未来日記〜1st、リリカルに行く〜 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
今年はついに受験!!
なのに何やってるんだろう、自分…………
「雪輝…………」
「なのは…………」
私の視界には、泣いているなのはがいる。
思えば、なのはが一番雪輝との繋がりが深かったのかもしれない。
そりゃ、なのはは雪輝と一緒に住んでいたし、当然なのかもしれないが、私がそう思うのには別の理由がある。
でも、なんというか、言葉にできない。
強いて言うなら、目に見えない信頼、というものなのだろうか。
最初…………いや、今もなお、私は心の何処かで雪輝のことを『他人』と思っている。
けどなのはは最後まで『家族』として雪輝と接していた。
だからこそ、私たちの中で一番傷ついたのは、なのはだと思う。
なら私は、どうすればいい?
その答えは、案外簡単に出た。
「なのは…………」
「フェイトちゃん…………」
私は、そっと、なのはを抱きしめた。
そして、しばらくすると、なのはは私の考えている事が分かったのか、静かに泣きはじめた。
「ご、ごめん…………」
「ううん、どうってことないよ」
泣き止んだなのはは、泣いていたのが恥ずかしかったのか、顔を赤くして俯いていた。
「じゃあ、これからどうする?」
なのはは少し考えたけど、しばらくしてから、
「ふふふっ」
笑った。
私は最初は少し驚いたが、その意味が分かった。
「行こっか」
私はそう言う。
それに対してなのはは、立ち上がり、両手で頬を勢いよくパン!!と打つと、
「当然!!」
そう答えた。
私は、知っているのに聞いた。
きっと私は、なのはの決意を再確認したかったのだろう。
「何処に?何をしに?」
一瞬の間。
そして、
「雪輝の元に、連れ戻しに」
そして、そんな決意からしばらく経ったある日。
私たちは結局雪輝を見つけることができなかった。
手当たり次第探したが、どこにもいなかった。
もちろん雪輝に付けておいたマーカーだって利用して魔法も使って探した。
だが、見つからなかった。
そのマーカーが、魔力でつけたマーカーで、魔力を持っている人しかその存在を認知することも、はたまた触れることもできないものだったのに。
これについては、私たちの間で色々と憶測が飛び交った。
雪輝が魔力のことを認識したから、魔力に目覚めたのではないか、とか。
雪輝が魔力を持ったなんらかの人と接触した、とか。
でも、本人がいない今、こんなことをしていても時間の無駄だということに気づき、私たちは、捜索を再開したけど、やはり雪輝の姿は一行に見つかりはしなかった。
「はぁ…………」
学校の昼休み、学校の食堂で、テーブルに顔をつけながら、なのはは大きくため息をついた。
「そんなに気を落とさでもいいよ、なのはちゃん」
「そうよ、なのは。
悪いのは全部あいつなんだから」
「アリサちゃん、そんなこと言っちゃダメだよ。
きっと、雪輝にだってそれなりの理由があったのかもしれないし」
と、それを慰めるようにはやてが声をかけるが、アリサはそれとは逆に雪輝への不満を口に出す。
「でも、そのフェイトちゃんの言ってる、"なんらかの理由"っていうのが分からないとなんとも言えないよねぇ」
雪輝が失踪してから一週間と少したった。
なのはたちはその間、学校などの時間以外をすべて雪輝の捜索に使って、なおかつ見つからないという状況に、少なからず皆がストレスを感じていたが、すずかだけは一人涼しい顔をして話している。
「はぁ、ほんっとあんたもお人好しだよね。
すんごく一生懸命探してたくせに」
アリサは、そんな姿のすずかを見て、なんだか負けた気分になったので、仕返しとばかりにからかうが、
「「「あはははははは!!」」」
すずか以外の三人から笑われていた。
「いや、その、私は……」
一方、すずかは何やら恥ずかしそうに目の前で手を振り、誰にも聞こえないくらいの声で何かいい始めた。
「な、なんで笑うのよ!!」
笑われたことに不満げなアリサを見て、はやては笑顔で答える。
「なにいってるんや、探すの一番一生懸命だったやんか」
「な、なにいってるのよ!!」
アリサはその言葉に、多少戸惑いながらも、大きな声で反論する。
「あ、アリサちゃん、周り周り」
だが、なのはが落ち着くように言う。
それを聞いたアリサが周りを見てみると、そこにはいろんな人の視線がこちらに向いていた。
「ここ食堂だしさ、少し抑えよう」
さらに優しい口調でフェイトもアリサをなだめる。
「で、でさ、今日はどこ探そっか?!」
と、なのはは自分でも少し強引だな、思いながらも、話を変える。
「まぁ、一週間であらかた海鳴周辺は探したから、やっぱり、もう一周探すことになるのかな?」
「いや、もうちょっと探したら秘密の路地、とか見つけれそうな感じやない?」
フェイトがうーん、と考えながら発言し、はやてはそれに対してよく分からないことを言った。
「まぁ、はやてのよく分からない案は過去の事として、やっぱりもう一周が妥当じゃない?」
アリサも、落ち着きを取り戻したのか、真剣に話をする。
一方、少しボケてツッコミを待っていたはやては、アリサの適当なあしらい方に少し涙していた。
「でも…………」
そこで、すずかが何やら訝しげな表情でつぶやく。
みんながすずかの方を向く。
「なんていうか、こう、遠くにいなさそうな、そんな感じがする…………」
そして、すずかは少し無言になり、
「…………なんだか、嫌な予感がする」
そうつぶやいた。
「はぁ…………何言い出すのかと思ったら、そんな事かぁ。
どうせ前みたいにろくでもないことでしょ?」
アリサは、真剣に聞いていたが、すずかの根拠のない言葉にため息をつく。
「え、前みたいにろくでもないことって、私が転んだやつ?」
「それ以外に何があるのよ」
アリサは、少し不機嫌になったなのはにそっけなく答える。
「い、いや、それは!!たまたま階段に足をぶつけちゃって!!それで!!」
「「「なのははいつもの事だから特に問題ないと思う」」」
「さ、三人揃ってなんでそんな微妙に長いセリフ間違えずに言えるのよ!!」
「だって…………」
フェイトが歯切れ悪く話す。
「いや、いつものなのは見てれば誰だってそう思うよ」
だが、少し遠慮したフェイトなどいざ知らず、アリサが一刀両断する。
「う………………」
なのはも多少の自覚があったのか、反論しない。
「まぁ、そんな話はこんくらいにして、今日の放課後にまた集合、ってことで」
「え、でも、みねねちゃんは?」
お開きにしようとしたはやての言葉を聞いて、すずかはみんなに聞いた。
「え、今日休みじゃないの?」
フェイトが思っていたことを口にすると、はやてが首をふる。
「いや、今日見かけたよ」
「じゃあ、どこに…………」
誰が言ったのであろうその言葉と共に、みんなの懐から、なって欲しくない音がする。
ザザザザザザザザザザザザザッ
ノイズ音。
みんなは気づくなり急いで日記を確認する。
そしてみんなはいつもと違う表記に首を傾げた。
いつもなら、こんな表記はあり得ないはずなのに。
そして、みんなのケータイには、いつも通りの今日の日にちと共に、こう書かれていた。
『私は、1th『天野雪輝』によって殺される。』
と。
一人残らず同じ文で。
そして、そんな驚きも束の間、
バァァァァァァァン!!
普段聞くことがないであろう大きな音に、なのはたちだけではなく、食堂にいた人たち全員が驚いていた。
そして、なのはたちの願いは不思議な形で叶う。
なのはたち……いや、全校生徒に聞こえるであろう声が、鳴り響く。
「今から、この学校全てが人質だ!!」
なのはたちは気づく。
「中にいるものは教職員構わず教室に入れ!!」
その声が、
「もしもこれが守れないようだったら」
天野雪輝のものだということに。
「全員、ブッ殺す!!」
五月の、気持ちの悪い色をした雲が、空一面に広がっていた日でした。
雪輝君完全に悪役になっちゃいましたね。
アンケートもやっておりますのでそちらの方もご協力よろしくお願いします。
ちなみに今は、みねねさんとムルムルの独走状態です。