東方龍球伝   作:清川 明希

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どうも、皆さん こんにちは!
今回は、東方龍球伝100話記念という事でこのような作品を作りました。
少々、長いですが見て頂けると幸いです。
作った後で分かったんですがめちゃくちゃわけがわからない感じになってしまっています。

今回の作品は悟空が活躍すると言うより霊夢と魔理沙が活躍します。(なので悟空好きの皆さんはあまり見るのをオススメしません)
後、オリジナル設定が少し多いです。
1,000字ごとに印をつけているの分けて読む方はそれを目安にした下さい。(結構、読み応えのある長さになっています)

ちなみに時系列は修行編4の間のストーリーです。(もっと詳しく言えば第88話の間です)
一様、パラレルではなく本編の中のストーリーとして食い込みます。

さて、簡単に説明を終えたところでそろそろ前書きを終えましょうか。
それでは、100話記念「最強の邪念降臨!!博麗の奇跡」スタートです。
あ、後書きも読んでね。(出来れば、こんな作品読めるか!って方も後書きの最後だけ読んで頂ければ幸いです)


番外編
最強の邪念降臨!!博麗の奇跡! 第100話【記念】


ここは幻想郷さまざまな種族が暮らす不思議な世界。

その種族を大きく分けると「人間」「妖怪」「神」と3つの種類に分けられる。

この物語はその中の妖怪と戦う人間、博麗霊夢、霧雨魔理沙、そして、幻想郷にやってきた小さな戦士 孫悟空の物語……。

 

 

 

〜場所はあの世〜

 

ここはあの世 この世を去ってしまった物達が送られる場所である。

そこでは、ある女性によって天国行きか地獄行きかが仕分けされていた。

 

???「貴方はただ自分の気分次第で数多くの人間を暗殺しましたね。これは、考える必要はありません。地獄行きです」

 

この閻魔大王的立ち位置の女性の名は四季・映姫・ヤマザナドゥ 特徴はなんといってもこの緑色の髪の毛である。

 

死妖←(死んだ妖怪の略)「は、おいおい?閻魔様それはないぜ!幻想郷では妖怪が人間を襲う。そして、妖怪は人間に退治される。そうやって、バランスをとってるはずだ。それなのになんで俺が地獄なんだよ!」

 

どうやらこの妖怪自分が地獄行きになった事に対して納得がいかなきようだ。

まぁ、自分が地獄行きになって異論しない方がおかしいであろう。

しかし、映姫にとってこれはもはや日常茶飯事

何故なら、地獄行きになった物は必ずこのような言い訳をするのだ。

映姫は、「はぁ」と少しため息をついた後、慣れた口調で死妖に説明をする。

 

映姫「確かにそうよ。幻想郷はバランスをとらないといけないわ。でも、貴方がやった事はそんなんじゃないわ。ただの人殺しよ」

 

映姫は、ストレートにそう言った。

しかし、そんな事で死妖が納得するわけがない。

理由は、簡単、

 

死妖「はぁ?人殺しが幻想郷のバランスをとることだろ!」

 

そう今映姫が言った事は何一つ回答になっていないのである。

死妖は映姫を強い眼光で睨みつける。

映姫は、そんな死妖をみて再び大きなため息をついた。

どうやら、反抗する死妖に対しめんどくさがっているようだ。

 

映姫「それじゃあ詳しく説明するわ。貴方は、まず、森に入ってきた人を狙って数多くの人を殺してきた。でも、貴方はその後、すぐに森の中に入り息を潜める。しかも、貴方が人を殺すときは大抵ほかの妖怪にやられむしゃくしゃしている時だけ。つまり、貴方はただのストレス発散の為だけにやってたのよね?」

 

その言葉を聞いた妖怪は口をもぐもぐさせる。

 

妖怪「そ、それは…」

 

そして、更に言い訳を重ねようとした。

しかし、そんな悪あがきが通用するわけがない。(1000字地点)

 

映姫「幻想郷のバランスは、妖怪が人間を殺し人間が妖怪を退治するのよね?じゃあ、なんで貴方は殺したらすぐに逃げるの?結局、貴方 怖いんでしょ死ぬのが。人間に退治されるのが怖いんでしょ?それで、退治されないように逃げてたのに何がバランスですか!貴方はバランスの事なんて考えてないじゃないですか!」

 

死妖が言い訳を言う間もなく映姫がそう口を挟んだ。

死妖は、顔を地面に落とす。

どうやら、言い訳が尽きてしまったようだ。

 

映姫「どうやら、言い訳が尽きたようね。そこに地獄の案内人がいるからそっちに行きなさい」

 

そう言いながら映姫は指を指す。

そこには、なんだか不気味そうなオーラを放った人が1人立っていた。

その後ろにも100人程 死んだ妖怪や人が並んでいた。

恐らくその100人もこの妖怪と同様 地獄行きになった妖怪なのであろう。

そして、その1番前にいる不気味なオーラを放った人間が恐らく地獄への案内人……。

死妖は、どうやら観念したようでその方向へと歩いて行くのであった。

 

 

 

 

映姫「ふ〜、やっと今日の分の死人の仕分けが終わったわね」

 

大きく背伸びをする映姫。

その姿は先程の怖い雰囲気は無く可愛らしい女の子そのものであった。

と、その時!

 

???「映姫様〜」

 

1人の女性が映姫の名前を呼びこちらに近づいてきた。

 

映姫「あら、小町 今日はサボらずに頑張ったわね」

 

この女性の名は小野塚小町 背中に大きな鎌を持っており三途の川を死者達一緒に渡るのが仕事。

まぁ、簡単に言うと死神である。

 

小町「ひどいですよ。私だってたまには真面目に仕事をする日だってありますよ」

 

映姫の言葉に対して膨れっ面になる小町

実は、この小町 結構、仕事をサボることが多く頻繁に映姫に怒られてるのであった。

 

映姫「あらあら、これがこれからも続いてくれればいいのですけどね」

 

映姫は、ふふふっと笑いながらそう告げた。

なんだか、とても微笑ましく感じる。

ここまでは……。

 

映姫「あ、そうだ。小町、あれの確認ちゃんとしたわよね」

 

はっ、と映姫が思いついたように言った。

 

小町「あれ?」

 

小町は頭に疑問符を浮かべる。

どうやら、あれがなにかピンとこないようだ。

 

映姫「魂の浄化装置よ何百年も邪気を取り込んだから多分あと少しで破裂するって地獄を担当してる奴が言ってたでしょ?」

 

魂の浄化装置とは地獄に落ちた者達から邪念を絞り出す機会である。

どうやら最近になりその浄化装置の調子が悪くなってきたようだ。

その言葉を聞いた瞬間、小町の顔が青く染まり始める。

映姫もすぐさま小町の表情がおかしいことに感づいた。

 

映姫「貴方、まさか!!」

 

映姫が焦ったような表情を浮かべた。(2000字地点)

それもそのはず、何故なら先程、魂の浄化装置に100者数の魂を浄化しに行ったのだから……。

もし、そんな状態の浄化装置に100も魂を入れたら大惨事どころではないのである。

 

映姫「すぐに地獄へ向かうわよ!!」

 

映姫が勢いよくそう告げた。

映姫の額からは汗がにじみ出ており小町もここで自分がやった失態の大きさを理解した。

そして、恐る恐る映姫に尋ねる。

 

小町「そ、そ、そんなにヤバイんですか?あの浄化装置が破裂したら…」

 

その小町の声は若干ながら震えており動揺しているのが一目でわかる。

 

映姫「ヤバイって、そんな言葉一言では収めきれないわ。何百年も溜め込んで来た邪念があの中には詰まってるのよ!そんなのが破裂してみなさい!この世もあの世も終わりよ!」

小町「ひ、ひえ〜!!映姫様すみません」

 

小町は涙目になりながら映姫に謝罪をした。

 

映姫「そんなの後でいいわ!とりあえず、急いで地獄に向かうわよ!」

 

そう言いながら小町と映姫は地獄へと急ぐのであった。

果たして2人は無事間に合うのであろうか!

 

〜場所は変わり浄化装置前〜

 

地案(地獄の案内人)「ふ〜、ついたついた」

 

地案は100の魂を引き連れやっとの思いで浄化装置前に着いた。

浄化装置前まではいうほど距離も無いのだが実はこの地案は新人で今日は初の仕事であった。

周りから見れば地獄の案内人ということもあり少々不気味な見た目をしているが最近の若者みたいな性格をしている。

 

地案「え〜と、確かここの浄化装置の中にこの魂達を詰め込めばいいんだな」

 

新人の地案は浄化装置が限界近いことを知っているわけもなく。

浄化装置へと近づいていく。

そして、ついに「おい、お前達この入り口の中に入るんだ!」と死妖達に命令を出した。

あの世での決まり事で死んだ魂はここで働くものに逆らってはいけないので死妖達は泣く泣く浄化装置の入り口へと入っていくのであった。

 

1人、また1人と浄化装置の中へと入っていく魂達。

 

『メシメシ』

 

そして、それと同時に小さながらメシメシという音が響いた。

 

地案「あれ、浄化装置ってこんな音なるんだ。もしかして、この音が邪気を抜かれている時の音なのか?」

 

しかし、残念ながら今 浄化装置を担当しているのは新人の者。

この音が不自然な物だとは気づかず どんどん魂を入れていくのであった。(3000字地点)

恐らく、皆気づいていると思うがこの音はひび割れの音である。

しかも、そのひび割れは地案の立っている位置のちょうど逆側に広がっており残念ながら地案はそのひび割れに気づくことはなかった。

そして、そのままついに99人もの魂が浄化装置へと入ってしまった。

残るはラスト1人である。

 

地案「よし、お前がラストだな。さっさと入れ!これで、今日の仕事は終わりだ」

 

もうすぐ仕事が終わるという気持ちからか少しラストの1人をせかす死案。

死妖は、しぶしぶその中に入っていったのであった。

 

『ウィーーン』

 

魂から邪念が洗い流される死妖

 

死案「よし、これで今日の仕事は終わりだな」

 

死案は大きく背伸びをした。

そして、そのままリラックスをする。

と、その時!

 

『メシメシ』

 

『バキッ』

 

バリンッ!

 

ついに限界を迎えた浄化装置は限界は爆発してしまった!

 

死案「な、なんだ!」

 

死案もこんな事態は流石の予想外!

爆発した浄化装置にあっけにとられ固まってしまった。

 

『ヒューーン、ヒューーン』

 

浄化装置から湧き出る謎の紫色の気体。

恐らく、邪気の塊であろう。

その邪気は、どうやら体がなく新たな体を探しているようだ。

 

死案「な、なんだ。あ、あの変なのは…」

 

死案は硬直した体を動かすことが出来ずただ呆然とそな気体を見つめる。

と、その時!

 

『ヒューーン』

 

邪気が死案の姿を確認し死案に一気に迫った。

恐らくだが体のない邪気は死案の体を乗っ取ろうと考えたのであろう。

 

死案「く、くるなー!!」

 

死案は必死にそう叫ぶ。

しかし、邪気は止まる事なく死案に迫ってくる。

そして、ついに死案との距離も1mをきった。

 

死案も「もう、駄目だ」と覚悟し目を瞑る。

 

その時!

 

『ヒュン』

 

「間に合ったみたいですね」

 

死案「えっ?」

 

邪気に当たると思い目を瞑った死案であったがなかなか当たらないうえに声が聞こえたので死案は今の状況を確認するため恐る恐る目を開けた。

そこには、小町がいた。

どうやら、小町あの短い時間の間に死案を抱きかかえ邪気から逃げたようだ

 

死案「こ、小町さん?」

小町「ええ、そうですよ」

 

死案「私を助けてくれたんですか?」

 

死案は小町が何故ここにいるのか疑問に思いながらもまず、1番重要な事を尋ねた。

 

小町「ええ、そうですよ。私の能力、距離を操る能力でなんとか助けれました。」

 

小町は、そんな死案にニッと笑顔を浮かべて返答する。

そう実は小町 距離を操るという能力を持っており先程、邪気にあたりかけた死案を助け出し邪気から隠れる事に成功したのである。

ちなみに映姫は小町のように距離を操れないので走ってこちらに向かってきているようだ。

そして、邪気に対しては浄化装置の裏に背もたれするように隠れておりなんとか邪気の死角に入っている。

 

死案「でも、一体 小町さんが何故ここにここは小町さんの担当場所じゃないはず」

小町「いや、それには色々ありまして」

 

小町は片手を頭にかけ苦笑いをした。(4000字地点)

 

小町「まぁ、今はそれより早く逃げて下さい。さっきは私の距離を操る能力でなんとかなりましたがこの能力そう何度も連続で出来ないんですよ」

 

そういいながら小町は指を目の前に向けて指した。

 

小町「ここを走っていけば恐らく逃げる事が出来ます。私が囮になるのでその内にどうか逃げて下さい」

死案「でも、それじゃあ、小町さんが……」

 

新人という事もあり上司である小町を囮にすることに戸惑いを持つ死案。

 

小町「実はですね。あれが出てきてしまったのは私のせいなんです。本来ならわたしが浄化装置の確認をしっかりとしていれば貴方にも迷惑がかからなかったんですよ」

 

そういいながら小町は頭を落とす。

 

小町「すみませんでした」

 

そのすみませんでしたと言う言葉には本当に小町の気持ちが込められており生半可な謝罪ではないことは感じ取れた。

 

死案「そうでしたか。でも、これは小町さんのせいだけではありません。私が死人達をあの浄化装置に入れる時、しっかり確認をしていたらこんなことにはならなかったのです」

 

そういいながら死案も小町と同様に頭を下げた。

 

小町「お前は悪くない。お前は仕事をしっかり果たしてミスをしたんだ、それに引き換え私は仕事をサボってこんな事態を起こしてしまった。だから、頼む。私は戦闘も得意なんだ。だから、早く逃げてくれ…」

 

小町は死案に頼み込むように言った。

流石の死案もこのままここにいては逆に小町さんを困らせてしまうと考え「分かりました」と言って早々と逃げて言ったのであった。

 

『バタバタバタバタ』

 

もうスピードで逃げる死案。

しかし、そんな速度で逃げれば勿論、足音が出てしまい予想通り邪気に見つかってしまった。

 

『ビューーーン』

 

死案を見つけた邪気はすぐさま死案目掛けて突進する。

 

しかし、

 

小町「はぁ!」

 

『シューーン』

 

小町はそんな邪気目掛けて思いっきり背中に背負っていた鎌を振り下ろした。

 

『シャキン』

 

見事、その鎌は邪気に命中する。

気体という事もあり簡単に切れ鎌は気体を真っ二つにした。

 

『シゅン』

 

だが、勿論、そんな事をしても無駄であった。

相手は気体 いくら切ろうがそんな事関係ないのである。(5000字地点)

 

『ビューーーン』

 

それどころか、死案に逃げられた事を理解した邪気は標的を小町に変え小町目掛け一気に突進してきた!

 

小町「なっ!」

 

鎌を振った事もあり体制がまだ整っていない小町。

そんな状況で動ける事もなく小町は負けを覚悟した。

 

その時!

 

「はぁ!」

 

『ボンッ』

 

負けを覚悟した小町だったがなんと邪気に当たる瞬間、邪気目掛けて気団が飛んできた。

気団はそのまま邪気を飲み込む。

 

 

小町「えっ?」

 

急に飛んできた気団に驚きが隠せない小町

小町は、気団が飛んできた方向を恐る恐る振り向く。

 

そこには!

 

映姫「危ないわねぇ」

 

そこには、映姫がいた。

どうやら、先程の気団は映姫が放ったもののようだ。

 

小町「映姫様!」

 

小町はすぐさま映姫の真横に行く。

 

映姫「どうやら、浄化装置から邪気が出てしまったようね」

小町「はい、すみません。私の失態で……」

 

暗い顔を浮かべる小町

だが、映姫はそんな小町とは真逆の表情で、「今はそんなこと言わないであの邪気を消し去るわよ!」と小町に命令を出した。

小町はその威勢のいい映姫につられて気合が入る。

 

小町「分かりました映姫様!」

 

そう言って小町と映姫は戦闘体勢をとった。

 

『ヒューーン』

 

2人に近寄る邪気。

小町と映姫はそんな邪気に対して手を向けて「はぁ!」と気団を放った。

 

だが、

『ヒュン』『ヒュン』

邪気もそう甘くはなかった。

邪気は見事その気団を避ける。

 

そして一気に2人との距離を一気につめた。

 

映姫「はっ⁉︎」

 

そして、そのまま映姫の目の元へと迫る邪気。

映姫と邪気との距離は1mをきっており恐らくもう避けるのは無理であろう。

映姫は反射的に腕で体を守ろうとする。

だが、勿論、気体の敵にそんなことをしても無意味 映姫は負けを覚悟した。

 

その時!

 

小町「映姫様っ!」

 

『バッ!』

 

なんと、小町が映姫目掛けて飛んで行く邪気に対して映姫をかばうように大の字に体を広げ映姫の盾となった。

 

小町「うわああああああああ!!」

 

小町の周りに邪気が取り囲むように広がる。

 

映姫「こ、小町!」

 

映姫は、すぐさま小町を助ける為、気団を放とうとした。

しかし、

 

映姫「くっ!」

 

映姫は気団を出すのをためらった理由は勿論 小町を傷つけてしまう恐れがあるからである。

 

小町「うわあああああああ!!」

 

邪気にまとわりつかれ苦しむ小町

そして、ついには!

 

『ボン』『ボン』『ボン』『ボン』『ボン』

 

小町の四肢から順番に巨大な赤ん坊のような手足に変わり胴体、そして、顔までもがまるで巨大な赤ん坊のような姿になってしまった。(6000字地点)

しかし、ただの赤ん坊ではない。

まるで宇宙人のような独特な姿をしていた。

 

映姫「こ、これは一体!」

 

その異様な姿になってしまった小町に驚く映姫。

それもそのはず、その化け物には小町と確認できる部分が少しも残っておらず小町の気配も消え失せてしまったのだがら。

 

映姫「こ、小町ーー!!」

 

化け物になってしまった小町に対して必死に名前を呼ぶ映姫

しかし、その声は小町に届くことはなかった。

 

そして、小町を飲み込んだ邪気はこう叫ぶ。

 

「ジャネンバ、ジャネンバ」

 

その赤ん坊はジャネンバとばかり叫んでいる。

 

映姫「ジャネンバ?」

 

映姫は、その言葉を耳にし赤ん坊をジャネンバと呼ぶことにした。

 

映姫「く、よくも小町を!」

 

小町を飲み込まれた事に怒りを持った映姫はいくつかの気団をジャネンバに放つ。

 

映姫「はあああああ!」

 

その気団には1発1発力が込められておりジャネンバの周りに大きな爆風がたった。

 

映姫「やったか!」

 

その爆風を見た映姫はジャネンバへのダメージを確かめた。

 

『シューーン』

 

徐々に爆風が晴れてくる。

流石のジャネンバもあれほどの気団を食らって無事なわけがない映姫はそう考えながら爆風が晴れるのを見届けた。

 

しかし!

 

映姫「なっ⁉︎」

 

現実はそう甘くはなかった。

爆風が晴れたなかからなんと、「ジャネンバ、ジャネンバ」ほぼノーダメージのジャネンバが姿を現した。

これには流石の映姫も声が上がらない。

何故なら、さっきの攻撃は映姫の全力の攻撃だったのである。

それがノーダメージだったということはかすなわち映姫の勝率は限りなくゼロに等しいということ…。

 

映姫「まさに化け物ね」

 

映姫は苦笑いしながら呟いた。

その笑みは恐らく絶望を表す笑み。

そう映姫は察したのである。

自分に勝ち目はないと…。

 

ジャネンバ「ジャネンバ?」

 

そんな、映姫を見ていたジャネンバは映姫がもう攻撃して来ないことを確認して、

 

ジャネンバ「ジャネンバ!」

 

と叫びながら映姫に向かってエネルギー弾を放った。

そのエネルギー弾にはかなりの威力が込められており食らえばただごとではないであろう。

しかし、映姫にそれを避ける気力があるわけもなくジャネンバのエネルギー弾を直で受けてしまった。

 

『ドン』

 

映姫「うっ!」

 

数メートル程吹き飛ばされてしまう映姫。

体へのダメージも大きく映姫は倒れ込んでしまった。(7000字地点)

 

映姫「くっ!せっかく小町が私をかばってくれたのに…」

 

あまりの自分への不甲斐なさに腹をたてる映姫。

まあ、無理もない自分の力がまったく及ばないのだから。

 

ジャネンバ「ジャネンバ、ジャネンバ」

 

ジャネンバが急に叫び出す。

恐らく、わたしにトドメを刺すのね。

映姫は、そう考えて死を覚悟した。

もう、映姫にはジャネンバの攻撃を避ける体力は残っておらずただ攻撃を待つことしかできなかった。

次くらえば間違えなく死ぬのに…。

 

映姫「ふふふ、私の人生もこれで終わりか……」

 

思わず声に出す映姫。

その表情は絶望に染まっており笑っていた。

そう人間は恐怖を超えると笑ってしまうのである今の映姫がまさにその状況。

 

『ヒューン』

 

右手に紫色のエネルギーを溜めるジャネンバ。

その手にはエネルギーが圧縮されていた。

とてつもないエネルギーが…。

 

死を覚悟した映姫はただそれを見続ける。

 

そして!

 

ジャネンバ「ジャネンバ!」

 

『ヒューーン』

 

ジャネンバは右手からエネルギー弾を放った。

それをみた映姫はゆっくりと目を瞑り死を待ったのであった。

 

 

しかし!

 

 

映姫「あれ?」

 

いくら経とうがジャネンバのエネルギー弾は映姫の元へとんでこない。

えっ?と思った映姫は恐る恐る目を開けた。

 

そこには!

 

ジャネンバ「ジャネンバ、ジャネンバ、ジャネンバ」

 

『バン』『バン』『バン』『バン』

 

ひたすら四方八方にエネルギー弾を飛ばしているジャネンバがいた。

どうやら、このジャネンバあんまり知能がないらしく映姫に対しても特に興味を持たなかったようである。

 

映姫「ふ〜」

 

ひとまず、一息出す映姫

どうやら、映姫もジャネンバに知能があまりないことに気づいたようだ。

 

ジャネンバ「ジャネンバ、ジャネンバ」

 

何度もジャネンバと囁きながらエネルギー弾を放つジャネンバ。

そのエネルギー弾は四方八方へ連続に放たれていた。

狙ってないにせよ、流石に危ないと思った映姫はジャネンバから距離をとる。

 

映姫「派手にやってくれますねぇ」

 

そう呟きながら映姫は周りを見渡した。

その瞬間、先ほどまで若干あった余裕そうな顔が映姫から消える。

 

映姫「あ、あ、あぁ」

 

唇を震わせ映姫。

そう映姫は、恐怖を感じたのである。

今までに味わった事のない恐怖を……。

恐らく映姫は何かを目撃してしまったのであろう。

 

それは!

 

映姫「あの世に結界が…」

 

そうあの世のそこら中に結界のようなものが張られているのである。

それもただの結界ではなく、まるでキャンディーのような塊で多数の色がありそれがいくつも集まりあの世を埋めていたのである。

 

一体、いつの間にこのような結界が出来てしまったのだろうか…。

映姫は、考察をいれる。

しかし、その謎もすぐに解けるのであった。

 

ジャネンバ「ジャネンバ、ジャネンバ」

 

ふとエネルギー弾を出し続けるジャネンバを見る映姫。

 

映姫「そういえばあのエネルギー弾やけに適当に打たれてるわね…。まさか!」

 

そう言いながらジャネンバの放ったエネルギー弾を目で追う映姫。

どうやら何かに気がついたようだ。

 

 

『ヒューン』

 

 

『ドンッ』

 

ジャネンバのエネルギー弾が壁に激突した。

 

その時!

 

『ビシッビシッ』

 

なんとそのジャネンバのエネルギー弾に当たった一部が結界にのみ込まれたのであった!

その結界は周りの結界と同様で色あざやかなキャンディーのようなものであった。

映姫は確信した。

ジャネンバはエネルギー弾を当ててあの世を封印していることに…。

 

 

映姫「このままじゃマズイ!」

 

立ち上がりジャネンバに戦闘体制をとる映姫

 

映姫「もし、このままジャネンバにあの世を封印されたらあの世とこの世がメチャクチャに…。それだけは阻止せねば」

 

そう言いながらダメージを負った体でジャネンバに接近した。

恐らくさっき遠距離からの攻撃が効かなかったので接近して一気に決めようという作戦であろう。

 

ジャネンバ「ジャネンバ、ジャネンバ」

 

知能があまりないジャネンバも流石に接近されては本能的に攻撃を行うもの。

ジャネンバは、映姫に対してエネルギー弾を5、6発放った。

 

映姫「くっ!」

 

とっさに突っ込んだので反撃された後のことを考えていなかった映姫。

映姫は、急いで急ブレーキをかけサイドステップで逃れようとする。

 

だが、時すでに遅し

 

映姫「ぐああぁ!」

 

サイドステップをしたおかげで直撃ではないもののかなりのダメージを映姫は負ってしまった。

 

映姫「くっ!」

 

倒れ込んでしまう映姫。

映姫の右腕には血が滲んでいた。

そう今の一撃で右手をやられたのである。

普通の者ならばこの状態どう考えても立ち上がることは出来ない。

誰もがそう考えるであろう…。

 

しかし!

 

映姫「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

なんと映姫は賢明にも立ち上がった。

体はヨレヨレで限界は近く

もはやジャネンバを倒すほどの力どころか動くだけでも精一杯の体力であろう。

 

 

ジャネンバ「ジャネンバ?」

 

流石のジャネンバはまだ、立ち上がる映姫に対し疑問符を浮かべていた。

それは、恐らく何故まだ立ち上がれるのだろうか?と言う疑問。(9000字地点)

いくら考える能力の少ないジャネンバでもその異様なまでの映姫の闘志には凄いと感心しているのである。

 

 

だが、しかし、映姫がいくら立ち上がろうともう映姫には勝ち目がない。

ジャネンバもそのことは理解している。

 

 

ジャネンバはゆっくりと映姫に対して手を向けた。

恐らく、最後のトドメということであろう。

 

『ビューン』

 

右手にエネルギーをためていくジャネンバ

そのパワーはとうに映姫を殺せる力を超えていた。

恐らく、確実に殺すためエネルギーを限界までためているのであろう。

 

映姫「くっ!」

 

流石の映姫もヤバイことを悟る。

まあ、それもそのはず目の前にいるジャネンバは確実に自分を狙っているのだから…。

と、その時!

 

映姫「ここはやはりあの者たちに頼むしか…」

 

映姫は、そう一人言をこぼした。

 

映姫「私が戦っても勝てる見込みはゼロ。もう奴を倒せるのはあの方たちしかいない。そう!博麗霊夢達しかいない!」

 

な、なんと、どうやら映姫は博麗霊夢に頼もうというのだ。

まあ、たしかに映姫に比べれば遥かに勝てる可能性がある存在。

映姫はそのように考えたのであろう。

 

映姫「逃げるのは恥だが。ここは、それしか無いんだ。はぁ!」

 

そう言いながら映姫は地面に向かってエネルギー弾を放つ。

すると、エネルギー弾の当たった地面はみるみる爆風を巻き上げた。

 

ジャネンバ「ジャネンバ⁉︎」

 

それに驚いたジャネンバは一度エネルギーを溜めるのを止めてしまう。

 

映姫「今だ!」

 

ジャネンバが気を溜めるのをやめ怯んだ隙を見た映姫は速攻で走り出した。

もし、これで逃げきれず博麗霊夢にこのことを伝えられなければあの世もこの世も崩壊してしまう。

映姫は、そう頭に叩き込み全力で走るのであった。

 

 

〜そして、数分後〜

 

 

ジャネンバ「ジャネンバ?」

 

映姫によって起こされた爆風がはれてきた。

周りを見渡すジャネンバ。

しかし、そこにはすでに映姫の姿はなく、ジャネンバはここで映姫に逃げられたことを確信した。

 

ジャネンバ「ジャネンバーーー!!!!!!」

 

逃げられてしまったことに対して怒りの表情を浮かべるジャネンバ。

それもそのはず先ほど確実に映姫を倒せると思った挙句逃げられてしまったのだから。

怒ったジャネンバは、両手を大きく広がる。

 

そして!

 

ジャネンバ「ジャネンバ!!」

 

と叫び四方八方に大量のエネルギー弾を放った。

勿論、当たったところは結界に覆われてしまっている。

ジャネンバは、怒りのあまり我を忘れがむしゃらに攻撃するのであった。(10000文字地点)

 

果たして、あの世はどうなるのであろうか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜場所は変わり博麗神社〜

 

 

悟空「ひぇ〜、お前達かなり瞬間移動が惜しいとこまで出来るようになったじゃねえか」

 

博麗神社では、いつもと同様に霊夢と魔理沙の瞬間移動が行われていた。

 

霊夢「何が惜しい所よ。さっきから空にばっかり移動してるんですけど?」

 

惜しいという割に全然惜しく無いことをツッコム霊夢。

ちなみに今の霊夢達の瞬間移動の出来は悟空が子供の姿になったばかりのように空の方に移動してしまうというものである。

 

魔理沙「そうだぜ悟空。さっきから上にばっか行っちまって全く完成には程遠いぜ」

 

そう言いながら魔理沙はため息をついた。

まあ、それもそのはず実は霊夢と魔理沙この修行を始めてもう一ヶ月半になるのである。

それなのにまだ、出来てないことに対して自信をなくして行ってるのであろう。

 

悟空「何言ってんだ魔理沙。おめぇ達めちゃくちゃ凄いぞ。前にも言ったかも知んねえけんどよ。オラ瞬間移動ができるようになるまでめちゃくちゃ時間かかったんだ。たった、一ヶ月で未完成にせよ体をどこかに飛ばすことが出来てんのは、十分すげえぞ」

 

悟空は、そう言うとニッと笑みを浮かべ霊夢達を見る。

そして、霊夢と魔理沙はその笑みにつられたようにお互い「フッ」と笑みを浮かべた。

 

霊夢「まあ、完成に近かれ遠かれにせよ。まだまだ未完成しばらくは使い物にならないわね」

 

そう言いながら太陽の方に目をやる霊夢

 

霊夢「もうすっかり太陽も上がってお昼時ね。なんか、疲れたから休みましょうか」

 

霊夢は、悟空と魔理沙にそう声をかけた。

 

悟空「ああ、今日は3時間ぐれえは瞬間移動の練習をしたみてえだし霊夢の言う通り休憩にすっか」

 

そう言いながら霊夢と魔理沙の顔を見る悟空

その後、3人は神社の中に入りしばしの間休息をとることにした。

 

魔理沙「いや〜、なんか、体は動かしてないけど瞬間移動は気を集中させるからかなり疲れが溜まるぜ」

 

座敷に腰を下ろした魔理沙はそう呟いた。

 

霊夢「まあ、その辺は、まだ、私達が気を完全に我が物に出来てない証拠。慣れればきっともっと楽になるはずよ」

 

霊夢と魔理沙はそう言い軽く雑談を交わす。

 

 

霊夢「そう言えば悟空あんた少し背が伸びたんじゃない?」

 

霊夢が不意に悟空の方を振りむいていった。

悟空は、キョトンとした表情を浮かべ「そうか?」と相槌をうつ。

 

魔理沙「あ〜、たしかに伸びたな。もう少しで私達よりも背が高くなりそうだぜ」

悟空「そうなんか、オラあんましそういうの気にしねえからよくわかんねえや」(11000字地点)

 

霊夢と魔理沙に悟空は身長の話をされるがとくに気にしたことないので返答に困る悟空。

と、その時!

 

悟空「んっ⁉︎」

 

悟空の目がキリッと際立つ。

それに気づいた霊夢は、「どうしたの悟空?」と悟空に声をかけた。

すると、悟空は不思議そうな表情で「いや、なんか、こっちに何か来てないか?」と霊夢に尋ねた。

 

魔理沙「何言ってんだ悟空?前にも話したけどここから人里までは結構距離がある上に妖怪に会っちまう可能性があるだろ?だから、ここに人はこねえし妖怪もこの鬼巫女に恐れてこねえぜ」

 

しかし、魔理沙はすぐに悟空の言うことを否定した。

そう人里から博麗神社に来る人など余程のバカ以外はまずありえない。

霊夢と魔理沙はその事をよく理解してるのである。

と、その時!

 

霊夢が魔理沙を強く睨みつける。

一体、どうしたのであろうか?

いや、理由など簡単か…。

 

霊夢「ちょっと、魔理沙。鬼巫女って誰のことよ?」

 

鋭い眼光を浮かべ魔理沙を睨みつける霊夢。

その目はまるでカエルを見つけたヘビのような目をしていた。

流石の魔理沙も命の危険を感じる。

 

魔理沙「じょ、冗談だよ。冗談」

 

広げた手を上に上げ降参をとる魔理沙。

しかし、霊夢のはそんな事で許すわけがない。

 

霊夢「ふ、ふふ、鬼巫女がそんなんで許すと思う」

 

不気味な笑みを浮かべ魔理沙に接近する霊夢。

魔理沙は、「助けてくれ!」と叫ぶ。

 

一体、この2人は仲がいいのか悪いのかよく分からないものだ。

と、その時!

 

悟空「おい、やっぱり誰か来てる。おめぇ達気を探ってみろ!」

 

とっさに大きな声を上げる悟空。

流石の霊夢と魔理沙もおふざけをやめ真剣に気を探った。

 

霊夢「ほんとだわ。誰かがこっちに来てる!」

悟空「今は石段を上がってるってところだな」

霊夢「敵かしら?こんなところにふつうの人間が来るはずないし」

 

霊夢は少し警戒を強める。

 

魔理沙「でも、あんまりでっかい気じゃねえしよ。まだ、敵と決めつけるのは早いんじゃないか?」

霊夢「それでも警戒しとくに越したことはないわ。とりあえず、見に行きましょう」

 

そう言いながら立ち上がり玄関に向かう霊夢。

悟空は、急いで霊夢を止めた。

 

悟空「まて、霊夢。もし、敵だったら危ねえ。3人で固まって行動すっぞ」

 

悟空がそう霊夢に命令をだした。

霊夢は首を上下に動かす。(12000字地点)

 

その後、3人同時に神社の庭へとでる。

 

霊夢「もうすぐ石段を上がってくるわね」

 

警戒をしつつ待つ霊夢達。

 

『パキ』

『パキ』

 

小さな足音をが聴こえてきた。

恐らくこの音は小枝を踏んでいる音であろう。

 

そして!

 

悟空「みえてきたぞ」

 

悟空がそう声をこぼした。

霊夢と魔理沙は戦闘体制をとる常に攻撃が出来るように構えているのだ。

だが、しかし、石段を上がってきたのは予想外の物であった。

 

映姫「う、うぅ」

 

そうそれは、映姫である。

ジャネンバからなんとか逃げ出した映姫はこの世におり博麗の巫女に今のあの世の現状を知らせにきたのである。

 

『バタッ』

 

石段を上がるや否や倒れこむ映姫。

無理もないギリギリでジャネンバから逃げてきたのである体力を使い果たしてて当然といえば当然だ。

 

急に倒れこんだ映姫を見た霊夢と魔理沙、そして、悟空はすぐさま映姫に近寄る。

映姫の体の傷を見る霊夢。

 

霊夢「大変!この子ケガをしてるみたい」

 

霊夢は、少し勢い付いた声で魔理沙に言った。

 

魔理沙「ほんとだぜ。霊夢、すぐに神社の中に運ぶぞ」

 

そう言いながら映姫を抱きかかえる魔理沙。

 

悟空「見た感じ敵じゃなさそうだけんど、こいつ一体誰だ?」

 

魔理沙に抱きかかえられた映姫を見つめながらそう呟く悟空。

 

霊夢「今はそんな事 どうでもいいわ!たとえこいつが敵だろう味方だろうとケガを早く治さないと」

 

霊夢は真剣な口調でそう告げた。

早歩きで神社の中に映姫を連れていく魔理沙と霊夢と悟空。

 

 

 

 

霊夢「よし、取り敢えず布団の上で寝かせましょ」

 

映姫を背負った魔理沙に対してそう言葉をかける霊夢。

 

魔理沙「ああ、わかった」

 

魔理沙は霊夢の言う通り映姫を布団の上にゆっくりと置いた。

映姫は、布団の上で軽く呼吸音を鳴らしながら寝つく。

傷は深いが特に命をおびやかしてはないようだ。

 

霊夢「ふ〜、どうやら、命には別状は無いっぽいわね」

 

少し安堵したのか深呼吸をする霊夢。

どうやら、霊夢少し映姫が来たことに驚いたようだ。

いや、正確には知らないものが急に神社に来て倒れこんだと言う事に驚いたのであろう。

魔理沙「なあ、霊夢、こいつケガしてるけど誰だかわかるか?」

 

魔理沙が霊夢に尋ねた。

 

霊夢「いいえ、人里でも見たことない顔だわ。悟空は知ってるこの子について」

悟空「わりい。オラもこんな奴を見たのは初めてだ」

霊夢「やっぱりそうよね」

 

初めて見た女性に対して誰も知っておらず少し考え込む霊夢達。

 

悟空「でも、ひとつだけ分かることがあっぞ」

霊夢「あら偶然、私も分かることがあるわよ」

魔理沙「私だってあるぜ」(13000字地点)

 

そう言いながら真剣な眼差しを浮かべあう3人。

そして、声を揃えてこう言った。

 

「何かヤバいことが起きてるみてえだな!」

 

声がハモったのを確認した3人は少し硬い顔を浮かべた。

 

悟空「やっぱり、おめぇ達も気づいたみてえだな」

 

悟空が霊夢と魔理沙にそう告げた。

 

霊夢「ええ、もちろん」

 

そう言いながら映姫に体を近づける霊夢。

 

霊夢「この子の腕とか見たらよくわかるわ。この子相当鍛え込まれた体をしてるわ」

 

霊夢がそう言葉を並べる。

すると、魔理沙がその霊夢の言葉に続くようにこう言った。

 

魔理沙「だけど、鍛え込まれているそいつがこれほどまでにボロボロになっているという事は、こいつよりも遥かに強い奴が現れてこいつをここまでボロボロにしたと言う事…」

 

霊夢と魔理沙の説明は悟空が思っていることと全く同じで悟空は「ああ」と声を出した。

 

悟空「取り敢えずここで変に考察してもややこしくなるだけだだし。少し手当てしてこいつの回復を待つか」

 

悟空が霊夢と魔理沙にそう告げると霊夢と魔理沙は、「ああ」と相槌を打った。

 

 

 

 

 

〜30分後〜

 

 

映姫「う、うぅ、はっ⁉︎」

 

映姫がついに目を覚ました。

 

映姫「こ、ここは!」

 

慌てた表情を浮かべる映姫。

恐らく、今の状況がイマイチ掴めないのであろう。

 

映姫「確か、ジャネンバから無我夢中で逃げて…」

 

少しずつ記憶を呼び覚ましていく映姫。

そして!

 

映姫「そうだ!私、博麗の巫女に助けを求めにきたんだった。てことは、ここは博麗神社。私もしかして神社の前で倒れちゃったのかしら。手当でまでしてもらっているみたいだし…」

 

今の状況を少しずつ理解していく映姫。

と、その時!

 

霊夢「やっと、起きたみたいね」

 

そう言いながら隣の部屋から映姫の元に現れる霊夢。

いや、霊夢だけではない霊夢の後からついてくるように魔理沙と悟空も映姫の寝ている部屋に入ってきた。

 

魔理沙「お、起きたみたいだな」

悟空「取り敢えず一安心ってところだな」

 

霊夢達は映姫の起きたことを確認した。

 

映姫「手当てをしてくれたみたいですね。ありがとうございます」

 

入ってきた3人に対して軽くお礼をする映姫。

 

霊夢「お礼なんていいわよ急に神社に来て急に倒れられたらそうするしかないでしょ」

 

少し照れ気味にそう言う霊夢。

 

映姫「神社、てことはここは博麗神社で間違い無いですね!」

 

少し興奮気味でそう言う映姫。

どうやら、やっとジャネンバから逃げ切り助けを求める事に成功した実感が湧いてきたようだ。

 

悟空「その口調からするにやっぱりたまたま神社に来たわけじゃねえみてえだな」(14000字地点)

 

映姫の言葉に対し的確に返答する悟空。

映姫は、そんな悟空に対して目をやった。

 

映姫「ええ、その通りですよ。なかなか、察しがいいですね」

悟空「おまぇみてえな肉体を持ったやつがあそこまでボロボロになってんだここにいる2人もそのことには気づいてる」

 

自分は何も喋っていないのに自分の全てを知ってるかのように喋る悟空に対して少し驚く映姫。

しかし、映姫はその表情を表に出す事なく淡々と会話を続けていく。

 

映姫「どうやら、そこまで分かってるなら私が言う事は一つです」

 

そういい一呼吸する映姫。

そして!

 

映姫「あの世とこの世を救って下さい!」

と、勢いづいた声で言った。

 

霊夢「あの世とこの世?」

魔理沙「一体、何をいってるんだ?」

 

霊夢達は戸惑ってしまう。

まあ、いきなり言われた言葉があの世やらこの世やらよくわからない単語を使われているのである。

分からなくて当然。

 

霊夢「ちょっと、あんたそれだけじゃ意味わかんないわよ。もっと、詳しく説明しなさいよ。なに、今幻想郷で一体なにが起こってるのよ?」

 

霊夢が映姫に質問を重ねまくる。

そんな、霊夢を見た悟空はゆっくりと霊夢に囁く。

 

悟空「そんないっぺんに質問してもこいつを困らせるだけだ。順を追って説明してもらうんだ」

その言葉を聞いた霊夢は一度落ち着く。

 

霊夢「たしかにそうね」

 

霊夢がゆっくりと悟空に返答した。

悟空は、そんな霊夢に相槌をし映姫の方を振りまいた。

 

悟空「すまねえ、少し話が逸れちまった」

 

悟空が軽く映姫に謝る。

 

映姫「いえいえ、私がいきなりあの世とこの世を救って下さいなんていったから話がややこしくなってしまったのです」

 

そう言い謝り返す映姫。

 

映姫「それじゃあ、一から説明をしていきます」

 

そう言いながら真剣な眼差しで霊夢達を見る映姫。

と、その時、「ちょっと待ちなさい」と霊夢が映姫が説明をするのを止めた。

 

霊夢「説明の前に名前を教えてくれるかしら?」

 

そのセリフを聞いた映姫は、はっとした表情になる。

 

映姫「そう言えばそうでした。まだ、名前を言っていませんでしたね。私の名前は四季 映姫・ヤマザナドゥと申します」

 

礼儀正しく名前を言う映姫。

霊夢もそれに続いて名乗ろうとする。

しかし!

 

霊夢「私は……」

映姫「博麗霊夢さんですね」

 

霊夢「え?」

 

困惑する霊夢。

それもそのはず今初めて自分は映姫に対して名乗ろうとしたのに映姫は自分の名前を知っていたのだから…。

 

霊夢「一体、なんで私の名前を?」

 

困惑した霊夢はそのまま映姫に尋ねた。

すると、映姫は微笑を浮かべ「霊夢さんだけではありません。そっちにいる金髪の方が霧雨魔理沙さんそして、そっちにいる男の方が孫悟空さん」と言いなんと悟空と魔理沙の名前まで知っていた。(15000字地点)

 

魔理沙「な、なんで、私たちの名前が分かるんだ!」

 

驚きながら映姫に尋ねる魔理沙。

 

映姫「分かったと言うより知ってたですね。私貴方がたのことずっと見てましたから」

霊夢「見てたですって?」

 

映姫の言った言葉に反応する霊夢。

 

霊夢「何、あなたさっきから私たちの理解を上回ることばっかり言ってるわよ?」

 

流石の霊夢も頭がこんがらがってしまう。

映姫は、そんな霊夢達を見かねてこう言った。

 

映姫「分かりました。私が誰で一体なんでここに来たのかを一から詳しく説明しましょう」

霊夢「そうして頂戴」

 

霊夢もすぐにそう頼む。

 

 

 

映姫「え〜、まず、私が誰かを説明するとですね。実は私世間一般に呼ばれる閻魔大王なんです」

霊夢「閻魔大王ですって!?」

魔理沙「え、閻魔大王って、あ、あの閻魔大王か…!」

 

いきなり映姫が自分が閻魔大王と凄い事をいいだし驚く霊夢と魔理沙。

 

映姫「ええ、そうです。あの閻魔大王です。私は死者が天国か地獄どちらに行かせるべきなのかを決めるのが仕事。だから、毎日この世に暮らすものがどのような行いをしているのかを監視しております」

 

この映姫の説明を聞いた霊夢はピンときた。

 

霊夢「なるほどね。私たちの事を知っていたのはこの世を監視している時に私達も見ていたからね」

映姫「はい、そうです。私はこの世を常に見て回っています。なのでこの世にいる人の名前は全員覚えていますよ」

悟空「なるほどな、じゃあ、比較的に最近幻想郷にきたオラのことを知っていてもおかしくねえってわけだ」

 

3人は映姫の事を少しだけ理解できたようだ。

 

 

霊夢「なるほどね。あなたが閻魔大王って事が分かったらさっきのこの世とあの世を救ってくれっえ言う言葉の意味も分かってきたわ」

魔理沙「ああ、私も分かってきたぜ。多分、あの世で何かヤバいことが起きてんだな!」

 

そう言いながら映姫に対しての視線を強くする。

 

映姫「ええ、さすがです。実はあの世が大変な事になっているのです!このままじゃこの世もあの世もあいつに狂わされてしまうのです!」

 

さっきの温厚な声とは裏腹に焦った声で言う映姫。

唇は震え冷や汗もかいていた。

 

悟空「一体、あの世で何があったんだ?」

 

そっと映姫にそう尋ねる悟空。

 

映姫「実は………」

 

 

 

 

 

〜映姫、説明中〜

 

 

 

 

 

魔理沙「な、なんだって!あの世でそんな事が起きてるのか!」(16000字地点)

 

事情を聞いた魔理沙はとっさに大きな声を出した。

 

映姫「はい。もし、このままジャネンバを自由にさせては結界であの世を完全に封印してしまいます」

 

依然として唇を震わせながらそう告げる映姫。

生き物か唇を震わせるのは余程の恐怖そして、不安を抱えている時、映姫は今まさにその状況なのだ。

 

霊夢「もし、あの世が封印されたらどうなっちゃうの?」

 

霊夢は、恐る恐る映姫に尋ねた。

 

映姫「………」

 

映姫はしばし無言になってしまう。

そして、震えた唇をなんとか動かしこう告げた。

 

映姫 「地獄にいる死者はほとんど蘇り。はたまた、天国にいる死者はそのまま結果に封印されてしまいます」

 

霊夢達は言葉を失ってしまった。

今、映姫が言った言葉に対しての理解がまだ追いついていないのであろう。

 

霊夢「ちょ、ちょっと待ちなさい!なんでそんな都合よく地獄の奴は生き返るのよ!普通なら地獄のやつもそのジャネンバとか言うやつの結界で封印されるんじゃないの?」

 

霊夢の言う通りである。

普通ならばランダムに結界を張ってるジャネンバは結界に地獄の者達も封印してしまうはず、しかし、映姫はなんと蘇ると言ったのだ。。

 

 

映姫「それは、ジャネンバの張る結界がほとんど邪念で作られているからです」

霊夢「邪念ですって?」

 

映姫「はい、ジャネンバは邪念が元となってできた存在。なので、気のほとんどが邪念の塊なんです」

霊夢「でも、一体、それとこれがどうだってのよ?」

 

霊夢の疑問は更に膨れあがった。

 

映姫「いいですか?地獄とは詳しく言えば一部の者は邪念を抜かれ新しい肉体を持ちますが数や邪念が大きすぎるという都合じょうまだ、浄化出来ていない者の置き場所なんです。まあ、つまり邪念を持ったものの溜まり場なのです。邪気を持った者を邪気で封印できると思いますか?」

 

映姫の説明は分かりやすく霊夢はすぐに理解した。

 

霊夢「な、なるほど、邪気で邪気は封印出来ない。だから、ジャネンバの放つ邪気では邪気を持つ地獄の者達を封印できないと言うことね」

 

霊夢は映姫の言った事を軽くまとめた。(17000字地点)

 

映姫「ええ、その通りです。因みに地獄自体は封印されてしまうので行き場がなくなった地獄の者達が自動的にこの世に蘇ってしまうのです。恐らくあと数分後にはこの世に地獄に落ちた者が舞い戻ってきてしまいます。そうなればこの世が大変な事に…」

 

霊夢「あ、あと数分ですって!」

 

あまりの時間の短さに驚く霊夢。

いや、霊夢だけではない。

 

魔理沙「おいおいおい、その地獄の奴らを蘇らせるのを防ぐ事は出来ねえのか?」

 

と、魔理沙もかなり焦った表情でそう言った。

 

映姫「もう手遅れです。蘇ってしまった者は再び倒すしか…」

 

映姫は顔を下げ悲しげな表情を浮かべる。

それもそのはず自分の部下のせいでこんな大惨事になってしまったのだ責任を感じないわけがない。

 

霊夢「くっ⁉︎」

魔理沙「どうすればいいんだ」

 

霊夢と魔理沙ま徐々に焦りが激しくなってきた。

その時、この男が喋り出した。

 

悟空「どうしたんだ、おめえ達。そんな暗い顔して…」

 

その男は勿論、孫悟空である。

霊夢「どうしたって、悟空聞いてなかったの?地獄の者がこの世に蘇ってくるのよ!」

 

能天気な表情の悟空に少し怒りを持ちながらそう言った。

しかし、悟空はこう言い返す。

 

悟空「蘇ってくるんなら倒せばいいじゃねえか?」

霊夢「あのねぇ。倒せばいいってそんな数じゃないのよ?」

 

悟空に鋭い言葉で言い返す霊夢。

流石の悟空も返す言葉がないか、そう思われた。

 

悟空「なら、おめえはもう諦めんのか?」

 

悟空は霊夢の目を見つめそう言った。

 

霊夢「えっ?」

 

霊夢は悟空の言葉に思わず相打ちをうった。

悟空はそんな霊夢に畳み掛けるようにこう言った。

 

悟空「オラは諦めねえぞ。戦う前から諦めんのはオラには似合わねえからな」

 

悟空の言葉は霊夢と魔理沙、そして、映姫の心にグサってささった。

 

悟空「おめえ達に聞くぞ。おめえ達は、諦めんのか?諦めねえのか?」

 

霊夢と魔理沙は無言になってしまう。

その時!

 

映姫「私は諦めたくありません!」

 

なんと、1番 絶望していた映姫が1番最初にそう言った。

 

映姫「こうなった半分は私のせいなんです。私がしっかり小町に言ってればこうはならなかった。だから、せめての罪滅ぼしです。私は戦います」

 

なんと、体がボロボロなのに映姫は戦うと言いきったのである。

流石の霊夢と魔理沙もそんな映姫を見てクヨクヨしてられる訳もなく。

 

霊夢「分かったわよ。やってやるは!やってやろうじゃないの!幻想郷をかけた生者vs死者の大戦争を!」

魔理沙「ああ、私もやってやるぜ」

 

映姫に後押しされたから霊夢と魔理沙のテンションが一気に上がった。

 

悟空「ああ!」

 

悟空も霊夢と魔理沙に続いてそう言ったのであった。…18000文字)

 

 

霊夢「ところで、蘇ってきた地獄の奴らはなんとかするにしてもジャネンバの方はどうするの私達が死者と戦っている間きっと奴はあの世をもっと荒らすはず、そうなれば、もっとヤバいことになりかねないわよ」

 

霊夢は、冷静に考え悟空達にそう言った。

 

映姫「た、確かにそうですね」

 

映姫も霊夢の考えに同意する。

確かにこのままジャネンバを放置しすぎても何を起こすか分からない。

霊夢達は考え込んだ挙句、結局決まった考えは、

 

霊夢「やっぱり分散するしか無いわね」

 

そう分散である。

2人が死者と戦い残り2人がジャネンバの元へ行く。

これしか無い。と霊夢達は考えた。

 

すると、映姫は難しい顔になる。

霊夢はすぐさまその映姫の顔を読み取り映姫に尋ねた。

 

霊夢「どうしたのそんな難しい顔して?」

映姫「いや、その作戦はいいんですけど一つ注意点があったので…」

 

映姫がそう霊夢達に告げた。

 

霊夢「注意点?」

 

霊夢はリピートするように尋ねた。

 

魔理沙「注意点って、一体なんだ?」

 

魔理沙も映姫にたずねる。

 

映姫「それはですね。もともとあの世とは死者が行くところ普通は生身の人間は入れないのです。今回は、それを破って無理矢理入ろうと思うのですがそれにおいて、やはり、幻想郷に来てまだそんなに経ってないものを入れるのは逆にあの世を壊してしまう可能性があるのです。幻想郷に馴染みきってないものを無理矢理あの世に突っ込むのはやはり…」

 

そういいながらチラッと悟空の方を向く映姫。

 

霊夢「なるほど、つまり悟空はあの世つまりジャネンバの方に活かせる事は出来ないってことね」

映姫「はい」

 

どうやら、悟空はジャネンバの方に行く事は出来ないようだ。

これは、霊夢達にとってかなり痛い。

 

魔理沙「マジかよ、ジャネンバって奴はかなり強いみたいなのに悟空が来れないとなるとかなりヤバいな…」

 

魔理沙はそう呟く。

 

悟空「まあ、それはしょうがねえぞ魔理沙。よく考えてみればオラはよそ者やっぱり本当に幻想郷を救うのはお前たちである出来だとオラは思うしな」

 

不安そうな魔理沙の顔を見かねた悟空は魔理沙にそう囁いたのであった。

 

魔理沙「ああ、確かにそうだな」

 

悟空の言葉を聞き確かにその通りだと思った魔理沙は不安そうな顔をやめ再び気合のこもった顔に戻った。(19000文字地点

 

霊夢「まあ、とりあえず、悟空が来れないとなると映姫は怪我を負ってるしやっぱりジャネンバと戦うのは私たちに見たいね魔理沙」

魔理沙「ああ、そうだな」

 

どうやら、これでジャネンバの方へ行くメンバーとあの世から降りてくる地獄の者達を倒すメンバーが決まったようだ。

メンバーは悟空&映姫は死者を倒しに霊夢&魔理沙はジャネンバの元へいく。

 

と、その時!

 

霊夢「この気は?」

 

このタイミングでちょうど霊夢が何かに気がついた。

いや、霊夢だけではない悟空と魔理沙も何かを感じとって表情をしている。

 

悟空「どうやら、来たみてえだな」

魔理沙「ああ、分かってたはいいけどすげえ数の気だぜ」

 

そう悟空達が感じとったのは例の蘇った地獄の者達の気である。

と、その時!

 

映姫「あなた方相手が来たってわかるんですか?」

 

驚いたような表情で映姫がいった。

そうよくよく考えてみると映姫は霊夢達が気を感じることが出来るのを知らないのである。

 

霊夢「ええ、それなりに修行して相手の場所や強さがわかるようになったのよ」

 

霊夢が映姫にそう返答した。

 

映姫「それは凄い!それじゃあ、あいつらが蘇ってきてる場所はどこか教えてもらえますか?」

 

映姫は、霊夢に尋ねた。

 

霊夢「分かったわ。えぇ」

 

そういいながら気を探る霊夢。

そして!

 

霊夢「なっ…」

 

霊夢の顔色が変わった。

悟空はすぐさま霊夢に尋ねる。

 

悟空「どうした霊夢?」

霊夢「う、嘘でしょ!悟空、魔理沙、死人がどこで蘇るか探ってみてよ」

 

霊夢は慌てた様子でそういった。

 

魔理沙「ど、どこでって、この方角なら人里の方だけ……。何!あいつら人里の真上で蘇ってやがる!」

映姫「な、なんですって!」

 

魔理沙と映姫は驚愕した顔を浮かべる。

すると、悟空が慌てて、「おい、おめえ達オラの肩に掴め!」と言った。

 

霊夢と魔理沙はすぐさま悟空の肩を掴む。

 

映姫「え、一体、何を?」

 

しかし、映姫は何故 霊夢達が肩を掴んだのか意味が分からず困惑する。

そんな、映姫を見かねた霊夢が映姫に対し「早くしなさい!」と言った。

 

映姫は、わけがわからないまま悟空の肩を掴む。

その瞬間!

 

 

 

『ヒュン』

 

 

 

悟空は瞬間移動し人里まで移動した。

 

映姫「え?」

 

突然、人里にワープした映姫はわけが分からず固まっていた。

そんな映姫に対して霊夢が軽く説明をする。

 

霊夢「実は悟空、瞬間移動ってのを使えるのよ」

映姫「瞬間移動!そんな事が…!」

 

瞬間移動と言うとんでもない体験をした映姫は驚きを隠せなかった。(20000文字地点)

 

霊夢「ちょっと、驚くのは後にして、上を見なさい」

 

映姫は、言われた通り上を振りまいた。

そこには!

 

悟空「ひぇ〜、こりゃすげえなぁ〜」

 

そうそこには数えきれないほどの蘇った死者がいた。

人里の真上に空間の穴の様なものが空いておりそこから死者が出てきているはようだ。

 

霊夢「どうやら、あの穴があの世に繋がってるみたいね」

 

霊夢がじっと穴を見つめる。

 

魔理沙「それにしてもまさか人里の真上で蘇ってくるなんて、こりゃ下手すりゃかなりの被害が出ちまうぞ」

 

魔理沙が少し焦り気味にそう言った。

確かにこのまま戦っては人里の人々に被害がでかけない。

悟空達は考えるどうすれば人里への被害を減らすことが出来るのか。

 

悟空「取り敢えず、霊夢に魔理沙おめえ達はあいつらが湧き出ている穴を通るんだ。多分、あそこがあの世とこの世の境目のはずだ」

 

悟空がそう霊夢と魔理沙に命令を出す。

しかし、その命令は霊夢と魔理沙にさっさとあの世に行けたのこと確かに元の作戦では霊夢と魔理沙はジャネンバの所は行く予定であったが今はそんな事を言ってられる状況ではない。

このままでは人の命がかかってるのだから。

 

疑問に思った霊夢は悟空に尋ねる。

 

霊夢「いいの?このままじゃ人里が大変なことになるわよ?あいつらを何人か倒してから言っても遅くないと思うけど?」

 

霊夢はあくまで人の命を優先した考えを持っており今すぐあの世に行くことに少し戸惑いを持っている。

 

悟空「いや、オラ達がこうしてる間もジャネンバっちゅう奴は更に地獄を荒らしてんだろ?もし、ジャネンバが何かして手遅れになったらおしめえだ。だから、一分一秒でも早く止めねえと手遅れになる前にな…」

魔理沙「でも、それじゃあ人里が大変な事になっちまうかも知んねえじゃねえか?もし、人里の人々が何十人も殺されたらそれはそれで手遅れって言うんじゃねえか?」

 

悟空の早く行けと言う命令に対し戸惑いを持っている霊夢と魔理沙。

まあ、それもそのはず今自分達がこのままあの世に行ったらある意味人里を見捨てた事になるのである。

それは、霊夢達にとっては1番避けたいことの一つ。

 

そんな、霊夢達の表情と感情を悟った悟空は2人にこう言った。

 

悟空「でえじょうぶだ。ここにいる人たちをぜってえに殺させたりしねえ」

 

その言葉を聞いた霊夢達は思わず「えっ?」と言葉をこぼす。

 

霊夢「そんな事が出来るの?」

 

霊夢は悟空に詰め寄る様に聞いた。

 

悟空「出来るかどうかは分かんねえ。ただ、やるっきゃねえ」

 

悟空は、今までにないほどの気合のこもった声でそう告げる。(21000字地点)

 

魔理沙「悟空、お前一体どうするつもりだ?」

 

魔理沙は、少し不安そうな声を浮かべつつ悟空にそう聞いた。

すると、悟空は若干の笑みを浮かべ作戦を伝えた。

 

悟空「なあに、簡単さ。まず、オラが空であいつらと戦う。その間に映姫に人里の人達を非難させてもらうのさ」

 

悟空の作戦は実に単純かつ正確なものであった。

 

魔理沙「映姫に人里の人達を非難させてもらってその間に奴らと戦うだって!確かにそうすれば人里の人々を逃せ仮にそのあと奴らが人里に降り立ったとしてもすでに非難が完了した人里では被害が出ない」

霊夢「でも、映姫が人里の人達を逃してる間 悟空あなた一人であの数を相手にするの?今も湧き続けてざっと100人以上はいるわ。しかも、その中にはきっと強い妖怪とかもいる。いくら悟空でも危険すぎる」

 

悟空の意図は分かったにせよ。

どう考えても悟空に対して危険すぎるこの作戦にあまり同意できない悟空。

 

悟空「だけど、それしかねえんだ。頼むおめえ達オラの作戦に乗ってくれ…。こうしてる間にもあいつらが人里に降りてくる可能性もあるんだ。もうじかんがねえ」

 

悟空は霊夢達にお願いするように頼んだ。

霊夢と魔理沙も流石にこれほど熱意のこもった感じに言われては断る事が出来ず…。

 

霊夢「分かったわよ、悟空。あなたに人里を託すわ。絶対に守りなさい!」

 

霊夢が悟空に気合のこもった声でそう告げた。

 

魔理沙「よく、考えてみれば、悟空ならどんな相手も瞬殺できるな。変な心配はいらないか。悟空お前に人里を任せたぜ」

 

霊夢と同様に魔理沙も気合のこもった声で悟空にそう告げる。

 

悟空「おめぇ達……。ああ、ありがとよ。絶対、人里守ってやっから、おめえ達も絶対にジャネンバっちゅうやつを倒せよ!」

 

悟空がそう返答すると霊夢と魔理沙は「うん」と言わんばかりに首を縦に振りそして、空に出来た謎の空間の穴に向かって行ったのであった。

 

道中、蘇った死人達に攻撃はされたが霊夢達のスピードについていけるものはなく霊夢と魔理沙はそのまま穴の中に飛び込んだのであった。

 

悟空「よし、霊夢達は無事に穴を通れたな、じゃあ、オラ達の方もやっか!」

 

そう言いながら映姫の方を見る悟空

 

映姫「分かりました。ただ、本当に私は戦わなくていいのですか?」

 

再度、確認するように尋ねる映姫。

 

悟空「ああ、おめえは人里の人達を非難させてくれ。そうじゃなきゃ下手すりゃ人里の人達を人質に取られかねねえしな」

 

悟空はそう映姫に告げ大量の蘇った死人がいるところまで全速力で飛び出した。

 

『ビューーン』

 

飛び立った悟空の背中を見た映姫は、「頑張って下さい」と小さな声で告げ人里の非難作業を始めるのであった。

 

 

『ビューーン』

 

蘇った死人(これからは蘇った死人を死人と呼びます)の目の前にたどり着いた悟空。

 

死人達の目線は一気に悟空に集中した。

 

死人「なんだ?おめぇは」

 

死人の中の一人が悟空にそう告げる。

 

悟空「オラは孫悟空、おめえ達を倒しにきた!」

 

悟空はそう言いながら100人ぐらいの死人を見つめる。(22000字地点)

 

死人「倒しにきただって」

 

「ハハハハハハハハハハハハハハハ」

 

その瞬間、周りにいた死人達全員が一斉に笑い出した。

そう悟空をなめているのである。

 

死人「おい、てめえ」

 

そう言いながら一人の死人が悟空に近寄る。

そして!

 

死人「オラ達は地獄にいた。つまり巨大な邪気を持ってるってことだな。そんな奴らの目の前に急にきて倒すとかほざくんじゃねえぞ!」

 

そう言い終えた瞬間、死人は悟空めがけてパンチを放った。

不意打ちな上に近距離の攻撃いくら悟空でもこれを避けるのは厳しいか…。

そう思われた瞬間!

 

悟空「よっと」

 

悟空は、そう声を発しながら体を折り曲げ死人のパンチを躱した。

いや、躱すだけではなくその折り曲げた体を戻す反動でそのままカウンターパンチを悟空は放った。

 

死人「なに⁉︎」

 

流石の死人も自分の攻撃が避けられると思っておらず動揺する。

しかし、戦いの中で動揺するのは命取り結局 死人は悟空のカウンターパンチを避ける事ができず吹っ飛んでいったのであった。

 

それを見た周りの死人達は、悟空を只者ではないと思い。

先ほどとは真逆で悟空に対し一気に警戒心を高める。

 

悟空「今度はおめえ達だ!だりゃ!」

 

そう言いながら死人達に一気に接近する悟空。

そして、悟空vs死人達の壮絶なバトルが始まったのであった。

 

 

 

 

 

 

〜〜一方、霊夢と魔理沙サイドでは〜〜

 

霊夢達は空間の中を現在通過していた。

 

霊夢「あれが出口かしら?」

 

霊夢が不意にそう声をかける。

どうやら、あの世が見えてきたようだ。(23000字地点)

 

魔理沙「ああ、多分そうだぜ。きっとこの先には映姫の言ってたジャネンバって奴がいるはずだ」

 

そう言いながら更に加速しだす二人。

その時!

 

霊夢「なっ⁉︎」

魔理沙「えっ⁉︎」

 

あの世付近にきた瞬間、霊夢達の顔が急にこわばる。

いや、正確には焦っているのだろうか。

霊夢と魔理沙は額から汗が滴り落ち落ちる。

そう冷や汗である。

 

なぜ、急に焦りだしたかと言うと勿論、理由は、

 

霊夢「な、なんて大きな気なの!」

 

そうあの世の方から馬鹿でかい気が感じとられたのである。

こんなでかい気をもったものは幻想郷で見たことがない。

霊夢と魔理沙は、察したそうこの気の正体こそ!

 

霊夢・魔理沙「これがジャネンバの気!」

 

そうジャネンバの気である。

映姫が言ってた通りそのジャネンバの気は凄まじい者であった。

 

魔理沙「な、なんてこった!ここまで馬鹿でかい気をもってるとわな」

 

そう言いながら苦笑いを浮かべる魔理沙。

いや、正確には苦笑い以外どのような顔をしたらいいのか分からないのである。

霊夢と魔理沙は、ここに来てジャネンバの恐ろしさに気づいたのであった。

 

しかし、もうここまで来て後に引くことは出来ない。

霊夢達は不安を押し殺し空間の中を進み続けた。

そして、霊夢と魔理沙は数分後無事抜け出した。

そうあの世にたどり着いたのである。

 

霊夢「ここがあの世?」

 

そう言いながら周りを見渡す霊夢。

周りにはジャネンバが張ったキャンディーのような結界が広がっておりとてもあの世と呼べる景色ではなかった。

 

その景色を見た魔理沙は思わずこう言葉をこぼす。

 

魔理沙「なんか、変なところだな」

 

魔理沙の言う通り周りは変な景色で覆われており普通に生きていくぶんにはまず見ない景色であった。

その感情をあえて言葉で伝えるとしたら始めて海外に行き海外の景色を見た感覚だろうか。

周りにあるものが全て始めてでそれが逆に不安を与えるような感じである。

 

霊夢「とりあえず、ジャネンバの方へ向かいましょ。気を感じとった感じジャネンバはこの方角を3キロいったところにいるはずよ」

魔理沙「ああ、わかったぜ!」

 

魔理沙がそう返答をしたのを確認した霊夢は、すぐに飛び立ちジャネンバの方へと向かった。

勿論、魔理沙はその後を追うようにして向かうのであった。

 

 

〜数分後〜

 

霊夢「見えた!」

 

急にそう声を荒げる霊夢。

どうやら、ジャネンバを見つけたようだ。

 

魔理沙「ついにたどり着いたな霊夢!」

 

魔理沙は、意気込みがてら霊夢にそう告げる。

 

霊夢「ええ、そして、私たちの幻想郷をかけた戦いの始まりよ!」

 

そう霊夢が言うのと同時にジャネンバの目の前にたどり着く二人。

ジャネンバもすぐに霊夢達の存在に気がついた。

 

ジャネンバ「ジャネンバ?」(24000文字地点)

 

急に飛んで来た霊夢達を不自然に思うジャネンバ。

ジャネンバは、霊夢達を見つめ続ける。

 

魔理沙「ひぇ〜、映姫の言う通り本当に赤ん坊みたいな奴だぜ」

霊夢「でも、気をつけなさい。こいつの強さは本物よ。今もこいつの気の圧力だけでペッシャンコにされちゃいそうよ」

 

霊夢と魔理沙がそう会話をした瞬間!

 

ジャネンバ「ジャネンバ!」

 

ジャネンバは不意に気弾を二人めがけて放った。

どうやら、ジャネンバは霊夢達を本能的に敵だと認識したようだ。

 

霊夢「うおっ⁉︎」

魔理沙「あぶねっ⁉︎」

 

しかし、霊夢達はそんな不意打ちの攻撃すらも余裕を持ちながら躱した。

 

お互いに反対方向に避けあった霊夢と魔理沙。

そして、霊夢が魔理沙にこう告げた。

 

霊夢「今よ魔理沙!挟み撃ちで一気に方をつけるわ!」

 

霊夢が大きな声で魔理沙にそう告げた。

その言葉を聞き取った魔理沙は、「ああ!」と相槌を打ちそして、ミニ八卦炉を取り出す。

それに合わせて霊夢もお札を取り出した。

 

ジャネンバ「ジャネンバ?」

 

霊夢と魔理沙が左右に分かれたのでどちらを攻撃すればいいかわからずただただ首を動かし2人の姿を確認するジャネンバ。

どうやら、ジャネンバは戸惑ってしまっているようだ。

 

霊夢と魔理沙はこれはチャンスと思い込み。

ジャネンバに対して同時にスペルカードを放った。

 

霊夢「霊符「「夢想封印」」 」

魔理沙「恋符「「マスタースパーク」」 」

 

『デゥーーン』 『デゥーーン』

 

右からは霊夢の夢想封印、左からは魔理沙のマスタースパークが放たれジャネンバは完全に逃げ道を失ってしまった。

 

『ドンッ!!』

 

2人の攻撃は見事ジャネンバを捉えた。

ジャネンバは爆風の中にとらわれてしまう。

 

魔理沙「やったぜ霊夢!」

 

魔理沙がはしゃいだ声でそう霊夢に告げた。

 

霊夢「ええ、案外呆気なかったわね」

 

霊夢も魔理沙のはしゃいだ声を聞いたのと同時に勝利を確信し気を楽にした。

いくらジャネンバでも夢想封印とマスタースパークの挟み撃ちに耐えれるわけがない。2人はそう考えたのである。

 

だが、しかし

 

「ジャネンバーーーーー!!」

 

爆風の中からそう声が響いた。

 

霊夢と魔理沙は思わず「えっ!」と言葉をもらす。

 

徐々に晴れていく爆風。

霊夢と魔理沙は唾を飲み込んだ。

 

霊夢「ま、まさか!」

魔理沙「う、嘘だろ!」

 

霊夢達は驚愕した。

 

そう!

 

ジャネンバ「ジャネンバーーー!」

 

そう言いながら周りにある爆風を一気に吹き飛ばすジャネンバ。

なんと、ジャネンバは夢想封印とマスタースパークのダブル攻撃を耐えきったのであった。

 

流石の霊夢と魔理沙も言葉を失ってしまう。

最高火力ではないにせよ。

自分達の自信技をダブルで当てても倒せなかったのだから…。(25000文字地点)

 

ジャネンバ「ジャネンバ!」

 

そんな、戦意喪失してしまった2人に対してここぞと言わんばかりに両手を広げ気弾を同時に放った。

 

霊夢「なっ⁉︎」

魔理沙「えっ⁉︎」

 

その気団の速度は最初に放たれた気弾とはスピードもパワーももの凄いものであった。

流石の霊夢達もそんな気弾を避けきれるわけがなく手を十字に構え防御体制をとった。

 

『ドンッ』 『ドンッ』

 

同時に気弾を食らってしまう霊夢と魔理沙。

その威力は予想通りいや、それ以上に強力な威力を持っており霊夢と魔理沙は二人とも数十メートル吹き飛ばされてしまった。

 

霊夢「くっ!」

魔理沙「くっ!」

 

聞いてた以上にジャネンバが強く焦り始める霊夢と魔理沙。

霊夢「思ってた以上の強敵だわ」

 

霊夢がそう言葉をこぼす。

また、反対側に飛ばされた魔理沙も同じような事を言った。

 

魔理沙「なんて、強さだ。下手すりゃ私達よりも強いぜ」

 

夢想封印とマスタースパークを耐えられた事に答えた2人はどうするべきか考察する。

だが、ジャネンバがそんな考察をさせてくれる時間をくれるわけもなく。

 

ジャネンバ「ジャネンバーーーー!」

 

と叫びながら霊夢と魔理沙分この2人に対して無数の気弾を放った。

数が増えたにも関わらずとんでもない威力を持っているジャネンバの気弾。

2人は、これ以上気弾に当たってはいけない!と考え取り敢えずあれを使うのであった。

 

あれとは勿論、

 

霊夢「20倍界王拳!」

魔理沙「20倍魔法拳!」

 

 

そう界王拳と魔法拳である。

2人は、この技を使い一気に全ステータスを底上げした。

 

そして!

 

霊夢「だりゃあああああ!!」

魔理沙「どりゃああああああ!!」

 

なんと、2人はジャネンバが気弾を放ってるなか少々ゴリ押しであるが気弾を避けつつ一気にジャネンバに接近する。

 

そして!

 

霊夢「はぁ!」

魔理沙「はぁ!」

 

仕込まれていたかと思うほどの同時パンチを放った。

ジャネンバは攻撃の反動で倒れこむ。

 

20倍界王拳と20倍魔法拳、流石のジャネンバもこれをくらえば大ダメージのはず…!

霊夢達は心中そう呟いたのであった。

 

一度、パンチした腕を引っ込めジャネンバとの距離をとる2人。

 

魔理沙「やったか?」

霊夢「分からないわ!」

 

今のが効いたのかまだ自信を持てない2人は一度、界王拳と魔法拳を解きつつジャネンバを観察したのであった。

すると、「ジャネンバ?」そう声を出しながらあっさり立ち上がるジャネンバ。(26000字地点)

霊夢と魔理沙は、顔を硬直させる。

 

魔理沙「おい、霊夢なんでだよ!今のパンチは私の本気のパンチだぜ?なんで、あいつにダメージがねえんだよ」

 

魔理沙が震えた声でそう告げた。

確かにその通りである。

いくら強かろうと流石の霊夢と魔理沙の同時攻撃を無傷で耐えるのはおかしい。

魔理沙は、そのことについて指摘するのであった。

 

霊夢「もしかして?」

 

そこで、霊夢がある事に気がつく。

 

魔理沙「なんだ霊夢?何かわかったのか?」

 

霊夢が何かわかった事をすぐに感じとった魔理沙が霊夢に尋ねる。

すると、霊夢は冷静な口調でこう言った。

 

霊夢「多分だけどあいつの体って丸っこいからじゃないかしら?」

魔理沙「ああ、確かにそうだぜ。ただ、それが一体?」

 

魔理沙は霊夢が何を言いたいのかイマイチ分からない。

すると、霊夢は正確に説明をし出した。

 

霊夢「あいつその丸っこい体をクッションにして私たちの攻撃を軽減させているのよ!」

 

霊夢が勢い任せな感じでそう告げる。

 

魔理沙「な、なるほど、確かにそれなら私たちの攻撃があんまり通ってないのも納得できるぜ」

 

霊夢の言いたいことを理解した魔理沙。

しかし、それにおいて問題も出てきてしまった。

 

魔理沙「え、じゃあ、あいつにどうやって大ダメージを与えればいいんだよ?あいつ自身の体がクッションがわりになってるってことはわたしたちがあいつにダメージを与えられる方法が思いつかないぜ」

 

魔理沙は、少し動揺したような表情でそう告げた。

しかし、「ふっ」と霊夢は軽く顔に笑みを浮かべた。

 

普通ならばこの状況どうすればいいのか分からず焦ってしまうであろう。

しかし、何故か霊夢は違ったのであった。

こんな状況の中、霊夢は笑みを浮かべたのである。

 

魔理沙「おい、霊夢何笑ってんだよ?私達今すげえやばい状況なんだぜ。どうして、そんな時に笑いが起きるんだ?」

 

魔理沙は霊夢に尋ねた。

いや、尋ねざるおえなかったのである。

こんな、状況で何をしたらいいのかわからないなか、魔理沙に残された選択肢は霊夢のその若干の余裕が何か確認するかぐらいであったのであった。

 

すると、霊夢は再び軽く笑みを浮かべ魔理沙にこう告げる。

 

霊夢「決まってるでしょ!作戦を思いついたからよ」

 

魔理沙「えっ?」

 

霊夢の言葉を聞き思わず、えっ、と言ってしまう魔理沙(27000字地点)

 

魔理沙「本当か霊夢、本気に奴を倒す方法を思いついたのか!」

 

魔理沙は、興奮気味になり霊夢に確認を取るように尋ねる。

 

霊夢「ええ、そうよ。とってもいい作戦を思いついたわ。ただ…」

 

霊夢が言葉を濁す。

 

魔理沙「ただ、なんだ?」

 

魔理沙は、すぐさまそれにくいつき尋ねた。

すると、霊夢は、魔理沙に真剣な目つきを向けこう告げた。

 

霊夢「この作戦は魔理沙あなたがカギよ!」

魔理沙「私がカギ?」

 

急に自分がカギといわれ少し焦り出す魔理沙。

すると、そんな魔理沙を見た霊夢は再度魔理沙に言った。

 

霊夢「いい、魔理沙!この作戦の失敗か成功は貴方にかかってるの!」

魔理沙「い、一体、どういう事だ?」

 

魔理沙が霊夢に尋ねる。

 

霊夢「な〜に、簡単よ。私が奴の注意を引きつけるから、その間に貴方はマスタースパークのエネルギーを溜めるのそして、エネルギーが最大まで溜まったらマスタースパークを奴の腹にぶち当たるのよ!貴方なら1分あればエネルギーを最大まで溜めれるでしょ。流石の奴もマスタースパークのフルパワーをくらっては軽傷じゃすまないはず」

 

霊夢の作戦をまとめると、どうやら霊夢が囮となるので魔理沙がその間にマスタースパークのエネルギーを溜める。そして、エネルギーが最大まで溜まったら一気にエネルギーを解放してジャネンバを吹き飛ばすという作戦である。

 

魔理沙「な、なるほど。確かに威力重視の私のマスタースパークのフルパワー更には20倍魔法拳を加えればジャネンバも倒せるかもしれない。わかったぜ、霊夢お前の作戦乗ったぜ!」

霊夢「あんたに任せたわよ!」

 

作戦をまとめた霊夢と魔理沙は、作戦通り魔理沙は20倍魔法拳を使いミニ八卦炉を構え魔力を溜め始めた。

 

魔理沙「はああぁぁぁぁぁ!!!」

 

ミニ八卦炉は徐々にエネルギーが溜まっていき威力を高めていく。

霊夢は、そんな魔理沙を見て、「任せたわよ魔理沙」とだけ呟くと「20倍界王拳!」と叫びながら一気にジャネンバに接近した。

 

霊夢が急に近づいてきたのでジャネンバは慌てて気弾を何発か霊夢に放つ。

しかし、霊夢は20倍界王拳を使っておりそのおかげでスピードが上がりジャネンバの無数の気弾を見事に躱していく。

 

ジャネンバ「ジャネンバ!」

 

先程とは全然違う霊夢のスピードに驚きの表情を見せるジャネンバ。

霊夢は、ジャネンバがそれで驚いている間にジャネンバの顔面の目の前まできた。

そして!(280000字地点)

 

霊夢「だりゃりゃりゃりゃりりゃ!!」

 

と言う叫び声と同時にジャネンバの顔面向かって連続パンチを放った。

しかし、

 

『ぼよ〜ん、ぽよ〜ん、ぽよ〜ん、ぼよ〜んれ

 

しかし、ジャネンバにはその柔らかく丸い肉体がクッションのようになりやはり思うようなダメージを与あることが出来なかった。

 

霊夢「くっ!」

 

これ以上やっても体力の無駄遣いそう考えた霊夢は一度ジャネンバと距離をとろうとする。

しかし!

 

『ガシッ』

 

霊夢「なっ!し、しまった!」

 

なんと、一度距離をとろうと油断した隙にジャネンバの大きな手につかまってしまった。

 

霊夢「くっ!はああぁぁぁぁぁ!」

 

霊夢はなんとかして抜け出そうとする。

しかし、この赤ん坊を巨大化させたようなジャネンバは普通でないほど握力を持っていた。

 

ジャネンバ「ジャネンバ」

 

ジャネンバは表情何一つ変えないまま更にあげる。

そうジャネンバは霊夢を握りつぶそうと考えたのである。

 

『グギギギギ』

 

霊夢「く、このままじゃ体中の骨がくだ、かれ、る。はや、く、逃げな、きゃ」

 

霊夢の体は少しずつ圧縮されていき体中の骨が悲鳴を上げ始めた。

まだ、魔理沙のマスタースパークが溜まるまで30秒ほど時間がかかる。

ここのままでは、潰されるのも時間の問題、霊夢は考えるどうやって抜け出そうかと…。

そして、霊夢はある作戦を思いつくのであった。

 

霊夢「く、この手から逃げ出すにはあれしかないか」

 

そう一言だけ告げると霊夢はわずかに動く手首を器用に動かしポケットに入っているスペルカードを出した。

そして、こう宣言する。

 

霊夢「神霊「「夢想封印 瞬」」 」

 

そう夢想封印 瞬である。

霊夢は、このスペルカードを使い見事ジャネンバの手の中からテレポートをし抜け出すことができた。

しかし、この技は諸刃の剣。

そうこの技を使ってしまうと…。

 

霊夢「はぁ、はぁ、はぁ」

 

そう体力がごっそり持っていかれるのである。

ただでさえ20倍界王拳を使い体力がゴッソリ削られているのに夢想封印 瞬まで使った霊夢の体はかなり体力を失っていた。

 

霊夢「はぁ、はぁ、はぁ」

 

息を切らしている霊夢。

すると、ジャネンバはその息切れの音を聞きとったか、霊夢に近づいてきた。

 

ジャネンバ「ジャネンバ」

 

一歩一歩ゆっくりと近づいてくるジャネンバ。

ジャネンバの速度はゆっくりであったがジャネンバとの距離は約10メートルほどしかなく次にジャネンバに捕まればアウトであった。

 

霊夢「く、魔理沙まだたまらないの!」

 

とっさに魔理沙に尋ねる霊夢

 

魔理沙「まったくれ、あとほんのすこしだ!」(29000文字地点)

 

しかし、魔理沙のエネルギーはまだ溜まっておらずかなりのピンチを迎えてしまう。

魔理沙のエネルギーはあと少しで溜まるというが果たしてジャネンバが霊夢の元へ辿り着くのが先かそれとも魔理沙のエネルギーが溜まるのが先かギリギリの戦いになった。

 

ジャネンバ「ジャネンバ〜」

 

霊夢が弱ってることに気づいたか余裕の表情を浮かべ霊夢に近づいていくジャネンバ。

霊夢とジャネンバとの距離は残り5メートルとなった。

霊夢の頭に敗北と言う文字が横切る。

つまり霊夢はこの戦い負けたと確信したのであった。

と、その時!

 

魔理沙「よし、溜まったぜ!」

まさにグッドタイミング魔理沙のミニ八卦炉は七色に輝き出す。

そうこのミニ八卦炉に物凄いパワーが圧縮されているのであった。

 

『ビューン』

 

ミニ八卦炉を固定しつつ一気に霊夢とジャネンバの元へ駆け寄る魔理沙。

もうすでに霊夢とジャネンバの距離は3メートルをきっていた。

 

魔理沙「まずい、このままじゃ霊夢が!」

 

そう思い急いでジャネンバに接近する魔理沙。

と、ここで魔理沙が近づいてきていることに霊夢は気がついた。

 

霊夢「まったく遅いのよ魔理沙」

 

霊夢が軽く笑みを浮かべそう言った。

しかし、どう考えても魔理沙よりも先にこいつが私の所へ来る。

そう考えた霊夢は、残りの力を使いジャネンバに気弾を放った。

しかし、その気弾にはあまり威力がこもっていない。

 

パッと見ミスショットにみえるその気弾。

ジャネンバもあまり威力がこもっていなかったので気にすることなく霊夢に接近しようとする。

しかし、ジャネンバはこれがミスショットではないことを実感するのであった。

 

『ヒューン』

 

あまり威力のこもってない霊夢の気弾であったが位置は正確でありジャネンバの顔に直接飛んであった。

 

『ドンっ!』

 

ジャネンバに見事命中する気弾。

しかし、威力がなかったこれでは流石のジャネンバにもたいしたダメージはないように思われる。

しかし、それは大きな間違いであることが次の瞬間思い知らされることになる。

 

ジャネンバ「ジャネンバ!」

 

急に苦しみ出し顔を抑えるジャネンバ。

なんと、あの低威力の気弾にたいして大ダメージを与えていたのである。

 

ジャネンバ「ジャネンバ!!」

 

そう叫びながら片目を抑えるジャネンバ。

もうここでお気づきであろう。

そう霊夢はジャネンバの目に気弾を投げつけたのである。

かつて、悟空が大猿ベジータにやったように…。(30000文字地点)

 

 

流石のジャネンバも目を攻撃されてはたまったものではない。

ジャネンバは足を止めてうずくまっていた。

 

そして、その間に霊夢の元にたどり着く魔理沙。

 

魔理沙「やるじゃねえか霊夢」

 

霊夢を褒める魔理沙

まあ、確かに一人で命がけの時間稼ぎをしたのである。

これは褒められて当然と思っていいのであろう。

 

霊夢「ふ、早く決めてちょうだい」

 

霊夢は、魔理沙にそう一言だけ伝える。

魔理沙は、そんな霊夢にたいして「ああ」とだけ相槌を打つ。

 

そして!

 

魔理沙「マスタースパーク(フルパワー)」

 

魔理沙はマスタースパークを放ったそのマスタースパークは今までの数倍の力を持っておりジャネンバはそのままマスタースパークの中に飲み込まれてしまった。

 

ジャネンバ「ジャネンバーー!」

 

マスタースパークをくらった瞬間そう叫ぶジャネンバ。

しかし、勿論ジャネンバを助けるものなど誰もおらずジャネンバはチリになってしまったのであった。

 

魔理沙「やったか?」

 

霊夢なら確認をとるように尋ねる魔理沙。

 

霊夢「ええ、どうやらそう見たいね」

 

霊夢もそのあと見渡したがどこにもジャネンバの姿が見えずどうやらジャネンバを倒すことに成功した。

霊夢達はそう心に呟く。

 

魔理沙「いやー、それにしても凄い敵だったぜ油断してたら多分普通に負けてたぜ」

 

魔理沙は、少しハラハラしたような表情でそう言った。

その魔理沙の表情には喜びも混じっておりどうやら相当嬉しいようだ。

 

ここまでは……。

 

霊夢「ん?」

 

ここで霊夢があることに気がつく。

 

霊夢「魔理沙、あれ何かしら?」

 

そう言いながら一点を指差す魔理沙。

魔理沙は、「えっ?」と言葉をこぼしつつ霊夢の指差す方へと振り向いた。

 

魔理沙「なっ⁉︎」

 

その瞬間魔理沙の顔が険しくなる。

霊夢も「嘘でしょ」と呟いた。

 

そう霊夢達の見たものは!

 

霊夢「煙が煙のようなものが一点に集まっていく!」

 

そう煙であった。

しかし、勿論ふつうの煙ではない。

なんと、その煙からは気が感じ取れたのである。

とてつもなく悪い気を…。

 

『ビューーン』

 

煙は徐々に人のような大きさに型取られる。

そして!

 

ジャネンバ「ハッハッハッハ」

 

なんも、ジャネンバが復活したのであった。

しかも姿は大きく変わっており人間サイズになり紫色と赤色がメインになっている。

 

魔理沙「おいおいおい!嘘だろ霊夢」

 

魔理沙は、すがるように霊夢に尋ねた。

どうやら、目の前で起きたことを信じたくないようである。(31000字地点)

 

しかし、無情にも霊夢は首を横に振り魔理沙にこう告げる。

 

霊夢「どうやら、本気のマスタースパークが効かなかったみたいね」

 

その言葉は魔理沙の心にグサッとささった。

 

魔理沙「おいおい、霊夢。私はフルパワーで放ったんだ。それで倒せないわけないぜ。ていうか、それが効かなかったんじゃ私達の勝機はほぼないぜ!おまけにめちゃくちゃ強そうなルックスになってるし」

 

焦り気味にそういう魔理沙。

どうやら、ジャネンバを仕留めれてないなんて考えたくもないのであろう。

理由は、そう!魔理沙も言ったがこっちの最高火力であるマスタースパークのフルパワーを耐えられてしまったのである。

これが意味することは、すなわち敗北。

そう霊夢達は自分達の限界を使っても倒せなかったと言うことを実感させられたのである。

しかも、ジャネンバは先程よりもパワーアップしておりもはや桁違いの強さを持っている。

 

しかし!

 

霊夢「だからって戦わない訳にはいかないでしょ!いい、魔理沙子の戦いはこの世とあの世全てをかけた戦いなのこの戦いに負ければ幻想郷は終わりなの」

 

そういいながら霊夢はジャネンバにたいして戦闘体制をとった。

先程の戦闘で体力をかなり削ってしまったのにもかかわらず…。

 

そんな、霊夢の姿を見た魔理沙は、自分が怯えているのを恥ずかしく思えてきた。

だってボロボロの霊夢がここまで戦う意思を見せているのである。

逆にここで戦わなかったら後悔する。

魔理沙は、そう考えたのであった。

 

魔理沙「確かにそうだな霊夢。そうだ!私たちは負けられないんだ!この戦いは幻想郷をかけた戦いその戦い私も悔いが残らないよう全力で戦ってやるぜ!」

 

そういいながら霊夢の横に並ぶようにし戦闘体制をとる魔理沙。

そんな、魔理沙にたいして霊夢が少しからかうように「あらあら、さっきのマスタースパークでかなり体力を使っちゃったんじゃないの?」と呟いた。

 

魔理沙「それはお互い様だぜ。お前だってかなり体力がヤバいくせに」

 

魔理沙も負けじとそう言い返した。

二人の顔には若干の笑顔が混じっていた。

そう今の単純な会話ですらも二人にとっては安らぎの会話であったのだ。

 

霊夢「魔理沙よく聞きなさい。確かに奴の気はかなり増加したわ。でも、その分奴は小型化し人間みたいな姿になってるの」

魔理沙「ああ、でも、一体それがどうしたんだ?」

霊夢「よく考えて見なさい。あんな姿になったってことはさっきまであいつのクッションとなり体を保護していた体の丸みがなくなっているのよ。てことは、少なくともさっきよりダメージが通りやすいということよ!」(32000字地点)

 

その霊夢の言葉を聞いた魔理沙は思わず「な、なるほど!」と言葉を発した。

 

魔理沙「てことは、ジャネンバに二人掛かりで戦い原子レベルまで粉々にしてやれば!」

霊夢「ええ、まだ勝利の可能性があるわね」

 

 

 

 

霊夢「行くわよ!魔理沙!!」

 

掛け声をかける霊夢。

魔理沙は、その掛け声にたいして、「ああ!」といった。

 

そして!

 

霊夢「20倍界王拳!」

魔理沙「20倍魔法拳!」

 

ダメ元で一気に界王拳と魔法拳を20倍まで上げるのであった。

 

『ビューーン』 『ビューーン』

 

その瞬間、瞬時にジャネンバに近づく霊夢と魔理沙。

そして!

 

霊夢「はぁ!」

魔理沙「だりゃあ!」

 

二人はジャネンバに同時パンチを放った。

そのパンチには威力が込められており普通の妖怪程度なら一撃アウトであろう。

しかし!

 

『スカッ』『スカッ』

 

霊夢「なっ!」

魔理沙「えっ!」

 

なんと、霊夢達の攻撃が当たる瞬間ジャネンバが消えた。

霊夢達は、「えっ」と心中思いつつ周り見渡す。

すると、15メートル程だろうか。

なんと、ジャネンバが元の場所から15メートルも移動してたのである!

 

霊夢と魔理沙は戸惑った。

それもそのはず今の今までここにいたのに攻撃が当たる直前にジャネンバが消えたのだから…。

 

霊夢「一体、どうして?」

 

少し考察を入れる霊夢。

しかし、その瞬間!

 

『ヒュン』

 

霊夢「えっ!」

 

『バゴーーン』

 

なんと、一瞬ジャネンバがどうやって移動したのか考えていた間にジャネンバが一瞬で霊夢に迫りそして、霊夢の腹めがけてパンチをはなったのであった。

 

霊夢「ガハッ!」

 

口から唾液が飛び出す霊夢。

霊夢は、そのまま倒れ込んでしまった。

 

ジャネンバ「ハッハッハッハ」

 

倒れ込んだ霊夢を見下すように立つジャネンバ。

そして、ジャネンバが霊夢にたいして手を掲げる。

そうトドメの一撃を放つつもりだ。

 

しかし!

 

ジャネンバ「ジャネ……!」

魔理沙「魔符「「スターダストレヴァリエ」」 」

 

『ヒューン』『ヒューン』『ヒューン』

 

そうはさせないぞ!と言わんばかりにスペルカードを使う魔理沙。

近距離でのスペルカード流石にジャネンバもこればっかりは避けれないだろう。

魔理沙は、そう考えた。

 

『ドン、ドン、ドン』

 

三発ほど当たる弾幕。

この流れに入ったら抜け出すことは普通できない。

魔理沙は、やったぜ!と心の中でつぶやいた。

 

しかし!

 

『ヒュン』

 

魔理沙「なっ!」

 

4発目が当たる直前だろうか。

ジャネンバが姿を消した。

いや、正確には20メートル後ろに下がったのである。

あの近距離からのスペルカード普通ならば避けることが出来ないはず…。

しかし、そんな考えとは裏腹にジャネンバは3発ほどしか受けずたいしたダメージにならなかった。(33000字地点)

 

 

魔理沙「一体、どうやって!」

 

困惑する魔理沙。

 

ジャネンバ「ジャネンバ!」

 

今のは危なかったぞ!と言わんばかりの表情でジャネンバが魔理沙に言った。

 

 

魔理沙「おい、大丈夫か、霊夢!」

 

魔理沙は倒れこむ霊夢に声をかける。

 

霊夢「う、、、」

 

霊夢が声わずかに聞こえた。

どうやら、意識はあるようだ。

 

魔理沙「立てるか霊夢」

 

そういいながら霊夢の肩を持つ魔理沙。

しかし、霊夢はもはや立つ体力すら残っておらずまた、すぐに倒れ込んでしまう。

 

霊夢「ぐ、ごめん、結構、きつ、い、わ」

 

途切れ途切れに霊夢はそう言った。

 

ジャネンバ「ハ、ハ、ハ、ハ」

 

ジャネンバがじわりじわりと近づいてくる。

恐怖を感じとった魔理沙は霊夢にこう言った。

 

魔理沙「おい、立てよ霊夢!私一人じゃ何もできないぜ」

 

魔理沙の目からは涙がにじみ出ていた。

これは、恐怖からの不安と霊夢が倒れてしまったという悲しみ2つからくるものであろう。

霊夢は、そんな魔理沙の表情を見つつこう伝えた。

 

霊夢「魔理、沙よく聞きなさい。あい、つ、の、能力が、分かった、わ」

 

意識が飛びそうな中、霊夢は必死に魔理沙に言葉を放つ。

 

霊夢「あいつの能力、は、恐らく、小町の、能力で、ある。距離を、操る、能力よ。映姫、が、言ってた、で、しょ。あいつ、は、小町、のから、だ、を乗っ取っ、て実体化、したって」

 

言葉を出すごとに詰まりが酷くなる霊夢。

 

魔理沙「距離を操る能力。そんなこと言われてもどうしたらいいんだぜ」

 

魔理沙は、自分の涙を拭きたり霊夢に尋ねる。

 

しかし

 

霊夢「、、、、、、」

 

霊夢からの返答はなかった。

 

魔理沙「おい、霊夢、霊夢ーー!!」

 

何度も何度も霊夢を呼びかける魔理沙。

だが、霊夢からは一向に返答はこなかった。

魔理沙は、霊夢の心臓に手を当てた。

 

『ドックン、ドックン、ドックン』(34000文字地点)

 

魔理沙「まだ、息はある」

 

とりあえず、霊夢が生きてたことに安堵を持つ魔理沙。

しかし、魔理沙は考える。

霊夢が戦えない今、距離を操る能力を持つジャネンバをどうやって倒そうかと…。

 

『ビシ、ビシ、ビシ』

 

ジャネンバは足跡を響かせ残り10メートル程まで迫ってきていた。

 

魔理沙「クソ、一体どうしたらいいんだ!」

 

魔理沙は、頭を抱え込み考え込んだ。

と、その時!

 

『こっちです』

 

魔理沙「えっ?」

 

どこからともなく声が聞こえた。

魔理沙は周りを見渡す。

しかし、その声の主のようなものをいくら探そうとも姿が見えなかった。

 

魔理沙「誰だ!」

 

魔理沙がそう叫ぶ。

すると、またしても

 

『こっちに来て下さい』

 

さっきと全く同じ声が響いた。

その声は魔理沙から見て右斜め前の方から聞こえてくる。

この声の主が誰か分からず不審に思う魔理沙。

しかし、後ろからはジャネンバがもう5メートル程まで迫っており魔理沙に考える余裕はなかった。

 

魔理沙「くそっ!今はこの声の主をしんじるしかねぇ!」

 

魔理沙は、そう叫ぶと地面に気弾を放った。

そう目くらましである。

 

ジャネンバ「ジャネンバ!」

 

気を読むことのできないジャネンバにとってこれは1番厄介なことであった。

ジャネンバは、爆風の中急いで魔理沙に駆け寄った。

しかし、これがジャネンバのミスであった。

 

魔理沙「だりゃりゃりゃりゃりゃ」

 

爆風の中、弾幕を放つ魔理沙。

そうジャネンバとは違い魔理沙は相手の気を感じることが出来るのである。

 

ジャネンバ「!!」

 

流石のジャネンバも爆風の中 急に飛んでくる気弾に対応など出来るわけもなく。

 

『ドン』『ドン』『ドン』『ドン』『ドン』

 

いくつもの魔理沙の気弾を全部受けてしまった。

 

魔理沙は、その弾幕でジャネンバが怯んでいるすきに霊夢を抱え声のした方向へ飛んで行ったのであった。

 

 

 

〜数分後〜

 

ようやく爆風が晴れ始めた。

 

ジャネンバは、周りを見渡す。

しかし、勿論、魔理沙の姿はそこにはなかった。

 

ジャネンバ「ジャネンバーー!」

 

怒ったようにそう叫ぶジャネンバ。

 

そして!

 

『ビューーン』

 

まだ、遠くへは行っていないはず!と考えたのか魔理沙を探し始めたのであった。

 

 

〜魔理沙サイド〜

 

魔理沙「確か声が聞こえたのはこの辺の筈だな」

 

魔理沙は、ジャネンバが自分達を見失ってる間に謎の声の発信源へと辿りついていた。

 

魔理沙「随分飛んだけど、ここは元々 天国だった場所か?」

 

封印されていてよく分からないが結界の中に自然のようなものが見え魔理沙はここが天国だと仮定する。

そんな事を行っていると再び。

 

『こっちです』

 

謎の声が聞こえた。

魔理沙は、霊夢を抱きかかえつつ正確な声の場所を探していく。(35000文字地点)

 

そして!

 

ついにその声が発せられていた結界を見つけた。

 

魔理沙「ここか?」

 

魔理沙は、謎の声に尋ねる。

すると!

結界の表面に人が映り出した。

恐らくこの結界の中に閉じ込められた人かつ謎の声の正体であろう。

結界の中にいたのは女性で巫女のような服を着ていた。

 

『ええ、そうです』

 

結界の中から女性のような人が魔理沙にそう言った。

 

魔理沙「お前がさっきの声の……」

 

魔理沙が女性に尋ねる。

 

女性「はい、そうです。私は先程あなたをこっちに呼んだ者」

 

女性の口調は礼儀正しく優しさも感じ取れた。

魔理沙は、尋ねる。

勿論、内容は、

 

魔理沙「お前、一体なにもんだ!」

 

そうこの女性が一体何者かである。

しかし、ここで女性から思わぬ事を言われるのであった。

 

『う〜ん、そうですね。分かりやすく言えば博麗家の先代の巫女、博麗靈夢と申します』

 

な、なんと!このお方は、先代の巫女であった。

 

魔理沙「な、なんだって!」

 

驚愕の事実を聞いた魔理沙はとてつもない衝撃を受けた。

 

魔理沙「て、て、てことは、あなたは、れ、れ、霊夢のせ、せ、先祖とい、いうわけですか」

 

驚きのあまり言葉が詰まりまくり自分でも何を言ってるかよく分からなくなった。

 

『はい、そうです』

 

魔理沙とは裏腹にあっさりと返答をする靈夢。

 

魔理沙「一体、そんな先代の巫女がなんのようですか?」

 

魔理沙が靈夢に尋ねる。

 

『そんなのこと決まってますよ。この結界を壊してください。あの邪念の塊を倒すために!』

先程までの穏やかさとは真逆で気合いのこもったその声には魔理沙も一瞬戸惑うほどであった。

 

魔理沙「こ、壊す?」

 

魔理沙が靈夢にリピートするように尋ねた。

 

『はい、この結界を壊して頂ければ我々は現博麗の巫女の体に入り邪念と戦います。まあ、体を操作するのは現博麗の巫女、博麗霊夢ですけど』

 

どうやら、この靈夢は、今ジャネンバの放った結界により周りと同じように結界に封印されてしまったのである。

 

魔理沙「ちょ、ちょっと待て!」

 

靈夢の話を聞いた魔理沙が少し戸惑った表情を表した。

 

魔理沙「現博麗の巫女って霊夢の事だろ。なんでわざわざ霊夢の体の中に入るんだよ!それに入ったとしても霊夢の体は見ての通りボロボロとても戦える体じゃないぜ」

 

『よく考えてみて下さい。私たちは死んだ者。もう体は無いのです。だから、生きている者の体を借りるしか方法はありません。きっと邪念も生きていた方の体を乗っ取ったのはずです」

 

魔理沙「た、たしかにあいつは小町って言う奴の体を乗っ取ったって聞いたが…」

 

どうやら、死んで肉体のない者は肉体のある者に取り付く必要があるようだ。

 

『そして、現博麗の巫女がいくらボロボロであろうと私たちが体に入りエネルギーを分け与えれば回復しなおかつ私たちの力を全て現博麗の巫女、そう博麗霊夢に密集させることが出来るのです」

 

話を聞く感じどうやら、霊夢の体は大丈夫なもよう。

これで魔理沙の疑問もなくなったはず…。

しかし、魔理沙は、あと1つ疑問があるようだ。

 

魔理沙「ちょっと待てさっきからお前、我々や私たちって言ってるがお前以外にもそこに誰かいるのか?」

 

魔理沙は、靈夢に尋ねた。

 

『あれ、言ってませんでしたか」

 

靈夢がそう答えると結界に何人か人が映りだした。

そうこの人達は!

 

『私達は、1代目から12代目まで全て揃っています』

 

な、なんと先代だけでなく歴代の巫女が勢揃いしていたのである。

 

魔理沙「ちょ、ちょっと待てお前達12人で霊夢の体に入る気か?」

 

魔理沙は、歴代の博麗家に尋ねる。

 

『当たり前です。あなたも分かるでしょ。奴はそうでもしないと倒せないって』

 

魔理沙「でも、そんな事して霊夢の体は大丈夫なのか?」

 

魔理沙は、不安げに尋ねた。

 

『よく考えて下さい。邪念は何百体と言う悪霊の塊で出来ているのです。その魂達が一人に入っているのにその方の肉体は滅んではいません。と言うことは、その面においては安全ととれます』

 

靈夢の話は根拠が存在しており説得力は高かった。

魔理沙は思ったここは、この博麗家を信じるしかないと…。

幸いにも魔理沙はジャネンバにまだこちらの居場所がバレておらず時間が結構あった。

さらに靈夢と喋ってる間 少し体を休めたこともあり体力を回復させることが出来た。

魔理沙は、今しかないと思い一気に魔法拳を20倍まで上げる。

そして、ミニ八卦炉を構えた。

 

魔理沙「はああぁぁぁ」

 

そして、エネルギーを溜め始める魔理沙。

そうこれは先程赤ん坊の姿のジャネンバを吹き飛ばしたマスタースパーク(フルパワー)である。

溜めるのには1分かかると言うデメリットがあるがジャネンバに見つかっていない今これをする大チャンスであったのである。

 

〜1分後〜

 

魔理沙「よし、溜まった!」

 

虹色に輝くミニ八卦炉。

そして、そのままそのエネルギーを「マスタースパーク!!」と叫びながら放出した。

 

『ドゥーーン』

 

結界にぶち当たる魔理沙のマスタースパーク。

これは流石にジャネンバの結界と言えど壊せたかと思われた。(37000字地点)

 

しかし!

 

『シュ〜〜ン』

 

エネルギーがつき威力が落ちて行くマスタースパーク。

魔理沙は、結界に目をやった。

 

しかし!

 

魔理沙「なにっ⁉︎」

 

驚きのあまり声を出す魔理沙。

なんと結界には何一つヒビが入っていなかったのである。

 

これには流石の魔理沙も歴代の巫女も予想外!

 

『な、なんて硬い結界なの!』

 

魔理沙「まさか、私のマスタースパークで壊れないなんて!」

 

そう言った瞬間!

 

魔理沙「ぐっ!」

 

膝を地面に落とす魔理沙。

そうあのマスタースパーク(フルパワー)は威力と引き換えに体力をごっそり持って行ってしまう技。

魔理沙は、今ので体力を失ってしまったのである。

 

魔理沙「くそっ!なんで壊れないんだよ!」

 

希望がなくなりそれが怒りへと変わる魔理沙。

と、その時!

 

『バキッ』

 

わずかながら結界にヒビが入った。

 

魔理沙「えっ?」

 

あまりにも突然のひび割れに戸惑う魔理沙。

 

魔理沙「今なんでヒビが入ったんだ!マスタースパークでは恐らく無いしそっちで何かやったのか?」

 

魔理沙は巫女達に尋ねた。

 

『いえ、なにも。あなたが喋った瞬間に急にヒビ割れが…』

 

どうやらヒビが入った理由は巫女達も分からないようだ。

 

魔理沙「私が喋った瞬間?私が喋ったのは、くそっ!なんで壊れないんだ、はず」

 

魔理沙が自分の喋った言葉を思い返す。

すると、

 

『バキッバキッ』

 

再び結界にヒビが入った。

 

『やはりそうです。その言葉の中に何かこの結界を壊す単語が入っているのです』

 

魔理沙「何か壊す単語だって?」

 

そう言い魔理沙は、一言一言何に結界が反応したのか調べ始める。

 

魔理沙「ええっと確か最初は…」

 

魔理沙「くそっ!」

 

『ビシッ』

 

魔理沙「え?」

 

いきなり結界にヒビが入った。

どうやら、「くそっ!」と言う言葉で反応したようだ。

 

『なるほど、もしかするとこの結界 悪口に弱いのかもしれませんね』

 

魔理沙「悪口?」

 

『はい。試しにもっといろんな悪口を行ってみて下さい』

 

それを聞いた魔理沙は、言われた通り

魔理沙「バカ、アホ、マヌケ、クソ野郎!」

となんとも言えない言葉を連発した。

すると、

 

『バキッバキッバキッバキッバキッ』

 

かなりの勢いで結界にヒビが入っていく。

 

魔理沙は、確信した。

ジャネンバの結界、そして、恐らくジャネンバ自身も悪口に弱いと。

 

魔理沙「なるほど、本当に悪口に弱いんだな。それじゃあ」

 

 

 

 

 

〜ここは魔理沙の将来に関わるのでカットします〜

 

 

 

 

 

魔理沙「ふぅ、これだけ言えばボロボロだろ」

 

そう言いながら魔理沙は結界を見た。

しかし、結界は思ったよりも分厚くまだ、貫通はしていない模様。(38000字地点)

魔理沙自身そろそろ声も枯れ始めた。

 

魔理沙「はぁ、はぁ、はぁ」

 

少し息を切らす魔理沙。

まあ、無理もないあれだけ言い続ければ流石に体力的にもきついであろう。

しかし、恐らくあと2回ほど言えば壊れるぐらいまで結界をした。

少し休憩を挟み喉の調子を整え再度魔理沙は、口を大きく開けた。

 

そして!

 

魔理沙「バ…」

 

『スタッ』

 

魔理沙が叫ぼうとした時、嫌な音が後ろから聞こえた。

魔理沙は、一瞬体が凍ったように動かなくなる。

 

ゆっくりと後ろを振り返る魔理沙。

そこには!

 

ジャネンバ「ハ、ハ、ハ、ハ、ハ」

 

ジャネンバがいた。

どうやら、叫びまくってる間にすぐそこまできてしまっていたようだ。

 

魔理沙「いつのまに!」

 

戸惑う魔理沙。

すると、後ろから先代の巫女達が魔理沙に言った。

 

『あと少しです。そいつはほっといてあと2回ほど悪口を言うのです」

 

その言葉を聞いた魔理沙は少し落ち着きを取り戻す。

そして!

 

魔理沙「バカヤロー!」

 

と叫んだ。

 

『ビシッ』

 

結界のヒビが更に大きくなる恐らくあと一回、あと一回で壊れるであろう。

しかも、

 

ジャネンバ「ぐああああああ!」

 

どうやら、予想通りジャネンバ自身も悪口には弱く苦しみ出した。

魔理沙は、この隙を見逃さまいと口を大きく開ける。

 

そして!

 

魔理沙「このク……」

 

魔理沙が叫ぼうとした瞬間

 

『ガシッ』

 

ジャネンバ「はぁ、はぁ、はぁ」

 

な、なんと、ジャネンバは距離を操り魔理沙の前に来て魔理沙の右手で首を押さえつけていた。

 

魔理沙「ぐ、ぐぐ」

 

苦しみだす魔理沙。

まあ、無理もない首を締め付けられているのだから…。

 

『なっ⁉︎』

 

結界の中から見ていた歴代の博麗の巫女達も流石にヤバイと感じとった。

 

これを言葉で言い表すならそう逆転負けというものである。

 

魔理沙「ぐ、ぐぐ」

 

なんとか抜け出そうとこころみる魔理沙。

しかし、ジャネンバの握力は強く徐々に苦しくなってくる。

 

このままではまずい!

 

魔理沙は、そう考えた。

どんどん意識が遠のいていく魔理沙。

 

その時!

 

「はぁ!」

 

『ヒューーン』

 

『ドン』

 

ジャネンバ「ぐはっ!」

 

どこからともなく気弾が飛んで来ジャネンバに当たった。

ジャネンバは一瞬怯み魔理沙の首を離してしまう。

 

魔理沙は、苦しみつつも気弾が飛んで来た方向を振り向く。

そこには!

 

霊夢「はぁ、はぁ、はぁ」

 

なんと、霊夢が意識を取り戻していた!

恐らく、タイミング良く意識を取り戻したのであろう。

しかし…。

 

『バタンッ』

 

今のでまた体力を使ってしまい気を失ってしまった。(39000字地点)

 

魔理沙「霊夢!」

 

再び倒れた霊夢を心配する魔理沙

 

ジャネンバ「ジャネンバ」

 

再び魔理沙の首を締めようと手を伸ばす。

 

しかし、魔理沙も霊夢が繋いでくれたこのチャンス逃すわけにはいかない!

そう考えジャネンバの手が自分の首にたどり着く前に急いで魔理沙は叫んだ。

 

魔理沙「このクソ野郎!!」

 

『バリンッ』

 

魔理沙「ぐっ!」

 

魔理沙は、再び首をしめつけられる。

 

しかし!

 

 

『ヒューーン』

 

魔理沙が壊した結界から何かが12個飛び出した。

その飛び出した12個の何かは霊夢の周りにまとわりつく。

そして、そのまま霊夢の体の中に入っていったのであった。

 

〜霊夢の心の世界〜

 

 

『起きるのです。現博麗の巫女』

 

靈夢が心の中で霊夢に話しかける。

 

霊夢「ん?あなたは?」

 

霊夢はずっと気絶していたので目の前にいるのが誰か分からない。

 

『私は博麗靈夢。先代の巫女です』

 

霊夢「先代の巫女?」

 

『はい。そして、この周りにいるのは』

 

霊夢「周り?」

 

そういいながら周りを見渡す霊夢

そこには!

 

『私は2代目の博麗の巫女』

『私は3代目の博麗の巫女です』

『私は4代目の博麗の巫女だぜ』

『うちは5代目の博麗の巫女やで』

『私はえっと多分6代目の巫女かな?』

『私は7代目の巫女』

『私は8代目ですよ』

『私は9代目の博麗の巫女でございます』

『10代目の博麗の巫女やで〜』

『11代目の巫女や』

『12代目の巫女よ。久しぶり霊夢』 ←一様、霊夢のお母さんなので霊夢の事を知っている。

 

全ての巫女が霊夢の心の中に入り込んでいた。

そう先程霊夢の体に入ったものはこれだったのである。

 

霊夢「これが全員博麗の巫女…」

 

少し戸惑う霊夢。

 

『私達は先程、金髪の方に結界から出してもらったのです。あの邪念を倒すために』

 

霊夢「金髪の方?あ、魔理沙の事ね。あいつなかなかやるじゃない。でも、貴方達幽霊だから体がないんじゃないの?」

 

霊夢が靈夢に尋ねる。

 

『そういえば貴方にはまだ話し終えていませんでしたね』

霊夢「なにを?」

 

靈夢の意味深な発言に少し疑問を持つ霊夢

 

『実は私達あなたと一体化しようと思ってるのです』

 

霊夢「一体化?」

 

『はい。私達12の博麗の魂+貴方の魂が貴方の体で一つに超人的な力を得るのです。勿論、命に別状はありませんしこの戦いが終わったらこの体からは必ず出て行きます』

 

霊夢「なるほどね。なんとなくだけど分かったわ」(40000字地点)

そう言いながらキリッとした目で靈夢をみる霊夢。

 

『あの邪念は、そこらへんにいる妖怪とは次元が違います。やつを倒せるのは私達博麗の巫女のみ!あなたも博麗の巫女ならどうかこの作戦になって下さい!あなたの許可がなければあなたと一体化は出来ないのです』

 

その言葉を聞いた霊夢は、考えるまでもなく即答でこういった。

 

霊夢「あいつを倒すにはもうそれしかない。分かったわ!やってやろうじゃない博麗家全員の融合を!」

 

霊夢は、気合いがこもった声で歴代の巫女達にそう言った。

それを聞いた靈夢は、少し微笑みながらこういうのであった。

 

『ありがとう』

 

その言葉を靈夢が放った瞬間!

 

『しゅーーん』

 

博麗の巫女達が溶けるように霊夢自身の魂に入っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙「ぐ、ぐぐ」

 

首を絞められ苦しむ魔理沙。

そう悪口を言うまでは良かったのであったがそのあとまたすぐに首を掴まれてしまったのである。

 

魔理沙の目から徐々に光が薄れていく。

 

魔理沙は、ここで思う。

もう、ダメだ!

 

と、その時!

 

 

 

『ビューーン』

 

 

 

倒れていた霊夢の体が急に光出したのであった。

 

ジャネンバ「ジャ、ネンバ」

 

ジャネンバはその光を直接目に浴びてしまった。

そして、思わず魔理沙をはなし両手で目をふさぐ。

 

魔理沙「ふ、おそいぜ」

 

そう言いつつ霊夢の方を振り向く魔理沙。

そこには!

 

霊夢「待たせたわね。魔理沙!」

 

霊夢の体は金色の光を放ち髪型なども微妙に変わっていた。

ただ、魔理沙は気づくそんな外見のわずかな変化よりももっと大きな変化を…。

それは、気の大きさである!

あの金色に輝く霊夢そこから溢れ出す気は今までの霊夢の20倍界王拳の強さと比べ10倍、いや15倍ほどの気を持っていた。

恐らく、これが博麗家全ての力が一体化の強さであろう。

 

その霊夢の姿を見たジャネンバは、魔理沙に対しての興味は完全になくなり霊夢一点を見つめる。

 

ジャネンバ「ジャネンバーーー!」

 

そして、大きさジャネンバと叫び一気に気をあげた。

 

霊夢「ふん、弱い犬ほどよく吠える。さっさと、来なさいよ!」

 

ジャネンバを煽る霊夢。

その表情は余裕で満たされており絶対の自信が感じ取れた。

 

その言葉に少しいらだちを覚えたジャネンバは戦闘体制をとる。

そして!

 

『ビューーン』

 

先程と同様に距離を操る能力を使い霊夢の前までワープした。

そのまま霊夢の腹に向かって全力でパンチを放つジャネンバ。

 

しかし!

 

『シュン』

 

ジャネンバのパンチが当たる瞬間、霊夢が姿を消す。(41000字地点)

ジャネンバは驚いた表情を浮かべ周りを見渡した。

すると、後ろから「こっちよ」と声が響く。

ジャネンバは、「えっ?」と言った表情で後ろに振り向いた。

その瞬間!

 

『バコン』

 

ジャネンバ「ぐ、ぐがが」

 

霊夢は振り向いたジャネンバの顔面めがけてパンチを放った。

 

霊夢「ふん、ノロマね」

 

顔を殴られ座り込むジャネンバ。

それと、同時にどうして霊夢が後ろに現れたか戸惑いの表情も浮かべた。

 

霊夢「どうやら、私が急に後ろに現れて戸惑ってるみたいね」

ジャネンバ「ぎ、ぎぎぎ」

 

苦しんでいるジャネンバを見下すように言う霊夢。

 

霊夢「いいわ。教えてあげる。冥土の土産に持って行きなさい。と、言ってもあんたもう死んでたわね」

 

さっきまであそこまで苦戦していたジャネンバをまるで子供のようにもて遊ぶ霊夢。

今の霊夢の強さは半端ではないのである。

 

霊夢「私はね。歴代の巫女達と一体化したことで一時的に瞬間移動ができるようになったの。私一人じゃなかなか完成までは出来なかったけど今の私は一人じゃない!歴代の巫女の力が揃っているからこそ出来た技よ!まあ、ようするにあんたのように距離を操るインチキ瞬間移動じゃなくて本当の瞬間移動を私は身につけたってわけ」

 

魔理沙「は、は、は、まさかあの強さに加えて瞬間移動まで出来るのかよ霊夢。こりゃとんだ化け物だな」

 

見ていた魔理沙ですらそのチート的な強さに唖然としてしまう。

 

ジャネンバ「ぐ、ぎぎぎ」

 

ジャネンバは、負けまいと必死に立ち上がる。

 

霊夢「あら、私のパンチを受けてまだ立てるのね。やっぱり、強いわあんた!」

 

そういいながら霊夢もジャネンバと同様に再び構え出した。

 

ジャネンバ「はああああ!」

 

今度は、距離を操らず真っ向勝負に出るジャネンバ

どうやら、ジャネンバ自信も相当焦ってるようだ。

 

しかし、そんな抵抗今の霊夢に効くわけがなく。

 

霊夢「だりゃ!」

 

ジャネンバが攻撃してくるタイミングに合わせ霊夢はカウンターを入れた。

 

ジャネンバ「ぐはっ⁉︎」

 

口から唾液が飛び散り吹き飛ばされるジャネンバ。

 

魔理沙「つ、強い!まさか、ここまで強いなんて!」

 

さっきまで絶対に勝てないと諦めていた敵を追い込んでいることに驚きの表情を浮かべる魔理沙。

 

霊夢「ふん、雑魚ね。これ以上やっても無駄よ」

 

そういいながら霊夢はスペルカードを構えた。

そのスペルカードは今までに見たことのないスペルカード。

恐らく博麗家全ての力が込められたスペカであろう。(42000字地点)

 

ジャネンバ「ぐ、ぐぎぎぎ」

 

ジャネンバはそのスペルカードを避けるためなんとか立ち上がるが体がボロボロであった。

霊夢は、そんなジャネンバを見てこう告げる。

 

霊夢「 霊靈符(れいれいふ)「「邪気封印」」 」

 

その瞬間、霊夢のスペルカードは虹色に輝き出した。

それもただの虹色ではない。

それはもはや言葉で言い表すのは不可能なほどの美しであった。

 

『ヒューン』 『ヒューン』 『ヒューン』

 

邪気封印は基本的には夢想封印と同じような軌道をしジャネンバにせまっていくのであった。

ただちがうのはマスタースパークすらもしのぐ威力に夢想封印をしのぐ密度とスピードを持っていた。

ジャネンバにそんなのを避ける体力は勿論残っていない。

ジャネンバは、そのまま!

 

『ドン』『ドン』『ドン』

 

と、被爆するのであった。

しかし、この技は少し変わっていた。

 

ジャネンバ「ぐ、ぐあ!」

 

なんと霊夢の弾幕を受けたジャネンバは吹き飛ぶのではなく光を放ち始めた。

そんな、ジャネンバを見て霊夢が呟く。

 

霊夢「あ、そうそう。言ってなかったわね。このまま貴方を殺したら持ち逃げされちゃうから。しっかりと返してもらうわよ」

 

霊夢がそんな意味深な発言をした瞬間!

 

ジャネンバ「ジャネンバーーーーーー!!!」

 

ジャネンバの体から溢れんばかりの光が浮き出た。

近くにいた魔理沙もその眩しさで思わず両手で目を覆う。

 

 

 

そして、その光は5秒もしないうちに消えるのであった。

光が消えたと分かった魔理沙はジャネンバの方を振り向く。

 

そこには!

 

魔理沙「あそこに倒れてる人は……。赤い髪の毛にあの鎌もしかしてあいつは映姫の言ってた!」

 

そこには、なんと女性が倒れていたのであった。

魔理沙はボロボロの体を起こしゆっくりとその女性に近づいていく。

そして、女性の目の前まできた。

 

魔理沙「こいつは、映姫の言ってた小町ってやつか!?」

 

そうその女性は小町であった。

 

霊夢「正解よ。魔理沙」

 

魔理沙に次いで小町による霊夢

 

魔理沙「おまえ、まさかこいつだけを助け出したのか?」

霊夢「ええ、そうよ。私のスペルカードは邪気封印すなわち邪気のみを封印する技。邪気に乗っ取られていたこいつは邪気ではないしね」

 

霊夢のあまりの凄さに言葉を失う魔理沙。

 

魔理沙「おまえ、やっぱり凄いぜ霊夢!」

 

思わず声に出して魔理沙は言った。

しかし、霊夢は首を横に振り

 

霊夢「いいえ、これは歴代の博麗の巫女のおかげで出来た技。別に私が強いわけじゃないわ。もっと言えばこよ巫女達を制御してた結界を破壊した魔理沙の方が凄いわよ」

 

魔理沙「私はただ無我夢中で…」(43000文字地点)

 

魔理沙が少し照れくさそうにそう返答する。

そんな、魔理沙の表情を見た霊夢は「ふふふ」と少し笑った。

と、その時!

 

霊夢「おわっと」

 

霊夢の体から急に光が出てきた。

そう、それは勿論

 

霊夢「どうやら、さよならみたいね。みんな」

 

『そう見たいですね』

 

そう、これで歴代の巫女達とはもうお別れなのである。

 

霊夢「私達に力を貸してくれてありがとね」

 

霊夢は、とっさにお礼をいった。

 

『あら、私達は博麗の巫女異変解決が仕事です。お礼なんていらないじゃないですか』

 

靈夢はニコッとした表情で霊夢に言った。

そして!

 

『さようなら』

 

そう一言だけはなち巫女達は姿を消すのであった。

 

霊夢は、再度心の中で呟く。

ありがとう。と…。

 

 

 

 

 

 

〜その後〜

 

 

 

 

 

 

無事、ジャネンバを倒した霊夢と魔理沙は小町を抱えこの世へと戻った。

悟空達は無事 悪霊達を全滅させたらしく里には何一つとして被害は無かった。

 

悟空達と合流した霊夢と魔理沙は取り敢えず背負っている小町と自分たちの傷の手当てをするため博麗神社へと戻った。

 

霊夢と魔理沙はともかく小町はかなりの重体でなかなか目を覚まさなかった。

しかし、映姫の必死の看病もあり無事3日後に小町は目を覚ました。

 

その後、体を安静にするため1日博麗神社に泊まり翌朝あの世へと帰って言った。

勿論、小町は1日中 映姫の説教を受けたと言う。

 

あの世へ帰った2人はその後数日かけて結界を全て壊しまたいつもの日常へ戻ったのであった。

 




皆さま、今回はこんなダメダメの100話記念を見てくださりありがとうございます。
この物語はうp主である私が寝るまえに毎日少しずつ作った作品でかなりの時間がかかってしまいました。
本当に申し訳ございません。


【皆さまへ】
私がこの物語を完成させられたのは皆様のおかげです。
こんな私の物語を本の一握りの方でも楽しんで下さっていると思うと作らないとという気持ちが湧き上がりなんとか完成させることが出来たのです。
最近、更新ペースが悪い東方龍球伝ですがそんな皆さまがいる限り私は投稿し続けます。
今後ともどうか宜しくお願いします。

※活動報告で次の記念作品についての事を書いてあります。
是非、皆さん活動報告を見てください。

ここから活動報告にとべます↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=194616&uid=225159

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