東方龍球伝   作:清川 明希

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失踪する確率75パーセント


謎の雲目指して! 第94話

霊夢「あそこよ!」

 

霊夢が視線を一点に集中させながらそう告げた。

悟空と魔理沙は「あそこ?」と少し疑問に思いながら霊夢の視線の先に目をやった。

 

そこには!!

 

『ぐおぉ〜〜』

と溢れんばかりの緋色の雲が集まっていた。

その雲の量は、例えるならば溢れた水のように山の頂上に密集している。

まあ、要するに怪しいのである。

 

魔理沙「ありゃりゃ、まさか、探しにいこうとしたら既にあんなに怪しい場所があるとわな」

 

魔理沙は、少しつまんないようなラッキーなような複雑な気持ちになった。

魔理沙は、少し異変を楽しんでる面もあるでこのような簡単な感じは嫌なのであろう。

 

霊夢「まぁ、これはラッキーと捉えて早く行きましょ!」

 

そんな魔理沙の心を読み取ったのか霊夢は魔理沙にそう声をかけた。

なんやかんやいったも最近、霊夢も異変を楽しむようになって来てしまっているので魔理沙と心情は一緒なのであろう。

前までは異変をめんどくさがっていたのに随分と変わったものである。

何故こうなったかは、もはや皆も分かるであろう。

 

悟空「あっちは確か妖怪の山っちゅうとこだな。よし、速く行くぞ!二人とも」

 

そう、彼のせいである。

霊夢と魔理沙の師匠になった彼だからこそ戦いの楽しさを二人に伝えることが出来たのである。

異変を楽しむのは、どうかと思うが………

 

 

霊夢「ええ!」

魔理沙「ああ!」

 

悟空の言葉に対して気合のこもった声を返す二人

 

『ビューン』『ビューン』『ビューン』

 

そして、3人はその声と共に速度を上げ雲の元へ向かうのであった。

 

〜数分後〜

 

霊夢「よし、やっと着いたわね」

 

霊夢がそう2人に声をかけた。

そして、山を見上げる3人。

 

魔理沙「やっぱり、この上だけ雲は晴れてないみたいだな」

 

そう魔理沙の言う通り山の頂上は緋色の雲で覆われており以前訪れた時と比べ山に迫力が増していた。

だが、こんな迫力で恐る霊夢と魔理沙ではない。

彼女達にとってはこんなの日常茶飯事大したことでは無いのである。

幻想郷とは、実に不思議な場所であり誰が何をするかわからない恐怖に毎日襲われているのである。

 

悟空「よし、行くぞ!」

 

悟空が2人にそう掛け声をかけた。

その声はいつにも増して気合が込められており霊夢、そして、魔理沙を引き立たせるエンジンにもなった。

そして、3人は山の頂上を目指し空高く上がるのであった。

 

〜数分後〜

 

霊夢達は無事 緋色の雲の所まで登りつめた。

 

霊夢「やっと着いたわね」

 

霊夢は、そう言いながら一呼吸出す。

そして、周りの光景を見渡した。

 

霊夢「まったく、本当に凄い雲ね視界が曇って奥まで見えないわ」

 

その光景は、霊夢の言う通り雲に覆われており視界がぼやけていた。

要するに死角が多くなっていたということだ。

 

悟空「油断するなよ。霊夢、魔理沙 急に敵が襲い掛かってくっかもしんねえからな」

 

その光景を見た悟空は、霊夢と魔理沙に身構えるように命令をだす。

まあ、それもそうであろう。

今の自分達の状況は敵の本拠地に飛び込んだも同然いつ襲われても不思議じゃないのである。

 

霊夢「わかってるわよそれぐらい」

 

そう言いながら周りに集中する霊夢

 

 

その時!

 

 

 

???「おや?天狗ではない。河童でもない。幽霊でもない。にんげんだなんて……。山の上まで人間が来るなんて珍しいですわ」

 

何やら不気味な声が聞こえた。

その声に対して警戒を入れる悟空、霊夢そして、魔理沙。

 

霊夢と魔理沙は、声の発信源が分からず少し戸惑ってしまう。

その時、「上だ!」急に叫びながら2人にそう告げる悟空

 

霊夢と魔理沙は、悟空の言う通りすぐに上を見た。

そこには、紫っぽい髪の色をした女性がプカプカと浮いていた。

 

霊夢は、すぐさまその女性に対して「何者!」と口調を強めていった。

 

その言葉を聞いた女性は、クスッと笑った後、霊夢達にこう告げた。

 

???「私の名前は永江衣玖と申します」

 

女性は、霊夢に対し礼儀正しく返答をした。

見た目的にも異変を起こしそうな雰囲気のない女性であったがこの雲の中から出てきた謎の存在 霊夢ら更に質問を重ねた。

 

霊夢「衣玖って言うのね、じゃあ、次の質問をするわ!」

 

そういった直後、衣玖に対して指を指す霊夢

 

霊夢「貴方は、何者なんでこんな雲を出したの?」

 

どうやら、霊夢はこの雲を出したのはこいつで間違いないと考え衣玖にこの雲の事について尋ねたようだ。

 

衣玖「別に私は悪いことをしようとしてこんな雲を持ってきたわけじゃないわ。私達はね異変を知らせに来たのよ」

 

その言葉を聞いて一瞬 言葉が詰まる霊夢達

それもそのはず、異変の主犯だ!と思った奴が異変を知らせに来たと言うのだから……。

そんな、霊夢達の心を察したのか衣玖が説明を始めた。

 

衣玖「私達は異変を伝えるために空を泳ぐ竜宮の使いなの」

悟空「竜宮の使い?」

 

悟空がリピートするように尋ねる。

 

衣玖「ええ、そうよ。私達は竜宮の使いとして、色々な自然現象を伝えるためにいろんなところを回っているの」

 

衣玖がコツコツと説明を続けていく。

と、その時!

 

霊夢「自然現象って…、一体どうやって伝えるのよ」

 

霊夢が衣玖の説明に割り込むようにして言った。

確かに霊夢の言う通りである。

ただ空を泳いでるだけで自然現象を伝えれるわけがない。

霊夢は、どうやらまだ、衣玖の事を疑っているようだ。

 

霊夢「それに、この雲を出したのはあなたでしょ?私達はそれを異変だと思ってるんだけど?」

 




当初の予定では夏休みはバンバン投稿しようと思っていましたがまさかのほぼ毎日が塾で潰されてそんな時間ありませんでした……。



【お知らせ】
週2投稿に変更します!(もしかしたら、週3〜4かも)
まあ、要するに空いた時間を見計らって頑張ります!
あ、100話記念はしっかり考えてるんで!
内容も少し固まって来ました!


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