魔法少女リリカルなのはStrikerS ~困った時の機械ネコ~   作:エルン

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第34話 『ラッパのラ』

 

 

 

 

『…………』

 

 

「どう? これが調べた結果なんだけど」

 

 

 スバルはティアナが調べた(アドヴァンスド)(グレイザー)についての書類をみて腕を組む。エリオとキャロもティアナの説明を聞き閉口する。

 

 

「う、ん……なんて言っていいか分かんないけど……すごいね」

「え~と」

「すごいですね」

「まぁ、当たり前の反応よね。でも、この映像は合成じゃないし、実際にあんたたちも見たでしょう? それも間近で」

 

 

 もう一度、特にAG同士の模擬戦映像をスローで見直し、両者の動きを確認した。

 

 

「手数足数は1秒間に平均25、6回――」

「――えっ!?」

「互いが接近するほど数は減るけど、それでも――」

「僕等の比じゃないですね」

「これで速さ2分の1」

 

 

 目を皿にして何度も観たからね、とため息をつく。

 

 

「ティアはこれを?」

「……そう。体得したい」

 

 

 ティアナが頷くと、またスバルたちは黙った。

 それはそうだろうと彼女は思う。身体能力の向上は言うまでもないが、それ以外に必要な要素が見つからないのだ。場数という経験が物を言う、六課にいるうちに体得できないということはしたくはない。

 

 

「あの……」

「なに、キャロ?」

「コタロウさんの他にもAGはいるんでしょうか?」

 

 

 テーブルにあるジュース入りの缶に目を落としたあと、ティアナは髪をいじる。

 

 

「分からないわ。でも、フェイトさんとネコさんの模擬戦を見てたなのはさんや八神部隊長は知らなかったみたいだし……10年局にいて知らないとなると、少なくともクラナガンにはいないということになるわね」

「そう、ですか」

 

 

 はやてについては昔から隊長としての進路を決めていたため、前線で戦うことは少なく、出会う機会は低いためわからないが、なのはは戦技教導の傍ら前線に参加することが多く、同時にたくさんの人と会う機会がある。そのなのはも出会ったことがないということであれば、同期や先輩後輩にはAGはいないことをあらわしていた。

 

 

「今週中にはなのはさんに話すつもり」

「それで、分かってもらえば、コタロウさんに?」

「まぁ、そうなるわ。AGに関するデータのうち、習得方法は1つも出てこなかったけどね」

 

 

 大きなため息をつき、ジュースを一気に飲み干して自販機隣のダストシュートに缶を放り込むと、問題は山積みでも区切りをつけるように背伸びをして、気持ちを切り替えた。

 

 

「んで、スバルも参加する? AGって元はフロントアタッカーのことだし」

「ううん。私はいいや」

「そう?」

「うん。強くはなりたいけど……私はなのはさんやヴィータ副隊長から習いたいな」

 

 

 座っている足をプラプラさせて、目線を落として苦笑うスバルに「あぁ」とティアナは声を漏らした。若さゆえの強さの探求にもスバルとティアナの間には違いがあるためだ。恩師の下で教わりたいという純粋な想いの差がそれを引き止めたのだろう。そして、それはティアナにも十分伝わった。

 

 

「それがいいわね。私もそうありたいけど――」

「ネコさんから習いたいんでしょ?」

 

 

 意味ありげにスバルは笑う。

 

 

「何その笑い」

「からかってみたの~」

「……缶を捨てたことにこれほど後悔したのは、今日が始めてよ」

 

 

 いざ投げようとした缶が既にダストシュートの中であることに不満を覚えながら、ゆらりとティアナはスバルの背後へとまわる。

 

 

「だって最近ティア、まるくなったって言うか……えと、なんで怖い顔してるの?」

「缶があれば投げるだけですんだのに……まさか」

 

 

 スバルの頬に痛みが走った。

 

 

(つね)ることになるなんてねぇ」

「イタタタ! イタイよ~~ティア~~」

「アンタ本当に、そのうち痛い目みるわよ」

「ふぎゅぅ~~。うん、し、知ってる。げ、現在進行形で体験中ぅぅぅ~あうぅ~」

 

 

 しばらく、摂ったばかりの水分をスバルは目から消費することになったが、なんとか微量で済み、訓練での反省文がまだ完全に終わってないこともあり部屋に戻ろうということになった。

 その時、

 

 

「ティアナさん、もしその時は僕も一緒にいいですか?」

「ん、ああ、AGの訓練? まだ、色々分からないところがあるけど……別にいいんじゃない? フェイトさんがいいって言えば」

「はい!」

 

 

 エリオも興味があることを示し、全員休憩室をあとにした。

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはStrikerS ~困った時の機械ネコ~

第34話 『ラッパのラ』

 

 

 

 

 

 

「はい。今朝の訓練と模擬戦は終了。お疲れ様」

『お、お疲れ様でした』

 

 

 早朝、前夜の過失のことなどすっかり忘れてティアナを起こすために彼女の胸を揉みしだき、案の定お返しに踏みつけられたあと、スバルは皆と揃って訓練場に向かい早朝訓練を済ませた。なのはやヴィータが考えた訓練カリキュラムは新人たちの日々の成長に合わせて組まれているため、慣れるということはなく、終了時にはへとへとになり、それが早朝、午前、午後、時には夜へと続く。

 そして、今日の早朝はいつもより若干激しく行なわれた気がした。

 今、スバルたちはなのはたち隊長の話を聞くために膝を抱えて座り込んでいる。

 

 

「でね、実は何気に、今日の模擬戦が第2段階クリアの見極め試験(テスト)だったんだけど……」

『――えっ!?』

 

 

 なのはは本当に何気なく、雑務中のながら会話のようにスバルたちに話した。

 驚くのは座り込んでいる新人たちばかりで、彼女の後ろにいるフェイトとヴィータの表情に変化はない。新人たちの後ろに立っているコタロウも同様だ。

 

 

「どうでした?」

「合格!」

『はやっ!』

 

 

 ゆるりと髪をゆらせながら振り向くなのはに、フェイトは悩む間もなく優しく答えてスバルとティアナを驚かせた。

 

 

「ま、こんだけみっちりやってて、問題あるようなら大変だってことだ」

 

 

 それはフェイトが結果を下す前、今日の訓練が始まる前から決まっていたようで、普段の訓練も評価に入っているらしく、スバルたちは苦笑う。

 なのはも全員の成長ぶりを褒め、皆に自信を持たせた。

 

 

「じゃ、これにて2段階終了!」

 

 

 この声と共に全員立ち上がり、腕を大きく上げて喜んだ。さらにフェイトはこれからの訓練はデバイスリミッターを解除した段階で行うことを告げ、シャリオがそのリミッターの解除を行なうので、自分たちの愛機(デバイス)を一度コタロウへ預けるように指示する。

 スバルたちが彼にデバイスを預けるのを見ながらヴィータは腕を頭の後ろに回し、

 

 

「明日からは、セカンドモードを基本形にして訓練すっからな」

『はい!』

 

 

 これもまた何気なく口にしたからだろうか、新人たちは彼女の言葉に疑問を持つことはなく頷いた。

 

 

「あの、明日?」

「はぁ、返事をしてから気が付くか……お前らが普段どんなふうにあたし等の言葉を聞いているか分かったよ」

「いえ、あの、そうではなく……」

「ちょっとヴィータ副隊長」

「冗談だ。つまりはそういうこと。訓練開始は明日からだ」

 

 

 言い淀んで気まずい表情をする新人たちに、なのはが眉をハの字にしてヴィータを注意をすると、彼女は満足したように笑みをこぼした。

 

 

「もう、しようがないなぁ~……あ、それでね、話を戻すと――」

「皆、入隊日からずっと訓練漬けだったから」

 

 

 スバルたちはそれぞれ目を合わせ、ヴィータがうんうんと頷いて、

 

 

「気分転換も大事っちゃ大事だ」

「今日は皆、一日お休みです。街にでも出かけて遊んでくるといいよ」

「私たちも隊舎で待機する予定だから、ゆっくりするしね」

 

 

 彼女たちの言葉を理解していくのに比例して目がきらきら光り、今までの疲労を吹き飛ばし、

 

 

『はーい!』

 

 

 今度はしっかりと理解したうえで大きくスバルたちは頷いた。

 そうして、服はじっくりと選びたいのか、新人たちは食事のあとに私服に着替えることにしたらしく、制服に着替える為に一度寮へ。なのはたちは食事をするために隊舎へ足を運ぶ。コタロウは預かったデバイスをシャリオに渡すためになのはたちについて行った。

 

 

「私服って地球に行ったとき以来だね、エリオくん」

「うん、そうだね。あとは六課に来たときくらいだ」

 

 

 別に休日が無いことに対して不満を漏らしたわけではなく、久しぶりに着る私服に少し緊張しているようだ。スバルとティアナもどんな服を着ようかと盛り上がっていた。

「――ぁ」

 

 

 その時、隣にいるエリオだけに聞こえるくらいに小さくキャロは息を呑んだ。彼女はそのまま(いぶか)しむ彼のほうを向き、声のトーンを下げて、

 

 

「エリオくん、エリオくん」

「どうしたの?」

「地球で一緒にお風呂入ったときのこと、覚えてる?」

「――っ!? お、覚え……」

 

 

 エリオはそこで口を濁した。キャロと一緒に入ったことを『覚えている』と応えることが、答えとして正解なのか誤りなのか判断がつかなかったからだ。

 

 

「あ、と……コ、コタロウさんと入ったときだよね?」

 

 

 と、決して二人っきりでないことを示す答えに落ち着かせた。

 しかし、キャロにとってはまさにそれが聞きたい答えであり、彼からコタロウへと視線を移す。

 

 

「うん……コタロウさんって、どんな服を持ってるのかな?」

「……あ」

 

 

 エリオもそこで思い出した。

 

 

 

――『私服は持ってはいるけど、めったに着ることがないため部屋の荷物の中にまだ収納されたままだね』

 

 

 

 この一言である。

 コタロウはトラガホルン夫妻を除き、互いが制服でない時のみ口調をくずす。思えば、彼が自分たちに柔和に話しかけたのはその時だけだ。彼の丁寧すぎる口調に慣れ、それが既に普通になっていたが、時がくれば口調は柔らかくなるということをキャロとエリオはぽつりと思い出した。

 

 

「それでね……」

 

 

 キャロはエリオの耳元で一つの提案を出すと、エリオはこくこく頷き「聞いてみようか」と、彼のほうに歩いていった。

 

 

「コタロウさん」

「はい。どうかなさいましたか、モンディアル三等陸士?」

「実はですね……」

 

 

 少し背伸びをして口に手を添える彼に、コタロウは膝を折り耳を傾けた。周りもそれに気付き、彼らを見る。

 

 

「それは構いませんが……」

 

 

 彼はエリオを真似るように耳打ちで言葉を返すと、エリオは満足したように顔を綻ばせた。

 

 

「何の話だ?」

「あのですね……」

 

 

 その行為に最初に口を開いたのはヴィータで、彼女にキャロが耳元で話すと、

 

 

「あー、なるほど。いいんじゃないか?」

『はい!』

 

 

 彼女も面白そうだと頷いた。

 そうなると、興味がわくのは周りの人たちである。なのはやスバルたちはキャロやエリオが内緒話をするのにも気にかかるところだが、その話した内容のほうが気になる。

 しかし、それはヴィータがこう言ったことで一蹴されてしまった。

 

 

「それは秘密だ」

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

『――ングッ!!』

 

 

 コタロウが食堂に訪れたとき、秘密と言い張ったヴィータはタイミングが悪く、口に入れたミックスベジタブルサラダを喉に詰まらせた。他にも()()をみて同様に詰まらせたり、飲み物を吹き出したりする人が多く、茫然と開いた口をふさげないものもいた。

 彼が訪れたのはテレヴィジョンに映っている地上本部の事実上トップ、レジアス・ゲイズ中将が技術進歩が故の犯罪の手口の高度化なのか、高度化故の技術進歩なのかを問いかけ、今問題視されている揺らぎを確固たる決意を示すかのように声を荒げて、地上本部のこれからを説き終わったときである。

 誰にも聞かれないように小さく「……よし」と袖の中で拳を握ると、真っ直ぐエリオたちのテーブルへ向かっていった。その間、彼を知る人は、全員彼を目で追う。

 

 

「モンディアル三等陸士、こちらが私の私服になります」

「……え……は……はい」

『…………』

 

 

 コタロウは一度会釈をすると、ヴァイスが座っているテーブルに向かい、断ってから席に着く。

 

 

「いただきます……む、やっぱり、うごきづらい」

「…………」

 

 

 料理を自分の皿に盛り、ぱくりと口に放り込んだところで、

 

 

「な、なんですか、その服」

「やはり、この服装は隊舎にはそぐいませんか?」

「あ、いえ、そうではなく……なかなか見ない服装なので」

 

 

 ヴァイスが口を開き、視線を彼の服へ落とすのに合わせて彼も自分の服を見る。

 

 

「こちらは第97管理外世界の日本で時々着られる『着流し』といわれるものです」

「きながし、ですか」

『(……きながし?)』

 

 

 その服はつなぎと同様に上下一体であるが、締めるものは腰のあたりにある帯だけで、袖が無ければ布を巻きつけているだけの単純なものであった。ファスナーも無ければボタンも無く、肩から先の袖は振れるようにだらりと垂れ下っている。鉄紺(てっこん)色の濃淡は縦に縞が入り、その下から出ている足は紐と藁で作られた履物を履いていた。

 

 

「その土地の民族衣装といってもいいかもしれませんね」

「へぇ。あ、傘も和傘? でしたっけ、それになってますね」

「はい。こちらのほうがしっくりくるそうで」

「それで、その着流しってのはコタロウさんが自分で作ったんで?」

「いえ。これはロビンが作ってくれました」

 

 

 フェイトとコタロウの模擬戦を見ていないヴァイスは物珍しそうに――いや、実際に珍しい――着流しの構造や着方について質問しながら食事をすすめた。

 

 

「……さっきエリオたちが言ってたのってあれ?」

「あ、はい」

「ちょっと予想と違ってて、びっくりしちゃいましたけど」

 

 

 この反応はヴィータたちも同じようで、

 

 

「なんだアレ」

「え? ヴィータちゃんが『それは秘密だ』って言ったじゃん」

「そりゃあ、そうだけど……」

「なんの話? というか、何でコタロウさんあんな格好なん?」

「え、うん。ネコってさ、制服着てないとき、敬語じゃなくなるんだよ」

『……へ?』

「あ、まぁ、その時はこっちも制服着てちゃいけないんだけど……銭湯行ったとき、エリオが自分らのことファーストネームで呼ぶって言ってたろ? んで、あたしとリインが混浴行ったときにそう言ってたんだよ。だからいい機会だし……」

「私服着てみたら? ってことになったん?」

 

 

 彼女は頷く。

 

 

「それで、着てみたらああなったと……」

「和服着てくるとは思わなかったんだよォ」

 

 

 フェイトは僅かにひきつった顔のヴィータの次に、服装に合わないカップに手掛けるコタロウを横目でちらりと見る。

 

 

「でも、あれだね……」

「あ、うん。そやね」

「場所は別で、コタロウさん自身は違和感ないね」

「……そうだな」

「というより――」

 

 

『(似合ってるなぁ)』

 

 

 敢えて口に出さなくても、いつの間にかいないリインが彼の周りをふわふわ飛びながらそれを代弁をしていた。

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

 ヴィータの話を聞く限り、コタロウは実務が無いわけではないため、エリオたちを見送ったあとはまた制服――つなぎ――に着替えるらしく、ひとまず市街に近い出口のほうでなのはと一緒に待機していた。しばらくすると、ティアナがスバルを後ろに乗せた2人乗り(タンデム)であらわれる。

 

 

「転ばないように気をつけてね?」

「はい! 安全運転を心がけます! ね、ティア?」

「何でアンタが答えてんのよ」

「いいじゃん別にぃ~。あ、お土産買ってきますね、クッキーとか」

「嬉しいけど気にしなくていいから。2人で楽しんでくるのが、何よりかな?」

 

 

 なのははスバルたち自身が楽しむことを望んで、にこやかに微笑む。

 

 

「あ、じゃあネコさんはお土産なにが欲しいですか?」

「僕? うーん、そうだなぁ」

『…………』

 

 

 目を細め、顎を少し上にあげて考え込むコタロウに、3人はぱちくりと目を(しばた)いた。

 

 

[……ティア聞いた? 今の]

[ええ、本当に敬語無くなるのね]

[いつもこうならいいのに……]

 

 

 彼女たちが念話をしている間に決まったようで、

 

 

「お金はあとで払うから、キャンディを買ってきてくれるかな?」

「わかりました。味は何にします?」

「スバルさんとティアナさんが選んだものなら、なんでもいいよ」

「……スバルさんだって」

「……ティアナさん、か」

 

 

 ギアをローからニュートラルに切り替え、ティアナは振り向く。

 

 

「あの、ネコさん」

「うん?」

「さん付け、しなくていいですから」

「そうそう。それ抜いて今の言葉、もう一度お願いできます?」

 

 

 彼女たちの言葉を不思議に思うも、

 

 

「スバルとティアナが選んだものなら、なんでもいいよ」

『わかりました!』

 

 

 言われたとおりに応えるコタロウに2人は元気に返事をした。

 

 

「それじゃ、いってきます」

 

 

 スバルが片手をあげて挨拶をしたあと、ティアナはそれに合わせてギアを入れ替え、ゆっくりとクラッチを繋ぎ、

 

 

「はい。いってらっしゃい」

「いってらっしゃい」

 

 

 サイドミラーに映る微笑みながら手を振るなのはと()()()()にアクセルを余計に回して、危うく転びそうになった。

 

 

「ちょっと、ティアナ!? 本当に大丈夫?」

「え、あ、はい。だ、大丈夫です」

 

 

 もう一度彼を見るといつもの寝ぼけ目無表情であった。態勢を立て直し、今度はゆっくりと慎重にアクセルを回す。

 

 

[ねぇティア。今、ネコさん微笑んでなかった?]

[じゃなきゃ、運転ミスらないわよ]

[なのはさんは、気付いてなかったね]

[まぁ、隣じゃ気付かないんじゃない?]

 

 

 スバルとティアナは互いの確認が取れたのにもかかわらず、まださっき見た彼の惹き込まれるような微笑みが現実なのかそうでないのか疑いながら、自分たちの髪を風に任せて走りだした。余談であるが、彼の表情によって彼のお土産を買い忘れたことに気付くのは今日という日が過ぎたときである。

 なのはとコタロウが2人を見送ったあと、後ろのほうでやや軽い足音が聞こえたので振りかえってみると、エリオとキャロ、そして送りだすフェイトがいた。

 

 

「ライトニング隊も一緒にお出かけ?」

『いってきます!』

「うん、気をつけて」

「あんまり遅くならないうちに帰るんだよ? 夜の街は危ないからね」

『はい!』

 

 

 フェイトは2人が頷いてもどうも心配することは止まず、エリオがキャロをエスコートすることを言い聞かせたあとにも「知らない人に付いて行っちゃだめだよ?」や「何かあったらすぐに連絡するんだよ?」等を何度も何度も繰り返した。それに対しエリオは少し気恥ずかしそうに「大丈夫です」と返事をする。

 それを見てなのはが苦笑するなか、

 

 

「『ラッパのラ』だ」

 

 

 コタロウはぽつりと呟いた。

 

 

「コタロウさん、なんですか? その『ラッパのラ』って」

 

 

 ぴくりと反応するフェイトたちを余所になのはは彼のほうを向く。

 

 

「シン“パ”イされるよりシン“ラ”イされたい。ラッパのラの音は大人には届かないということです」

「……あ」

 

 

 なるほどとなのはは頷く。フェイトは今、信頼したい気持ちよりも心配したい気持ちのほうが大きく、エリオたちを過保護に扱っているのだ。育てるときは、そのジレンマをうまく調節しなければならない。

 

 

「フェイトさん、僕たちのこと信頼してください」

「大丈夫ですから」

「う、うん……でも……」

 

 

 言われて自覚してもまだ揺れ動いており、眉根を寄せてなのはを見る。

 

 

「大丈夫だよ。エリオたちはしっかりしてるから」

「う、ん」

 

 

 次に、コタロウを見た。

 

 

「テスタロッサ・ハラオウン執務官は御二人をどう思われたいのですか?」

「え、っと、信頼したいです」

「では、信頼なされればよろしいのでは?」

 

 

 彼は彼女が選んだほうを推す。

 

 

「でも、心配もしています」

「では、心配なされればよろしいのでは?」

 

 

 彼の答え方は変わらない。

 

 

「でもでもっ、信頼したいんです」

「では、信頼なされればよろしいのでは?」

 

 

 最初と同じ応え方だ。

 

 

「でもでもでもっ! 心配もしているんです!」

「では、心配なされればよろしいのでは?」

 

 

 フェイトがすこし語尾を強めても、彼は変わらない。

 

 

「……ムゥ! 信頼だってしています!」

「では、信頼なされればよろしいのでは?」

「あの、フェイトさん、コタロウさん。その辺で」

「フェイトちゃん、落ち着こう?」

 

 

 依然として彼の無表情で淀みない受け答えはフェイトの頬を少し膨らませ、目を潤ませることになった。コタロウを除いた人たちがフェイトのその表情を可愛いと思っても口には出さず、やんわりと彼女をなだめようとする。

 

 

「う~~、コタロウさんはいじわるです」

「私がいじわる、ですか?」

 

 

 これではいつ決着がつくかもわからないと感じたなのはは、

 

 

「それじゃ、エリオ、キャロ。いっぱい楽しんできてね?」

『は、はい!』

 

 

 話題を切り上げる切欠として2人を送り出した。

 さすがにそれにはフェイトも逃すわけにもいかず、

 

 

「ご、ごめんね。なのはの言うとおり、楽しんできて。心配だけど、信頼もしてるから」

『はい!』

 

 

 取り繕って笑顔で応えた。

 

 

「それでは――」

「いってきます」

 

 

 笑いかけたフェイトに、エリオとキャロも安心して気分を取り戻した。フェイトの隣にいるコタロウに笑顔を向けて歩き出そうとし、

 

 

「いってらっしゃい」

 

 

 笑顔で送り出すコタロウに驚いて躓きそうになった。

 

 

「エリオ、キャロ!? だ、大丈夫!?」

「……はい」

「だ、い、じょうぶです」

 

 

 もう一度彼を見て首を傾げたあと、2人は目を合わせて再び歩き出した。

 そして、彼らの姿がある程度小さくなったあと、フェイトは振り向く。

 

 

「どうしてコタロウさんはそうなんですか?」

「……そう、とは?」

「誰かに頼りたいってときが、誰にでもあるということです」

「まぁ、そういうことかな、コタロウさん」

「ふぅむ」

 

 

 彼女はまだ、ご立腹のようである。

 しかし、

 

 

「それは、テスタロッサ・ハラオウン執務官が私に頼りたいということでしょうか?」

「――へ? あの、いや……それは、そうであるような……そうでないような……」

「フェイトちゃん?」

 

 

 彼の一言でうやむやにされてしまった。

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

「あ、シグナム」

「ヴィータちゃん」

 

 

 そのあとすぐになのはとフェイトは着替えに寮へ戻るコタロウと別れ、自分たちのデスクへ戻ろうと廊下を歩いていたとき、ヴィータとシグナムとすれ違った。

 

 

「外回りですか?」

「108部隊と聖王教会にな」

「ナカジマ三佐が合同捜査本部を作ってくれるんだってさ。その辺の打ち合わせ」

「ヴィータちゃんも?」

「あたしは向こうの魔導師の戦技指導……全く、教官資格なんて取るもんじゃねェな」

 

 

 ポケットに手を入れて愚痴るヴィータに、なのはは彼女がそれほど嫌と思ってないなと破顔する。

 

 

「捜査回りのことなら、私も行った方が……」

「準備はこちらの仕事だ」

 

 

 シグナムは挑発するような笑みをフェイトにこぼし、

 

 

「お前は指揮官で、私はお前の副官なんだぞ? 威厳をもって命令を、な」

「ありがとうございます……で、いいんでしょうか?」

「好きにしろ」

 

 

 そう言ってヴィータが「お昼、評判のレストランに行かねェ?」と続きを彼女と会話を再開し、2人はフェイトたちを背中に歩き出した。

 その時、ヴィータがポケットから手を出したと同時に1枚の紙がこぼれ落ちた。

 

 

「ヴィータちゃん、何か落としたよ?」

「ん? あ、それは!!」

 

 

 なのはは話していたレストランの情報だろうかとぺらりと中身に目を通した。

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 コタロウが着替えを済ませて隊舎へ戻り、手に数枚の書類を持って歩いていると、そろそろ走りだすのではないかという速さで歩くヴィータと、その後ろを数人の女性が追いかけているのが見えた。

 

 

「ちょっと待ちなさい、ヴィータちゃん!」

「いや、だからな? 悪気は全然無いんだって!」

「いいから、止まれ」

 

 

 イヤリングを揺らしなが歩くシャマルと長い髪を揺らすシグナム、

 

 

「ほんのちょっとでいいから、止まろうよヴィータちゃん」

「お、落ち着こうよ、みんな」

 

 

 サイドテイルのなのはとさらにその後ろを追いかけるフェイトだ。

 ヴィータは後ろから前へ視線を移動させると、コタロウが目に入り少し駆ける。

 

 

「い、いいところにいた!」

 

 

 ぐいっと彼の左袖を引っ張り彼の背後にまわって彼をシャマルたちに向けた。

 

 

「ネコォ、ちょっと助けてくれ」

「助ける、ですか?」

 

 

 じりじりと近付くシャマルたちに合わせるようにヴィータは彼の背中を引っ張り、後ろへ引き下がる。

 

 

「コタロウ、いいからヴィータをこちらに渡せ」

「はい」

 

 

 横に一歩踏み出して道をあける。

 

 

「うおっ、ちょい待て!」

 

 

 すぐさま彼女は再び彼の後ろに隠れる。

 

 

「な、なんでシグナムの言うことを聞くんだ!」

「シグナム二等空尉がヴィータ三等空尉より上官だからです」

「――なっ!? いや、それは違う! 公私混同だ! ここは困っている方を助けろ」

「……ふむ。公私混同……? どうしたのですか?」

 

 

 コタロウは後ろの自分より背の低い女性から、依然として(いきどお)りをあらわにしているシャマルたちに目を向ける。

 フェイトがその間に入り仲裁に入ろうとするが、

 

 

「これ、見てください!」

「はい」

 

 

 シャマルがなのはの持っている紙を指さすと、彼女はそれを手渡した。

 コタロウは書類を腕で挟み――フェイトがそれを見て書類を預かる――その握られて皺の付いた2つに折れば十分ポケットにしまうことのできる紙を受け取り、片手で器用に開くと、そこにはこう書かれていた。

 

 

『自作慣用句

 その1

 ・シャマルの料理を食べる。

 意味:平謝りすること

 由来:シャマルの料理 ⇒ ギガまずいので勘弁してほしい

     ⇒ 謝るしかない

 例:お前にシャマルの料理を食べさせてやる。

 

 その2

 ・シグナムの手加減

 意味:不可能なこと。できたらすごいこと。

 由来:シグナムの手加減 ⇒ できるわけがない

     ⇒ できたら逆にすごい

 例:はやての料理にシャマルが勝つのはシグナムの手加減である。

 

 その3

 ・なのはの砲撃をくらう (見る)

 意味:戦慄する。すくむ。震えあがること。

 由来:なのはの砲撃 ⇒ 大威力

     ⇒ 全員を戦慄させる

 例:その光景を見て、彼はなのはの砲撃をくらう。』

 

 

「ひどいと思いません?」

「だからごめんって謝ってんじゃん」

 

 

 シャマルは腕を組んで立腹し、シグナムは右足で何度も床を叩き、なのはは胸のレイジングハートと握りしめ深呼吸をしている。

 

 

「特に、読めないほどひどい字ではないと思うのですが?」

『違います (違う) !』

 

 

 字面が問題ではないと彼女たちの目に力が入り、三対の目がコタロウを睨んで、そのまま彼の腰のあたりから顔を出しているヴィータを見下ろす。

 

 

「ネ、ネコォ」

 

 

 小刻み震え顔を隠す彼女を見ながらフェイトはどちらが猫か分からないくらいだと思った。

 

 

「つまり……この場を治めればよろしいのでしょうか?」

「あ、うん。そんな感じで頼む」

「……ふむ」

 

 

 懇願するヴィータにコタロウはその紙をシャマルに返し、自分の胸ポケットからメモ帳をとりだし、ぺらぺらとめくりだした。日本でバーベキューをしたときに開いたメモ帳だとすぐに周りは気がついた。中身を見たことが無いのでシャマルたちは予測の範囲をでないが、おそらくトラガホルン夫妻が残した言葉や自分で気がついたものを書きとめているものだろうと考えることができる。

 つまり、彼が困ったときに開くメモ帳だということだ。

 コタロウはそのまま1つのページに目を通したあと、メモ帳をしまいこみ、シャマルたちのほうを向く。

 

 

「ここは私の顔に免じて許していただけませんか?」

『――ンナッ!?』

 

 

 じっと見据える彼に全員大きく一歩引き下がった。

 

 

「あう~~」

 

 

 自分の料理をまずいと言っても「自分の為ならば」と残さず食べ、さらにはお弁当も食べて、なおかつ膝枕をしてくれたコタロウにシャマルは言葉を出すことができない。

 

 

「ん~~ぅ」

 

 

 普段から新人たちの訓練を見て、データを収集し、自分の見たい分野や別の視野も残してくれるコタロウになのはは息を詰まらせる。

 

 

「……う、むぅ」

 

 

 きっかけは何にせよ、最近は本を読むことで学への興味を示し、時々教養を仰ぎ、新たな発見の楽しさを教えてくれたコタロウにシグナムは(ひる)んだ。

 

 

「そ、その発言はあんまりです~!」

「それはずるいですよぉ、コタロウさん!」

「姑息過ぎるだろう、コタロウ」

 

 

 なんとか言葉を出した3人の心持は、ヴィータとフェイトには分かりすぎるほどよく分かった。

 

 

「……?」

 

 

 わからないのは首を傾げる発言者だけである。

 

 

「ヴィータ三等空尉、これで治まりましたか?」

「え、と、治ま……あっ!!」

 

 

 コタロウが今度は身体ごとヴィータのほうを向いたところで、シャマルたちは束縛から解放され、その隙を狙って回り込んだ。

 

 

「お、お前ら! 卑怯だぞ!」

「なんとでも言え」

 

 

 シャマルとシグナムはヴィータの手を掴み、万歳をさせて地面に足がつくかつかないかのぎりぎりまで持ち上げた。

 

 

「ほ~ら、地面に上手く足がついていないと、不安で不安で仕方ないでしょう? こう言う状態ってなんていうか知ってる?」

「……あ、あう」

「浮足立ってるって言うんだよ、ヴィータちゃん?」

 

 

 感情が昂っていることと新人たちがいないせいか、責め立てる3人を止める手立ては、最早フェイトは持ち合わせていなかった。

 

 

「ネ――むぐっ」

「ネコさん、どうもご迷惑かけました」

 

 

 そう言ってヴィータは連れて行かれる。コタロウが無言で見送るなか、その視線の先では、

 

 

「丁度いいじゃないか。出かける前に私たちで戦技指導をすればいい。大丈夫だ。『手加減』はしてやる」

「ゆっくりお話――ううん、しゃべらなくてもいいかも。『私の砲撃をくらう』んだし」

「ヴィータちゃん、大丈夫だよ。私が治癒と『料理』で元気にしてあげるから」

「え、ちょっ、ほらっ、余裕をもって早く――」

「安心しろ、すぐ済む」

「うん! すぐ済むよ」

「さぁ、訓練場に行きましょうね~。あっ、その前に調理室行かなくっちゃ!」

 

 

 という声が廊下に響き渡っていた。

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

「――ひゃぅ!」

 

 

 コタロウがブザーを押してメンテナンスルームに入ってきたのは、丁度リインが制服を全て脱ぎ、調整液に浸かった時だ。

 シャリオの予定と自分の空いている時間を報告しようと、すたすたと彼女に近づく。その間、リインには一瞥もしない。

 

 

「フィニーノ一等陸士、今日の予定なのですが」

「え、いや、コタロウさん!?」

 

 

 シャリオが酷く動揺しているのを見て首を傾げると、彼の横でこぽりと気泡の音が聴こえ、そこで初めて急いで本を出し、それを盾にしているリインを見た。

 

 

「リインフォース・ツヴァイ空曹長の調整中でしたか。すみません、フィニー――」

「……って、ください」

 

 

 シャリオに向き直そうするコタロウに、リインが身体をぷるぷるさせながら言葉を絞り出した。

 

 

「申し訳ありません。もう一度よろしいですか、リインフォース・ツヴァイ空曹長?」

「……ぅぅ」

 

 

 リインの顔が、見る見るうちに紅潮していく。

 

 

「リインフォース・ツヴァイ空曹長?」

「コタロウさん、あのですね……」

「フィニーノ一等陸士。申し訳ありません、上官の命令のあとに――」

 

 

 その時だ。リインは大きく腕を振り上げる。

 

 

「で……」

「はい」

「出てってくださいぃ~~!!」

 

 

 彼の頭上が光ると、その頭と同じくらいの大きさの氷塊があらわれ、そのまま彼女の合図で振り下ろされた。

 

 

「ッタ! ……? あの――」

「出てってください!!」

「わ、かりました」

 

 

 ごとりと氷塊が落ち、結合が解放され雲散していく間にコタロウは部屋をあとにした。背中の後ろ、ドアの向こう側では

 

 

「ふえぇぇん、裸見られたですぅ~~!」

「あの、大丈夫ですよ。ほら、コタロウさん、気にしていないようでしたから……」

「それは、なおさらですぅ~~」

「え、えーとぉ……」

「もう、お嫁にいけません~~あぅ~~」

「……どこで、そんな言葉を?」

 

 

 そんなやり取りが行われていた。

 

 

「僕、なにかしたのかな?」

 

 

 もちろん、調整においては男性や女性ではなく、1つの『個』として見るコタロウには彼女の心情を理解することは現時点では不可能だった。

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

「なにがあったんですか?」

「頭に氷をぶつけました」

 

 

 コタロウが部隊長室に訪れたとき、彼が何故頭から血を流しているのか皆目見当がつかず、はやては開口一番で彼に尋ねた。だが、彼は血を流した理由だけを応えただけで、それに至った理由は応えなかった。

 

 

「早くシャマルに見せなあかんやん」

「いえ、血はもう止まっていますので、行くのであればあとにします」

 

 

 そういって彼は手に持った書類をデスクに置く。はやてはそれを手に取り、ざっと目を通すと、怪訝そうに顔を上げた。

 

 

「これはなんですか?」

「はい。こちらは……」

 

 

 そこで彼が話すその書類の理由に、顔を(しか)めるも納得せざるを得ず、頷いて認め印を押す。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 丁寧に頭を下げるコタロウに、小さくため息を吐く。

 

 

(ほんまに、この人()()どこまで及ぶんや)

 

 

 彼の、いや、彼()の考えには今一つ及ばないと思いながら目を細める。全くその通りだと思う。そしてひとまず考えを取り払い、彼を見上げた。先ほどの着流しからつなぎに着替えた彼はいつも通り、自分の目線よりもやや下を向き、上官が不快に思わないようにしている。

 

 

(そんな(かしこ)まらんでもええのにな)

 

 

 はやてはまだ、彼と敬語抜きで話をしたことがない。それはどちらかというと多数の部類にはいるが、何故だかもどかしさは拭いきれないのである。()()日からどうも気持ちが安定しないのだ。ある程度、もしかしたらという条件で自分の心に整理をつけてはいるが、そちらに傾倒するわけにはいかなかった。

 

 

(それでも見極めな、あかんなぁ)

 

 

 ただ、うやむやに心を引き摺るよりは、はっきりと明確にさせておく必要もある。そういった感情の揺らぎが極稀に任務に多大な影響を与えることを知っているからだ。

 今日は久しぶりに自分に多く割ける時間がある。内部の打ち合わせもないため、良い機会だと思い、

 

 

「それでは、私はこれで」

「ちょう待ってください、コタロウさん」

 

 

 コタロウが敬礼し、回れ右をして部屋をでようとしたとき、はやては彼の呼びとめた。

 

 

「はい」

「……え、っとな……うん」

 

 

 口を開くが、言葉に詰まるも意を決したように口ときゅっと閉じて相手を見据えながら、言葉を絞り出した。

 

 

「今日お昼、ご一緒しませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

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