未来日記〜1st、リリカルに行く〜   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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第12話

僕は今、なのはちゃんとフェイトちゃんに言われたとおり、フェイト・T・ハラオウン宅に来ている。

 

「日記も確認したし、特に変わったこともない、退路も確保してるし、大丈夫なはず」

 

日記にはしっかりと窓を開けてベランダから飛び降りて、下にトラックがある、ということも実際に見て、確認済みだ。

 

「で、今回の目的はみねねさんのことについて何も聞かれないこと」

 

とりあえず未来日記には、なのはちゃんとフェイトちゃんが、みねねさんになんであんなことをしたのか、と聞かれる。

 

僕がなんて答えたのかは分からないけど、最終的にはなぜかなのはちゃんとフェイトちゃんが未来日記のことについて知ってしまう。

 

で、僕は今回、みねねさんの話が始まる前に、僕が「その前に、お茶飲もうか」といい、冷蔵庫からお茶を取り出そうとするが、冷蔵庫にはお茶がない。

 

 

これは未来日記の情報だけだが、流石に冷蔵庫の中まで注意を払ってはいないだろう、と考えているので、失敗した時はその場で臨機応変に対応する、ということで。

 

 

で、僕はお茶がないのでどうする、と聞けば、二人は一度買い出しに行こうか、という話になり、結果なのはちゃんとフェイトちゃんが買い出しに行き、僕が留守を守る、という不思議な状況が出来上がる。

 

 

買い出しから帰って来たあと、もっかい話に戻るのだが、結局時間が遅くなってしまい、結局うやむやになる。

 

「よし」

 

誰にも行ったわけでもない言葉。

 

 

そして、僕は戦場へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪輝はドアを叩く。

フェイトの家は、聖祥中学校から徒歩で15分くらいのところに位置する10階建てのマンションの一室だ。

 

「あ、雪輝、いらっしゃい」

 

ガチャ、という音と共にドアから出て来たフェイト。

 

「お、おじゃまします」

 

雪輝は少し言葉に詰まりながらも、しっかりと断りの言葉を言い、部屋にはいる。

 

雪輝は内心ホッとしていた。

 

雪輝は数回フェイトの家に来ていたのだが、それはいつもなのはたちと一緒で、なおかつみんなと話しながら来ていたので、雪輝は道がうろ覚えだったし、部屋の番号に至っては、覚えていたことは覚えていたのだが、一人で行ったことから、不安になり、かなり緊張していたのだ。

 

「今日は何の話?」

 

雪輝は頭の中に一生懸命に詰め込んだ日記の内容を思い出す。

 

「うん、後で話すよ」

 

雪輝はまたもホッとする。

このまま続けばいいのだが、と雪輝の顔にはありありと現れていて、赤の他人から見ても一発で分かるほどだったのだが、幸い雪輝はフェイトの後ろをついて歩いていたおかげで顔を見られることはなかったため、フェイトに知る由はなかった。

 

「雪輝……」

 

雪輝たちがリビングに入ると、中央に置かれていたテーブルの前に、なのははちょこんと正座していた。

 

フェイトは、座布団をテーブルを挟んでなのはの向かい側に置き、雪輝に座るよう促す。

 

雪輝は未来日記通りに事が行われていることに安心感を覚えつつ、座布団の上に座る。

 

 

 

 

「じゃあ、話だけど…………」

 

「あっ、その前にお茶飲もうか」

 

雪輝は危うくタイミングを失うところだったが、雪輝の予定通りに雪輝は動く。

 

そして、雪輝は順調すぎることににやけそうになるが、表情を変えないようにしながら、お茶を取りに行こうと立ち上がった。

 

 

 

 

だが、

 

 

 

雪輝()雪輝()は微笑まなかった。

 

 

 

 

ザザザザザザザザザザザサッ

 

ノイズ音(・・・・)

 

 

しかも、二つ(・・)

 

 

雪輝のケータイは、鳴らない。

 

いや、鳴るはずがない。

 

だって、自分自身で未来を変えたから。

 

なら、誰のケータイ、いや、

 

誰の未来日記がノイズ音を発したのか。

 

 

 

「やっぱり……」

 

「雪輝、持ってたんだ」

 

なのははガラケーを開き、

フェイトはスマホをつけ、

 

その画面を凝視していた。

 

 

「なんで、二人が未来日記を!!」

 

雪輝は、何がなんだか分からなかったが、いつもの癖でケータイを開き、その内容を見る。

 

 

だが、その内容に関係なく、雪輝はドアの方へと駆け出す。

 

「フェイトちゃん!!」

 

「はっ!!」

 

雪輝の背後からなのはとフェイトの声がしたと思ったら、急にドアや壁が光り出す。

 

光としては微々たる物だったが、雪輝はその模様を見て、思う。

 

(魔法陣?)

 

雪輝はそんな漫画の中でしか見たことのないような模様を一瞥し、ドアに手をかける。

 

だが、

 

(開かない?!)

 

再度確かめてみるが、

 

(やっぱり!!)

 

雪輝はすぐさまドアを背にして、背後に人がいないか確認する。

 

そこには、

 

「雪輝、話そう、手荒な真似はしたくないからさ」

 

なのはが手ぶらの状態で雪輝に近寄った。

 

雪輝は日記を見て、ほんの少しの間考えるが、

 

「……うん、分かったよ」

 

雪輝はケータイを閉じ、両手をあげる。

俗にいう降参、のポーズだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雪輝、私たちはあまりにも雪輝のことを知らなかった。

 

 だから、雪輝がどんな事を抱えて生きているのかなんて分からない。

 けど、私たちはそんな事で雪輝を軽蔑したりしない」

 

僕は、最初の話し始めた状態に戻り、なのはちゃんは話し始めた。

 

そして、その内容に僕はドキリとする。

 

でも、みねねさんの時とは違い、表情には出ていなかったみたいで、二人は気づいていないようだった。

 

「雪輝、私たちは、魔法使いなんだ。

 さっき、ドア開けれなかったでしょ。

 あれ、魔法を使ってたから開けれなかったんだよ」

 

他から見れば完全に痛い人だが、実物を目にした以上反論はできないな、と僕は思った。

 

「雪輝がくる前はね、たくさん怖いことが起こったんだよ。

 一番すごかったので、世界が消えちゃう、とかなんとか言ってた時もあった」

 

でも、救われた。

 

僕と違って、世界から土地が、人間が、()以外の全てが消え去らずに、

 

「それから、みんなで喧嘩した。

 死にかけた事もあった」

 

だけどみんな死ななかった。

 

僕と違って、みんなを殺してしまった訳でなく。

 

「アリサちゃんやすずかちゃんだって関係ないのに巻き込まれちゃったし」

 

だけど、みんな生きている、人生を過ごしている。

 

僕と違って、すべてを失ったわけではなく。

 

「こんな事を言って雪輝が自分の秘密を教えてくれるなんて一欠片も思っていない。

 だけど、知りたい、私は真実を」

 

なのはちゃんの住んだ瞳がこちらを見つめる。

 

フェイトちゃんも同様にこちらを見つめる。

 

僕は無表情を浮かべ、視線を返す。

 

「それと、私たちが知っている情報が、正しいのかのかどうかを判断して欲しい」

 

私たちが持っている情報?

 

僕は表情を変えずに、考える。

 

「私たちは、この二週間、日記をつけていた」

 

そこで、フェイトちゃんが話し始めた。

 

「雨流 みねね。

 みねねちゃんは教えてくれた。

 雪輝は、実はこの世界の住人じゃなくて、違う世界の住人で、未来日記所有者だっていうこと」

 

僕は表情を変えないようにしていたが、少しだけ動揺してしまった。

 

「みねねちゃんは、未来日記について話してくれた。

 

 未来日記とは、その名の通り、未来の事が書かれている日記。

 

 そして、それはある一定の条件下にあれば作れる、ということに」

 

ん?

 

未来日記は、神が作ったもの。

 

というか、神しか作ることができないものだ。

 

「その条件とは、

 まず一つ、未来日記を作ることができる力を持っているものがいること。

 二つ、最低でも日記を2週間以上つけていないと、日記は未来日記にはなれないこと。

 三つ、所有者は絶対に未来日記を壊さない、という約束ができること」

 

僕は、フェイトちゃんの言っていることに疑問を抱いた。

 

二つ目と三つ目は、本当だ。

 

まぁ、かなり力を使えば、何も日記をつけていない状態から未来日記だって作れる。

 

三つ目は当然、未来日記の最低限のルール。

 

未来日記が壊れた時、その所有者は、

 

死ぬ。

 

 

だが、一つ目がどうにもおかしい。

 

と思っていると、

 

「それで、私たちはみねねちゃんに協力して、日記をつけた。

 

 ちなみに、私の日記は『友人日記』」

 

フェイトちゃんは僕にケータイを見せながら言う。

 

「この日記は、友達に起こった不幸なことや、危ないことを記して行った日記。

 未来日記になった今、危険感知にかなり役立つ」

 

僕は、一瞬奪ってトンズラしちゃおうかな、と思ったが、相手には、それ以上に手強い"魔法"がある。

 

下手に手を出せないな。

 

「で、私のがフェイトちゃんと名前が同じで『友人日記』。

 でも、内容は違っていて、私の日記には、幸運だったことや、凄かったことが書かれているんだよ」

 

なのはちゃんも同様にケータイを見せる。

 

僕は、なんだか嫌な予感がするから、二人の方を見ながら、本当にさりげな〜く、日記を覗く。

 

「で、雪輝も知ってると思うけど、未来日記が破壊されれば、その所有者は死ぬ」

 

僕は、その言葉に特に意味はないと思い、さりげなく下を向く振りをして、日記を書き換える作業をする。

 

「でも、雪輝は違うんでしょ?」

 

そこで僕はバッ!!と顔をあげる。

 

なのはちゃんのセリフに明らかにおかしいところがあったからだ。

 

「雪輝は、死にたくなかった。

 だから、雪輝はもう一人の人格を作り、そいつを未来日記所有者にした」

 

意味が分からない、と思いつつも、ここで話を終わらせてしまえば、ややこしくなってしまうので、先を促す。

 

「そして、実験は成功して、雪輝は日記が壊れても死なずに、もう一方の人格だけが死ぬようになった。

 

 だけど、その代償は少し大きかった。

 

 雪輝。

 

 雪輝が日記を見ている最中は、雪輝はもう一人の人格と入れ替わってるんでしょ?」

 

「……………………」

 

僕は黙り込む。

 

これは明らかに、作り話だ。

 

第一、未来日記が壊れた場合、精神だけでなく、肉体ももろとも消える。

 

よって、それはでっち上げた話でしかない。

 

ということは、

 

僕は未来日記を見ながら、考えた。

 

 

まるで、答えるのをためらっているかのように。

 

 

「ねぇ、雪輝、教えてよ……」

 

 

一瞬だったが、永遠のように感じた。

 

 

「ねぇ!!雪輝!!」

 

なのはちゃんの涙ぐんだ声が聞こえる、

 

 

と同時に、僕は立ち上がる。

 

 

思いついた。

 

 

だが、どうする?

 

相手の目論見は完璧すぎる。

 

正に彼女の日記の名前の通り、最高の復讐の仕方だ。

 

 

どうすればいい…………

 

 

少し考えて見たが、やはりこの雰囲気だと考えずらいのもあり、思考が正常に作動しなかった。

 

「僕は…………」

 

なら、考える場所を作ればいい。

 

 

しゃがみ、テーブルの淵に手をかける。

 

 

二人は、僕の答えを待っていたようだが、

 

 

「そんな事、シラナイ」

 

そのまま、後ろにあった窓ガラスにテーブルを叩きつけた。

 

 

テーブルは案外軽く、軽々と窓に叩きつけることができた。

 

 

バリン!!

 

 

大きな音がなった。

 

そして、僕はベランダの手すりに乗り

飛び降りる。

 

 

下にトラックがあるかどうかは、さっき未来日記で確かめたばかりだから大丈夫だと思うが、

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

やっぱり怖かった。

 

フェイトちゃんの家は、三階にあるのだが、体感的にもっと高くから飛び降りた感じがする。

 

でも、必死に空中で丸まり、トラックの荷台の上に乗る。

 

ボフッ、という音と共に、落下する感覚がなくなる。

僕はすぐさまトラックの荷台から飛び降り、駆け出す。

 

 

 

「なんでっ、こんなことにっ……」

 

 

 

走りながらそんなことを考える。

 

本当に、いつからだ、こんなことになったのは…………

 

 

そして、行き着いた答えは、

 

 

 

「僕がこの世界に来てからだ…………」

 

 

 

5月の、雲の間から差し込む光が、とても美しかった日でした。




読み返して、思った。

アリサちゃんのヒロイン力が凄い…………

すずかちゃん、いつ惚れたの?


あ、あと、アンケートの方もよろしくお願いします。

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