未来日記〜1st、リリカルに行く〜 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
「そして、新しい方のやつは、当然いるわけのない両親が、天野雪輝によって殺されたと我妻由乃にふっかけられ、”復讐日記”を作るまで至り、そこからは」
「僕に接触を始めた」
僕は案外繋がっていた事実に一抹の恐怖を覚えるとともに、それがすでに解決されていたことに安堵を感じる。
「まぁ、そこからはテメェの知っての通りだ」
「……………………」
考え込む僕。
それは、今の話になんともいえない違和感を感じたからだ。
それに、
「なんで由乃は9thの転移を知ることができたんだ?
それにそれがもしできたとしても由乃にはその転移に介入できるはずがない、由乃だって性格や未来日記を取ればただの女の子だ。
それに、一番の疑問は”なんで僕の日記で今日死ぬはずだった、その新しい方のやつが、すでに死んでいたんだ?”」
「そうだな」
僕は感じた疑問を述べて行くと、9thはそれに同意する様に頷いた。
「最初の二つの疑問は、まだ分からない。
まぁでも、この世界には”魔法”なんてわけの分からないものがあるからな。
そんくらいしか考えられる理由なんてねぇな。
そして…………まぁ、最後の疑問は、テメェはまんまと新しい方のやつに一杯食わされたってこった」
ま、結果くだらない結末になっちまったけどな、と付け加える9th。
僕は、9thのいっている意味が理解できず、首を傾げるが、
「新しい方のやつは、着々とテメェの指紋なんかを集めていたんだよ」
「?!」
その言葉に、僕は思わず目を見開いた。
「それで、十分な証拠を集め、もう誰が見てもテメェのやったことにしか見えないレベルにまで細工をし」
「………………」
「命を絶った」
しばらくの沈黙。
僕はその言葉を聞き、9thに尋ねる。
「新しい方のやつ、ってのはさ、なんで命を絶ってまでそんなことをしたんだろうね」
「そりゃ、テメェが憎くて仕方がなかったからだろ」
9thは当然、といわんばかりの口調で答える。
「やっぱり、僕を犯人にしたてあげることが目的だったのかな?」
「そんなことしらねぇよ」
9thのいっていることは、間違っていない。
僕の求めている答えの方が、間違っているのだ。
「やっぱり、ぼくのせいなのかな?」
目の前が、歪んで見える。
「………………」
僕の質問に、答えは、返ってこなかった。
「僕の、僕のせいで何人もの人が死んだんだ。
僕は償おうとしたんだよ。
だけど、できなかった。
なんで、なんでこんなにもこの世は僕に酷いんだい?」
心からの叫びだった。
それはこの世界に来て、ずっと思っていたこと。
人を殺す。
僕は今までに、これをたくさんしてきた。
きっと、それをしなければ、今僕はここにはいられなかった。
だけど、だけど……
「だからお前はガキなんだよ」
9thはそんな僕を鼻で笑い、話す。
「償おうとするな、そんなもんはだれにだってできるわけじゃねぇ。
そんなもんができるのは、創作の中のヒーローくらいだ。
しかも、ただ単にお前に殺されたやつは、弱かったから殺された、それだけなんだ。
死ぬのなんて普通だ。
だれだって死ぬ。
「でも、僕はこれ以上、人を殺したくない」
僕の目から、涙がこぼれ落ちた。
そして、
「あぁ!!もうゴチャゴチャうるさいんだよ!!」
僕は、殴られた。
僕は地面に背中をうち、寝そべりながら、ジンジンする頬をおさえ、唖然とした顔で9thを見る。
そして、殴った本人である9thは、僕のそばまで歩み寄り、胸ぐらを掴み、持ち上げた。
「ったく!!いつもいつもテメェは女々しくて、見苦しいんだよ!!
見てるコッチがイライラしてくる!!
そんなに殺すのがいやなら、さっさと死にやがれ!!」
「それは嫌だ!!」
僕は……僕は…………
「由乃に会うまで死にたくない……
いや、死なない!!」
それは、僕の生きる意味であり、この世界にいる意味。
僕は、まるで自分に言い聞かせるかのように言い放った。
「……へぇ、そうなのか」
9thは何時もの薄ら笑いを浮かべ、僕を地面に落とす。
僕はむせながらも、立ち上がり、9thを睨みつける。
「そんなに睨む暇があったら生きようとしろ、障害を殺せ、相手を騙せ。
これが最後の忠告だ、と言うように言い放つ9th。
「僕は、由乃に、会う」
僕はその言葉を聞いて、決意した。
「僕は、由乃に会うまで、邪魔する障害を全て殺して」
立ち上がり、袖口で目元を拭う。
「そのためだったら、全てを騙し」
僕は、決めた。
「そして、全てを
その言葉に、9thは、唖然とした表情で僕を見た。
そして、
「アハハハハハハハ!!」
腹を抱えて笑い始めた。
「ハハッ!!
これだけやられてもまだ
と、9thの表情は比喩とは言えない位に冷たくなり、
「無理だ」
「それでもやる」
「失敗する」
「失敗させない」
「不可能だ」
「可能な未来に覆せばいい」
「…………」
9thは黙り込み、僕を見据える。
そして、
「その戯言、手伝ってやろうじゃねぇか。
ただし、みねね様は今のこの状況に満足いってねぇ。
他人の監視下にあるなんてこの状況がな。
だから、条件だ。
テメェの戯言が上手くいったら、みねね様をこのクソッタレな状態から解放しろ」
僕はその言葉に、9thと同じように薄ら笑いを浮かべ、
「それができたら、ね」
手を差し出した。
「………………」
9thは黙って僕の手を見て、
ドカッ!!
あれ?……なんで…………視界が…………暗く……………。
「生意気なこと言ってんじゃねぇ、ガキが」
5月の最後は、暗かった。
以上、回想です。
今回の回想では、みねねさんの疑問しか解決できませんでした。
なので、雪輝君の学校襲撃の謎の解明はもう少し後になります。
一応、これでこの作品は一区切りつきました。
今まで読んでくださったみなさん、この妄想劇にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
これからも何卒、よろしくお願いいたします。