未来日記〜1st、リリカルに行く〜   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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高校合格が決まり、ゆっくり書ける時間が確保できてから初投稿です。

区切りいいとこで終わらせたらなんかやけに短くなっちゃいました。


第17話

9th(ナインス)…………」

 

その言葉を投げかけられた女は、しばらく何も言わずに、宙に浮いていた。

 

沈黙、それだけが場を包んでいた。

 

そして、その沈黙を作った張本人が、

 

「なぁ」

 

沈黙を壊した。

 

その女は、薄ら笑いを浮かべながら、物理的にも、精神的にも見下して話す。

 

「なんでこんなことしてるんだ、雪輝。

 てめぇ、一応異世界ではカミサマになったんだろ。

 

 それがこのざまとは、ずいぶん笑わせてくれるじゃないか」

 

その言葉に、雪輝以外の近くにいるものたちは、女の言っている意味が分からなかったので、混乱していた。

 

雪輝は、自分だけ分かっていると言う状況だったが、他の者には説明しなかった。

 

本人としては、説明したくないのと、説明できないとの二つの理由で話さなかったのだ。

 

雪輝は、女の言葉にただただ女を睨みつけるだけだった。

 

だが、女は動じることもなく、

 

「オイオイ、そんなに睨んだって何も出てこないし、何も生まれないぜ。

 

 まぁ、そんなんだから2nd(セカンド)も死んじまったんじゃねぇかな」

 

未だ薄ら笑いを浮かべる女の言葉に、雪輝は周りに聞こえるくらい大きな歯軋りをした。

 

「ゆき「な、なぜお前はいるんだ!!」……」

 

雪輝はなのはの言葉など耳に入っていないようだった。

 

「なんでお前はここにいる?!

 

 お前はあの時、死んだはずじゃなかったのか?!」

 

「ははっ、都合が悪くなったら話を変える。

 

 そしてあまり思考しないで答えばかり知りたがる。

 

 まるで人間だな、カミサマ」

 

「僕はっ…………」

 

雪輝は俯く。

 

両拳は力が入りすぎていて白くなっていた。

 

そんな姿を見て、なのはたちは雪輝の元へ駆け寄ろうとするが、

 

「あ、そうそう、"この世界の"雨流みねねのことだが」

 

その言葉にその場にいた全員が女を見る。

"この世界の"、その言葉にまた雪輝以外の者が実際にはしていないが首を傾げるが、

 

「そりゃ、こいつの持ち主だろ」

 

女はいつの間にか持っていた何かを雪輝に投げる。

 

雪輝は少し落としそうになったがそれを受け取る。

 

「こ、これは…………」

 

雪輝が受け取った物、それはケータイだった。

 

だが、それだけで雪輝が驚いたわけではない。

 

雪輝は、開かれたまま投げられたケータイの画面を見て驚いたのだ。

 

『5/30

 

 対象の行動

 

 8:45 起床

 

 8:50 黒スーツの組織の何人か    と計画の最終確認。

 

    内容は………………

    …………………

    ……………

    ………

    …』

 

「こ、これは…………ゆ、雪輝日記?」

 

と、雪輝は口に出したが、すぐに頭を振る。

 

「いや、これは雪輝日記じゃない!!

 

 これは、誰の日記だ?!」

 

雪輝は今にも握りつぶす勢いで渡されたケータイを持っている。

 

その問いに対して女は少し不機嫌そうな顔をした。

 

「だから言ったろ、"この世界の"雨流みねねの物だって」

 

「ってことは…………」

 

「ま、どっちにしろ種明かしはするつもりだったから話すよ。

 

 その日記の名称は、知っての通り『復讐日記』

 

 "この世界の"雨流みねねの未来日記だ」

 

「「「「「「?!?!?!」」」」」」

 

「ま、と言っても雪輝以外には私の話が理解できないと思うから、単純明快に、結果のみを示すと、

 

 

 

 "この世界の"雨流みねねは、死んだ」

 

「ふざけんなっ!!」

 

そこで声をあげたのはアリサだった。

 

「なによ!!

 ぽっと出てきて勝手に雪輝と話した挙句、みねねちゃんが死んだ?!

 

 寝言は寝てから言いなさい!!」

 

アリサは別段"この世界の"みねねと特に仲良くしていたわけではない。

 

だが、アリサにとっては仲良くしていようがいまいが、友達なのは友達なのだ。

 

一度でも友達として"この世界の"みねねを認めた以上、アリサはそんなことを言われたのが許せなかった。

 

だが、そんな叫びも女にとっては暖簾に腕押し。

 

女はアリサを一瞥したあと、雪輝のほうへと向き直し、

 

「ま、そんなことはどうでもいいんだ」

 

「な、何言ってんのよあんた」

 

そんなこと。

 

「人が死んだとかなんだとか言ったのに、そんなこと?」

 

アリサだけではない、怒りを抱いたのは。

 

この場にいる者のほとんどが怒りに顔を歪めた。

 

そう、ほとんどは。

 

「それで9th。

 君は一体何が目的でここに来たんだ?」

 

雪輝は一人だけ、嗤っていた。

 

「雪輝、なんで…………」

 

その顔を見たフェイトは思わず尋ねようとした。

 

だが、フェイトの言葉に雪輝は見向きもしない。

 

「あぁ、そうだったな、危うく本来の目的を忘れることだったよ」

 

額に手を当て、忘れていた、というような表情をする。

 

「まぁ、やることと言っても、私がちょっと手を加えるだけでいい」

 

女はそこで少し考える仕草をし、

 

「…………そうだな、ここでお前に選択肢を与えようか。

 そうすればこのしけた状況もちょっとは面白くなる」

 

雪輝は手首からぶら下がっているケータイを取り、見る。

 

「はぁ、そうやって日記見て答え知ってばっかで面白いか?

 

 はっ、まぁ私も言えた義理ではないけどな」

 

そんな雪輝の行動を見て何やら独り言をいう女。

 

日記を見終えた雪輝は、顔を上げ、舌打ちをする。

 

「9th…………」

 

「そう、お前の日記の通り、選択肢ってのは、

 

 これまでの事を現実にするか、

 

 

 これからの事を現実にするかだ」

 

そこで、なのはたちも日記を見る。

 

「え、これって…………」

 

そこでなのはは声を出す。

 

「嘘…………」

 

フェイトも同じく声を出す。

 

アリサは何も言わずにケータイを見ながら立ちすくんでいたが、すずかとはやてはケータイを見ずになのはやフェイトたちを見ている。

 

そして、声を出した二人はまたも同時に声を出す。

 

「これが幻だったなんて……」

 

「みんな、死んじゃう……」

 

その言葉に女は少し驚いたようだったが、

 

「あぁ、そいつら未来日記所有者だったな……」

 

納得したというような顔をする。

その間に、またも日記を見ていた雪輝は、顔を上げ、ニヤリとした。

 

「9th、君は僕に選択肢を与えると言ったな。

 

 だけどそれは違う!!

 

 僕が未来日記を持っていて、9thが持っていないのなら、この勝負は僕の勝ちだ!!」

 

「………………活路でも見出したのか」

 

9thは特にこれと言った感情は出さない。

 

「そうだよ、僕はみんなが助かって、尚且つ僕に有利な道を見つけた。

 

 そんな状況の中で、9thが僕に勝てるわけなんてない」

 

「言ってくれるじゃねぇか」

 

そして女がなにかしでかすのではないかと、みんなが警戒するが、

 

「ま、私も未来日記を持っていない以上、少なからず活路の存在するその未来を覆すことはできない。

 

 しけた状況だったのは事実だったし、これ以上なんかやってもただの時間の無駄だからな、今回はここでお開きとさせてもらおうか」

 

 

女は右手を自身の目の前に持ってきて、

 

パチン!!

 

 

 

パリィィィィィィィン!!

 

 

 

指を鳴らしたその音が聞こえた時、全てが終わりを告げ、

 

 

 

なのはたちは、食堂のテーブルを囲んで座っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

5月が、終わった。




はい、これでやっと5月終わりました。

色々謎抱えたままですが、終わりました。

次話から二話くらいかけてゆっくりと謎を解き明かしたりしていきたいと思います。

これからも何卒よろしくお願いいたします。
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