機械の体で   作:小さな小さな百鬼夜行

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改造人間

錆び付いた鍵を破壊して部屋を出るとそこは老朽化した廊下だった。とりあえずロッカールームのような場所を探そう。流石に全裸は落ち着かない。鍵が両手の平均握力18kgに普通に壊せるって扉として終わってると思った。まあ、昔はとても丈夫だったのだろう。そうに違いない。うん。

 

廊下を歩いているとこの場所が何となくどんな場所か分かってきた。なにかの研究所のようだ。ドアにかかっているプレートに「第七研究室」だの「第二資料室」だの書いてあった。一体何を研究していたのやら。あとなんで「第八化粧室」とかあんの?トイレの番号なんて需要なくない?

 

更衣室発見。しかし何故かぶっとい鎖と南京錠で施錠されている。更衣室に鍵かける意味ってなんだ。そんなに俺に服を着せたくないか畜生。道具を探そうにも俺のメンタルが限界だ。もう局部を晒すのは耐えられん。俺は南京錠を鷲掴むと今まで溜め込んできた羞恥心を力に変えて喉の奥から感情を爆発させ、全力で後ろに引っ張った。

「「ふざけんなこのクソ南京錠ォォ!! こちとらなあ! 目ェ覚めてからずっと全裸なんだよクソがァ! ただでさえ意味わからん状況で心細くてちょっと泣きそうなのに、服を着れる喜びまで奪ってんじゃねェェ!!」」

叫んでる最後の方ちょっと涙出てきた。マジ心細い。ぶっちゃけここまで歩いてくんのに内心泣きそうだった。ずっと心の中で「おばけなんかな〜いさおばけなんてう〜そさ」って歌ってた。暗くて知らない場所ってのはここまで怖いものなのか。何か出てきても何も装備していないから軽く死ねる。いやまあ、なにか装備しても色白もやしっ子なんで死ぬけど。

 

〜数分後〜

うん、無理(確信)

最初から素手でなんとかなるレベルやなかったんや。仕方ないよね?

しかしこれからどうしよう。探索しようにもこのかっこじゃ運良く外に出られた時に社会的にも精神的にも死ぬだろう。まだピチピチの18歳なのに警察のご厄介になりたくはない。それにさっき通った廊下では、研究室からトイレまで番号が振ってあった。しかし更衣室のプレートはどう見ても番号なんて振られていない。とゆうことはここ以外に服を発見できる可能性がある部屋はほぼ無いと考えていいだろう。とりあえず周りをよく探してこよう。何か工具があるかもしれない。

 

〜数十分後〜

周りになにもなかった。怖すぎてタップダンスしそうな足をなんとかとどめて、感情を殺して、号泣しながら探しに行ったのになにも無いってどうゆうことなの? てかあらゆる部屋が何処ぞの戦慄◯宮みたいだったんだけど。もうヤダ怖い。早く綺麗でSAN値が減らなそうな部屋に入りたい。俺は半狂乱になって南京錠を無茶苦茶に動かした。

「うわぁぁぁぁぁ‼︎ 開け! 開け!開けェェェェ‼︎ 」

オレ の はんきょうらん ! しかし ナンキンジョウ にはきかなかった!

もうヤダこの鍵。壁との固定部分さえガタつかない。

「うおおおおおぉぉぉ都合よく覚醒しろ俺の中の何かァァァァァァァァァ」

そう叫びながら正真正銘の全力を出そうとした直後、

視界が真っ赤に染まった。

と思ったら急に南京錠の抵抗がなくなり、「メキャア」となにかが引きちぎれる音がした。当然後ろに吹っ飛んで頭から床に突っ込んだ。だとゆうのに頭に全く痛みはなく、血の出ている感触もなかった。右手に握ったままの南京錠を見れば壁に固定されていた部分が中程からちぎれたように破壊されている。握っていた南京錠の部分はまるで握りつぶされたかのように歪んでしまっていた。

「はぁ?」と思わず声が漏れてしまう。なにが起こったのか全く理解できない。しばらく呆然としていたが、動かないとなにも始まらない。急に変わった色の違う世界に戸惑いつつ俺は更衣室の中に入った。

 

更衣室の中には一揃いの黒ずくめの服と何かの研究資料が置いてあった。取り敢えず服を着た。色々あって戸惑っていたが、服をようやく服を着れたことに安堵する。しかし黒いコンバットブーツに真っ黒な上着の上下、そしてフード付きロングコートと黒革の指ぬきグローブと黒いフェイスマスクって厨二すぎる。めっちゃイタイ奴みたいだ。履いてわかったけど明らかに靴底に鉄板入ってやがる。嗚呼、過去の自分を思い出す。自然と遠い目をしていた俺はいかんいかん首を振ってと現実に戻って着た。取り敢えず研究資料を見よう。

 

タイトルには『特化型改造人間計画』と書かれていた。

 

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『特化型改造人間計画』とは人間の体をベースに改造を施して一つの才能に特化した兵器を作り、量産化して死をも恐れぬ最強の軍隊を編成する計画である。

 

被験体,宮本啓一 性別,男 年齢,18歳 国籍,日本

 

1998年11月21日午後4時53分、トラックとの衝突事故により右腕、左脚欠損、内臓破裂などが原因で心肺停止の状態で発見。幸いにも目撃者もなくトラックドライバーも死亡していたため、偽造工作を施し回収した。その後脳以外を機械の体に作り変えた。基本機能である筋力増強、耐久力上昇、敏捷性上昇、遠視、暗視、サーモグラフィー、体格変形を使用できるようにした。また、敏捷性、ステルス性を特化させた。コンセプトは「忍者」である。その為、通常は普通の人間と変わらない。

しかし戦闘形態になると目が赤く発光しそれに伴って人外の力を発揮する。

 

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俺は資料を取り落とし、床に崩れ落ちた。信じられない。信じたくない。だが、不思議と納得してしまっていた。そりゃそうだ。自分には事故にあって死んだとゆう記憶があるのだから。自分は事故で死に、人外になってしまった。

頭ではわかっていても、心が現実を受け入れられていないのだろう。本来なら自殺でも図っているだろうが、不気味なほど落ち着いている。いつまでもこうしているわけにはいかない。だから、人外になったという事実を無理矢理心の奥に押し込めて、この場所からでるために俺は行動を開始した。

 

 

 




心情を語るのがすごく難しいです。どうすればもっと上手く書けるんだろうか。

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