Girls und Panzar mit Boys   作:おっさま

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いやー ガルパンの新しいアプリ楽しみですね〜

内容は黒森峰旅行の前の蒼以外の四人の話です。


報告します!

ぬわぁーん、疲れたもぉーん、ったくやめたくなりますよぉ、戦車道。 結局、戦車1両も見つからねぇし。 蒼みたいに自前の戦車持ってねーしなー… 会長達の仕事手伝おうと思ったけど「桜田は帰っていーよー」って言われるし、やることもない。

 

「はぁ… どうすっかなー」

 

暇つぶしにネットサーフィンを始める。

目にとまる戦車道ニュースを片っ端からのぞいていく。

 

「ふーん、戦車道の流派って西住流、島田流以外にもあるんだなー。佐伯流かー初めて見たわ。」

 

なんて調べながら時間を過ごしているとピロンとチャットアプリの通知がなる。戦車道掲示板で知り合ったオットボールさんからみたいだ。オットボールさんはどっかの戦車大好きJKらしい、まったく胸が熱いな。男の俺には戦車について話せる数少ない友人だ。

ちょうど良いし戦車道を始めることでも話そうかな。

 

『ども、オットボールさん、お疲れでーす。』

 

『お疲れであります、ムエタイX殿。』

 

『いやー、俺たちの学校で新しく男子戦車道が始まることになって履修することになったんだよね〜』

 

『それは本当ですか?! いったいどの戦車に? ムエタイX殿はどのポジションに? 車長ですか?砲手ですか?それとも操縦士ですか?』

 

『いやー、それが戦車が4号戦車とコメット巡航戦車しかなくて、乗れるかも怪しいんだよね。まだ学園のどこかに戦車があるらしいんだけど… 』

 

『それは大変ですね… でもでもコメットといえば大戦中に目立った活躍は無いもののとても運用がしやすく、イギリスの国防義勇軍で勤めを果たしてからはつい最近までミャンマーなどで使用されていた戦車じゃないですか!』

 

『まあ開発された時期が不遇だったかもね、コメットは。 そんなわけだからまだポジションどころの話ではなかったんだよな〜』

 

『でも考えているポジションはあるんですよね?』

 

『そうだな、乗員のみんなを支えられるポジションがいいかな』

 

別に目の前に誰かいるわけじゃないが何となく力こぶを作ってみる。うん、我ながら惚れ惚れする腕だ。

 

『でしたら装填手なんでどうでしょう! どんなに腕の立つ砲手がいても装填手が駄目だとその真価を発揮出来ませんからね、正に縁の下の力持ちですよ!』

 

そう「縁の下の力持ち」いい言葉だよな。 世の中って沢山頑張っている人がいると思う、でもなかなか評価されなかったり、成果が出なかったりする人もいる。だからそういった人の力になりたいなって、努力してる頑張ってる人の力になりたいなって思う。

まあだから生徒会に入ったりしたわけだけどな。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

流石に疲れた。戦車を探して一日中歩いてたしね。でも日頃絵ばっかり描いてて体力がないんだろうな。少し運動したほうがいいのかな。バレー少女にバレー混ぜてもらおうかな、なんてね。

 

テーブルに置いてある。スマートフォンが音を鳴らしながら震える。

たぶんいつも通り彼女だろう。

 

「もしもし千代美ちゃん?」

 

「おー、幸二! 元気してるかぁ? ちゃんとご飯食べてるか? 友達と仲良くやってるか? 絵の調子はどうだ?」

 

「うん、元気だし、ご飯は毎日美味しいし、友達とも仲良くやってるよ。 ただ、絵の方はぼちぼちかな…」

 

「うんうん! そうかそうか、でもたまには息抜きも大事だぞ! まったく幸二の真面目さをうちの子達にも見習わせたいくらいだ!」

 

彼女は僕の幼馴染の千代美ちゃんこと安斎千代美である。僕とは異なり彼女はアンツィオ高校に通っている。また中学時代の戦車道での功績が評価され特待生で入学していて、戦車道履修生を引っ張ていく存在らしい。

とても面倒見のいい彼女にはとてもピッタリだと思う、そして何だかんだ、その面倒見の良さで僕のことも心配してよく電話をかけてくれる。

 

「ははは、でもそこがアンツィオの良いところなんでしょ?」

 

「まぁな、そして今年こそは一回戦突破!じゃないや、優勝を目指したいなぁ!」

 

「うん、応援してるよ、でも千代美ちゃんもあんまり無理しないでね。」

 

「うん、ありがとうな。 そういえば最近変わったことはあったか?」

 

そういえば千代美ちゃんに戦車道を始めることになったこと話してなかったな…

 

「そうだね、僕も戦車道を始めることになったよ。」

 

「えっ!? 男子も戦車道が出来るのか!?」

 

「どうやら文科省の来年度からの試みらしくてウチの学校でも始めるみたいなんだ」

 

「なるほどなー、じゃあもしかしたら私と幸二が戦うことになるのかもなー」

 

「そうかも知れないね、そしたらきっと面白いかもね」

 

「だな、だけどウチは絶対負けないからな、いや勝つ!」

 

ふと一枚の手紙が目に入る、ああ、このことも話さなきゃな…

 

「あとね、父さんから手紙が来てたんだ…」

 

さっきまでと比べ自分でも驚くくらい沈んだ声を出してしまった

 

「そうなのか… お父様はなんて?」

 

「アンツィオに転入しないかってさ…」

 

「そうか… どうするんだ?」

 

「いや断るよ、僕は自分で考えてここに来たからね、簡単には曲げたくないよ」

 

僕の父はアンツィオの出身で、また母校への愛なのか後援会にも所属していてそこそこの支援を行っているらしい、お世辞にもアンツィオ高校の資金は潤沢とは言えず、この後援会にも頼っているようだ。 僕の家は代々芸術家の家系で、またアンツィオ高校には全国でも名が通る芸術科があり、昔からアンツィオに通うように僕は言われていた。だけど僕は親に敷かれたレールに沿うことに耐えきれなくなり、反発してこの大洗に通っている。 まだ父は諦めがつかないらしいけど…

 

「うん、わかった。 でも気が変わったらすぐに教えてくれよ? 私は、いや私達はいつでも幸二を歓迎するからな!」

 

「ありがとう、千代美ちゃん」

 

僕は自分で選んでこの大洗にきた、でも結局納得の行くように絵は描けていない… 焦るなぁ…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「はぁー、やっぱりアッサムやな」

 

今日は苦労虚しく戦果なし、ほんま疲れたわ… こういうときはやっぱりいい紅茶に限る、アイツにお礼言わなあかんな

 

『紅茶美味かった、ありがとうなー』

 

疲れたし少し寝るか…

 

ピロン♪

 

うっわ、はっやいな相変わらず

 

『龍秋の口に合って良かったわ。 ちなみにどの茶葉が良かったのかしら?』

 

『アッサムが一番飲みやすかったわ。 ただダージリンは相性悪くて友達に譲ってしもうたわ、すまんな』

 

アッサムは凄く飲みやすいんやが、ダージリンはあの苦味があんまり好かん。

 

『気にしなくて良いわ、とても良い趣味をしているわね、龍秋。 またアッサムを送ってあげるわ』

 

『おおそうか、ありがとうな。 でも何で急に紅茶送ってくれたん?』

 

『学校が学校だから簡単に良いものが手に入るのよ、それに久しぶりに連絡するきっかけが欲しかっただけよ』

 

ちなみに俺は彼女の学校を知らんし、聞いても教えてくれん。彼女曰く「あんまり女性に探りを入れるものではないわ」らしい。 てか「久しぶり」言うても、割と頻繁に物を送ってきてやりとりがあんねんやけど彼女にとっては「久しぶり」になるらしい、まあ野暮なことを言う気は無いけどな。

 

『あらあら可愛いこと言うやないか』

 

ちょっとふざけてみる

 

『馬鹿なこと言わないでちょうだい、あんまり女性をからかうものではないわ』

 

相変わらずこういった冗談に過敏やなー。 そういえば彼女も戦車道をやっていたな、前から気になることがあったし聞いてみるのもアリやな

 

『すまんすまん。 そういえば熊本で戦車道の有名な学校ってあるん?』

 

『あなた、それは本気で言っているのかしら? 熊本で戦車道と言えば戦車道最大流派の西住流のお膝元で有名な強豪の黒森峰学園があるのよ?』

 

『ほーん』

 

『どうしてそんなことを?』

 

『いやーな、前に話したやん、熊本にお前に会う前の幼馴染がいるってな、そいつが戦車に乗りたいって言ってたのを思い出してな。』

 

『あらそうなの、意外と有名選手かも知れないわね。 名前はなんていうのかしら?』

 

思い出そうとするけど中々頭に浮かんでこない、熊本から引っ越してから結局連絡取らなかったからな… うーんと確か…

 

『あー…、イツミエリカやったと思う』

 

なんとなく思い出してくる、毎日けったいなゴスロリっぽい服ばっかり着ていて、えらい素直じゃないやつやけど、負けず嫌いで努力家でものっそいお節介なやつやった気が… あぁ… 毎朝その体躯からは想像出来ないプロレス技で起こされてたなぁ…

 

『調べるまでもないわ、その人、黒森峰の副隊長よ、あと逸見エリカね』

 

『ハァー、えらい昇進したもんやな、アイツ』

 

『それとあなたはもう一つ私に言うことがあるのではなくて?』

 

『特にはないなぁ』

 

『本当に? 戦車道関連であるのではなくて?』

 

ん? ああ、そういえば男子戦車道の話をしてなかったな。

でも何で俺が戦車道関連についてなんかあること知ってんねやろか

 

『あー、ウチで男子戦車道始めることになったわ』

 

『そう…、それなら「佐伯」という名字に注意しなさい。』

 

は?「佐伯」? んな、知らんわ。

 

『なんやそれ? 誰やねん。』

 

『とにかくよ、注意しなさい』

 

わけわからんが、コイツがこんなに念を押すのも珍しいし注意しとくか…

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

西日が眩しい…

自動車部での今日必要な整備を終え、僕は帰路についている。

新学期から自動車部で戦車の整備も始めるみたいだし、忙しくなりそうだな、多分この西日もなかなか拝めなくなるかもな〜

 

大きく伸びをする、体がポキポキ鳴る意外と疲れてるのかもな〜

ポケットの中のスマートフォンが震える。

 

「またケイさんかー」

 

内容は戦車の整備の変更及びそれに伴う運用注意についての相談らしい。

 

「転校前にタカシさんに聞くように話したんだけどな〜」

 

僕は大洗学園に来る前はサンダース大付属に通っていた。 そのときの戦車道の隊長がケイさんで、そこの整備士の先輩がタカシさんなんだけど…

 

「僕はもうサンダースの整備士じゃないんだから…」

 

ケイさんからのメールを放置する。もう何度目かわからない、僕はもうケイさんに関わりたくないのに… 隊長のあの人が僕なんかと対等になれることはないんだからさ…

 

あー… 戦車道やってたらいつかケイさんにも会うのかなー…

 

 




ケイさん好きの人まじすいませんでした…
でもケイさん全然悪い人じゃないんで安心してください!

次はいよいよ黒森峰旅行編です

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