25話 モテ期?
6年生になった。
まあ、だからといって日常は殆ど変わらない……と思っていたのだけれど。
「やあリオ。」
「あらMr.ベルモント。ごきげんよう」
「マーカスでいいって言っているのに。隣いいかい?」
「…ええ、勿論」
いいって言う前に座ってるけどな。
そんな脳内ツイートは微塵も出さずににっこり笑う。
6年次からはふくろう試験に伴い、授業は選択制となる。特に進路にこれといって目標がない私は当然試験結果に沿って時間割を組んだ。そのうちの1つがこのマグル学である。因みにリリーやジェームズ達はいない。
そして、私の隣に座る彼の名前はマーカス•ベルモント、レイブンクローの6年生。マグル学の授業で知り合った学生だけれど、何故か最近異様に絡んでくる。授業中はもちろん、最近だと図書館や廊下でもよく声をかけてくるのだ。
うーん、まぁ、あれだ。若者の甘酸っぱい青春と言うわけだ。多分。
「で、実際のところどうなんだい?」
「申し訳ないけど全く興味ない」
「ふーん、、だってさシリウス、よかったね!」
「は、はぁ!?俺はっ、別に……」
「あ、ふくろう便…。リオ、君宛に手紙がきてるよ」
「ほんと?ありがとー…あ、お師匠からだ。」
「オシショー?変わった名前ね」
「うん。あ、ついでにリリー紅茶のおかわりもらっていい?」
「いいわよ、はい。」
「僕にもいいかい!?リリー」
「………いいわよ。はい、ジェームズ」
グリフィンドールの談話室。
いつもの4人とリリーと私。6年生になって授業で全員が揃わない分、こうして談話室てお茶をする機会が増えた。リリーとジェームズの仲もそれなりに良好である。(呼び方、いつのまにか変わってるし)
「それにしてもリオにモテ期がくるとはね。しかも相手はレイブンクローの王子様!」
あの王子がリオに惚れるとはねぇ!ジェームズがケラケラと笑う。
そう、マーカスはレイブンクローの中でも優秀で、中々人気が高いようだった。勿論、目の前のジェームズとシリウスには負けるみたいだけど。
「モテ期ねぇ…。そんなものよりどんなことでも暗記できる期が欲しいわ」
「なによそれ」
「だってマグル学、殆ど暗記なんだもの〜!車や飛行機の造られた年代なんて知るかバーカって感じ」
「それはしょうがないじゃない。マグル学、興味あって取ったんでしょ?」
いや全く。
テストが楽そうだったから。
「マグル学も、この先の職業に繋がるんだから頑張りなさい」
いや働くつもりない。
世界を救った(笑)お礼に一生ダンブルドアに養ってもらうつもりだから。ーーーとはこの優等生リリー•エバンズに言えるわけもなく。
目線を外して先程受け取った手紙をペラペラ開封する。別にいい大人がニート希望とか、若き子供たちに対して居た堪れなくなったわけじゃないよ本当。
「ーーでも、私も少しくらい興味を持ってもいいかと思うわ。リオ、今までちっとも恋話とかなかったんだもの」
「ええー…リリーまでぇ?」
「もちろん、私も相談にのるわ!」
心なしか目が輝いてるリリー。
くそぅ、リリーもそっち側か。まあ、年齢を考えれば当たり前なのかな?キャピキャピするよね、こういう話題って。若い頃の自分どうだったかなぁ………うーん、思い出せない。実のところ、'こっち'にいるのが長くなったせいで最近’まえ'が思い出せないことが多いのだ。いやー、歳かなー。正直'こっち'の未来も、時々怪しくなったりするのよね。いやー、まずいまずい。情報は大事だもの。
「リオ?」
「あぁううんなんでもないよ。あー、とりあえず気持ちだけ貰っておくね。」
「もうリオったら!そんなに興味ないってこと?」
「やだなぁリリー、私だって女の子だよ?普通にあるよ」
興味がないわけではない。ただ、余裕がないだけだ。
手元の手紙に視線を下ろす。
ーふむ。指輪のレプリカが完成したのか。
「まあ、そういうことは余裕が出来た頃にね」
ならそろそろ次を始めないと。
部屋に戻り次第早速返事を書かなきゃね。