未来日記〜1st、リリカルに行く〜 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
「えーと、とりあえず、みんな落ち着いたところで、まずみねね先生、自己紹介」
「命令するとはいい度胸だなぁオイ。
まぁ、仕方がないな。
ワタシは雨流みねねというものだ。
今日付でこの学校の先生になり、コイツのクラスの担任になった。
ちなみに、今ワタシと同姓同名のものがこの学校にいたそうだが、それに関しては全くの無関係だ」
「あ、えっと、よろしくお願いしま「あぁ、よろしくな、高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、月村すずか、アリサ・バニングスよ」
「「「「「?!」」」」」
僕は片付けが終わったみねね先生がひとつ置いてあった机に腰掛けたところで、唖然としている5人に話しかけ、自己紹介をさせようとしたが、みねね先生はすでに調べがついていたのか何でもなさそうに話していく。
そんなみねね先生の言葉に驚いた5人を見てみねね先生はククク、と笑う。
「あぁ、この人実はちょっとすごい人だからあんまり驚かなくてもいいよ。
それに今はこの学校の教員だから調べようと思えばいつでも調べられるからね」
「いや、そういう問題じゃないでしょ!
え、だって、この人は今日ここに来たばっかで...............」
「おっと、舐めてんじゃねぇぞ金髪チビ。
このみねね様を舐めてっと痛い目見るぜ」
みねね先生はあたふたと答えるアリサに対して突如、机を降り、音もなく近寄る。
それはまるで瞬きの間に来たのではないかというくらいで、アリサも自分の目の前に来てからようやく気づいたようだ。
「まぁ、みねね先生は子供に痛いようなことをする良いな趣味はねぇからな。
でもまぁ、覚えておけ「それで、この人は僕の知り合いなんだ」おい雪輝!!これからだろ!!」
僕はなんとなくみねね先生がカッコつけるのが気にくわなくなり、話を中断しにかかる。
だがしかし、この言葉は魔法使いの人たちにとっては充分警戒するに値する言葉だったらしく、
「じゃあ、この人はなんなの?」
「まぁ、ここで過ごした時間が少ない雪輝にとって知り合いって、そんなにいないと思うんやけどなぁ」
「それに、今の動きで分かるよ。
この人は危ない人」
なのは、フェイト、はやてはそれぞれ杖やら本やらを掲げて、みねね先生の方を向いている。
「はっはっは!!
オイオイ、雪輝、テメェに任せてればスムーズに進むと思ったがこりゃどういうことだ!!」
そんな危ない状況だというのにみねね先生は腹を抱えて笑いだした。
「はぁ、やめてくれないかな?
この人は危ない人だけど、敵じゃない、それだけは僕が保証するよ。
僕はみねね先生とみんなの間に入り込んで、腕からぶら下げられた携帯を掲げた。
しばしの静寂のあと、
「ねぇ、まさかこの人も、未来日記を持っているの?」
すずかが質問してきた。
僕はその質問に対して、後ろにいるみねね先生に目配せをして、話を託す。
「まぁ、正確に言うと持っていた、かな。
流石に今は持っていないが、な」
僕はその言葉に頭を抱えそうになる。
そうだ、この人は未来日記についてみんなが勘違いをしていることは知らないんだ。
なので案の定、
「じゃあ、やっぱり、未来日記を失っても生き残る方法が......」
すずかが小さい声でブツブツと話し始めた。
こういう時に頭が回るからすずかはすごいのだが、今は回らなくてもいいタイミングなので、僕はこれからの説明の面倒くささため息をつきながら、
「あー、とりあえず、未来日記については今、これから、何一つ隠さずに話すよ」
「............ほう、教えるのか、あの事を」
そこでみねね先生はわざとなのか知らないが、突っかかってくる。
「ん?なんのこと?」
僕はなるべくみねね先生の目を見ながら、これ以上しゃべらないで欲しい、という意を込めてとぼける。
「あぁ、ごめんな、ちょっと勘違いだった、ごめんな」
それに対してみねね先生は少しわざとらしく訂正する。
だがまぁ、未来日記のことを話せばそれで頭がいっぱいになるだろう、と未来日記を見たい気持ちに駆られつつも、ぐっと堪える。
「じゃあ、まずみんなが知りたいことから説明していこうか」
そこからはほんとに疲れた。
あんなに話したのは初めてだった、というくらいだった。
まぁ、簡単に纏めると、
未来日記のルールと使い方。
みねね先生の正体。
僕のこれからの動きの方針。
この三つが主に話した内容だ。
だけど、未来日記のルールと使い方以外についてはかなりの嘘を交えて話した。
それと、説明の時には未来日記は使わなかった。
もし僕が未来を変えるような嘘をついた場合、2人......なのはとフェイトの二人の日記に気づかれる可能性が高いし、他のみんなの日記の内容も知らなかったので、あえて自分の力で話してみた。
未来日記のルールと使い方についてはみんなの誤解を正すのに苦労した。
まず未来日記のリスクについて。
未来日記は便利さはとても高い。
戦いにおいても、日常においても、いつでも必要となってるくるのは情報であり、限定的なものもありながらも、未来の情報を知ることが出来るからこそ、やはり、それ相応のリスクが求められるのだ。
僕はしっかりと説明した。
未来日記が壊れれば人格が違うおうとも、肉体ごとその存在が消滅してしまうこと。
それを聞いた時、みんなが青い顔をしたことはとても覚えている。
そして、そこでやっとみんなの日記が判明した。
なのはの日記は『友人日記』
自分の友人のすごかったこと、良かったことが書かれている。
自分は対象外。
一時間毎に書かれている。
フェイトの日記は『友人日記』
こちらはなのはの日記の逆で自分の友人の失敗してしまったこと、運がなかったことなどが書かれている。
自分は対象外。
こちらも一時間毎に書かれている。
はやての日記は『家族日記』
自分の家族について書かれている、内容は優先度の高いものから順に書かれている。
優先度の高いものになると写真がついていることもあるらしい。
自分も対象内。
こちらは一日毎だった。
アリサの日記は『目標日記』
この日記は少し特殊で、自分が叶えたい目標を1つ設定すると、そのことについて関わることが未来日記に書かれる。
例えば、目標を″天野雪輝を探すこと″にすると、僕に関する情報が未来日記に書かれる、ということだ。
自分も場合によっては対象内。
時間の制限はない。
すずかの日記は『スキマ日記』
こちらは日記というよりメモ書きに近かった。
時間と二言三言単語が書かれているだけの日記だ。
例えば″15:48 机、倒れる、悲しい″と書いてあると、そこから机から倒れる、や自分机が倒れる、それによって自分が悲しむ、などの予測が立てることができる。
自分も対象内。
時間の制限はない。
ということでわかったのは、みんなの日記の便利性の高さだ。
なのはとフェイトの日記は二人でほぼ完全な未来予知へと変わるし、アリサの日記は一つのこととなればとんでもない強みを発揮する。
さらにそれで取りこぼした情報ははやてとすずかの日記でかなり知ることが出来る。
ということでこのメンバーの日記はすごい便利である。
がしかし、
「え?全然使ってないの?」
僕はみんなの未来日記の内容を聞いた後にどのくらいの頻度で使っているのかを聞いたところ、僕を探した時以来、全然使っていない、というのがほとんどだった。
思わずバカじゃないかと言ってしまいそうになってしまったが、その言葉を飲み込み、理由を聞いてみたところ、本来自分たちが持っていてはいけないものだと思っているらしく、使わないらしい。
「やっぱり、こういうものは必要な時にのみ使うものだし、それ以外で使っても、いいことなんてないと思うんだよね」
とにっこりしながらいうなのはちゃんの姿に自分の醜さを見たような気がするのは言わないでおく。
だからと言って、僕にとってはこの日記だけが今ある由乃との唯一のつながりなので、使い続けるが。
そして、次はみねね先生の正体だ。
これは簡単だった。
みねね先生が勝手に喋ってくれたからだ。
僕も聞いていてびっくりな内容の数々だっけど、違和感なく、それでいておそらくだけど調べられてもちゃんと証拠が用意されているのだろう。
ちなみに言っていた内容としては、生まれが紛争地帯の帰国子女で、遠縁に日本の親戚がいたので、高校生くらいの年の時に、日本に来て、それからは公務員に勤め、今に至るらしい。
笑いながらさっきの怖い雰囲気は昔の舐められないように虚勢を張っていた名残だと言っていたときは、さすが変装の名人とでもいうべきか、見事な自然さだった。
そして未来日記を
8thの日記は、サーバー自体が日記であり、そのサーバーに繋がれているケータイは、未来日記となる、というものだ。
ちなみに、その未来日記は"孫日記"と呼ばれ、壊されても死ぬことがないので、それを説明に使って、みねね先生は、今自分が生きていることを説明していた。
そのことに関しては僕は知っていたが、僕はあえて知らないことにした。
8thについてはみねね先生の方がよく知っているし、二人が知っているとすふと、話が噛み合わなくなる可能性が出るからだ。
そして、最後に、僕のこれからの方針。
その問に対して、僕は、
「僕はこれから、このまま、いつも通りに学校に行き、友人と戯れ、勉学に勤しみ、普通の一学生として生きていく。
何者にも、何事にも僕の平穏を遮られないように。
とりあえず、さっきの狙撃者はもちろんとして、当面の目標は平穏無事に、今年を超すことかな」
最後の言葉を無意識に強調してしまったのか、みねね先生はこちらを睨んできていた。
そしてその次に僕は、
「あ、なのはちゃんたちはどうするの?
僕を手伝う?それとも自分たちで動く?」
その僕の問に関しては、なのはちゃんが、
「私たちもとりあえずは狙撃してきた人を探して、何が目的なのかを聞きたいな」
と、その言葉を言い、なのはちゃんは手を差し出した。
「これは?」
「これは、って、わかってるでしょ?」
「握手だよ」
「そんなこともわからんのか、雪輝だいじょうぶか?」
なのはちゃんの後ろからフェイトちゃんとはやてちゃんが冷やかしてくる。
「またなんで今?」
「うーんと…………」
なのはちゃんが言葉に詰まると、
「私たちは今まで雪輝の隣、いや、視界にも入っていなかったと思ったの。
だって、雪輝が見てる方向にはいつも、私たちよりもっと先にいる誰かを見つめてるみたいだったし」
アリサちゃんが代わりに話し、
「それに、雪輝はいつも悲しい目をしてた。
だけど、そんな状況から一歩私たちは雪輝に近づけたと思うんだ。
それが、例え、どんな形でも。
だから、これが本当の初めましての握手」
すずかちゃんがにこやかに追加で話す。
「へへ、言われちゃった……」
なのはちゃんは後ろからの代弁に苦笑いしつつも、その差し出した手は引かない。
「ほんとは、雪輝は何を経験して、何を思って、そんな風になっちゃったかを知りたいけど、それは違うと思ったの。
だって、今の雪輝が雪輝なんだし。
そして、今やっと隣に立てた私たちから言わせてもらうよ」
なのはちゃんが息を吸うと、後ろのみんなも息を吸い、
「「「「「初めまして、天野雪輝君」」」」」
6月の、大雨が止んできたような気がした日でした。