未来日記〜1st、リリカルに行く〜   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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第22話

「中学生は多感な時期だとはよく言ったものだな」

 

なのはちゃんたちと感動の再開を終えた次の日の昼休みに9th……みねね先生に呼び出され、僕は理科室へと足を運んだ。

ちなみに昨日は昼休みにあった後、少しばかり他愛もない話をして、そのまま別れた。

 

「その様子だと、どうかしたのかい?」

 

…………まぁ、要するに必要なことは何一つとして話していない、ということだ。

正直、僕はなのはたちが知らないでほしいようなことばかりをしてきたから、聞かないで欲しい、というのが僕としての望みだ。

 

「いや、昨日のうちに誰かに探られたらまずいも思って、いろいろと下調べと準備を重ねてきたんだが、誰も何も聞いてこない、調べられないで、全くの無駄骨だったってわけよ」

 

それに、なのはたちも僕がしてきたことに関してはあまり聞かないようにしているようだったのでちょうど良かった。

そして、今、僕は少し肩の荷が降りたところで、なぜか理科室に呼び出されて9thの愚痴を聞いている。

 

「それで、9th、本題はなんだい?」

 

ちなみに、みねね先生は、僕に住め、と言ったところとは違うところを住処にしているらしく、実質僕はみねね先生とは昨日別れてから朝のホームルームまで会っていない。

 

「ほぅ、みねね様……いや、今はみねね先生か……。

 みねね先生のちょっとした愚痴も聞いてくれねぇとは度量の小さいやつだな、ククク」

 

ちなみに突如(・・)辞めてしまった前の担任が理科の先生だったので、代理で来たみねね先生も理科の先生である。

 

……いつ教員免許とったのかとか、なんで理科を教えられるのかとかは聞かないけど…………

 

「まぁ、本題はちゃんと存在するんだがな、1th……いや、今は天野雪輝君、だったな」

 

ククク、と笑いながら僕に話しかけるその姿は、昔を思い出させる。

今回のこの呼び出しに関して僕は未来日記を確認していない。

正直、確認したかったのだが、一昨日、昨日と新しい家のことをいろいろしていたら未来日記を確認する暇がなかった。

まぁ、学校だし、大丈夫かな?、と思っているのだが、少し身構えてしまう。

 

「……とりあえず、面倒なことっていうのは分かってるけど……」

 

「面倒なこと?

 おいおい、一応テメェの担任だけどなぁ、みねね先生は」

 

僕が緊張しているのが伝わったのだろう、みねね先生は両手をプラプラとさせて攻撃の意思はない、と僕に伝えている。

その様子に僕は少しばかり安堵した。

 

「僕だって一応勉強のできてそこそこにフレンドリーな生徒をやってるんだけど……」

 

テストは未来日記を使って、フレンドリーにやってるのは未来日記であらかじめどんな受け答えをするか決めておいて、なおかつ上手くいきすぎないように失敗もしておく、そうして今、この世界の天野雪輝は成り立っている。

 

「ククク、どうせ未来日記使いまくってんだろ、テメェのことだからなぁ」

 

「あぁ、何が悪い、使えるものは全て使うさ。

 まぁ、僕からしてみれば使わないのはよっぽどの変人だよ」

 

「お、噂をすればなんとやら、だ」

 

僕が唯一何も考えなくても話せる相手……みねね先生と話していると、ガラガラ、という音とともに、僕の見知った人たちが理科室に入ってきた。

 

「「「「「「え?」」」」」」

 

僕たちの声はもうすでに記憶はないけれど、小学生の時に歌ったことのある合唱のように綺麗に揃っていたであろう。

そこにいたのは、すずかちゃん、アリサちゃん、なのはちゃん、フェイトちゃん、はやてちゃんがいた。

僕はいきなり現れた5人を見て、いろいろ考えていると、

 

「ククク、幸運だなぁ天野雪輝君、偶然にも役者は揃っちまった」

 

僕にしか聞こえないような声でみねね先生は言った。

............これは、つまり僕は質問攻めに合う、ということなのだろうか。

一応姿を消しているうちに質問の想定とそれに対する答えは用意してきたから良かったんだけど............。

 

バキンッ!!

 

突如鳴った音の方をすぐさま向くと、そこには十円玉くらいのサイズの穴と、真っ白になるまでひび割れてしまった窓ガラスが、今ちょうどキラキラと輝きながらその破片を落としていた。

 

「敵?!」

 

そのフェイトちゃんの声と共に、アリサちゃんとすずかちゃんはすぐさましゃがみ、頭を手で覆いながら窓ガラスのすぐ下まで避難する。

 

僕は同じようにしゃがみ、避難するが、手では未来日記の確認をしている。

 

『6/2 12:02[学校 理科室]

 銃弾が理科室の窓ガラスを貫き、僕の目の前の床を貫通する。

 銃弾は床に少し埋まったところでその動きを止めた

 

 12:03[学校 理科室]

 なのはちゃんの手元が突如光り、先端に赤く大きい宝石が着いた杖のようなものが現れた。

 すると、周りの景色が少し歪んで見えるようになる。

 これはおそらく防御することの出来る魔法なのだろう。

 銃弾が不自然に空中で止まっている。

 その数はおよそ5発。

 すると見えない壁に当たる銃弾が数を増やすのは止まった。』

 

日記には今の状況とこれからの状況が現れる。

なんでこうも日記を確認しなかった時に限って襲ってくるんだろうっ......、と心の中で悪態をつきながら、焦る心を落ち着ける。

 

「..................止まった?」

 

未来日記に書かれてあるとおり、5発打たれた後、銃弾が来るのは止む。

 

「バカガキ共っ!、防御魔法をやめるな!

 もし相手が未来日記所有者だったら解いた途端打たれるぞっ!!」

 

そこに僕と全く同じことを考えていたみねね先生が叱責する。

その声に気を緩めそうになった5人は、再度緊張感を持つ。

僕はその間に日記を使って打たれる可能性がないか調べる。

机の影から見えるみねね先生が僕にアイコンタクトを送ってくる。

僕は手でオーケーと示し、立ち上がる。

 

「なっ?!雪輝?!なんで立ってるの?!」

 

なのはから僕に対しての驚きの声が上がる。

他の子たちも僕のことを驚いた目で見ている。

よく見ればフェイトも似たような杖を持っているし、はやては空中に本を浮かせている。

なるほど、魔法を使うにはそれを補助するための道具が必要なのか、と僕は観察しながらも、

 

「あぁ、それなら大丈夫だよ、ちゃんと日記で確認したからね」

 

僕は手に持っている携帯をみんなに見せる。

すると、みねね先生が最初に立ち上がる。

するとそのみねね先生の手には拳銃が握られており、

 

「んっ?!

 なんで拳銃なんて持ってるんだよ9th?!

 さっき持ってないって......」

 

「あー、ゴチャゴチャうるさいなぁテメェは。

 いいだろ、そんな細かいことは」

 

「良くないよ?!

 折角少しは信頼できるかと思ったのに」

 

「じゃあなんでテメェはダーツケースに手を突っ込んでんだよ。

 それだったらいいのかよ」

 

「いいじゃないかダーツくらい死ぬわけじゃないんだし」

 

「............あーあー、こんな話やめよーぜ。

 ガキ共がついていけないって顔してるし、目が痒くなってくる」

 

僕とみねね先生が言い争いをしてる中、みんなは終始ポカーンとしながらこちらを見る。

 

「あー、うーんと............」

 

僕はみねね先生の方へ視線をやるが、みねね先生はそんな視線そっちのけで掃除用具のちりとりを取り出し、ガラスを片付けに行こうとする。

 

「......はぁ」

 

仮にも国際的な大泥棒をしていた人のなれた掃除姿を見てため息をついてから、みんなの方を向く。

 

「とりあえず、午後の授業はみねね先生になんとかしてもらうとして、今のうちに聞きたいこと全部答えようか」

 

たぶん今の僕の笑顔は確実に引きつっていると思う。

 

 

6月の妙に静かな昼下がりでした




皆さんから聞かれるであろう質問に事前に答えておきます。

Q、なんで未来日記の雨流みねねの眼帯は気にされないの?

A、金髪、紫色の髪、特殊な訓練を受けた先生……
  こんなにいるのに今更気にされないでしょう、おそらく。
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