ハリー・ポッターは2p完結でいい   作:りなむ

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品のない描写があります。閲覧注意。


8話 バジリスク殲滅作戦②

「ーーっい……たぁ~………」

 

 

現在、死にかけ。

 

要は攻撃受けなきゃいいんだよね〜とはぶっこいてた2時間前の私、泣いて詫びろ。こんなことなら寝室に潜り込んででもフォークス借りてくればよかった。肩と腕にかけてがっっつり噛み付かれた私は、絶命したバジリスクの横で仲良く床に横たわる。めっさ痛い、しんどい、辛い。生まれてこの方平和ボケ大国日本で20年ちょい生きてきた私、経験した一番の大怪我は右足首の捻挫だ。こんなん、耐えられるわけがない。普通にのたれうち回りたい。毒で体しんどくて無理だけど。

 

今回の作戦は【バジリスク眠らせて、寝ているうちに絶命作戦!】だった。卑怯とか姑息とか関係ない、映画小説にあったようなドキドキハラハラも必要ない。先手必勝殺せば勝ちな作戦は、最初は上手く行っていた。予想外だったのが、思ってた以上にバジリスクの皮が厚くて硬かったことである。なんでやねん、ハリーはあんな細腕で!しかも片手でぶっさり刺してたじゃん!主人公補正?あれで実はゴリラ並みの握力持ってますとか裏設定あったの?

そんなわけで一発で仕留めきれなかったバジリスクは当然痛みで目を覚まし、暴れ狂い、唯一の救いは初手で両目だけは潰せたことでーーあとは泥沼な殺し合い合戦を繰り広げ、見事私はバジリスクをぶっ殺し、左肩血まみれアーンド猛毒に犯されるという事態になりましたとさ。ちゃんちゃん。

 

 

 

 

 

 

「………………………………あれ」

 

どうやら気絶してたみたい。

止血代わりに腕に巻きつけていたローブの切れ端はちゃんと役割を果たしたようで、出血は止まっていた。身体の毒は抜けていない為全身がだるくてフラフラする。私、この特異能力無かったら死んでたなーと、そう思うほどの満身創痍な格好。しかも現在時刻、みんなが起き始めるほんの30分前だ。ーーーこれはまずい。

 

私はバジリスクの牙を一つだけ引っこ抜き、グリフィンドールの剣を持って秘密の部屋を出た。浮遊魔法を使って再び2階のトイレへと戻りーー血濡れた姿にマートルには悲鳴を上げられたがーー出来る限りの速さで校長室へ行き、帽子を返して、あとは気力だけでフラフラと寮に戻った。当然ながらこんな姿見せられたもんじゃない。シャワー室に飛び込んで血を流し、ボロボロに汚れたローブは魔法で直した。傷口に包帯を巻いて、顔色以外は正常に戻ったところで、同室のアビーとサンドラが目を覚ました。

 

「おはよう、今日は早いのね」

「ん〜…あれリオ、顔色悪くない?」

「おはようアビー、サンドラ。ちょっと月ものが辛くて…。朝食はいらないわ、」

 

そう言って布団に潜り込んだ。月一回の女の痛みは、二人も知っているだろう。「じゃあ食べてくるわね」と二人が出て行った瞬間、私はまた意識を失った。そうして授業が始まる5分前に起こしに来てくれたサンドラに「大丈夫」と口にし礼を告げる。今の状態でピアスはつけれない、近くに花瓶に挿してあった花を一輪変身の術でピアスに変え、私は授業へと向かった。

 

 

 

 

 

「ねえリオ、顔色が悪いわ。本当に大丈夫なの?」

 

二限の呪文学に向かう途中、リリーが心配そうに聞いてきた。

 

「ああ友を気遣うその心!なんて優しいんだリリー!……と、まあ僕も心配だな。本当に体調悪そうだよ、リオ」

 

その隣のジェームズも私の顔を見て眉を顰める。リリーも今に至ってはジェームズに突っかかることはしなかった。

ヘラリと笑みを浮かべて「まあ大丈夫だよ〜」と言っても、皆の表情は優れない。本当は顔色も魔法でどうにかしたいが、如何せん既に身体の毒の方でいっぱいいっぱいだ。これ以上は魔力が枯渇する。我ながらチートじみた力持ってると思ってたんだけど……バジリスクの毒、最強すぎるだろ。

 

「お前、朝飯も食ってなかったろ?」

「食欲なくて〜。女の子の日だからしょうがないよねえ」

「っリオ!!」

 

下品よ!と叱るリリー。けれど男性陣はこれでもう聞いてくることはできまい。……ピーター、顔が真っ赤よ。ごめん

 

「なら……マダム・ポンフリーのところに行けば薬をもらえるんじゃないか?」

「確かにそうね。リオ、行きましょう。付いていくわ」

 

しかしそこで照れもしないプレイボーイのシリウスくん。冷静に対処法を口にするあたり手馴れています。

だけど残念ながらポンフリーのところには行けない。行ったら確実に嘘がばれる。しかも肩の大怪我に、身体中を犯された猛毒だーー何があったか100パーセント聞かれるだろう。しかも、今回の一件はダンブルドアにも内密だ。こんな命にかかる大怪我、ポンフリーが報告しないわけがない。つまりバレる。無理。

 

「………いいよリリー。一人で行ける」

「何言ってるの!フラフラじゃない!」

「監督生がいなかったら先生に迷惑がかかるよ。だからと言ってジェームズ達が一緒にってのも気まずいし…。」

「でも……」

「本当に大丈夫だから。じゃ、私行ってくるね」

 

心配そうなリリー達を余所に、一人曲がり角を曲がる。壁伝いに廊下を歩くが、目の前が霞んだ気がした。あれ?

リリー達には申し訳ないが、ポンフリーのところへ行く気は毛頭ない。このまま寮に戻って眠ろうーー

 

 

 

そう思ったところで、私の意識は遠のいた。

 

 

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