未来日記〜1st、リリカルに行く〜   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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第4話

2人の女の子が去った後、僕はベットに寝転がり、ケータイを開く。

 

『4/5 16:20[月村邸]

 テレビをつける。

 見た事のないアナウンサーが廃工場にてヤクザの抗争があり、死亡者多数と報道していた。

 警察は急な抗争に対応できなかった事への謝罪と、海鳴市民へ極力外出をしないように呼びかけていた』

 

僕は特にやることがなかったので、予知通りにテレビをつける。

テレビでは、予知通りの内容が放送されていた。

レポーターは、廃工場前から中継をしていて、レポーターの後ろでは警察の人が現場を調べていた。

 

僕はテレビを付けっ放しにした状態で、日記を見る。

 

『4/5 18:12[月村邸]

 男性が2人と、女性が2人、少女が2人が部屋に入ってくる。

 話があるそうだ。

 

 18:15[月村邸]

 話の内容は、僕があんなところにいた理由と血まみれになっていた理由、最後に僕についてだった』

 

…………逃げようかな。

 

あ、でも理由を話したら意外に納得してくれるとか…………

 

うん、そうだよね、僕が神様だとか言わなければ、きっと信じてくれるよ!!

 

日記が書き換わる。

 

『18:30[月村邸]

 危うく病院に連れていかれそうだった。

 必死に、今の話嘘ですから!!と言ったのが通じたみたいだ』

 

 

……………………軽くDEADENDフラグが立っちゃった?

 

 

ぼけてる場合じゃないよね、これ。

 

僕の話は普通の人からすればおかしい。

 

日記には書いていないけど、きっと僕の説明が下手だから病院に連れていかれそうになるんだよ。

だから、説明するのに15分もかかっちゃってるんだよね。

 

……じゃあ、いっそのこと逃げるとか?

 

日記が書き換わる。

 

『16:45[月村邸庭内]

 

 あたりの警報が鳴り響く。

 メイド服を着た短髪の女性が歩み寄ってきて、僕を持ち上げる。

 

 16:50[月村邸]

 どうやらこの庭内には監視カメラを中心にサーモグラフィー、赤外線センサーが取り付けられているようだった』

 

「は?」

 

僕の間の抜けた声が部屋に響く。

え、なに、赤外線センサー?サーモグラフィー?

どこの監獄?

 

流石に未来のことを知っていたとしてもこれは無理だよ。

というか、こういうものは違う所につけるべきだよね、銀行とか、美術館とか、宝石店とか。

 

…………?

 

「もしかして……」

 

日記が書き換わる。

 

『18:03[月村邸]

 特別ものすごい貴重品などは見当たらなかった。

 だが、飾ってある芸術品も高そうであった』

 

つまり、ここは芸術品ばかりを集めた何かの施設?

いや、違うな、それだったら場所の表示が月村邸というように、人の名前はつかないはずだ。

個人でやっているという線は?

 

…………それもないな。

 

だったら僕は少なからず人に見つかるはずだ。

監視カメラだったらいくらでも避けることができる。

だが、人はそうはいかない。

勘というものが働いたりするし、ここがそういう美術館みたいなもので、個人で出しているのならば、もっと警備の数は多いはずだ。

 

なら、ここは……

 

「うっ……」

 

僕はいろんなことを考えていたせいで、少し眠気が襲ってきた。

 

まだ寝ちゃダメだ。

 

自分にそう言い聞かせながら、必死に思考する。

 

「……………………ダメだぁ」

 

両手を広げ、天井を見上げる。

 

「今まで僕は、恵まれていたんだな」

 

届くはずのない天井に向けて手を伸ばす。

 

今まで僕の周りには誰かがいた。

 

友達、両親、仲間……そして由乃。

 

「少し、眠ろうかな」

 

そう、少し、少しだけ眠るんだ。

次の事は起きたら考えよう。

今は、少しでも眠って体力をつけるん…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんであんたはいっつもそんなビクビクしてるのよ」

 

私は今、私の部屋にてお説教をされています。

 

 

だいたい、みんなはお説教といえば、両親、偉い人、先生からされるものですが、私は違います。

 

「いい!!分かった?!」

 

この金髪の私と同い年のアリサ、バニングスちゃんからお説教をされています。

アリサちゃんは、小学校の頃からのお友達で、すごく仲がいいです。

後これになのはちゃん、フェイトちゃん、はやてちゃんが加わればいつものメンバーが揃います。

 

「は、はい……」

 

「まぁ、分かればいいのよ」

 

私はようやく正座地獄から解放されました。

正座をやめると、足の感覚がない事に気づき、立てなくなる。

一方アリサちゃんは、顎に手をやりながら、ぶつくさと何か言っている。

 

ようやく私の足の痺れがなくなってきた頃に時計を見ると、時刻はもう17:40でした。

 

私、16時ちょっとすぎくらいからお説教されてたよね……

 

アリサちゃんも私が硬直しているのを見て、時計を見ると、私と同じように硬直してしまいました。

 

きっとアリサちゃんも、自分のお説教の時間が長かったことを悔やんでくれるはず……

 

「やばいわね、これじゃすずかのアピールタイムがなくなっちゃうじゃない」

 

アピールタイム?

なくなる?

 

アリサちゃん?

なんでアリサちゃんの口から出る言葉は私の予想とはまったく違う方を突き進んでいるの?

 

「そうと決まれば、王道に花ね。

 すずか、ちょっと花がどこにあるのか教えてくれない?」

 

「えっと、アリサちゃん、色々説明して欲しいんだけど……」

 

「色々って…………

 これはもともとすずかのためにやってるのよ」

 

「?」

 

私の中でははてなマークが嵐を巻き起こしそうなくらいにぐるぐると回転している。

 

「私のため?」

 

「そう、すずかのため」

 

「え、なんで私のためなんかに?」

 

「いや、そりゃ友達だからよ」

 

「花を探すことになんの関係が?」

 

「いや、だからすずかのためだって」

 

ニコニコしながら答えるアリサちゃん。

私は一旦自分を落ち着かせて、冷静に状況を判断しにかかる。

 

まず、このアリサちゃんの行動は、全部私のため。

アリサちゃんがお花が必要なのも私のため。

なんでこんなことをしているのかというと、アリサちゃんにとって私が友達だから。

 

じゃあ、なんでアリサちゃんはあの人のために色々動いているの?

 

あの人のご飯作ったりとか、あの人に安静にしていて欲しいから私を連れ出したりとか。

 

「はっ!!」

 

「ん?どうしたのすずか?

 あ、花の場所が分かったとか?」

 

「アリサちゃんってさ」

 

「なに?」

 

私は自分のひらめきが怖かった。

だって、これ意外に思いつかないんだもん。

絶対にこれしかないよ。

 

「あの人のこと好きなの?!」

 

「……………………は?」

 

アリサちゃんは硬直してしまっている。

や、やっぱり、私の予想が当たっていたということね!!

 

「えーーーーと、すずか、ちょっと話し合おうか」

 

「うん……」

 

きっとこれはあれだ、誰にも言わないで!!ってパターンだよきっと!!

 

私は少女漫画のような展開に感情が高揚したが

 

「何言ってんの?」

 

「はい?」

 

「え、だって、あの人はもともとすずかが好きなわけで……」

 

なにを言っているんだろう。

もしかして、動揺を隠すためにわざと?!

 

「アリサちゃん、隠さなくてもいいんだよ」

 

「だ〜か〜ら〜、なにを隠してるっていうのよ」

 

「いふぁいいふぁいいふぁい」

 

私はアリサちゃんにほっぺを引っ張られる。

 

「はぁ、なんとなくすずかが勘違いしてることが分かったわよ」

 

「え、私は勘t「ちょっと黙ってて」……はい」

 

本当に勘違いなんてしてないのになぁ。

私はそんな事を考えながら、アリサちゃんの話を聞く。

 

「まず、すずかは私があの人の事が好きだと思ってる」

 

そうだよ、私気づいちゃったんだもん。

口に出すと怒られそうだから心の中にとどめておく。

 

「それは、まったく!!違うから!!」

 

「ええっ?!」

 

私の驚きは人生の中でベスト25くらいには入るくらいの驚きだった。

 

「はぁ、やっぱりか……

 

 まぁ、分かればいいのよ、分かれば」

 

私はまだ唖然としていた。

 

「で、かくいう私もなんか勘違いしてるみたいなんだけど……」

 

「?」

 

アリサちゃんが勘違い?

あるんだ、そんな事…………

 

「私はてっきりすずかがあの人の事が好きなんだと……」

 

「はい?!」

 

え、なにそれ!!

私はまたも唖然としてしまう。

 

「……どうしてそう思ったの?」

 

「えーーと、それは……」

 

「それは?」

 

「ひらめき、かな?」

 

「私と同じだった?!」

 

「いや、でも、ごめんね」

 

「謝る事ないよ!!

 気がついて良かったよ、本当に」

 

私は大丈夫だと身振りで説明すると、アリサちゃんは少し微笑んだあと、

 

「そういえば、もうそろそろでなのはたち来るんだっけ?」

 

私は時計を見る。

時刻はもう17:56で、約束の18時はすぐでした。

 

「そうだね。

 それじゃあ、私あの人のことちょっと見に行ってくるよ」

 

「そうね、なんかあってもダメだし、一回見に行ってきて」

 

うん、と言った後、私は部屋を出て、あの人の眠っている部屋へ向かう。

 

「あ、そういえば、名前知らなかったな」

 

後で名前聞いておこう、と決めたあと、頭の中であの人の顔が思い浮かぶ。

 

『僕は、……人を殺したのか……』

 

私がたまたま聞き取ってしまったあの言葉。

そして、あの人のケータイを見た時のあの顔。

私は、あんな顔ができる同年代の子を見た事がない。

その表情からは悲しみしか感じることができなかった。

でも、それ以上に何かある。

 

「あの人は、一体、何なの?」

 

もう中学生になったのに、私の頭の中はあの人のことでいっぱいだった。

 

 

4月の、陽射しがやけに眩しい日でした。




補足説明

未来とは、ifルートで溢れている。

未来日記はその中の一つを記す。

よって、行動を起こす意思(・・)があれば、ifルートを未来日記で見ることができる。

今話の場合、「もし、事情を話した場合」と「もし、逃げようとした場合」の二つを雪輝は見た。
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