東方龍球伝   作:清川 明希

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突如、現れる気配無き少女 第130話

間欠泉の妖怪から巡りに巡りやっとの思いでたどり着いた地霊殿。

果たして、この建物の中には一体何があるのだろうか…。

 

霊夢「やっと着いたわね。地霊殿…」

 

周りの環境に同化し不気味なオーラを放つその建物をしみじみと見つめる霊夢。

いや、霊夢だけではない横にいた魔理沙の方も同じである。

思えばただ温泉で体を休めるはずだった2人が今から敵の陣地に乗り込むのである。

2人の表情に真剣さが浮かぶのも当然であった。

 

霊夢「行くわよ!魔理沙!」

 

そう告げると同時に扉へと手をかける霊夢。

魔理沙も霊夢の後ろに張り付くように扉へと近づいた。

 

ギィ〜〜〜〜

 

大きな扉は大きな音とともにいとも容易く開いた。

 

霊夢「あれ?案外簡単に開くのね」

 

正直、この旧地獄の中心部ということはそこそこの防犯システムや罠があると思っていた霊夢。

あっさりと空いてしまった扉に少し呆気なさを感じた。

 

魔理沙「まあ、簡単に侵入できる分にはいいじゃねえか」

 

霊夢とは違い呆気ないというよりラッキーという気持ちが勝つ魔理沙。

まあ、確かに下手に体力を使うよりはこちらの方が都合が良いのは確かである。

 

霊夢「う〜ん…。まあ、それもそうね」

 

魔理沙の言う通り簡単に侵入出来て損はない霊夢はそう割り切りついに建物の中へと歩を進めるのであった。

 

コンッコンッ

 

建物の中は狭っ苦しい廊下が続いてるというよりは、大きなショッピングモールのように中は広くなっていた。

今更だが霊夢と魔理沙は地霊殿内の通路を何一つ知らない。

強いて言うならば、唯一の手がかりを掴む方法として気を探る能力を使い、この建物の上に何やら周りとは一風変わったボスのようなものがいることは分かった。

たが、肝心の上へ向かう階段が何処にあるかが分からないのである。

壊して無理矢理上に上がろうにも完全に黒かどうかが分からない以上下手なことも出来ないのである。

 

霊夢達にできることはひたすら歩き回ることだけであった。

 

魔理沙「なぁ、霊夢…」

 

しばらくして、ついに痺れを切らした魔理沙が声を漏らす。

 

霊夢「何よ?」

 

魔理沙の言葉に反応した霊夢はクルッと魔理沙の方へと顔を向けた。

霊夢の視線にはダラダラめんどくさそうな魔理沙が写る。

 

魔理沙「さっきから闇雲に歩いてるけどいったいいつまで歩くんだよ」

霊夢「そんなの私に分かるわけないでしょ。今はただ歩き回るしか方法がないんだから」

 

そう告げるとすぐさま前を向き歩き出す霊夢。

魔理沙は、ため息をつきながらも渋々進んでいくのであった。

 

その時!

 

霊夢「………」

 

霊夢が急に歩を止めた。

魔理沙は、そのまま霊夢の背中にぶつかる。

 

魔理沙「急に止まんなよ霊夢」

 

魔理沙が霊夢に少し疲れた声で告げる。

しかし、霊夢に魔理沙の声は一切届いていない。

 

魔理沙「霊夢…?」

 

そんな、霊夢に少し疑問を持つ魔理沙。

と、その時だった!

 

急に霊夢は手にエネルギーをためた!

そして!

 

霊夢「そこよ!」

 

そう告げると左斜め後ろあたりに急にエネルギー弾を放つのであった!

 

ヒュン

 

威力は大したことはないがかなりのスピードを秘めるエネルギー弾はそのまま何もない壁の方へと飛んでいく。

 

魔理沙「おい、霊夢?」

 

霊夢の謎の行動に戸惑いを隠せない魔理沙。

霊夢の次は魔理沙が少しフリーズするのであった。

 

ドンッ

 

大きな音と爆風を広げる霊夢のエネルギー弾。

すると…。

 

???「痛っ」

 

魔理沙「!!」

 

なんと、爆風の中から何者かの声が聞こえた。

魔理沙は、咄嗟に声の方へ目線を向ける。

すると、爆風の隙間から…。

 

???「いたたた」

 

な、なんと、そこには緑髪の少女がいた。

魔理沙は、少し呆然としてしまう。

何故なら、魔理沙は、付近に一切気配を感じていなかったのである。

これだけ近くの距離にもしいたなら当たり前のように気づけるはず。

 

魔理沙「おい、霊夢あいつは一体!」

 

霊夢の方へと視線を向ける魔理沙。

 

霊夢「さあね。ただ、何か分からないけど僅かに気配を感じたから撃っただけよ」

魔理沙「気配って…私は何にも感じなかったけど…。てか、お前、いつから気づいてたんだ?」

霊夢「気配自体は入った瞬間から気づいてたわよ。ただ、何度振り返ってもそこには誰もがいなかったから気に止めないようにしてたけど流石にここまで接近されたら撃たないわけにもいかないでしょ」

 

自分には、全く感じることの出来なかった気配を当たり前のように感じていた霊夢。

魔理沙は、この時、改めて霊夢の凄さに気づいたのであった。

 

霊夢「まあ、今はそんな事よりあの少女ね。見た感じ妖怪っぽいけど何者かしら?」

 

霊夢はそう告げると魔理沙と共に少女の方へと歩み寄った。

少女は、そんな霊夢達に対して逃げる素振りもなくニコッと笑みを浮かべる。

 

???「お姉ちゃん達すごいね!まさか、私の存在に気づくなんて」

 

近づいてくる霊夢達に対しなんの警戒心もなくフレンドリーに話しかけてくる少女。

その姿はまさに純粋無垢な子供であった。

 

霊夢「あなた、一体何者?どうして、私達についてきてたの?」

 

あまりに隙だらけの少女に対し一歩距離をとり質問をする霊夢と魔理沙。

どうやら、よっぽどこの子の能力を警戒しているようである。

 

???「え、私?私はこいしだよ。古明地こいし。お姉ちゃんに頼まれてちょっと跡をつけてたの」

 

突如、現れた謎の少女、こいし。

そして、彼女のお姉ちゃんとは?

 

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