Girls und Panzar mit Boys 作:おっさま
ドリームタンクマッチ面白いし仕方がないね!
「ただいまー」
そう言いながら俺は学生アパートの自分の部屋の鍵を開ける、引っ越したての頃は自分の部屋より日当たりがいい隣の角部屋を羨んだが、住めば都で一年近くたった今はなかなか愛着が湧いている。
「さてと…」
制服から部屋着に着替え、先日龍秋から貰った紅茶を淹れる。とてもいい香りがする、いい茶葉なんだな。龍秋はこの紅茶を誰かから貰ったらしいけど、その人はきっと良いところの出身の人なんだろうな。良いなー、俺もお嬢様の知り合いとか欲しいな… 一応一人いるけどアイツはなんかちょっと違う、少なくとも紅茶は飲んだことはなさそうだな。
「姉さんに連絡しないとな…」
スマートフォンのチャットアプリを開く、きっと姉さんももう家にいるだろう。『相談がある』と入力し送信して、紅茶を一口飲む。
「うまいな…」
紅茶でリラックスしながら、イスの背もたれに体重を預ける。そしてゆっくりと今日の出来事を思い出す。
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「だから〜、この学園には今のところ一両しか戦車はないんだ〜」
は? 何言ってんだこの人は? たった一両の戦車で戦車道の授業をやろうとしていたのか? タンカスロンならともかく公式戦は5両以上は必須だ。この人は本当に戦車道のことをわかっているのだろうか?
「い、一両ッ!? そんな車両数で戦車道が出来ると思ってるんですか、会長!?」
「まあまあ、落ち着いてよ、島田。 別に今見つけてあるのが一両ってだけなんだ~ かーしまー」
「はい、会長」
会長が河嶋先輩に声をかけると一つのファイルを俺に渡してきた、どうやら戦車のことについて書いてあるものらしいが
「この書類に書かれている戦車は昔の戦車道の名残だそうだ、そしてこの学園のどこかに存在しているらしい。これらの戦車の捜索をお前たち五人にしてもらう。ちなみに見つけてある一両は一番上の書類に記載されているⅣ号戦車だ。」
なるほど、完全に理解した。昔使用していた戦車を探してきて再利用するらしい。ひとまず俺は書類に目通す。
38t、Ⅿ3中戦車リー、89式中戦車、三号突撃砲、ルノーB1bis、etc…まじか、このラインナップで戦車道をやるのか、目も当てられないぞ…
強豪黒森峰はドイツ、聖グロはイギリス、プラウダは旧ソ連、サンダースはアメリカと言ったように多くの他学校はだいたい使用戦車を同じ開発国で固めている。やはり戦車の開発に当たっては国ごとに攻撃の目標、運用の目的となるものが異なる、アルプス山脈を楽々と越えられるように作られたCV33もあれば、歩兵の随伴支援のためのチャーチルだったりする。つまり各校の持つ戦術ドクトリンに則ったコンセプトの戦車が選ばれるのだ、したがってこれらの大洗学園にある戦車が見つかっても各戦車の出身地が違い過ぎて戦術がとてもたて辛いのだ。
てか整備が大変ってレベルじゃない。あと普通にこれ見つけても戦術以前に戦力が足りない。はぁ、仕方がない…
「会長、戦車道に私物の戦車は持ち込めますか?あとそれで公式戦に出られますかね?」
「たぶん大丈夫じゃなーい?こやまー?」
「はい、会長。 そうですね、今軽く調べたところ、公式戦に関して私物の戦車について記載はないです」
小山先輩が調べてくれたみたいだ、てか生徒会怖すぎ、名前を呼んだだけで自分の仕事を理解しちゃうのか… もしかしたら和樹も… あ、ずっと小山先輩のおっぱい見てるわ
「ありがとうございます、小山先輩。じゃあ、会長、ちょっと戦車持ってきますね。お前ら、あとの戦車の捜索は頼んだッ!!!」
「あッ! 汚ぇぞ、蒼!」
「てか、私物の戦車があるっちゅうことが驚きや…」
「は? 蒼ちゃん、どうして俺にそれを教えてくれなかったんだ、い!?」
「気を付けてね、蒼」
四者四様の反応を背にして俺は生徒会室を後にした。
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回想終わり
だが実のところ偉そうなことを言った割りに俺は悩んでいた、実は島田家は西住家と並ぶ戦車道の大家である。そんでもって家も立派で広く小綺麗な西洋風の屋敷だ、まあ当然盗もうと思っても警備厳重だし、盗めてもあとで使用されていることもすぐにバレてしまうだろう。それに正式に受け取ることが出来ても、あの戦車を実家こと風雲島田城から持ってこなくてはならないのだ、俺は半勘当の身だから支援は受けられないし、一介の学生には他の手がない。そしてこれと言っていい方法が浮かばないので姉さんに相談をしてみた段である。なんてことを思い出してるとスマートフォンからピロンと音がする、多分姉さんだろうな。
『蒼が私を頼るなんて、また不思議な風が吹いているね。どうしたんだい?』
相変わらずわけのわからない言い回しだ、だが妙に安心してしまう、俗に言う実家のような安心感ってやつだ
『相変わらずよくわからない言い回しだな、ミカ姉さん。それが戦車道を始めることになったんだ。』
『それは素晴らしいことだね。戦車道には人生の大切なことが沢山詰まっているからね、君がまたこの道を歩めることをうれしく思うよ。あの人はともかく私は歓迎するよ、蒼。でもね、「姉さん」は不要だよ、昔みたいに「ミカ」で構わないっていつも言ってるじゃないか。』
昔。俺とミカは姉弟ではなく従姉弟だった。ミカの妹の愛里寿とは二人とも年が離れていて、ミカとは年が近かったので「ミカ」と呼んでいたのだ。
ただ当時島田の家を治めていた母さんと父さんが「事故」で他界してからは母さんの島田千代、つまりはミカと愛里寿の母親に養子として引き取られ、ミカ、俺、愛里寿は姉弟となり今に至るのだ。
だから、俺はミカに「姉さん」とつけるのだがあまりお気に召さないらしい。まったくよくわからない。
『ありがとう、ミカ。だけど圧倒的に戦車の数が足りなくてさ。』
『戦車の数、それは本当に大事なことなのかい?』
うわぁ… 今絶対に画面の前でドヤ顔でカンテレ引いてるよ、姉さん
『俺は姉さんと違うんだ、それに姉さんが思っているより戦車も少ないと思うよ。姉さんの通う継続高校よりも圧倒的に』
事実、姉さんの戦車道においての優秀さは群を抜いている、去年の全国大会において優勢火力ドクトリンを得意とするサンダースの戦車五両に囲まれたときにミカの愛車BT-42一両ですべての車両を撃破し突破して見せたのだ、あのときの観客席で見ていた俺も興奮のあまり震えを覚えたほどだった。多くの学校がミカを注目し始めたのもこのときだったと思う。でも残念ながら去年の継続高校は次にあたった黒森峰に敗れてしまったんだけど…
『自分を卑下するものではないよ、蒼。きっと君なら君の歩む戦車道の途中で素敵な仲間に出会えるさ』
『仲間ねぇ…』
ふと、和樹、君尋、龍秋、幸二の顔が過ぎる。アイツらは何を考えて戦車に乗るんだろうか…
『だいぶ話が逸れてしまったけど、蒼は大洗の戦力増強に「星さん号」を持っていくつもりかな?』
「星さん号」、懐かしい響きだ。母さんのおさがりでもらった俺の愛車であるコメット巡行戦車を当時まだ小学生だった愛里寿が「コメットって彗星って意味なんでしょう?じゃあ星さん号だね!!」と笑いながら命名したのだった。あの頃は俺、ミカ、愛里寿の三人で「星さん号」で出かけてたな、愛里寿もよく笑ってた、元気かな愛里寿…
キーボードに文字を打つ指が止まってしまう
『今、愛里寿のこと考えていたね、蒼。でもね、もう一度戦車に乗るってことはいつかは直接、愛里寿と、あの人と対峙するってことだよ。それだけは忘れては駄目だよ。』
ああ、ミカはわざと「星さん号」の名前を出したんだな、でも、ミカは間違っている。逆だ、俺がもう一度戦車に乗ることは、またあの人と対峙「出来る」ってことなんだ。確かに和樹たちに「戦車道をやろう」と言われたときは足のすくむような感覚を覚えた、でも幸二に「もう二度とこんなチャンスはないかも知れない」と言われたとき俺はもう一度戦車に乗ろうと思った。また島田千代と対峙するために、愛里寿に笑ってもらうために。
『大丈夫だ。うん、ミカの言う通り「星さん号」を実家から持ち出したいんだけど手伝って貰っていいかな?』
『構わないよ、じゃあ、明日の6時に大洗学園の校庭に居てくれるかな?風が君を迎えに行くよ』
『え、風ってなにさ、てかもっと具体的な話をしなくても大丈夫なのか?』
『それは明日のお楽しみさ、全ては風が教えてくれる。おやすみ、蒼』
そう言い残してミカはログアウトしてしまった、考えても仕方がないし明日を待つしかないか…
俺は不安を覚えながらそのままベッドにダイブして寝てしまった。
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本当に彼女は昔から強引だし何をするにしても急だ、昨日の夜遅くに突然「蒼が実家から戦車を運びたいらしい、無事運んだら何でも君のお願いを聞いてくれるらしい。だから明日ヘリを出して欲しい」とメッセージが来たのだ。
久しぶりに彼の名前を聞いて少し顔が熱くなる感じがしたが、即座にそれを振り切り『私には偉大なるカチューシャのお世話がありますので丁重にお断りします』と返すと『それは大丈夫さ』と返事が来た。
それと同時にカチューシャがいきなり私の部屋のドアを開け「ノンナ!明日はおやすみをあげる!ヘリも自由に使っていいわよ!カチューシャは心が広いし、一人でも大丈夫なんだから!」と顔を真っ赤にしながら言い放ちドアを閉めて部屋に戻って行きました。
ミカさん、あなたはいったいカチューシャに何を吹き込んだんですか… すると間髪入れずに新しいメッセージが届き『それは風が知っているよ』と来ました、本当に何なんですか貴女は…
翌朝、私は彼女の指定通りの時刻、ポイントにヘリを飛ばすと目の前に継続高校の学園艦が見えてきた。そして指定された継続高校の校庭を目指す。いた、彼女は校庭のベンチで特徴的な水色と白の帽子を被りカンテレを弾きながら座っていた。私をヘリを着陸させ彼女と合流した。
「久しぶりですね、ミカさん」
「そうだね、ノンナ。でも久しぶりの再会を喜んでる暇は無いんだ、もうすぐでこの学園艦が物資の運搬の関係で大洗の学園艦と最接近するんだ、急ごうか、蒼も待っているよ」
そう言って彼女はスタスタとヘリの方へ歩いて行く。そういえば彼と会うのも久しぶりですね、前に会ったのは半年前の全国大会でしょうか、昔と比べ背もだいぶ高くなり私よりも高かった気がします。また大きくなっているんでしょうか…
「ふふ、ブリザードのノンナと言われた君もそんな顔が出来るんだね。とてもいい顔をしているよ」
まったくこの人は… 少し口元を緩め私もすぐに操縦席に乗り込み大洗の学園艦を目指す。朝日がとても眩しい、今日もいい天気になりそうです。
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誰もいない。
当たり前だ、こんな朝の早い時間に誰が学校に来ると言うのだ。にしてもミカは何でこの時間にこの校庭を指定したのだろうか、あー眠い。
俺は大きく欠伸をし伸びをする、すると遠くの空からヘリの飛んでくる音が聞こえてきた、朝早くから大変だななどと思っているとヘリがちょうど校庭の直上まで来て降下を始めた。え?マジで?
無事着陸を終えたヘリからミカがなんともないと行った顔で降りてくる。
「やあ、蒼。迎えに来たよ」
「ええ…」
いったいどこでヘリを… 一瞬疑問に感じたがヘリから降りて来たもう一人の姿を見て納得がいった。
「ノンちゃん!」
「ええ。蒼、久しぶりですね。また少し背が伸びましたか?お元気そうでなによりです」
たしかに俺は背が伸びた、でもノンちゃんも、うん、半年前に比べて大きくなってるかもしれない色々… 微妙に目のやり場に困り、小さい頃のことを思い出す、昔はノンちゃんの方が背が高かったのにな…
ノンちゃんの母親は島田流の師範代の一人で当時は俺と島田姉妹の近所に住んでいてよく遊んでいた、だけど俺が中学校に上がったくらいにノンちゃんの母親が青森の方の島田流の道場を任されてしまい引っ越してしまった。
その後もちょくちょく連絡をとったところプラウダ高校で戦車道を始め、この前の全国大会では「尊敬する同士」と共に優勝を手にしていた。やっぱりノンちゃんも母親譲りで優秀な戦車乗りらしい。
「そうだな。ノンちゃんも元気そうでよかった」
そう言ってノンちゃんは近くまで来て俺の顔を少し見上げながら軽く微笑んでくれる、この人はいつも無表情だからこういう微笑みはちょっと反則だと思う。あ、ミカが少し目を細くしてこっち睨んでる、こわい。
「み、ミカも元気だったか?あはは…」
「その質問に意味があるとは思えない。こんなところで油を売ってる時間はあるのかな?ノンナ?」
「はい」
ミカはそう言ってツカツカとヘリの方へ歩いて行く。ノンナもそれについて行く。うーんなんだかなぁ…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
蒼がソワソワしながらこっちをチラチラと見てくる、さっきのことを気にしているのだろうか。面白いからもう少し黙っていよう。
「蒼、いきなりどうして戦車が必要になったんですか?」
「あー、話してなかったか、来年度からウチの学校で戦車道が復活するんだけど、それに伴って男子戦車道も始めるみたいなんだ。」
「男子戦車道?蒼はまた戦車に乗るのですか?」
「まあそうなるな」
「そうですか、ならプラウダに戻りましょう」
いつも淡々と話す彼女とは違い怒っているような悲しんでいるような口調で言い放った。
「それは駄目だ、ノンナ」
「どうしてです?戦車に乗ればまたあなたは傷ついてしまいます。それを私に黙って見過ごせと言うのですか?」
「確かにノンナの言う通りかもしれない、でもこの機を逃せば二度と愛里寿を助けられないかも知れない。それは絶対に嫌だ。」
島田愛里寿、私の妹で、蒼の従姉妹で島田千代の娘だ。誰よりも優しく、誰よりも明るく活発な笑顔の似合う子だった、しかし、蒼の両親が亡くなってから元々戦車道の才能の片鱗を見せていたこともあり、私達とは別で島田流戦車道を叩き込まれることとなる。 その様子は当時の小学生に行う「それ」ではなく苛烈極まるものだった。次第に彼女からは笑みが消え、表情も消えていった。
しかし一度だけ愛里寿が「もう戦車道なんてやりたくない」と蒼に泣きながら訴えたことがあった。そのときの蒼は堪らなくなり島田千代に異を唱えたが聞き入れられることはなかった。
当時の蒼は前島田流家元であった彼の母の血を濃く受け継ぎ愛里寿ほどではないものの男子ながら戦車道において異常な才能を発揮していた。彼はそれを自覚していた、自信があった、信じていた、疑わなかった、慢心していた、油断していた。結果、彼は島田流から外れることになり、「島田流」として戦車に関する一切のものに触れることが出来なくなった。同時に彼は島田本家から遠い分家に預けられることになり、愛里寿はもちろん私やノンナとも離れることになった。
そのときのノンナは私以上に力が無い自分に悔いていた。だから彼女はもう二度と同じことが起こらないようにしたいのだろう。だけど…
「また俺も傷つくかもしれない、でも愛里寿の方がずっと長い間辛い思いをしてる。」
やっぱり君は「また」そう考えるんだね。何も変わっていない。
「大丈夫だって、ノンちゃん。今度は上手くやるって、その最初の一歩に大洗で男子戦車道をやるんだしさ。」
「納得できません、そんな…」
このままいっても二人は平行線だろうね。
「じゃあ蒼の所属する大洗が全国大会で優勝出来ればいいんじゃないかな?」
「本気で言っているんですか、ミカさん」
「そうだね、優勝出来なかったら蒼も今度こそ本当に戦車から降りればいい。それぐらいの実力が無ければ到底島田流家元に敵うとは思えないからね。」
厳しく聞こえるかも知れないがどうしようもなく事実だ。蒼もきっと理解している。
「確かにミカの言う通りだな。ノンちゃん、それで良いかな?」
「はぁ… 本当にあなた達は… わかりました、ですがプラウダは今年も全力で優勝を頂きにいきます。」
「わかってるよ、ノンちゃん。 ミカもだろ?」
「その質問に意味があるとは思えない」
答えは最初から分かっているだろう、私も全力で優勝を取りに行くよ、蒼。私はそうだと言うようにカンテレを鳴らす。
「ではこのまま本土の島田邸を目指すのでよろしいですか?」
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えぇ… 嘘やん ミカがなんとかしてくれる言うたやん。 何が「策?そんなものは本当に必要なのかな?」だよ、無策じゃん。
超シリアスムードの固い決意の後にミカから「策を弄すれば弄するほど上手くはいかないからね、蒼の気持ちを伝えれば良い」と言われた、D○Oかお前は、忍者戦法の島田流大否定じゃねぇか。
それにお世辞にもあの人からの俺の印象は良くはない、ましてやまた戦車道に関わろうとしているんだ。絶対無理だ。どうしよう…
ついさっきノンちゃんが島田邸の庭に無理やりヘリを着陸させ、とりあえず俺は離れの戦車倉庫に向かっている。
今頃本邸の中は大慌てだろうなぁ… 帰るときどうしようか…
なんやかんや考えていると目的の戦車倉庫の目の前に辿りつく。
「嘘だろ…」
俺の探していたコメット巡航戦車が目の前にあった、だが思っていた様子とだいぶ違う。完璧に修理がなされている。俺が本邸を追い出されるときは大破していてボロボロだったのに…
清潔なものの年季の入ったこの倉庫の中で新品同然にまでレストアされてるコイツはとてつもなく異質だった。
「このコメットはね、今は島田家の戦車じゃないの。」
俺は驚いて声の方に振り向く、そこには毛先にウェーブがかかった赤毛に近い茶髪の女性がいた。 で、デカイ… ノンちゃんといい勝負かも知れない。
「それはどういう?てかあなたは?」
「私? 私はアズミよ、よろしくね。この戦車の持ち主はね、『今』は
島田流の人間じゃないの、そしてこの戦車は持ち主をずっと待ってるのよ、やっと来たみたいだけどね」
え? 俺のこと?
「だからはやく乗りなさい、あんまり時間ないのよ?」
そういうとナイスバディは俺を戦車に乗らせようと手を引く
「え? 大丈夫なんすか? 使用許可とか? 所持証とか? 盗難になるんじゃないんですか? え?」
それを聞いてアズミが振り返る、うおっ、この人めっちゃ美人かよ
「そこらへんは全部、お姉さん達がお膳立てしてあげるから気にしなくていいわ、あなたは島田流でも何でもない『名無し』なの、だからこのコメットに乗ってあなただけの戦車道を進んで強くなりなさい、そして絶対に私達の『隊長』を助けなさい」
達? お膳立て? 隊長? 最初の二つはよくわからんが、三つ目は直感的に愛里寿のことだってわかった。だったら返す言葉決まってる。
俺は懐かしい『星さん号』に乗り込みながら答える。
「おう、任せてくれ、愛里寿は絶対に助ける、サンキューなアズミ」
「なんだ、ちゃんとわかってるじゃない。 じゃあ頼んだわ、蒼」
そう言ってアズミはキューポラの蓋を閉める。
名前言ったっけ? まあいっか。
俺は昔の記憶を辿りながらコメットのエンジンを始動させる。大丈夫そうだ、むしろあのときよりも成長したからかかなり楽に扱えている。
よし行こう
コメットは動き始めて倉庫を出る。コメットの履帯は通った芝生に跡をつけていく。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
送り出した『星』は前へと進んでいく。次第に見えなくなり、しばらくしてヘリの飛んでいく音が聞こえ始める。
「ちゃんと運べたみたいね… あとはあなた達次第よ…」
風になびく髪を抑えながら私も倉庫を出る。
「私もルミとメグミに合流しなくちゃね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ポロロ〜ン♪
腹が立つほど美しい音が部屋に響く。
島田邸から戦車を持ち帰ったあと、俺らは急いで大洗の学園艦に戻りコメットを戦車倉庫に搬入した。 ノンちゃんにお礼をしたかったが「カチューシャが待っていますから、でも今度ゆっくりどこかに行きましょう。それと私達は負けないですからね」と宣戦布告しながらプラウダに帰ってしまった。
今度は敵として会うのか〜とか考えながら家に帰るとノンちゃんと共に帰ったと思っていたアイツが家の中にいた。
「お帰り、蒼。紅茶を淹れたけど飲むかい?」
おい、何してんだ、お前。 人の家の紅茶だろう。 あと楽しみに取っておいたGO○○VAのクッキーまで勝手に開けやがって。 てかどうやって鍵を開けた。 まったく昔とやることが変わらん… 昔から俺の部屋に勝手に入っては漫画を読んだり、ゲームをしてたりしてたからなぁ… もう慣れたわに…
「おう、ミルク入れたら許さねぇからな、あと出てけ」
てかベットの近くから離れろ。そこの下を絶対に覗くんじゃない。 あ コイツ わざとミルク入れやがった。
「ミルクの有無、それはそんなに大事なことかな? 」
目がニコリと笑っているが、その目が少し開いて
「蒼、君の趣味はまた随分のものだね。」
アイエエエエッ!? エロ本!エロ本アルノナンデェッ!
「年頃なんだほっとけよ、てか出てけ」
「はい、蒼のぶんだよ、あとでノンナに伝えておくよ」
ミカからミルクティーを貰う、あ、意外とうまい。ミルクティーええやん。 てかノンちゃんにはマジでやめて、本当に死んじゃう。 黒髪ロング巨乳の写真集とかバレたらどうなるか分からん、縁切られちゃう。
「ありがとう。 わかった、もう好きなだけ泊まったけよ」
「ふふ、素直なのはいいことだよ」
ポロロ〜ン♪ じゃねぇよ、お願いだからノンちゃんには言わないでね、マジで。
「でもね、蒼、もうすぐ風が私達を運ぼうとしているんだ」
相変わらずよくわからない言い回しだ、もう慣れたけど
「え、どこ行くんだよ」
「黒森峰さ、もちろん君もね」
「は?」
突然の旅行が決定した
おい まだアニメ一話にも到達しないゾ
まだみほちゃん出るのに時間かかりそうです