔から変わりませんね」
「え?それってどういう……」
「樹来君?」
唐突に届いた背後からのオーラに喉が凍る。
次に続けようとしていた言葉が出てこない。あれ?言葉ってどうやって発するんだったっけ……?
「ねえ樹来君。私のいないところで桜と何話してたのかな?」
後ろを振り返ることもできない。体も動かすことができない。
「お、おね……さ……ま……」
目の前では桜ちゃんも固まっている。僕の背後を見つめるその顔は猫に狙われたネズミのよう。握った手もプルプルと震えている。僕の振動と相まって手がすごいことになっている、がそんなことを気にする余裕は僕にはなかった。
「私の胸が何だって?」
「「ごめんなさい」」
ごめんなさい。久々の更新だったので樹来君の性格がぶれました申し訳ない。妹の性格も思ったよりヤバく書いてしまいました申し訳ない。
ふぅ、一旦落ち着きまして……次は話を進めます。がんばります。