もうすっかり寒くなった。
談話室の窓の外は一面の雪。
轟々と燃える暖炉の前に座る私と、そのすぐ近くでたむろういつものみんな。
「シリウス、今年のクリスマスパーティ一なんだけど一緒に行かない?」
うー、さむさむ。冬のイギリスは寒いなぁ。東北とかとどっちが寒いんだろ。
「は…?」
「やっぱ無理か。うーん、レギュラスもセブも断られちゃったのよね。あ、リーマスとピータは相手ってもういる?」
「待て待て待て待て!!!行かないって言ってないだろ!?つーかなんでレギュとスネイプが先なんだよ!!」
「シリウス、リオの首がしまってるよ」
「わ、悪りぃ…」と胸ぐらを掴んでいた手を離してくれたシリウス。
苦しいんじゃボケ、そんな意を込めて奴の頭を軽く叩く。
すっげぇ睨まれた。
「それにしてもどういう気の回しだい?」
「なにそのニヤつき…。リリーと行けることになったからって調子乗ってんじゃないわよ」
「ふふん、そんなに僕が羨ましいかい!?いいさ羨ましがるといい!リリーの可憐なドレス姿を僕が独り占めして「五月蝿いわよジェームズ」ごめんよリリー!!」
グリフィンドールの談話室で、もう見慣れた夫婦漫才だ。ちなみにまだ付き合ってはない、らしい。よかったね、セブたん。
ティーポットを持って私の横に腰掛けたリリー。ありがとう、そう口にしてリリーの入れてくれた紅茶を受けとった。
「ねぇリオ、Mr.ベルモントからお誘いはなかったの?」
「いやまだきてない…というか、あの人から誘いが来た時断る理由が欲しくて探してるんだけど…」
「え?……それって」
「いっそ告白でもしてきたら楽なんだけどなぁ。」
この数ヶ月、彼は積極的に話しかけにくるものの決定的な言動は一切なかった。それがまたややこしくしてるというか、なんというか。
「Mr.ベルモントになにか欠点でもあるの?なにか酷いこと言われたりされたりとか」
「いや全く。すごく紳士的だよ」
「ならどうして?私も図書室で数回話した事あるけど、社交的で親切な人だったわ」
「なんだって!?リリー!!そんな僕以外の男と話すなんて!!」
「ああもう!あなたは黙ってて!」
ぎゃあぎゃあ始まった漫才横目にお茶を飲む。
単純にお付き合いとかそういうものを望んでない、そもそも高校生レベルの男の子に手を出す年齢でもない、強いて言うならなんか、こう、ねちっこそうで嫌。もろもろ理由はあるがそれを説明するのも面倒だったので「タイプじゃない」の一言で終わらせたらリリーからものすごい抗議を受けた。そんなの勿体無い、試しにお付き合いしてみたら変わるかも、いやいやいリリたんそんなタイプじゃないでしょう。どうした。…だって、理央に幸せになって欲しいのよ…。可愛いかよ。キュンとした。
「で、シリウスどう?あー彼女とか他に行く子いるんだったら無理には「行く」あ、ほんと?よかった〜ありがと〜」
そんなこんなで今年の相手はシリウスで決定した。
ちょうど彼女が切れてたみたいだ。ラッキー。
「ところでピーターとリーマスは今年誰と行くんだい?」
「あぁ、僕はサンドラだよ。彼女、恋人と喧嘩中らしくて僕と代わりに出て欲しいって」
「あそこいつも喧嘩してるもんねぇ。ベットの上でいつも愚痴ってるわ…全く喧嘩するほど仲が良いというか…」
「ぼ、僕はロマニって子と…。一つ下のレイブンクローの…」
「誰だっけ?」
「魔法薬学が得意な子よ。私、図書室で話したことあるわ。ロマニ•リドルって子よ。」
「えっ…と、リドルじゃなくて、ハーベストだよ。リリー」
「え?」
「あぁ、あの栗色の髪の!」
中々可愛いやつ捕まえたじゃねーかピーター!、シリウスが笑いながらピーターの肩を組む。
「おかしいわね…」
「リリー?どうしたの?」
「いえ…前に図書室で話したって言ったじゃない?その時にお兄さんのノートも一緒に持ってて。その名前がトム•リドルって名前だったんだけど…。見間違いかしら?」
ガシャン
「え、ちょ、リオ!?」
「おい火傷してないか!?」
「あ、うん。ごめん」
ちょっと待て。
そっちの対策はまだしてないぞ。
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