東方龍球伝   作:清川 明希

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巨大な妖力を持つ女 第124話

繁華街で謎の妖怪達に囲まれてしまった霊夢と魔理沙。

どうやら、完全に妖怪達のまとにされてしまったようだ…。

 

ひとりの妖怪が霊夢達に声をかける。

その妖怪は少し大型で周りのやつらよりもふたまわりほど大きかった。

 

妖怪1「おい、貴様!人間の分際でよくそんな軽々しい口を開けれたもんだな」

 

妖怪1は、周りの妖怪達よりも一歩霊夢達に踏み出し威圧をかけるように告げた。

それを見た妖怪達は煽りをかけるかのように後ろから声をどんどん荒げていった。

高く口笛を吹き込むものもいれば、「そうだそうだ!」などと大声で叫ぶものもいる。

霊夢は、思わず吹き出してしまった。

 

霊夢「ぷっふふふふふ」

 

急に大声で笑いだす霊夢。

周りは、その声に反応したのかシーンとなってしまった。

顔を赤くする妖怪1。

どうやら、頭に血が上ったようだ。

 

妖怪1「貴様!何がおかしい!」

 

馬鹿みたいに大きな声で告げる妖怪1。

霊夢は、そんな妖怪1の顔の方へ顔を向けた。

 

霊夢「あんた達ね。それじゃあ、妖怪じゃなくて街中にいるヤンキーと同じじゃないの」

 

若干、笑いを堪えつつ告げる霊夢。

しかし、それとは裏腹に周りにいる妖怪達の堪忍袋は爆発した。

 

妖怪達「貴様ーー!!いちいちと余計な事を言いやがって!どうやら、本当に死にたいようだな!なら望み通りにしてやるぜ!」

 

一気に四方八方を囲んでいた妖怪達が霊夢、ついでに魔理沙に飛びかかった。

どうやら、怒りで理性をなくしているようだ。

 

魔理沙「たく、霊夢め。余計な仕事増やしやがって」

 

そう告げると瞬時に構えを取る魔理沙。

霊夢も魔理沙に「ごめんごめん」とだけ謝り即座に構えを取る。

 

妖怪1「だりゃあ!」

 

まず、一番最初に攻撃が届いてきたのは一歩周りのやつらよりも霊夢に近づいていた大柄な妖怪であった。

どうやら、見た感じパワーはあるようだ。

しかし…。

 

霊夢「だりゃあ!」

 

その巨体さゆえに攻撃出来る面積が広く霊夢のパンチをもろにくらってしまった。

 

妖怪1「ぐはっ!」

 

一瞬にして吹き飛ばされる妖怪1。

しかし、霊夢達はまだ、油断は出来ない今このようにしている間も囲んでいる妖怪達は霊夢と魔理沙にみるみる近づいてくる。

 

そして!

 

妖怪達「どりゃあ!!」

 

妖怪達はほぼ全員同時に攻撃を霊夢と魔理沙に仕掛けた。

流石の霊夢と魔理沙もこの人数ではきついか。

そう思われた瞬間!

 

???「待ちな!」

 

この繁華街全てに響き渡りそうな大きな声があたり一面に広がった。

霊夢達を襲おうとしていた妖怪達はすぐさま足をすくめ固まってしまう。

すぐさま声のした方向へと振り向く妖怪達。

 

妖怪2「ゆ、勇儀さん!」

妖怪3「一体、どうしてここに!」

 

さっきまでの威勢は何処へやら霊夢達を囲んでいた妖怪達は急に目の前に現れた黄色い髪の毛に赤いツノをはやした謎の女性に媚を降り始める。

どうやら、先ほどの声の主もこいつのようだ。

 

魔理沙「あいつは?」

 

この数の妖怪を締めくくる謎の女性。

恐らく、額のツノから想像するに鬼であろう。

右手には大きな盃を持っておりその中には大量のお酒が含まれていた。

 

勇儀「おい、お前たち一体何をやっているんだ」

 

まるで上司のような口調で妖怪達を怒鳴りつける勇儀。

妖怪達はすっかり肩をすくめてしまっていた。

 

妖怪2「いや、こんなところに人間がいたものですから。つい気になってしまったもので…」

 

妖怪達は若干、声を震わせながら答えた。

これだけ大人数の妖怪ですら怯えてしまう存在。

霊夢は、思った間違えなくこの妖怪はこの繁華街の中心人物だと…。

 

勇儀「まあ、もう過ぎてしまったのをどうのこうの言うのもあれだしもう何も言わないが次からは気をつけろよ。もし、私が止めてなかったら今頃お前達はあの世さ。お前達があの巨体のあいつを一瞬でぶっ飛ばすやつに勝てる訳かないしな」

 

その台詞を聞いた妖怪達は「はい」とだけ礼儀正しく告げその場を立ち去る。

霊夢と魔理沙は、その光景に少し唖然とするのであった。

勇儀は立ち去っていく妖怪達を最後まで見送る。

そして、「さてと」と見送りを終えた勇儀は霊夢と魔理沙の方へと視線を移した。

霊夢と魔理沙は警戒をいれる。

 

まあ、それもそうであろう。

何故なら、この勇儀という鬼からはものすごい妖力を感じるのである。

恐らくパワーだけなら今の弱体化した自分達では勝てない可能性がある。

 

しかし、緊張した瞬間も一瞬で幕を閉じるのであった。

 

勇儀「おいおい、そんなに警戒何てしなくていいさ」

 

盃の中のお酒をグイッと飲みながら告げる勇儀。

 

勇儀「私は別にお前達を殺そうなんて考えてないよ」

 

本当か嘘かは分からないがどうやら勇儀に殺意はないようである。

たしかに勇儀からは殺気のようなものは全く感じ取れない。

霊夢と魔理沙は、少しだけ肩の荷を下ろした。

どうやら、こいつは敵ではないそう認識したのである。

 

勇儀「どうやら、信じてもらえたみたいだね」

 

もう一度、酒を飲みながら告げる勇儀。

霊夢は、警戒は無くなっているようだが目を鋭くし勇儀の方へ視線を送った。

 

霊夢「まだ、完璧ではないけどあんたからは殺気を感じない。だから、警戒を解いただけよ」

魔理沙「ああ」

 

それを聞いた勇儀は、盃に入っているお酒を一気に口へ運んだ。

そして、霊夢達にこう告げる。

 

勇儀「やれやれ、どうやら最近の人間、少しは話が通じるみたいね。私はてっきりすぐさま襲ってくると思ってたよ」

霊夢「ふん、それはお互い様よ」

 

霊夢は勇儀の方へコトコトゆっくり足音を立てながら迫った。

魔理沙も霊夢の後を追うように勇儀の元へ歩く。

そして、霊夢はついに勇儀の目の前まで足を運んだ。

この距離感恐らくお互いに警戒心があるなら近づけない距離であろう。

そう2人は認めあったのである。

お互い敵ではないと…。

 

霊夢はゆっくりと勇儀の方へ手を差し伸べる。

それを見た勇儀はニヤッと笑い。

その手を握り返すのであった。

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