緋弾のアリア -瑠璃神に愛されし武偵-   作:あこ姫

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ジャンヌ 「皆、こんにちは。情報科(インフォルマ)2年、ジャンヌ=ダルクだ」
キンジ  「探偵科(インケスタ)2年、遠山キンジだ」
ジャンヌ 「おい、遠山。なんだそのやる気の無い態度は」
キンジ  「仕方無いだろ?俺は元々まえがきの担当やる気はなかったんだ!」
ジャンヌ 「しかしだな・・・・・。此処で担当している以上、その責務を果たすんだ」
キンジ  「解ったよ・・・・」
ジャンヌ 「( ゚д゚)ウム。それでこそ原作主人公だ」
キンジ  「・・・・で、今から何をするんだ?」
ジャンヌ 「・・・・・・・・・・(((゜Д゜;)))」
キンジ  「おい、なんだ。その反応は」
ジャンヌ 「な・・・・何の事だ?」
キンジ  「声が震えてるぞ。さては何も知らないんだな」
ジャンヌ 「う・・・うるしゃい!」
キンジ  「噛んでるじゃねぇか・・・・。動揺しすぎだぞ?」
ジャンヌ 「本編で師匠に指摘されたお前に言われたくはない!」
キンジ  「ハイハイ・・・。んじゃあ、タイトルコール行くぞ?」
ジャンヌ 「遠山、お前、私の話を聞いているのか!?」
キンジ  「聞いてるって。ホラ・・・『第009弾』」
ジャンヌ 「『ウラ取りと条件』」
2人    「「どうぞ!!」」

アホの子がなんとなく可愛く思えるまえがき⑩ 完


第009弾 ウラ取りと条件 ★

武偵校では1時間目から4時間目(午前中)までは普通の高校と同じく一般科目の授業を行い、5時間目以降(午後から)は各々の専門科目に分かれての実習となる。

私みたいに掛け持ちしている生徒は、どの専門科目を受けるかを自分で選択する。また、自分の所属する科以外の専門科目も「自由履修」という形で受けることができる。

私は名指しのクエスト依頼がないかを確認する為にクエスト依頼の掲示板に来ていた。

そこで、その場所では滅多に会わない生徒と遭遇する。

 

「あら、キンジ。珍しいじゃない。貴方がこんなところにいるなんて」

「まぁ、たまにはクエ受けてみようかな・・・と思ってさ」

「ふーん。アリア対策に?」

「・・・・・・・・・・・・」

 

私の発言に何も返してこないキンジ。ってことは図星なのね・・・・。

まーでも、無駄だと思うけどね。多分・・・・・確実にアリアが探偵科(インケスタ)の専門棟近くで待ち伏せしてるし。

何故知ってるかは昼休みにアリアと昼食摂っている時に聞いた。

そしてそこで待つ様に言ったのは私だし(笑)

 

「ま、理由はどーでもいいけどさ。どんな依頼受けたの?」

「Eランク武偵にお似合いの簡単な依頼だよ」

「って事は『青海の猫探し』のクエか・・・・」

「ああ・・・って、何故知ってるんだよ!?」

 

私がキンジの受注した依頼を当てると、キンジが驚愕していた。

そんなに驚く事・・・・??

 

「だってそりゃ、この掲示板の管理は教務科(マスターズ)からの依頼で私達がやってるし」

 

そう。この外部依頼のクエストの掲示板。

更新を行うのは私が所属する情報科(インフォルマ)の仕事なのだ。

 

「理由になってないじゃねぇか」

「管理してるってことはそのクエが、どの科に所属する武偵で、どのランクの武偵に合ったレベルの難易度なのか把握してるでしょ?」

 

私はキンジの問いにそ対し、そう答えた。

 

「まさか、ここに出ている依頼の難易度とか全部覚えているのか・・・?」

 

キンジがおそるおそるそんなことを聞いてきた。

 

「流石に全部とはいかないけれど、まぁ大体はね・・・・。キンジ、この資料参考にしたら?」

 

私はそれをやんわりと否定する。まぁ・・・正直9割5分は覚えていたりはする。

そして私は1部のファイルをキンジに渡した。

 

「・・・・?なんの資料だ?」

 

キンジはその資料をサラッと読んでから尋ねた。

 

「『なんの』って・・・・。キンジが探す猫の行動パターンの資料よ」

「そんな資料いつ作ったんだよ」

「さっき」

 

私は間違った事は言っていない。

これ、先程の掲示板更新中に片手間に序でで作ったものだ。

なんかこんな予想できてたからな。

 

「・・・ありがたく受け取っておく」

 

キンジは私の発言に呆気に取られていたが、直ぐに復活し、探偵科(インケスタ)の専門棟の出口の方へ駆けていった。

私は「まー頑張れ。キンジ」的な感情で見送る。

さて、クエも特段無いようだし、今日は強襲科(アサルト)で戦闘訓練するかな・・・・。

こうして私は強襲科(アサルト)での戦闘訓練に勤しんだ。

 

その頃、キンジとアリアは喧嘩しつつも上手くやっていたようである。

本当に仲が良いコンビである。

事の顛末を夕食の場で聞いて、それを言ったら、見事にハモって否定された。

全くもって仲が良いコンビだな。この二人(キンジとアリア)

 

 

その翌日も特段クエが無かったので情報科(インフォルマ)に顔を出したあと、強襲科(アサルト)での戦闘訓練に勤しむ。

強襲科(アサルト)での戦闘訓練を終え、放課後になった。

その時、スマホに着信が入る。相手は・・・・旭野さんか。

 

「はい、もしもし」

『久しぶりだね、凪優ちゃん。今、時間はあるかい?』

「え・・・。まぁ、特段クエとか無いんで、大丈夫かと思いますけど」

『そうか・・・・。では30分後にいつもの喫茶店に来てくれないか』

「(喫茶店・・・・。って事はそっち側の話ね・・・・。)了解です」

『では、待っているよ』

 

通話は終了した。

 

「で、何だったの・・・?」

 

丁度私と合流した花梨が尋ねる。

 

「さぁ?でもあっち側の話だろうね」

 

私がそう答える。

 

「ふーん。そっか。じゃあ私はテニス部の方に行くね。帰りは遅くなるから」

「りょーかい。で、晩御飯は?」

「んー・・・・と今日は皆でファミレスに行く約束だし要らない」

「解った。じゃあね」

「うん。( ´・ω・`)ノ~バイバイ」

 

花梨と別れた私は待ち合わせの喫茶店に(車で)向かった。

 

 

 

「よぉ。意外に早かったな。凪優」

 

喫茶店に到着した私を迎えたのは旭野さんだった。

しかし、いつもと口調とか違う。

何というか態度がでかい。

 

「アンタから貰った車のお陰よ、アキ」

 

私の方も敬語とか無しで対応する。

 

「何時もとは違って敬語はなしかよ」

「そりゃお互い様でしょうが」

「まぁそりゃそーだな。こっち側だと敬語はムズ痒くてたまらん」

「こっちの方が素のくせに」

「それ言うんじゃねーよ。それとも何か不満か?」

「いや。別に。寧ろ今の方で敬語使われる方がぶっちゃっけキモいわ」

 

いきなりの罵倒合戦である。

何事かと思うだろうがこれがデフォルトなのである。

 

「まーいいわ。そこに座れ」

「はいはい」

 

アキに言われ、私はアキの対面に座る。

 

「まず、これが雄の奴に頼まれた資料だ」

「兄さんに・・・・?」

 

 

アキが兄さん・・・水無瀬雄一郎に頼まれたという資料に目を通す。

それはアリアの事についての資料だった。

 

「・・・・成程ね」

 

数日前、私とキンジに「PTを組め」と言った時にアリアが言った言葉。

 

「あたしには時間がないの」

 

という発言。

これに私は引っ掛かっていた。

だが、アキ経由で私の手元にある兄さんからのアリアに関する資料。

これを見てその言葉の意味を理解することができた。

 

「で、アキ。なんでコレにイ・ウー の奴等が関わってる訳?」

 

何故か私が属する組織の名が出てきた。

 

「知るか。俺にも老害共の考えている事はさっぱりだ」

 

アキは私の問いに知らないと返す。

アキにも解んないのかぁ・・・。

 

「そう。で、この案件に関わっている奴等は判明してるの?」

「ああ。このリストに載っている奴等だな」

 

私はアキから資料を受け取り、目を通す。

 

「うえ・・・・。ナニコレ。殆どじゃない」

 

そこには私が党首を務める研鑽派(ダイオ・ノマド)以外の奴等の殆どのメンバーがリストアップされていた。

中には何人か私の党派である研鑽派(ダイオ・ノマド)からも引き抜きもされている。

ブラド・・・は誰かに操られて署名したよな。それは解る。

だって・・・・あの私の保護者ともイ・ウー内外で噂されるブラドだよ?

 

「最近、記憶が途切れ途切れになって、欠如してる事があるんだが・・・・」

 

と、新学期が始まる直前に説明を受けたからねぇ。

おそらくはそれ関係だろう。

 

「まぁ・・・対立する奴等が居なくなったからな・・・」

「私達が居なくなるのを狙ってやがったのか・・・・・」

 

私はアキの言葉に嘆息せざるを得なかった。

実際、私達・・・研鑽派(ダイオ。ノマド)がイ・ウーの抑止役を担ってたからなぁ。

そのトップが相次いで休学状態。

それは・・・・無理もない話ではある。

 

「そう言うな。ま、そのリストに俺達の名前が無いだけマシだがな」

「そうね。お蔭様で行動しやすいけど」

 

確かにこのリストに私達の名前があったらアリアとは敵対する訳だし。

動きにくいったらありゃしないし、ややこしくもなる。

無いなら無いで、武偵である表、イ・ウーメンバーである裏。

この両方がフルに使えるわけだからね。

 

「やっぱ、お前も動くのか」

 

私の思惑を察したアキの言葉に

 

「当然。どう考えてもアリアとキンジ2人だけじゃ無理がある」

 

私は肯定した。

事実、アリアとキンジ・・・・。あのコンビといえどもこのメンバー相手だと荷が重い。

私が参戦すればそのスムーズさも変わるだろう。

何よりも・・・・私自身、あの老害共が気に喰わんのだ。

会う度にネチネチ文句しか言いやがらねぇわ。

否定の割に碌でもない事しか考えねぇし。

私的にさっさと隠居して欲しいもんだ。

それと・・・・・未海姉との決着も付けねぇとな。

あのリストに未海姉・・・『綾乃(あやの)未海(みう)』の名前があった。

未海姉は私の師で・・・そして私が止めなきゃいけない相手。

最悪・・・・殺してでも。

それ程因縁がある相手なのだ。

だから、未海姉の存在がある以上、私が参戦しない選択肢はないのだ。

 

「そうかい。俺も雄も出来る限りサポートはする」

「ありがと」

 

アキが兄さんと共にサポートする事を申し出たので私は礼を言う。

 

「礼は良い。俺とお前の仲だろ。あと、コレは要るだろ?」

 

そう言ってアキは私に手甲とワイヤーとカードホルダーを手渡す。

これは、私のイ・ウー活動時の装備ではないか。

 

「これって・・・・・」

「礼は機嬢(ジーニャン)の奴に言え。それ保管・メンテしていたのはアイツだからな」

「解った」

 

装具一式受け取り喫茶店を後にする為、席を立つ。

 

「死ぬんじゃねーぞ。氷天(ひてん)の魔女」

「そっちもね。鮮烈の雷撃(ディラスター)

 

私は喫茶店を後にして武偵校の寮に戻った。

 

 

それから、アリア達と夕食をとり、私は自室に戻る。

さっきアキに貰ったリストとイ・ウーのメンバー指導リストを照会する。

そして自室に戻った私はイ・ウーメンバー専用の通信機を手に取り、ダイアル調整。

通信の相手は勿論、機嬢(ジーニャン)だ。

だが、最初に出るのが誰なのかは解らないのだ。

あの姉妹は個々の通信機を同じ所に置いている。

彼女達曰く、

 

「そっちの方が解り易い」

 

・・・だそうで。

最初から機嬢(ジーニャン)が出れば問題はない。

だが、誰が最初に出るのは誰か不明。

故に・・・こういう会話で始まるのだ。

 

(もしもし)?誰ネ?』

「あ、その声は炮娘(バオニャン)?私。凪優よ」

 

先ず、電話に出た相手を当てる。

ここからスタート。

結構難易度は高いが、それは慣れでなんとかなる。

今回は四姉妹の、次女、炮娘(バオニャン)の様だ。

 

『凪優?真的(本当に)?凄く久しぶりネ!』

 

私が相手で炮娘(バオニャン)は結構喜んでいる御様子。

語尾が弾んでいるのが何よりの証拠だ。

 

「そうね。ほぼ2年ぶりくらいかしらね・・・・」

 

高校に進学後は全然連絡してなかったし。

確かそのくらいだろう。

 

『もう、連絡寄越さないで超心配したネ。―――で、今日はどうしたネ』

 

かなりの話したい事があったのだろう。

結構長い時間私は炮娘(バオニャン)と話し込んでいた。

そして、炮娘(バオニャン)の話に寄れば、藍幇(ランパン)の幹部、諸葛静幻(しょかつせいげん)も私をかなり心配しているらしい。

 

・・・・・修学旅行(キャラ・バン)Ⅱで香港を旅行地に出来たはずだ。

その時に会いに行ってアイツ等を安心させてやろう。

 

私はそう心の中で誓った。

 

「うん。機嬢(ジーニャン)にお礼と猛妹(メイメイ)に聞きたいことがあってさ・・・・」

 

暫く話した後、私は本題を切り出す。

そして、四姉妹の三女、猛妹(メイメイ)と四女の機嬢(ジーニャン)へ取り次ぐ様に炮娘(バオニャン)依頼する。

 

猛妹(メイメイ)機嬢(ジーニャン)?その二人ならもうすぐ帰ってくるネ。ちょっと待つよろし』

 

どうやら、二人は外出中らしい。・・・が、あと少しで帰ってくるようだ。

ちょっと待って欲しいと炮娘(バオニャン)に頼まれる。

 

「わかった」

 

私はそれを了承する。

そしてその間、炮娘(バオニャン)と偶然其処に居合わせた四姉妹の長女、狙姉(ジュジュ)と話していた。

当然、狙姉(ジュジュ)にも私は物凄い心配された。

 

そしてしばらくして、猛妹(メイメイ)機嬢(ジーニャン)が帰ってきたようだ。

通信の相手が私だと知るやいなや、すごく喜び、通信に出た。

 

(もしもし)?凪優?』

「あ、機嬢(ジーニャン)?ありがとね。私の装備をメンテしてくれて」

 

私は自分の装備の礼を行った。

 

别介意(気にしないで)。凪優は私のお得意様だし当然ネ』

 

機嬢(ジーニャン)はそう言ってくれるけども。

 

「ホント、ありがと。これからも装備のメンテとか頼むだろうけどその時は宜しくね?」

 

有難いものは有難いのだ。

私は再三、機嬢(ジーニャン)に御礼を言った。

 

可以(OK)!いつでも私に任せるネ!―――じゃあ、猛妹(メイメイ)に代わるネ』

「ええ」

 

私がシレっと言った要望にも機嬢(ジーニャン)は快く了承してくれた。

その後、機嬢(ジーニャン)と世間話をして、次の通信相手、猛妹(メイメイ)に代わる。

 

(もしもし)?凪優、私に聞きたいことって何アルカ?』

「あ、うん。このリストにあるやつなんだけどね・・・・」

 

 

 

 

 

 

「これで全部ウラは取れたわ。ありがと。お陰で助かったわ」

不客气(どういたしまして)、凪優。祝你好运(頑張ってね)!』

(うん)!」

那,再见!(じゃ、またね!)

好了,拜拜!(うん。バイバイ!)

 

通信を終えた私は気分転換も兼ねてコーヒーを淹れようとキッチンに向かう。

そして、トイレのあたりでキンジとバッタリ会う。

 

「あ、おかえり。キンジ、意外に早かったのね」

「な、凪優?一体何のことだ?」

 

大体の事は察するが・・・・・

キンジよ。カマかけに引っ掛かり過ぎ。

それに・・・・

 

「・・・・キンジ、バレバレ。動揺隠せてない」

「う゛・・・・・」

 

私が指摘すると図星を突かれた表情を見せるキンジ。

 

「まぁ、安心しなさいな。幸いと言うべきか、アリアにはバレてないし」

「そうか・・・・」

 

私のフォローに安堵の表情を見せるキンジ。

 

「ま、もうそろそろ来ると思うけどね」

「え?」

 

虚を突かれた挙句、絶望も相まってか固まるキンジ。

私の得意技、「上げては落とす」とはこの事だ。

この反応を見てその後で少し誂うのが楽しいのだ。

昔、パトラにこれやったら思いの外良い反応で、仲間全員で大爆笑していた。

アレで未だに思い出し笑いができるのは此処だけの話である。

 

そんな感じで誂っていた直後だった。

カードキーで鍵が開く音がした。

 

「お帰りアリア」

「お帰り・・・・じゃないわよ。鍵くらい開けときなさいよ」

「いや、泥棒とかに入られたら嫌じゃん」

「そのくらい返り討ちにして逮捕しなさいよ」

「出来るけど、簡単だけど、泥棒に入られた時点で私の信用が落ちる」

「じゃあ、あたしが来るの予測して開けときなさいよ」

「無茶言うなて。ま、どーせ偽造カードキー持ってると思ったし別にいいかなって」

「あのねぇ・・・・・あたしが持ってなかったらどうしてたのよ」

「んなもん、決まってるでしょ?放置」

「あんたねぇ・・・・・」

「もう居候の身で文句言わないの」

「むぅ・・・・・」

 

アリアの論に正論ぶつけてバッキバキに論破する私。

私の正論にぐぅの音も出ないアリア。

因みにキンジは私とアリアの会話の間は

 

「あ、いたんだ・・・」

 

的な放置状態である。

 

その後、私はキッチンに、アリアはリビングに、キンジは洗面所へと移動した。

私はコーヒーを淹れつつもキンジとアリアの会話を聞いていた。

 

まぁ、何と言うか面白いわwwwwこの二人。マジでwwwww

キンジがこの前、アリアにしたという強制猥褻(未遂)で犯罪者扱いされたりだの、

アリアがキンジのHSSの発動条件も知らないのにさ・・・

 

「なんでもしてあげるから」

 

発言とか・・・・。

聞いてて飽きない。

 

とはいえ、この手の話題はキンジの琴線に・・・・下手せずとも逆鱗には触れるだろう。

その証拠にキンジは無意識のうちにアリアを押しのけていた。

さぁ・・・・どうする、キンジ?

 

「・・・・1回だけだぞ」

「1回だけ・・・・・?」

 

ふぅん・・・・。成程ね。

無条件降伏じゃなくて、

 

「戻ってやるよ―――強襲科(アサルト)に。但し、組んでやるのは1回だけだ。戻ってから最初に起きた事件を、1件だけ、お前と組んで解決してやる。それが条件だ」

 

キンジは条件をアリアに突きつけた。

 

「・・・・・・・」

 

アリアは何も言わなかった。

 

「だから転科じゃない。自由履修として、強襲科(アサルト)の授業を取るそれでもいいだろ」

 

キンジ・・・条件付き降伏ってワケね。

しかし自由履修とは考えたな。

 

自由履修・・・・・これは武偵校において、生徒が自分が所属する科以外の専門科目の授業を受ける事の出来る制度である。

無論、単位には反映されないが、多様な技術を要求される武偵になる為には理に適っている制度といってもいい。

なので、生徒の殆どは割と流動的にこの制度を利用している。

斯く言う私も自由履修で狙撃科(スナイプ)車輌科(ロジ)の授業を取っている。

 

自由履修の云々はさておいて、

キンジ、さてはHSSという切り札を伏せたままの状態・・・・・通常状態のままでやってアリアを失望させる魂胆か。

全く、どこまで組みたくないんだよ。コイツは。

そこまで来ると流石の私でも溜息が出るぞ。

 

「・・・・いいわ。じゃあ、この部屋から出てってあげる」

 

キンジの譲歩案にアリアは妥協した。

 

「あたしにも時間がないし。その1件で、あんたの実力を見極めることにする。勿論、凪優もね」

 

ま、解ってたことだし別に不満はないけど。

 

「・・・・どんな小さな事件でも1件だぞ」

「OKよ。その代わり、どんな大きな事件でも1件よ」

「解った」

「但し、手抜きしたりしたら風穴あけるわよ」

「ああ。約束する。(通常モードの俺の)全力でやってやるよ」

「解ったわ。約束する」

 

ま、私の場合、全力は出さないけどね。

そう。第4段階は使わない。

第2段階位までの全力を・・・・ね。

でも、アリアには少しだけ明日見せてもいいかな。

第3段階の私を・・・・。

 

 

 

続くんだよ




葵 「はい。如何だったでしょうか・・・。っと」
理子「今回、かなり増えたね。文量」
葵 「そうね。加筆が多かったのも事実だし」
理子「あー・・・・そっか。後付けでバンバン設定できたもんね」
葵 「そうね。私の事も含めて色々とね」
理子「イ・ウーの事だって当時は設定もなかったもんね。詳しいの」
葵 「うん。この話のリメイク前書いてた当時は設定も皆無だったし」
理子「って事はここ1年で・・・?」
葵 「うん。大体の設定はこの1年で練上がってるわね」
理子「・・・て事はそれに準じた加筆になるってこと?」
葵 「ええ。入れた方が良い所でその設定を加筆したりしてね」
理子「じゃあ、それ以外は?」
葵 「セリフ間の説明描写入れたり・・・かな」
理子「あぁ・・・そのへんも加筆要るんだ」
葵 「序盤の方は特に」
理子「あらら・・・」
葵 「もうね。後々に自分で読み返してさ・・・」
理子「疑問点出ちゃうんだね・・・・」
葵 「そうなのよね・・・・」
理子「それって、相当ヤバイじゃん。あおちー自身でも解んなくなるって」
葵 「そう。超致命的。だから、リメイク版って立ち位置なんだよね」
理子「そういう事だったんだ・・・・」
葵 「そういう事」
理子「じゃあ、裏話はこの辺にして、何時もの謝辞しとこうよ」
葵 「そうね。良い頃合だものね」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰だよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵 「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
理子「と、言う訳で、これからもよろしくお願いなんだからねっ!」
葵 「それでは、また次回のこのあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
2人  「「ばいばいっ!!」」

やっぱりこの文字数に落ち着くあとがき⑩ 完

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