『コツコツコツ』
小さく足音を立てながら天子に近寄る霊夢。
天子は体中傷だらけになっており戦闘不能状態であった。
霊夢「どうやら、勝負あったみたいね」
霊夢は倒れた天子にそう告げる。
その言葉を聞いた天子は何処かしら悔しげな顔を浮かべた。
天子「まさか、人間に負けるなんて……」
天子は片腕を抑えつつよろよろの体を無理矢理起こす。
それを見た霊夢は流石に驚き「驚いた。まだ、立てるなんてね!」と声をもらした。
天子「当たり前よ。こう見ても結構頑丈なんだから」
霊夢達がそんな感じで会話をしていると…。
「お〜〜い」
何処からか声が聞こえた。
その声の主は勿論。
魔理沙「お〜い」
そう勿論、魔理沙である。
戦闘が終わった事を確認した魔理沙と悟空は霊夢と天子の元へと近寄った。
そして、駆け寄るや早々に物凄い勢いで魔理沙が霊夢に話しかける。
魔理沙「凄かったぜ霊夢!まさか、悟空の技を使うなんて!」
魔理沙は、目を輝かせながら霊夢にそう告げた。
まあ、それもそのはず先程のかめはめ波は本当に凄いさく見てた悟空と魔理沙を感動させるほどであったのだから。
しかし、霊夢は…。
霊夢「使ったっていっても見様見真似よ。溜めるのにも時間がかかったうえに威力も悟空のものより小さいしね」
と、どうやら、あんまり自分が凄い事をしたと霊夢はそれほど思っていないようす。
悟空「何言ってんだ霊夢。初めてであれだけの威力を出せるなんて凄えじゃねえか」
霊夢とは対照的に先ほどのかめはめ波はすごいと褒める悟空。
しかし、霊夢は、「ふふ、そうだといいけど」と悟空の言葉を軽く流すようにそう言うのであった。
霊夢「ま、かめはめ波の話は置いといて」
そう言いながら天子を鋭く睨みつける。
それはまるでカエルを見つけた蛇の目であった。
天子は思わず体が硬直してしまう。
天子「な、な、なんだ?」
口を震わせながら尋ねる天子。
すると、霊夢は天子の顔を覗き込むように顔を近づける。
そして、ボソリと呟くように天子に言った。
霊夢「あんた、神社の件ちゃんと覚えてるわよね」
その言葉を聞いた天子は少し脳を巡らせる。
そして!
天子「神社。あぁ、私が壊したやつか」
と、霊夢の言葉を聞き即座に思い出す天子。
天子が神社の事を覚えてるのを確認した霊夢は少し笑みをこぼし天子にこう告げる。
霊夢「そうそうその神社よ。勿論、直してくれるんでしょうね?」
天子「え?」
霊夢の急な言葉に頭がこんがらがる天子。
そんな天子を見てもう一度霊夢は言った。
霊夢「いや、だから神社の再築の話よ。あなた、自分で壊したんだから勿論直してくれて当然よね」
その言葉を聞いた瞬間、少し言葉を濁らせる天子。
天子「あ、いや、そんなこと言われても…」
霊夢から目線を逸らしながら天子は告げた。
すると、霊夢は天子に向けて手を大きく広げる。
霊夢「なら、しょうがないわね。あの世にいる映姫や小町によろしくね」
実に満面の笑みでそう告げる霊夢。
そう霊夢は天子に脅しをかけているのである。
手にエネルギーを溜めていく霊夢。
流石の天子もこれには命の危機を感じ「わ、わかった」と慌てて霊夢に言うのであった。
霊夢は手を向けるのをやめる。
霊夢「そう、それでいいのよ。元はといえばあんたが神社を壊したんだから」
天子「く〜、こんなことなら地震なんて起こすんじゃなかったわ…」
天子はここでやっと自分がした事を後悔するのであった。
それから一ヶ月後
ついに博麗神社の再築が終了した。
霊夢「うわ〜〜」
悟空「へ〜〜」
魔理沙「お〜〜」
一ヶ月ぶりに見る我が家を見て感動する霊夢。
天子ひきいる人里の腕っ節の大工が集まった結果、なんとたったの一ヶ月で神社の再築を終わらせることができたのである。
ちなみに霊夢は神社が完成するまでの一ヶ月間は魔理沙の家で暮らしていた。
霊夢「まさか、一ヶ月で完成するなんて少なくともあと三ヶ月はかかると思ってたわ」
綺麗に建て直された神社を見渡しながらそう告げる霊夢。
魔理沙「確かにな、一ヶ月で完成させるなんて並みの腕じゃ出来ないぜ」
新しく建て直された神社をまじまじと見続ける霊夢と魔理沙と悟空。
と、その時!
悟空がある者を見つける。
悟空「あれ?あいつ天子じゃないか?」
そうそれは勿論、天子であった。
天子「ふい〜〜」
神社の柱にもたれかかり座り込む天子。
霊夢達は天子の元へと駆け寄っていった。
霊夢「久しぶりね」
天子に近づくなりそう告げる霊夢。
天子「あ〜、博麗の巫女か…。約束通り神社の再築は終わったぞ」
疲れた表情でそう告げる天子。
悟空「なんか、おめぇすげえ疲れたねぇか?」
その言葉を聞いた天子は少し大きめな声をあげる。
天子「当たり前だろ!毎日毎日朝早くに起きては夜中まで仕事。体が持ったもんじゃないよ。普通の人間なら今頃、過労死で死んでるね」
愚痴をこぼすかのようにそう告げる天子。
霊夢「あら?でも、元はといえばあんたが原因でしょ?これに懲りたら二度と地震なんて起こさない事ね」
霊夢の言うことが正論過ぎ反論できない天子。
天子「く〜、取り敢えず、約束は果たしたしもう私は帰らせてもらうよ」
そう告げると再び天界向かって飛び立とうとする天子。
魔理沙「なんだ?もういくのか?」
そんな天子を見て思わず魔理沙は天子に声をかけた。
天子は少し振り返り「当たり前だろ。私はもう疲れたし天界に戻りたいんだ」と魔理沙に告げた。
魔理沙は、ふ〜んと声をもらす。
霊夢「そうじゃあ帰るんなら最後にもう一度行っておくけど次、こんなことしたら本当に命はないわよ」
飛んでいく瞬間の天子に捨て台詞のようなものを吐く霊夢。
天子は「わかってるよ」っと返答し天界へ帰っていくのであった。
霊夢達もこれでまた、無事にいつもの生活へと戻っていくのであった。
【お知らせ】
現在、受験生の私は今本当に限界ギリギリまで受験勉強をしておりこの物語を書く暇がなくなって来ました。
なので投稿ペースが本当にスローなものになってしまっております。(月に3〜4ぐらい)
あと半年経てば恐らく毎日投稿を復活させられると思いのでどうかそれまでお待ち下さい。