未来日記〜1st、リリカルに行く〜   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

11 / 23
再投稿しました。

見直したところ、未来日記のダイジェスト、すごくいらないことに気づきました。

なので、そこら辺はごっそり削除して、次話に書くつもりのやつだった話の1/3を混ぜました。

既視感を感じた皆さん、すいませんでした。


第11話

「くっ……」

 

僕はその言葉に、少しの残念な気持ちを持ちつつも、やっぱりか、と開き直り、速攻逃げようとする。

 

「ふふっ、こんな場面で逃げるなんて、ビビりって言うのかな?」

 

だが、彼女は笑いながら僕を追いかける。

 

僕はこんな時にも関わらず、冷静だった。

 

日記を確認しながら工場の扉に向けて走り出す。

 

だが、

 

ザザザザザザザザザザッ

 

『5/9 17:17[廃工場]

 

 目の前のピアノ線を飛び越える。

 

 だが、その先へ足をつけると、とても大きい音がなった。』

 

「!!」

 

ズザザザザッ

 

僕は慌てて足を止める。

 

すると、日記の表記は変わる。

 

「あれ、気づいちゃったんだ。

 やっぱり凄いね、その日記」

 

だが、振り返るとそこには彼女が迫って来ていた。

 

『5/9 17:18[廃工場]

 

 彼女が迫って来た後、ピアノ線を飛び越え、足をつけた。

 

 すると、大きな音が鳴った。』

 

僕はその表記に舌打ちしながらも、僕は未来を変える。

 

 

 

僕の日記は、周囲の事を無差別に記した『無差別日記』

 

だが、この日記には、一つ、大きな弱点がある。

 

 

それは、"僕のことについて全く記されていない"ところだ。

 

 

それくらいどうにでもなるだろう、と思うが、これはかなりの弱点だ。

 

それは、自分の状態が分からないと、僕は日記を見ただけでは、それがで僕が怪我をするのか、無傷なのか、はたまた死ぬのかが、全く分からない。

 

 

でも、これは昔の僕を顕著に表していると思う。

 

 

"僕は傍観者だ"

 

 

昔からそう思いながら日記をつけてきた僕の甘え。

 

だけど、

 

「今は、違う!!」

 

僕は拳を握り、振るう。

 

 

ぐしゃり

 

 

そんな感覚が手に伝わると共に、彼女は倒れた。

 

「はぁ…………、はぁ…………」

 

肩で息をしながら、僕は彼女の元へ歩んでいく。

 

本当は逃げればいいのだが、彼女がおそらく持っている未来日記を奪うために、彼女の元へいく。

 

まぁ、ノイズ音がしたからもう確信してるんだけど。

 

僕が倒れている彼女のすぐそばに立ち、しゃがもうとすると、

 

「私の日記は」

 

彼女の小さな声が聞こえた。

 

僕は少し離れて、逃げる準備をする。

 

「私の日記は、『復讐日記』。

 内容は、実に簡単で、私が復讐したいという気持ちが一定以上に達すると、その人のことが日記に表記されていく。

 表記される内容は、"その人に何をすれば一番復讐が叶うのか"が3つ表記される。

 

 そして、日を重ねる毎に、その方法はどんどん詳しくなっていく」

 

顔は見えなかったが、彼女は確かに笑った。

 

ぞくりと背筋が凍る。

 

 

「そして、私からあなたへの復讐は…………」

 

そして、彼女は少し黙った後、

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

鼓膜が破れそうな勢いで叫んだ。

僕は思わず耳を塞ぐが、疑問が頭に浮かぶ。

 

なんで、叫んだりしたんだ?

 

そこで僕はその意図に気づき、その場から逃げ出そうとした。

 

そう、これは僕を悪者にするための罠なのだ。

 

この廃工場は、あまり商店街から遠くない。

 

さっきの大きい音も同じく、この場で大きい音を出せば、少しだけだが、商店街に聞こえるはずだ。

 

そして、この場に二人しかいないのをいい事に、彼女は嘘で言いくるめ、僕を悪者に仕立て上げる。

 

早く逃げなければ、そう思ったが、

 

「「「「「雪輝(くん)!!」」」」」

 

その声で僕は足を止めた。

 

 

だって、その声は、

 

「雪輝…………」

 

「なんでこんな事…………」

 

「雪輝くん!!なんで!!」

 

なのはちゃんとフェイトちゃんは唖然とし、はやてちゃんは怒り、

 

「大丈夫?」

 

「あ、傷ない?

 私応急処置くらいだったらできるから」

 

アリサちゃんとすずかちゃんは彼女に駆け寄った。

 

 

そうして、みんなは彼女の元へと言って心配そうにしていたが、彼女はいかにもやせ我慢をしてそうな笑顔を浮かべ「大丈夫だから」と言っていた。

 

「立てる?」

 

「うん……」

 

彼女はまるで怪我をしているかのように振る舞い、すずかちゃんとなのはちゃんの肩を借りて、立ち上がる。

 

そして、立ち上がったはいいものの、彼女はよろけ、僕にぶつかる。

 

僕が彼女を受け止めると、小さな声で一言。

 

 

 

 

「どう?」

 

 

 

 

その後、彼女はアリサちゃん以外のみんなに連れられていった。

 

立ったまま某然とする僕。

 

アリサちゃんは、僕のところへ近づき

 

 

 

「サイテー」

 

 

 

パシンッ

 

 

 

 

後日、彼女の名前を知った。

 

そこで「出来過ぎだな」と言った僕は何もおかしくないはずだ。

 

彼女の名前は『雨流 みねね』

 

僕の世界での未来日記所有者、9thと同姓同名だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからというもの、僕はそりゃもう丸分かり、という言葉が合い過ぎるくらいに警戒された。

 

特にアリサちゃん。

 

 

あれは視線で人を殺せるくらいだと思う。

 

 

で、そんなに警戒されている、という事は、僕もむやみに動く事ができず、かれこれ二週間日記には『五人に特に変わった事はない』と記されていた。

 

 

僕もなんだかんだ言ってなのはちゃんたちが心配だから、日記を使って安否を確認している。

 

 

その理由は、やっぱりみねねさんに関係する。

 

みねねさんは僕に殴られた日の翌日から学校で五人と仲良くしているところが多く見られた。

 

 

僕だって、何も知らなかったら特に何も気にしないけど、相手はいまだ内容があやふやな『復讐日記』の持ち主。

 

僕の目には、彼女の行動の一つ一つが全て復讐日記に書かれている行動なのでは?と思ってしまう。

 

 

なので、監視されている事もあり、しばらく黙って五人の事を逆に監視していたが、特に何もないようだった。

 

 

僕は日が過ぎる毎に安心感が胸の内に広がって行くのを感じたが、僕は気づけなかった。

 

 

 

 

まず、未来日記とは、本来その持ち主がつけていた(・・・・・)日記に未来を見る事ができる機能を後付けしたものなのだ。

 

 

 

という事は、

 

 

 

彼女は未来日記を持つ以前に『復讐日記』をつけていた、という事になる。

 

 

 

僕は気づけなかった。

 

 

 

そんな日記をつけていたやつが普通じゃないことを。

 

そんな日記をつけていたやつが、二週間復讐する相手に何もしない、ということはあり得ない、という事に。

 

 

 

 

あと少しで五月が終わる事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『5/23 12:10[聖祥中学校]

 

 またみねねさんが五人と一緒にいる。

 

 特に変わったところはない。』

 

 

僕の今現在の日記はこうだ。

 

だが、僕はこれだけの情報では少な過ぎるため、更に情報を集めるため、少し未来を変える。

 

『5/23 12:12[聖祥中学校]

 

 五人は警戒する。

 

 僕の質問に、五人は「全然」と答えた。

 

 嘘ではなさそうだ』

 

これは、僕がみんなに近づき、話しかけて、「この頃どう?」と質問した場合の未来だ。

 

 

基本、ノイズ音は未来を変える行動をした時や、その行動に気づいた時になるものであり、この様に意思のみで未来を変えた時には、行動も何もしていないのでノイズ音はしない。

 

 

僕は一人で弁当をもくもくと食べながら、ケータイを見つめる。

 

僕にだって、あの五人以外にこの学校に友達はいるが、あまり仲良くない。

 

 

原因はきっと五人で食べてた昼食のせいなんだろうけど…………

 

だって、あれが始まってから明らかに昼食に誘ってくれる友達が減ったのだ。

 

 

だが、友達はいる。

 

断固としてぼっちではない。

 

 

僕はそう自分に言い聞かせながら空になった弁当箱を片付ける。

 

 

そして、ケータイから目を離し、立ち上がろうとすると、

 

「あの…………」

 

「!!」

 

ガタガタッ

 

僕はいきなり聞こえて来た声に椅子を倒してしまい、周囲の視線を集めてしまった。

 

僕は恥ずかしかったので、椅子を直しながら俯いていると、みんなの視線は散らばって行った。

 

 

そして、椅子を直し終わり、声の方に視線を向けると、そこには、

 

「雪輝……」

 

「雪輝、今日の放課後、私の家に来て」

 

なのはちゃんとフェイトちゃんがいた。

 

 

「え、二人とも、どうしたの」

 

「じゃあ、それだけだから」

 

「じゃあね」

 

二人はそれだけ言って去って行く。

 

 

はい?

 

 

僕はその声が出なかったのが奇跡だった。

 

 

 

 

5月の、風の音がやけにうるさい日でした。




大きい音の説明を。

大きい音、は廃工場内に仕込んでおいた、手動で遠隔操作が可能なサウンドスピーカーを、雪輝くんがピアノ線を飛び越えて、地面に足をつけた時に鳴らす事により、雪輝くんはまるで"足をつけたから鳴った"と思うようにした、という事です。


ちなみに、みねねさんの容姿のイメージは、黒髪の大和撫子的な感じです。

あと、アンケート始めました。

1ヶ月期間があるので、気づいたら見てくださると、幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。