衣玖「この雲が異変……。ふふふ」
衣玖は霊夢の言葉を聞き少し笑みをこぼした。
その笑みはまるで霊夢を見下したかのように霊夢の心に入り込んでくる。
そして、それが徐々に霊夢に怒りの感情を浮かべさせた。
霊夢「何笑ってんのよ!」
霊夢の眼光が鋭くなる。
その迫力はまるで目の前にいる獲物に襲いかかるトラのような感じを漂わせた。
そんな霊夢の表情を見かねた衣玖は霊夢に囁いた。
衣玖「顔が怖いわよ」
その声はなんの動揺も感じられなく霊夢が怒っていることに対してまるで無関心だった。
霊夢「悪かったわね!この顔は生まれつきよ!それより早く説明しなさいよ。この雲がなんなのかを!元より私達はこの雲目的でここに来たんだから」
表情はまだ怖わっているものの少し心を落ち着かせた霊夢は雲の説明を要求した。
衣玖「分かったわよ。私達が自然現象を伝えに来たって事はさっき話したわよね」
魔理沙「ああ、それで世界を回ってるんだよな」
衣玖の言葉に対して温厚な言葉を返す魔理沙
だが、この後に続いて霊夢が「そんな、話はどうでもいいわ!それより早く雲の説明をしなさいよ!」と少し尖った口調で衣玖に言った。
どうやら霊夢の苛立ちはおさまっていないようだ。
しかし、そんな霊夢とは対照的に衣玖は、「気が早いわよ。順を追って説明するから少し待ちなさい」と優しめな口調で言葉を返した。
それを聞いた霊夢はこれ以上イライラしているのはみっともないと感じ取り軽く深呼吸し自分を落ち着かせた。
衣玖「落ち着いたみたいね」
霊夢の深呼吸を見た衣玖は霊夢が落ち着きを取り戻したことを確認する。
霊夢「ええ、少し焦ってたみたいだけど落ち着いたわ。話の続きをして頂戴」
どうやら、霊夢は完全に落ち着きを取り戻したようだ
まあ、霊夢が怒っているのもよく考えれば普通なのである。
今まで住んできた思い出の神社が壊れてしまったのだから。
どんな人でもきっと自分の家が壊されたら怒りを持つはず霊夢が怒るのも不可解なことではないのである。
衣玖「じゃあ、さっきの続きをするは、私達は世界を回るのと同時に今みたいに緋色の雲を出したり緋色の霧を出したり、時には、空全体を緋色に染める時もあるわ。私達は数々の緋色の物を使い分けそして、その種類で一体何が起こるのかを教えているのよ」
話を聞く限りどうやら本当に衣玖は敵ではないようだ。
ただ単に自然現象を伝えに来ただけ何一つとして幻想郷に害を与えていなかったのである。
霊夢「なるほどねぇ。種類を使え分ける事によって何が起こるのかを区別してる。よく、考えられてるわね」
さっきの言葉を聞いた霊夢は完全に衣玖にたいしての敵意は消え去った。
どうやら衣玖のことを信頼したようだ。
だが、しかし、こうなってくると少し疑問が出て来てしまった。
悟空「じゃあ、緋色の曇って一体何を伝える奴なんだ?」
悟空が衣玖に尋ねる。
そうよくよく考えてみれば確かにその通りである。
衣玖は今この地に緋色の曇を広げた。
という事は、つまり幻想郷で自然現象が起こるという事である。
悟空達は、その返答を待った。
しかし、その返答は実に以外なものであった。
衣玖「緋色の曇は大地を揺るがすと言う意味よ」
その言葉を聞いた瞬間、悟空、魔理沙、そして、霊夢が硬直状態になってしまう。
そして、数秒間 無言の空間が流れたのであった。
魔理沙「おい、今なんて言った?」
この無言の空間を終わらせるべく魔理沙は確認を取るように再度 衣玖に尋ねた。
衣玖「緋色の曇は大地を揺るがすもの まぁ、要するに地震のことよ」
今度は直接 地震と言う単語を口から吐き出す衣玖
その言葉を聞き霊夢達は確信をもった。
霊夢、魔理沙、悟空は一度顔を見合わせる。
それと同時に3人とも首を同時に縦に振る。
どうやら、3人とも考えたことは同じのようだ。
3人は、再度 衣玖の方へと顔を向けた。
そして、衣玖にこう告げる。
霊夢「地震ならもう起こったわよ!」
衣玖「えっ!」
霊夢の発言が予想外だったのか衣玖は素っ頓狂な声を響かせた。
衣玖「もう、地震が起こったですって!」
再度 確認をとるように確かめる衣玖
霊夢「ええ、起こったわ!てか、最初はそれについて調べてたしね」
霊夢に確認をとる衣玖であったが勿論 霊夢の解答が変わるわけがない。
衣玖は少し考える表情を浮かばせた。
そんな表情を不審に思ったか霊夢が尋ねた。
霊夢「ちょっと、ちょっと、そんな険しい表情を浮かべてどうしたのよ?」
衣玖の顔を覗き込むように尋ねる霊夢
衣玖「いや、少し不自然なのよ」
霊夢「不自然?」
衣玖の言葉をリピートするように尋ねた。
衣玖「ええ」
衣玖は相槌を打ちすぐに集中し自分だけの空間に入り込んだ。
そんな、衣玖を見て疑問に思った霊夢は直接 衣玖に尋ねる。
霊夢「一体、何が不自然なのよ?」
その言葉を聞いた衣玖は視線を霊夢の方に移す。
そして、霊夢の目を見た。
霊夢のあまりに真剣そうな目に誘われたか衣玖が事情を説明し始めた。
衣玖「実はこの曇 自然現象がおこったら消えるのよ。でも、さっき地震があったのに全然曇が変えようとしない。一体、どうして……」
そうこの曇は、地震を知らせたための曇なので本来起こった後ならば曇は消えるはずなのである。
だが、現に今も曇は消えることなくプカプカと浮き続けている。
衣玖はこの事について考えていたのであった。