ハリー・ポッターは2p完結でいい   作:りなむ

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15話 穢れた血事件after

結論から言うと、あの時は機嫌が悪かった。

 

理央はバジリスク殲滅で2巻、髪飾り粉砕でもう2巻分は巻けると思っていた。でもなかなか髪飾りは見つからない、どう頑張っても自分でピアスは外せない、その足枷で理央はイライラしていた。積み重なった鬱憤に加えてあの現場ーープッツンしても仕方がない。

 

こっちは苛々してんだよ!クソくだらない喧嘩してんじゃねえ!何回言ったら分かるんじゃボケエエ!!

 

で、ああなった。ただそれだけ。

あの惨状は彼女の完全なる八つ当たりだった。

 

 

 

 

 

 

「………さみしい」

 

あの事件から既に3ヶ月。理央はいじけていた。

 

「いいじゃない、これを機にポッター達と縁を切っちゃえば」

「リリーが冷たい。…セブルスも目ェ合わせてくれないし。癒しが足りない…」

「私にもセブは目を合わせてくれないわ」

 

クリスマスパーティーを終え、クリスマス休暇に入り、休暇が終わった現在でも未だジェームズ達ともセブルスとも冷戦状態が続いている。理央はしょぼくれていた。自分が悪かったとは米粒程度しか思っていないが、彼等と仲良く出来ないのはとっても辛かった。

対して、リリーはケロっとしている。ジェームズ達は元より、しかしセブルスに至って彼女は当事者だった筈なのに。ーー確かに、リリーはセブルスの暴言に傷付いたし怒りもした。でも、自分が傷付いた以上にリオは怒り、その報復をセブルスは受けたのだ。それもかなりエグい方の。自分以上に他人が怒ってくれるのならば自身の怒りは鎮火する。

とどのつまり、理央の八つ当たりはリリーの心境に大きく影響を与えていたのだが、理央は知るよしもない。

 

「リリーにも?」

「ええ。目線は寄越すくせして、こっちが見ると目を逸らすの。………そろそろ潮時ね」

「えっ」

「セブと直接話してくるわ。」

 

そしてあの日以来、セブルスはリリー達をチラチラ見ては目を逸らす。その曖昧な姿にリリーも鬱憤が溜まっていた。無理もない、元々正義感が強い、何事にも白黒つけたい性格なのだ。

 

「…大丈夫?」

「ええ、前々からきちんと話さなきゃと思ってたもの。リオは闇の魔術を学ぶこと自体は悪いことじゃないって言っていたけど、闇側の人間と関わりを持つのは悪いことだわ。……あの人達とは縁を切って貰わなきゃ」

「あー確かマシビエールとエイブリーだっけ?」

「マルシベールとエイブリー、よ」

 

セブルスとスリザリンの彼等は仲が良い。そしてあの二人は純血主義で質の悪い闇の魔術を面白半分で生徒たちにかけているという。リリーはセブルスが何故あんな人達と交流しているのか分からなかった。

 

「ねえリリー、友達を諭すことは正しいよ。でも縁を切るか決めるのはセブルスだから。そこを忘れないようにね」

「……リオはセブがあんな人達と一緒にいてもいいっていうの?」

「いい…とは思わないなあ。でも、私達がそう思っててもセブルスは違うかもしれないでしょう?もしかしたら私達が知らないだけで、彼等にも良いところがあるかもしれない。リリーがセブルスを心配してるのは分かるよ。でもね、心配だからって相手に強要したりするのは駄目。心配って言葉は免罪符にはならないから」

「……………」

「セブルスは馬鹿じゃない、ちゃんと自分の目で相手を見れるし考える事が出来る人だよ。まあ…ジェームズ達に対しては違うけど。それはリリーが一番知ってるでしょ?」

「…ええ」

「だからちゃんと聞いてきて。セブルスが何を思って闇の魔術を学んでいるのか、何故彼等と仲良くしているのか、ーーその上でリリーが何を思ったのか、セブルスに伝えてあげて。大丈夫、二人はきっと分かり合える。」

 

リオは時々やけに大人びたことを言う。リリーはそれが好きでもあったし嫌いでもあった。だって、大切な友達がまるで遠い存在のように思えてしまうから。

 

「で、いつセブルスと会うの?」

「え?…あぁ今日の夕食前よ。もう空き教室に呼び出してあるわ」

「そっかー。じゃあわたし今日ぼっち飯か~」

「…………なるべく早く帰ってくるわ」

「えへへ待ってる~」

 

でも、リオのこういうところで変に甘えてくるところは好きだ。自分が特別な友人だと、実感できる。リオは誰とでも喋ったり仲良くするけど、二人組のペアや夕食なんかは必ずリリーと取っていた。リリーにとって親友と呼べる人を挙げるのなら、それは理央だろう。そんな理央がリリーの背中を押してくれている。

大丈夫。私とセブは、こんなことで壊れるような弱い繋がりじゃないーーきっと分かり合える。

リリーもまた、理央と関わる中で、逞しく図々しく成長していた。

 

そうして夕食時、リリーとセブルスが不在の大広間。話し合いが長引いているのか、二人はまだ姿を見せない。悪戯仕掛人たちとは少し離れてボッチ飯をする理央は、モソモソと咀嚼しつつチラチラ扉を気にしている。そんな中で乱暴に扉が開かれた。だけど、そこにいたのは理央の待ち望む人間ではなくーー

 

 

「た、大変です!ヴァジュラが…地下に、侵入して…!!」

 

 

理央は思ったーーーあれ?そのイベントはやくね?と。




ヴァジュラは捏造の魔法生物です。イメージはアラガミ(そのまんま)
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