英雄を目指したエウリュアレ   作:タマモワンコ

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突然シリアスに傾いていくスタイル。

正直難産というか何というか…。コレジャナイ?


第十二話 怪物

 

 

…とある怪物(めがみ)の話をしよう。

 

怪物の名前はゴルゴーン。ギリシア神話における怪物の一つさ。

 

そいつは元は土着神の類いである女神のなり損ないだった。だが、偶然かオリュンポスの神の策略か、結果としてそいつは女神アテナによって呪いをかけられて怪物となった。

 

「…あのー。」

 

さて、その怪物となった女神は島にやって来た多くの人間を殺した。異界化した住み処の島でな。

 

「おーい。」

 

だが最後は神々の寵愛を受けた英雄ペルセウスに殺された。

 

「…おーい!」

 

「ああもうなんだよ!俺が楽しく話してるってゆーのによー!」

 

「いや、なんで貴方が嬉々としてメドゥーサの話をしてるんですか。

 

 

…アンリ・マユ。」

 

「いやー、本当は出てくるつもりは無かったんだけどさ?もー我慢できなくなっちゃったんだわ!あっはっはっはー!」

 

「せっかく私もあんたのことを黙っていたのに、なんで自分から出ていくのよ…。」

 

「いやー、ごめんなエウリュアレ!もう色々と飽きた!」

 

「あんたねぇ…!宝具で消し飛ばすわよ!?」

 

「ひえっ!?止めてくれ、その宝具だと返す前に死んじまう!」

 

「…えっと、それでなぜ私はここに呼ばれたんですか?」

 

「あー、そうだったな。まあ結論から言うとこの世界でもゴルゴーンが生まれちまったってことさ。」

 

「…なぜそれを貴方がわかるのですか?」

 

「それは秘密だ。…おおっと、もう起きる時間か。それじゃあ■■(■■な)。最後に二つ助言だ。起きたらすぐにヘラクレスの所へ向かえ。そしてもうひとつ。メドゥーサを救うことは考えるな。それは無理だからな。」

 

体が軽くなり、意識が遠退く。

 

「そんじゃ、頑張れよ。救うべきものと切り捨てるべきものをしっかりと見極めろ。」

 

「またね、エウリュアレ。次は三人でのんびりと話しましょう。」

 

 

………………………………………………………………………

 

 

 

…なんだ今の。

 

 

…あ、どうも。やっとギリシアに戻ってきたエウリュアレです。

 

…なんでアンリが私の中にいるんですかねぇ。もしかして私汚染済とか?うわぁ。

 

それに、色々と言ってましたね。ゴルゴーンが生まれたとかヘラクレスの所に行けとかメドゥーサを救うことは諦めろとか。

 

 

…とりあえずヘラクレスの所へ…って何処にヘラクレスいるのさ。

 

…しゃーない、探すか。

 

 

「エェェェェウリュゥゥゥゥアレェェェェ!」

 

…ん?なんか聞こえ

 

「おらぁ!」

ドカーン

 

「うわぁ!?」

 

親方!空から女神アテナがぁ!?

 

「エウリュアレ貴様!今まで何処をほっつき歩いていた!」

 

「メソポタミアの冥界に落ちてましたが!」

 

「そんなわけがあるか!メソポタミアの冥界なぞ遠い昔に閉鎖したわ!」

 

「な、なんだってー!?」

 

「エウリュアレ!貴様が居ればステンノは…!」

 

「…待ちなさい。とりあえず状況の説明が欲しいわ。」

 

「…良いだろう。取り敢えずヘラクレスのところまで行くぞ。」

 

「わかったわ。」

 

 

 

 

 

 

↑ここまでエウリュアレ

↓ここからヘラクレス

 

 

 

エウリュアレが生き返った。

 

その報を女神アテナが私のところへ持ってきたのは三日前のことだった。

 

そして今日、エウリュアレを連れてくるということなのだが…。

 

「ヘラクレス!エウリュアレを連れてきたぞ!」

 

「ちょっと、引っ張らないで!」

 

…は?誰だ、あの美女は。

 

「…待て、女神アテナよ。そいつ、いやその女性はエウリュアレなのか?別人ではないのか?」

 

「…ヘラクレス?それはどういう意味かしら?」

 

「…本物、なのか?」

 

いやいやいやまさか。あの全く成長しない子供体型のエウリュアレだぞ。あんな巨乳な美女になるわけが無かろう。うむ。無い。

 

「…どうせあれでしょう?私が今まで全く成長しなかったから突然伸びた私を別人だと思ったとかかしら?」

 

「…なぜそこまで完璧に当ててくるのだね。」

 

「乙女の勘よ。というか体型で驚いたみたいだけど、よく考えて見なさい。私はメドゥーサの姉よ?」

 

「…ああ、なるほど。」

 

「さて、雑談はそこまでだ。情報の共有をするぞ。」

 

「了解した。」

 

「御願いするわ。」

 

「事の発端は一ヶ月前、ポセイドンのやつがメドゥーサを連れ込んで私の神殿で事に及んだのが始まりだ。」

 

「…あのバカ、神殿では絶対に駄目だと言ったのに…。」

 

「いや、おそらく二人は被害者の側だ。どうやら二人とも魔術、それもチャームの類いがかかっていた事がわかっている。それに関しては私もわかっていたから不問としようとしたのだが…」

 

「どうしたのだ?」

 

「…ヘラがごねたのだ。『神殿でそんな事をするような不届き者を不問にするなんて言語道断です!』と言ってな。オリュンポスの神のほぼ全員は反対したのだが、ごり押しで自ら呪いをメドゥーサへおとした。」

 

「…あいつ…!」

 

「…結果、メドゥーサは正気を失って暴走している。どんな呪いを掛けたのは不明だが、現在メドゥーサは巨大化して大体50mになっている。」

 

「…ああ、それは俺も見た。まさかメドゥーサだとは思わなかったが…。」

 

「しかも、周辺にかなり強い石化の効果と、ビームをばらまいている。ヘラクレスが島の端までしか近付けず、近くに居たステンノが石化するほどだ。」

 

「…じゃあ、ステンノは…。」

 

「…いや、死んではいない。」

 

「待って。石化したのでしょう?なら死んでるんじゃ…?」

 

「ああ。普通は石化によって身体は石となり、魂は破壊される。事実他の人間はそうだったのだ。だが、ステンノの体だけは違ったのだ。」

 

「…一部分だけとか?」

 

「いや、完全に石となっていた。だが、魂が破壊されていなかったのだ。」

 

「なら、ステンノは生きているのね!?何処にいるの!」

 

「あ、ああ。二階の部屋に保存魔法と結界を掛けておいてある。」

 

「早く!早く連れていって!」

 

「ま、待て!下手に何かすれば殺すことになりかねんぞ!」

 

「え、あ、どうしようヘラクレス!」

 

「ええい、一旦落ち着け!俺を揺さぶるな!落ち着け!落ち着けぇ!」

 

「どうしよう!どうすればいいの!?」

 

「やめんかぁ!いつも通りお前らしくぱぱっと作れば良いではないか!」

 

「だって呪いの付与はできても解呪は専門外なのよ!というかステンノ、対魔力EXレベルよ!?それで無理とか私にも無理よ!」

 

「…ん?おいエウリュアレ。その指輪はなんだ?」

 

「これはただの呪い避けの指輪よ!もらったの!」

 

「それを作ったのは何者だ!?そんなおかしい呪い避けの指輪なぞ初めて見たぞ!?」

 

「…あー。」

 

「…なあ、アテナよ。呪い避けの指輪があればステンノの呪いも消すことができるのか?」

 

「普通は無理だ。呪い避けの基本は呪いを打ち消すのではなく逸らす事だからな。それ故にある程度強い呪いでもそこら辺の人間が作った呪い避けの加護でも防ぐことができるのだ。だが、その指輪は違うのだ。それは自らに降りかかる呪いを逸らすのではなく、装着者に関わる呪いを全てできるのなら解呪、解呪が不可能でも打ち消すのだ。」

 

「え゛、なにそのチート。」

 

「だからだ。誰にもらった、その指輪を。少なくともその指輪は神の一人や二人程度では作れん代物だぞ。」

 

「えっと…言わなきゃ駄目?」

 

「あたりまえだ。そんな者を作れる奴がいるのならば是非ともマークしておきたい。」

 

「えっと…メソポタミアのギルガメッシュ王から頂いたものなのだけれど…。」

 

「…待て。何と言った?」

 

「だからギルガメッシュから…」

 

「…あのな、ギルガメッシュが生きていた時代は1000年以上前だぞ?そんなわけがなかろう。」

 

「だからこの一年半ずっとメソポタミアの冥界に居たの!そこでギルガメッシュと仲良くなってもらったのよ!」

 

「…いや、馬鹿な。少なくともあのギルガメッシュが女神である貴様などに…」

 

「事実なんだからどうしようもないでしょ!」

 

「あー、それでだ。アテナよ、この指輪ならステンノの解呪は可能なのか?」

 

「…いや、解呪は無理だ。だがそれを着けていれば呪いを打ち消し続ける事で生きることは可能だろう。もちろん指輪を外せば石になってしまうが…。」

 

「…なんか頭にメタリカメタルカっていう単語が…。」

 

「…なんだか単行本三巻あたりで打ち切られそうな単語だな。」

 

「…気のせいよ。うん。取り敢えず助けられるのね!?」

 

「ああ。少なくとも石化は解けるはずだ。」

 

「よし!やるからヘラクレス連れてって、早く!」

 

「おう!こっちだ!」

 

 

…………………………………………………………………

 

 

「これだ。」

 

「…見た目は完全に石ね。」

 

「ああ。これで生きているというのだから驚きだ。」

 

「…待って、これ意識が有るじゃない。」

 

「なに?」

 

「これは…辛いわね。呪いが解けなかったら一生このままなんて。」

 

「…もしや、あの場にあった他の石になった人間も…。」

 

「…それでももう救う手だてがないわ。諦めるしか、無いわ。今はステンノの方が大切よ。」

 

「わかっている。エウリュアレ。」

 

「ええ。

 

 

…ねえ、ヘラクレス。」

 

「なんだ?」

 

「指輪…左手の薬指につけた方が良いかしら。」

 

「いや、何故だ。普通に人差し指で良いだろう。」

 

「…まあ、そっか。では、失礼して…と。」

 

ピカッ!

 

「うおっ、まぶしっ!」

 

「なんだ!?」

 

 

 

「…エウリュアレ…久しぶり、ね。」

 

「…ステンノ?動ける?」

 

「ええ、私はばっちりよ。だけど、メドゥーサが…」

 

「…うん、これからそれについての話をするわ。取り敢えず下に降りましょう。」

 

「わかったわ。あ、あとヘラクレス?」

 

「なんだね?」

 

「私を見つけたときに取り敢えず胸を触ったことは助けてくれた事もあるし不問としてあげるわ。でも、流石に石になってるからって女性の胸を触るのはどうかと思うわ。」

 

「…ほう?ヘラクレス、ちょーっとあとでお話ししようか?」

 

「あ、ああ。後でな。」

 

「全く。」

 

「…にしてもエウリュアレ、貴女かなり成長したわね。」

 

「あはは、どんどんメドゥーサに近づいていってるけどね。私としてはこれでいいのか、っていう思いが大きいかな。」

 

「あら、良いじゃない。成長できるのは良いことよ。私なんてゼウスの力でも成長できないんだし。にしても大きな胸ねぇ。」

 

「戦いには邪魔だけどね。」

 

「良いじゃない。男の大半は大きい方が好みなんだし。そこの肉達磨もそうみたいだしね。」

 

「え…?」

 

「…。」メソラシ

 

「というか貴女ね、それなりにボディラインが見える服なのにブラを着けてないでしょう。さっきから胸がばるんばるんしててなんか見てるこっちは悲しくなってくるわ。」

 

「…あ。」

 

「それを忘れている辺り貴女らしいというか何というか…。」

 

「あー、あー、えっと、先に行っておいてください。さっきの部屋で着けてきます。」

 

「わかったわ。ヘラクレス、行くわよ。…というか貴方も葛藤している位ならぱっぱと襲えば良いじゃない。」

 

「だがな…。」

 

「即死級のカウンターは確定だと思うけどね。」

 

「…だろうな。」

 

 

 

………………………………………………………………………………

 

 

 

「…えっと…お待たせしました。」

 

「おや、なんだ。ノーブラはやめたのか?」

 

「わかっていたのなら指摘してほしかったわ…。恥ずかしい…。」

 

「いや、逆にそれに気づかないお前がおかしいのだと言っておこう。というか私はずっとそういうファッションなのかと思っていた。」

 

「うー。」

 

「エウリュアレの胸はあとで揉みしだくとして「えっ」今はメドゥーサの事よ。」

 

「うむ、メドゥーサについてなのだが…」

 

 

「ちょっと待った!」

 

 

「…えっと、アテナ?この方はどちら様でしょうか。」

 

「…アキレウスか。」

 

「ああ。久しぶりだなヘラクレスさん。」

 

「なるほど、貴方がアキレウス。して何用ですか?」

 

「簡単なことだ。メドゥーサ討伐に参加したい!」

 

「却下するわ。」

 

「なにぃ!?」

 

「…まてエウリュアレ。アキレウスは俺と同じぐらいに強い英雄だ。だから参加なら…」

 

「駄目よ。今回の戦いで突撃役は要らないわ。」

 

「ふむ、ではどういう人員が必要なのだ?」

 

「狙撃。それも高火力なのが必要ね。といっても正直ステンノとヘラクレスにアテナの三人が居れば足りるわ。」

 

「だが火力があってもあれを殺すにはこの三人では足りんぞ?」

 

「…私が首を落とすわ。メドゥーサ、いえゴルゴーンの討伐には抑止力の補助が受けられるから恐らく首も落とせるはずよ。」

 

「ならその突撃の援護を…」

 

「だから、要らないわ。というか貴方じゃゴルゴーンの魔眼には耐えられない。」

 

「そんなのやってみなくちゃわからないだろう!」

 

「…じゃあ、試してみる?」

 

「なに?」

 

「いちおう私も石化の魔眼…に近いものを持っているから。といってもまあランクは低いけれど。」

 

「なにそれ、初耳なのだけれど?」

 

「だって気が付いたのはギリシアに戻ってきてからだし。」

 

「どの程度なのだ?」

 

「そうね…メドゥーサがA+とするなら私はC+ってところかしらね。」

 

「かなり落ちるのだな。」

 

「まあ、別でおまけがあるからいいのよ。それで?挑戦する?」

 

「ああ!当たり前だ!」

 

「じゃあ…やるわよ。」

 

…ほう、あの眼鏡が魔眼封じなのか。特になにも…感じないな。

 

「…む、ちょっと体が重くなった気がするな。」

 

「…じゃあ駄目ね。」

 

「はあ!?なんでだ!」

 

「今ので駄目なら島にも近付けないわ。恐らくゴルゴーンになったことで魔眼は強くなってるだろうし、私の魔眼でそれなら確実に石になってしまうわ。」

 

「ではエウリュアレ、お前は大丈夫なのか?魔眼に耐えられるのか?」

 

「魔力が回せれば確実に。回せなくても多少は活動が可能だと思うわ。」

 

「…つくづくお前は可笑しいな。」

 

「あ、ステンノもできるわよ?」

 

「ええ。エウリュアレほど魔力の使い方は上手くないから燃費は悪いけどね。事実1ヶ月近くメドゥーサを抑え続けたのだしね。」

 

「…よくやったな。しかも近接戦でだろう?」

 

「ええ。まあ結局は魔力が切れて石になっちゃったのだけど。」

 

「して、どうやってメドゥーサを倒すのだ?」

 

「簡単なことよ。高火力の遠距離攻撃を絶え間無く叩き込んで動きを封じて、私が一気に接近して首を落とす。」

 

「…なるほど、単純で良いな。」

 

「でしょう?だから、アキレウスはこの戦いには必要無いわ。」

 

「むう…。」

 

「それに、ここにいる四人は皆貴方を殺せる奴等よ。せめてヘラクレスに自分より強いと言わせる程度には強くなって出直しなさい。」

 

「…わかった。だがエウリュアレ!」

 

「なによ。」

 

「いつか全力で試合をしてほしい。頼めるだろうか。」

 

「全力は無理ね。ちょうど良いくらいでやってあげるわ。」

 

「…ありがとう。」

 

「…さて!大体纏まったようだし今日は寝るとしよう。明日以降で作戦を詰めていこう。」

 

「わかったわ。」

 

 

…上手く行くと、良いのだが…。




というわけで突然メドゥーサがゴルゴーンに!まあ大変!

というかあっさりとステンノが復活する辺りにこの小説のご都合主義感を感じる。良いのかこれでぇ!

ちなみに、ヘラクレスは十二の試練突破後です。

そしてだ。

今まで主に幕間で出てきていた■■■■■■ことアンリ・マユ。
なぜかは当分先かな!ははっ!

次回予告。

次回、『別れ』。
ビームのシャワーの中、怪物が嘆く。

…嘘かも?
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