未来日記〜1st、リリカルに行く〜 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
今回、何回も回想入ります。
読んで見てもわからなかった場合、あとがきにて時系列順にのせておきました。
「一緒にお昼食べない?」
「あぁ…………はい」
僕は声のした方を見ると、そこには愉快な髪の色をした二人がいたため、僕はYES、はいの二択を迫られた。
「じゃあ、購買いくわよ」
僕は何も言わず立ち上がり、弁当箱を手に持つ。
それを見た二人のうちの一人……アリサ・バニングスは、くるっと振り返り、スタスタと教室を出て行こうとする。
それに対して、もう一人の少女……月村すずかは、僕とアリサちゃんの事を交互に見てオロオロとしていた。
はぁ、と僕はため息を心の中でつく。
僕が目覚めたのは、4月も終わりに差し掛かっていたところだった。
で、その後、紳士的な男性、もとい高町士郎さんからのお誘いに、僕は考える間もなく、はいと答えた。
士郎さんは僕くらいの年齢だったら、かなり考え込むんじゃないかと考えていたらしいけど、僕にとってこの誘いには、いいえ、という答えが考えられなかった。
僕の予想では、おそらくここには僕の住んでいた都市の、箱庭市は存在しないと思う。
まぁ、時間跳躍をして、過去に戻ってしまった、という線も考えられるが、それだったら、この世界の神、デウスが僕と接触を試みるはずだからだ。
とまぁ、そんな感じに考えていたら、
ヤバイ、衣食住のうちの一つも確保できない…………
そんな考えに至った。
着るものはお金がないため、今着ているもの以外服がない。
食べるものも同じく、お金がないため少し乱暴な手段を取る以外でしか食べるものは確保できない。
住むところは言うまでもなく、野宿以外手段がない。
という事で、このお誘いは僕にとって救い以外のなんでもなかった。
「ねぇ、怪我、大丈夫?」
「あっ、うん、大丈夫だよ」
僕はアリサちゃんのすぐ後ろをついて歩いていると、アリサちゃんがいきなり質問してきた。
それに対して僕は笑顔を見せ、にこやかに言うと、アリサちゃんは、そう、と言い、あとは何もしゃべらなかった。
それからは、居候生活が始まるのかと思いきや、それとは全くの逆の、絶対安静という条件の元の療養生活が待っていた。
大きい病院には身分を保証するものがないため、入れなかったし、しかも、よくよく考えると、僕、銃で打たれてて、片方の肺が破けていたという状況だったため、療養生活を余儀無くされた。
療養生活はぶっちゃけ、暇の一言に尽きた。
でも、ここにきて、変わった事が幾つかある。
なぜか少女たちに好かれたり、士郎さんが経営している喫茶店のシュークリームが美味しかったり、アリサちゃんが、かなり僕が撃たれた件に罪悪感を持っていたりなど。
でも、その中で一番僕が動揺したのは、未来日記のことである。
僕のケータイは、未来日記になってから電源、という概念がなくなっていたため、どんなに放置しても充電がきれないのだ。
それで、やっぱりというか、僕は療養生活の最中、何回も未来日記を見ていた。
そして、未来日記の表示に特に変わった事もなく、飽き飽きしていたある日、僕は
12月32日の表記を。
こう言えば、響きがいいのかもしれないが、この言葉には少し違うところがある。
正確には、
12月32日の、僕にとって
そう、『12/32 2:00[自宅前] 由乃に会った』の表記が。
「あ、雪輝くーん」
何も言葉がなかったとても気まずい雰囲気だったが、僕のクラスと購買は近かったため、そんな気まずい雰囲気もすぐに終わった。
この学校…………私立聖祥大付属中学校には、中学校にしてはなかなか珍しく、給食がなく、購買が存在していてる。
それに、中々にでかいから、ここでは昼間になると、購買に昼を買いにくる人も、弁当持参の人もここに訪れる。
一応全校生徒は入るらしい(聞いただけなのでなんとも言えないが)が、そんな事をすれば購買が人でいっぱいになるのは当然。
で、今日も例に漏れず人がたくさんいた。
僕は目を凝らして必死に声の主を探す。
すると、人ごみの中からピョコピョコと上がっている手が確認できたので、アリサちゃんたちに伝えようとしたが、当の二人はすでに見つけていたのか、既にみんなのところに向かっていた。
最初、僕はこの中学校に入学するのを断った。
まぁ、理由は色々ある。
私立だったことや、学校にいるとみんなを危ない目に合わせてしまうのではないか、とか。
だが、士郎さん曰く、君は中学生だから学校に通わないといけないし、それだと、公立は士郎さんの一番したの子と違うから色々と都合が合わない。
それに、この中学校は僕のみならず、生徒の安全を保証できるらしいのだ。
え、なんで私立の中学校だと僕の安全が保証されるの?という質問に士郎さんは少し戸惑ったあと「娘たちには秘密にしておいてね」と言われた後、教えてくれた。
士郎さんは昔、ボディガードの仕事をしていて、かなり腕が立つらしく、その中学校には、士郎さんの昔の友人が何人かいて、そこらの警察官より信頼できる、ということだった。
え、なんでそんな達人クラスの人たちが教員なんでやってるの?という質問に士郎さんは、まぁ、色々あるんだよ、と誤魔化された。
僕が人ごみの中をやっと抜け出して、椅子に座ると、みんなは既に座っていた
「こんにちはー」
最初に声をかけてくれたのは、先ほど手を振っていた少女。
彼女は士郎さんの一番したの子どもの高町なのはちゃんだ。
かなり長い栗色の髪のツインテールが印象的だ。
「こんにちは、雪輝」
次に声をかけたのは、金髪のツインテールの、いかにもクールという感じの少女。
彼女は、フェイト・T・ハラオウンといい、外国人のハーフて、このメンバーでよくいる(というかこのメンバー意外でいるのを見た事がない)
特になのはちゃんと仲がいいようで、親友、という言葉がお似合いだ。
「やっ、雪輝くん」
最後に声をかけてきたのは、茶髪のボブカットの関西弁の少女。
彼女は、八神はやてといい、一言でいうなら、元気っ娘。
少し運動が苦手なようだが、それは彼女が小学六年生の時まで足が動かなかったからだそうだ。
「じゃあ食べよう」
アリサちゃんの声で、僕も含め、みんなは手を合わせ、
「「「「「「いただきます」」」」」」
僕が弁当を開けると、なのはちゃん以外のみんなは僕の弁当を見る。
「いやー、やっぱすごいねぇ、雪輝くんのお弁当」
はやてちゃんの呟きにみんな頷く。
「いや、だからさ、僕のじゃなくてなのはちゃんの見ようよ」
僕の弁当はなのはちゃんと同じだ。
僕は、最初この中学校に給食がない、という事に困っていた。
一応僕も一通り家事ができるのだが、朝早く起きて自分の弁当を作れる自信がない。
という事で、なのはちゃんのお母さん……高町桃子さんに相談してみたら「うーん、なのはと同じ中身になるけど良い?」と言われたが、僕は速攻でOKと答えた。
で、そこまでは良かったんだけど、五月に入って数日たったある日。
僕の中学校生活一日目は、転校生という事もあり、質問ぜめにされていた。
僕は頑張って作り笑いを浮かべ、適当に答えていたら、今日のごとくあの二人がきて、僕は拉致られた。
そして、今日のごとくみんなで昼食を食べた。
まぁ、療養生活の最中にそこそこ仲がよくなっていたため、特にぎこちないとかはなく、僕は弁当を食べた。
そこで「うまっ!!」と驚いてしまった僕は何もおかしいことはなかったはずだ。
案の定みんなは僕の方を見ていた。
で、みんな(なのはちゃん以外)で食べてみたところ、僕と同じリアクションをみんな(なのはちゃん以外)はした。
特にはやてちゃんは「なんで弁当でこんな美味いんや…………」と打ちひしがれていた。
それからというもの、僕の弁当の中身はみんなとおかずのトレードの対象となった。
いや、なのはちゃんと同じだよ中身、と言ったがみんなが言うには「いや、雪輝(くん)の方が美味しそうだから」らしい
「私、卵焼きもらうね」
「じ、じゃあ私も」
「私は雪輝くんのウインナーもーらい」
僕の弁当からは卵焼きが二つと、ウインナー(たこさん)が消え去り、かわりにミートボールとちっちゃいハンバーグとミニトマトがおかれた。
「ミニトマトって…………」
「ええやん、別にケチケチせんでも」
はやてちゃんはそう言いながら口へと運ぶ。
「あれ?アリサちゃんはいいの?」
僕は後ろで「なんでたこさんウインナーがこんな美味しく……」と言っている人をほっといて、一人でもくもくと食べているアリサちゃんに尋ねる。
「いや、私はいいから……」
「じゃあ、僕の卵焼きあげるからそっちの卵焼き頂戴」
僕は目にも留まらぬ箸裁きでアリサちゃんの弁当と自分の弁当のおかずを交換する。
「んー、美味い」
そして、もらった?卵焼きは即座に口の中に放り込んでしまう。
「む…………ま、まぁ、仕方がないから交換してあげるわよ」
それに対してアリサちゃんはむすっとしたまま言うが、交換した卵焼きを食べた途端、顔がほころんでしまっていた。
実を言うと、今のこの行動、計画するまで4日、実行するまで3日かかった特大プロジェクトなのだ。
そんな事にぼくは喜びを感じていると、
「なぁ、雪輝くん聞きたい事があるんやけど」
はやてちゃんが話しかけてきた。
「ん?なに?」
僕は特に何も考えず聞き返す。
「いや、特に答えなきゃいけないとかじゃないんだけど……」
はやてちゃんはいつもの元気さはどこにいったのか、少し話すのに躊躇しているようだった。
「ゆ、雪輝くんって彼女いるの?!」
「えぇっっ!!」
今の声はぼくではない。
なのはちゃんだ。
でも、そのおかげでみんなからの視線が痛く、僕は周りの人たちに謝罪の視線を送る。
そして、みんなが各々のやっている事に戻り始めた頃に、
「あの、すいません」
となのはちゃんがシュンとしながら謝った。
「いや、別にどうってことないよ
で、僕に彼女がいるかっていう話だっけ?」
僕は少しいきなりすぎるが、話を変えた。
「あ、いや、別に嫌なら言わなくても…………」
はやてちゃんはおかずをとった時とは打って変わって、そんな事を言っていた。
ちなみに、この場にいるメンバーは、僕がこの世界の住人ではないということは知らない。
「うん、いるよ」
「「「「え」」」」
みんなが驚く。
「え、それって僕に彼女がいないように見えたってこと?」
「いや、それは…………」
「うん」
フェイトちゃんが少し言い淀んだが、アリサちゃんがその直後にスパッと言う。
「あははははは…………」
僕ってそんなに見えるのか、と思いながら笑う。
そういえば、こんなに笑ったのはいつ頃だろう。
前の世界では、日記ばかりつけていて、友達なんて一人もいなかった。
それでも、未来日記を持ってからは僕にも友人ができた。
きっとそれ以来だろう。
僕はそう思いながら笑う。
なら、そのオトモダチは?
心の奥底から聞こえるそんな質問に僕は答えられなかった。
いや、答えたくなかった。
でも、その質問のせいで僕の記憶が僕の頭の中でリピートされ始める。
僕の間違いを正そうとしてくれたオトモダチ。
僕を止めてくれたオトモダチ。
だけど、僕はそんなオトモダチを、
全員コロシタ。
でも、そんなことを知っている人は1人としていない。
僕の殺ったことは、この世界のみんな知らない。
だから僕も知らない。
思い出したくない。
だから、こうして笑う。
だけど、そんな生活も、長くは続かない。
全ては、見知らぬ女の子の、あの一言が始まりだった。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
「ん?」
「あの、これ、後で読んで欲しいんだけど」
「え?」
「それと…………」
「?」
「我妻 由乃」
「!!」
「私、知ってるから」
5月の、妙に肌寒い日でした。
4月8日 撃たれる。
二週間寝たきり
4月22日起きる(前話にて)
一週間療養
4月29日十分動けるようになる
三日間、学校へ行くための準備と、この世界での勉強に慣れるため、学校へは行かず。
5月2日登校
この日に始めて昼に誘われる。
一週間に3回誘われる。
5月9日←今話時点
質問等がありましたら、感想にてお願いします。