未来日記〜1st、リリカルに行く〜 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
ある真っ白い空間に、一人の少年と少女がいた。
年は5、6歳くらいだろうか、かなり幼い姿である。
その少女は額に2、という数字が書いてあり、真っ白い空間にいた。
そこで少女は、退屈そうな顔をしながら寝転がりながら漫画本を読んでいた。
「ん〜〜〜〜、新しい漫画でもとりにいくかの?」
そう言い、少女はどこかへ歩いて行く。
そして、その近くに寝そべっていたのは、体がすべて隠れてしまうほどの大きさのマントを着ている少年。
こちらは中学生なのだろうか。
顔の幼さとは裏腹に、その雰囲気はどこかお爺さんのような、そんな感じの雰囲気だった
その少年は、寝転がりながら、口も開かず、ただただ呆然とケータイを見つめていた。
どうやら、メモ帳を見ているようだった。
そして、そこに書かれた文字は、
『7/28 4:57[桜見中学校]
由乃が死んだ。』
そう、書かれてあった。
それを見ている少年の目は、まるで、何も見ていない様な、そんな感じに見える。
「…………由乃……」
その言葉は、まるで、愛していた者が死んでしまった時に出てくる声だった。
少年は、ケータイを胸の前まで持って行き、そのまま抱きしめた。
まるで、愛する人を抱きしめるように。
そして、いつもならば、このまま時が過ぎるだけだったが、今回は、違った。
ザザザザザザザザザッ
「?!?!?!」
ケータイから聞こえるその音に、少年は急いでケータイを見ると、その画面にはノイズが走っていた。
突然。
少年の下に黒い穴が現れる。
それは、幼い頃に一回は作ったであろう落とし穴によく似ていた。
落ちて行く少年。
少年は手を伸ばさない。
誰も掴んでくれないのを知っているから。
少年は、呟く。
「由乃……」
少年が、目を開けると、そこは、
見知らぬ街だった。
ふと、少年はケータイを見る。
そこには、5000年前まで見慣れた文章の羅列。
少年は、その文字の羅列をどんどん読んで行く。
そして、しばらく立ったその時、その少年の手が止まる。
そこにあったのは、
『12/32 2:00[自宅前]
由乃に会った』
それを見た少年の口角は、どんどん上がって行く。
だが、その表情も、次に書かれた一文で、どんどん曇って行く。
『12/32 4:57[自宅前]
1st天野雪輝は、ーーーに殺される。
DEADEND』
「嘘、だろ?」
それは、少年がこの世界にきてから始めて発した言葉。
その言葉には、希望と、絶望の二つが込められていて、叫びにも聞こえ、はたまた夢が叶った時のような声にも聞こえた。
少年は、歩き出す。
何も考えずに、ひたすらに。
見るのは目の前でなく、ケータイ。
ケータイには、過去のことではなく、未来のことが記されていた。
あれから、どのくらいたったのだろうか。
少年は、山奥の目の前のボロボロな廃工場を見ていた。
「今日は、ここに一晩こそうかな」
誰に言ったわけでない、自分に向けての言葉。
ドンッドンッ!!
その音は、廃工場から聞こえた。
聞き慣れた音。
5000年前まで自分が出していた音。
これで、いくつの命を奪ったのだろうか。
少年は、その音に物怖じすることなく、そのまま背を向けて去ろうとする。
だが、
「だ、誰だ?!お前は?!」
後ろから聞こえる声。
少年は、後ろの人間に気づかれないように、そっとケータイを見る。
『4/3 18:46[廃工場前]
大男が銃を突きつけながら質問して来る。』
日記が、書き換わっていた。
最後に日記を見た時に記されていたのは、『廃工場に入る。』という表記だった。
…………ひたすら歩き続ける前だったが。
「おい兄ちゃん!!
いまここでやってることは黙っておこうな」
少年の背中に当たる拳銃。
「はい」
「よしよし、良い子だ。
早くお家に帰りな」
「いや!!殺せ!!そいつ!!」
大男の後ろから聞こえる声。
その男は、少し痩せ型で、身長は平均より小さめだった。
服装は大男と同じ、黒スーツ。
「あ?何でだよ?」
少年はその言葉と共に少年は、逃げ去る。
「あ、待ちやがれ!!テメェ!!」
大男は、拳銃を発砲する。
だが、少年には当たらない。
「このっ!!」
ドンッ!!
苦し紛れの一発は、素っ頓狂なところに飛んで行くはずだったが、
バシュ!!
少年の足から血が噴き出す。
少年は思わずその場に座り込んでしまう。
そこへ、大男は近寄り、頭に拳銃を押し付ける。
「ま、ゴメンな、命令なんだ」
そう言って引き金を引く。
はずだったが、
少年はいきなり大男の拳銃を手ごと掴み、大男へ向ける。
一瞬の間で理解できなかった男は、少年が引き金を引くのを理解できずに、立ちすくんだまま。
ドンッ!!
打たれた。
その弾丸は肺を突き破ったのだろう。
男は口から血を吐き、少年に覆いかぶさる。
少年は、何も話さないまま、大男の拳銃を奪い取り、小柄な男の方に向けるが、
「?」
そこには、誰もいなかった。
周りからは何も聞こえず、少年はホッとしたが、
「コッチだ!!コッチに来てくれ!!」
目の前には、小柄な男が黒スーツの軍団を引き連れて来ていた。
4月の、肌寒い日だった。
まだまだ、至らないところもありますが、見て頂ければ、幸いです。