ストライクウィッチーズ ~ 天翔ル白狼の奮戦記 ~   作:ティルピッツ

2 / 2
次話投稿遅くなり申し訳ありません。

中々、内容が纏まらなくて何回も書き直してしまいました。


*6月10日 1部内容を書き直しました *



プロローグ2 女神《テミス》との出会い

「一体どうなってるんだ…………俺は───戦死したはずじゃ?」

 

 

加東正和大尉は、現在の状況に困惑して声を漏らす……

 

 

 

 

 

─── 彼はつい先ほど、大西洋で独戦闘機との空戦中に敵機の銃撃を受けて乗機が被弾。コックピットに被弾した際に重傷を負い、最後は乗機の爆発に巻き込まれて()()()()()()()()

 

 

 

 

──しかし目を開けると、彼はは謎の場所に立ちすくんでいた……

 

 

 

「これは夢なのか?」と頬を抓ったりしたが、当たり前の如く、痛みを感じたので夢ではない様だ。格好は飛行服姿だったが、腹部や右腕付近に血が滲んだ跡が残っており、袖をまくってみると右腕に大きな傷跡があり、腹部も同様だった……

 

 

 

「困惑するのは仕方ない事です、加東さん。」

 

「?!」

 

 

何処からともなく、突然女性の声が聞こえてきた……

 

驚きつつ、声が聞こえた方を向くと、そこには純白の衣装を身にまとった女性がいた。

 

 

「…?…?……??」

 

「色々とご説明しますので、こちらへ来て下さいますか?」

 

「あっは、はい……………」

 

 

言われるがまま、女性に続いて歩いて行くと、白い壁に囲われテーブルと2つの椅子がある空間に着いた。

 

テーブルの上には、茶菓子と湯気の経つコーヒカップが2つ置かれていた。

 

 

「どうぞ。」

 

「ありがとうございます………」

 

 

彼女が先に椅子に座りやや遅れて加東が座ると、彼女は彼にコーヒーカップを差し出し、彼は例を言いつつそれを受け取る。

 

 

(ここは何処なんだ………それに彼女は………)

 

 

加東は、「此処は一体何なのか?」「対面に座る女性は誰なのか?」と、気になって仕方ない。

 

受け取ったカップに口をつけずに、キョロキョロと周りを見ている…

 

 

 

 

 

「ちゃんとお話しますからご安心を。折角のコーヒーが冷めてしまいます。」

 

「は、はぁ…」

 

 

確かに、周りをひたすら見てるだけで、暖かいコーヒーを一口も飲まずに冷ましてしまうのは、用意してくれた彼女に申し訳ない。

 

少し落ち着きを取り戻した加東は、カップのコーヒーを口にする……

 

 

「美味しい………」

 

「ふふっ、私の自信作ですからね。」

 

 

彼の素朴な感想に彼女は笑みを零す……

 

しかしその直後、彼女は驚くべき事を口にした

 

「まぁ()()()()()()()()()()()()()()()()()()ですけれども…」

 

「ッ!げほッ!げほッ!」

 

「─── 大丈夫ですか?」

 

「大丈夫です……………何故、見ず知らずの貴方がその事を知ってるんですか?」

 

 

涙目のまま、彼は女性に問い掛ける。

 

彼が所属した艦隊の総司令官……大石 蔵良(おおいし くらよし)》元帥の淹れるコーヒーが絶品だという事は、艦隊に所属する将校や紺碧会に所属する者しか知らない事……

 

同じ海軍の軍人でもその事を知ってる人間は多くない。民間人となればもっと少ない。

 

 

目の前の女性がそれを知っている筈がない。

 

 

 

── すると、彼女は予想もしない事を口にする……

 

 

 

 

 

 

「それは()()()()()()()()()

 

「───────は?」

 

 

女性は加東の反応を気にせずに話し続ける。

 

 

「私の名前は《テミス》。そして此処は、生と死の狭間‥…‥《選択の間》と呼ばれる空間です。此処ではこの先の行方を選択してもらいます。』

 

 

「…………………貴方は一体何を言ってるんだ…?」

 

 

彼には目の前の女性が言ってる事を何一つ理解する事が出来なかった。いきなり現れたかと思えば、「自分は女神です」とか「ここは生と死の狭間です」などと言われても理解出来る訳が無い。

 

 

「お疑いになるのも仕方がありません。突然、見ず知らずの女に自分は女神だの、ここは生と死の狭間だの言われて直ぐ理解出来る人はごく希です。多くの方は加東さんと全く同じ反応をします。」

 

「少しでも直ぐ理解する出来る人がいる事に驚く。」

 

「人それぞれですから。」

 

「…………それで、これは夢か何かですか?本当の事を説明して欲しいのですが………」

 

「私は一言嘘は言っていません。」

 

「……………………。」

 

 

「嘘は言っていない」と断言する彼女に対して、彼は怪訝な顔をする…

 

先程から《女神》や《生と死の狭間》という単語を口にするだけで、それ証明出来る物を見せようともしてこない彼女の事を、彼は疑っていたのだ…

 

 

 

 

 

「幾つか証拠となるものをお見せしましょう。──まずはこちらをご覧下さい。」

 

「っ!これは──!」

 

 

テミスが手に持った黒い板の様な物を指で軽く触ると突然、2人目の目の前に液晶画面のような物が出現し、そこにある光景が映し出された。

 

 

 

 

だが、彼が驚いたのは突然現れた液晶画面ではなく、そこに映し出された()()()()()だった。

 

 

 

 

映像は、彼が空戦中に独機の銃撃を受け、被弾する様子だったのだ

 

 

彼が僚機と共に独戦闘機隊との交戦を開始する所から、銃撃を受け被弾…最後の力を振り絞って僚機に最後の電文を送った後、機体燃料に引火して機体が爆散するまでが鮮明な映像として画面に映し出されていた。

 

 

 

 

「何故あの時の戦闘映像が………それにこの撮影角度…一体何処から………────いや、これは………」

 

 

軍用機には写真銃(ガンカメラ)と呼ばれる映像撮影記録装置が装備されている。

 

これは、作戦対象地域(戦場、戦場の想定地、予定地…他)や訓練の状況を記録して利用する目的で装備され、撮影記録機器(カムコーダ)が攻撃機器(機銃、ロケット弾など)の発射機構(引き金など)と連動し、発射装置の作動を起動条件として撮影と記録を自動的に開始する仕組みとなっている。

 

 

 

最初、この映像は、僚機の《写真銃(ガンカメラ)》から撮った映像かと思ったのだが、彼はある事に気付く。

 

 

 

 

「これは……写真銃(ガンカメラ)》から撮った物じゃない……?」

 

 

 

写真銃(ガンカメラ)》は、武装の近くに備えられる。例えば、機首に機関砲を装備して《写真銃(ガンカメラ)》も搭載するとなると、武装の同軸上……つまり、機首に装備する。

 

すると《写真銃(ガンカメラ)》は、正面方向しか映像を記録する事が出来ない。

 

ただし、旋回式の機銃等に直接取りつける事が出来れば、その限りでは無い。

 

 

爆撃機などの大型機は、自衛用に機体各所に旋回式機銃を備える為、その全てに《写真銃(ガンカメラ)》を取り付けておけば、正面のみならず左右や後方の撮影も可能だ。

 

 

 

 

 

 

─── だが、あの時その場にいたのは()()()()()。旋回式の機銃は備えていない。

 

 

戦闘機の《写真銃(ガンカメラ)》では、加東機に併走して撮影したり、機体の姿勢を変えないまま撮影など出来ない。

 

 

 

つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 

 

「こいつは戦闘機の《写真銃(ガンカメラ)》から撮ったものじゃない………そうだろう?」

 

「流石の洞察力ですね………」

 

「あの時、敵機と僚機の他に敵味方の大型機は居なかった……本当にどうやってこの映像を……?」

 

 

問いには答えずに、テミスは彼にこう問いただした…

 

 

「────加東さん………貴方は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()しましたね?」

 

 

「っ?!何故その事をっ?!」

 

 

彼は、先程よりも激しく動揺する

 

 

その訳は、彼女が口にした情報が、同じ軍人でも《紺碧会》に所属する者か、彼と親しかったごく一部の人間しか知らない事だからだ。

 

 

「貴方が前世からの転生者で創られた《紺碧会》のメンバーである事……貴方の上官や1部の同僚、艦隊総司令官…大石元帥らが転生者である事も知っています。」

 

 

「────── 全てお見通しという訳ですか………」

 

「納得して貰えたでしょうか?」

 

「そこまで正確に俺の事を知ってるんだ………あんたが言う事が正しいと思うしかないよ。」

 

 

よくよく考えてみれば、死んだはずの自分がこうして他人と喋っている事自体、本来有り得ない事だ。

 

最初は話を聞きながら「馬鹿馬鹿しい」と思っていたが、転生者である事や前世での最期を彼女が正確に知っていた事から、そのような考えは捨てて、彼女の言う事が本当なのだと思ったのだ。

 

 

 

「ご理解していただきありがとうございます。──それでは、先程申し上げた通り、貴方には此処でこの先の進路を選択してもらいます。」

 

「この先の進路?」

 

「はい。幾つかの選択肢があり、()()()()()()その中から1つを選んでもらいます。」

 

「…………()()()()()()?何か引っかかる様な言い方だが………?」

 

 

彼女の《通常であれば》という単語に違和感を覚え、それについて問い掛けると……

 

 

「大変申し訳ありませんが、加東さんにはご自身で進路を選択する事は出来ません。」

 

「何故だ?此処はこの先の進路を選択する場所では無いのか?」

 

「ええ、その通りです。ですが、加東さんには進路を選択出来ない理由があるのです。」

 

「選択出来ない理由?」

 

「はい。理由は2つです。1つ目は《既に1度転生を経験している》です。加東さんは、前世で亡くなり、後世界に転生しています。これは、「自身でその先の進路を選択した」という扱いになるのです。」

 

「確かにその通りだが、その時は今回の様な出来事を経験していない。」

 

「無意識のうちに加東さんが選んだのです。例え、選んだ覚えが本人に無くても私の元には《選択した》という記録が残ります。」

 

 

「つまり、2度目の選択権は無いから、今度は選択出来ないという事か?」

 

「通常2度目の選択はありません。ただ、選択権が無いと言う訳ではありません。」

 

「…………では、もう1つの理由は?」

 

「続いて2つ目。………外部からの干渉により自身での選択が出来ない……実は、これが1番の要因です。」

 

「外部からの干渉??」

 

「滅多に起こる事が無いのですが、外部……私以外の存在から干渉を受け、進路を選択する事が出来ない事があるのです。」

 

「何故その様な事が?」

 

「理由は私もハッキリとは分かりません。この様な場合、死者本人ではなく、私が進路を選択する事になります。」

 

「貴方が決めた進路にしか行けないと?」

 

「有効な対抗策がありませんので、そうなります。」

 

「……………………………………拒否権は?」

 

「残念ですが拒否する事は出来ません。」

 

「なんてこった…………」

 

加東はそう言うしかない。目の前のテミスと名乗った女性が選択した進路にしか進む事しか出来ず、それを拒否する事も出来ない…………

 

──2分ほど沈黙していたが、彼はテミスにこう問い掛けた。

 

 

 

 

「……………………ひとつ聞いても?」

 

「何でしょう?」

 

「私が戦死した後……部下達はどうなったか分かりますか?」

 

「………その後が気になるのですね?」

 

「ええ。彼等は今どのような活動を行っているのか……最後にそれを知っておきたいのです。」

 

 

「分かりました。加東さんと同じ部隊の人達は──」

 

 

テミスは手に持った板状の元を何やら操作して、加東と同じ部隊に所属していた者達の情報を探す……

 

 

「──── ありました。……3人全員が無事生還を果たして、味方の空母部隊と合流。その後は、講和が成立すると共に日本本土に帰還。現在は、教官や部隊長として活動しているようです。」

 

「具体的に誰がどうなったか分かりますか?」

 

桜井 一久(さくらい かずひさ)中尉は大尉に昇進して本土防空隊へ。一条 晃(いちじょう あきら)中尉は同様に大尉に昇進した上で戦略航空母艦《建御名方(たけみなかた)》の戦闘機部隊に転属していますね。本土で教官となったのは水無瀬 菜月(みなせ なつき)少尉で、中尉に昇進してから教官職に付いた様です。」

 

「…………成程……………分かりました。ありがとうございます。」

 

「他に何か質問等はありますか?」

 

「いいえ、ありません。」

 

「分かりました。───では、加東さん…………貴方には─────」

 

 

 

 

 

 

テミスが選んだ加東の進路とは一体…?

 

 

 

 

 

 

 

 




本文で登場させた3人については、加東本人の解説時に一緒にやります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。