緋弾のアリア -瑠璃神に愛されし武偵-   作:あこ姫

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結 「強襲科2年の姫神結衣です」
翠 「結衣の相棒で強襲科・狙撃科2年の椎名翠でもある翡翠です」
結 「時に翠。私思うんだ」
翠 「何をだよ、結衣」
結 「敬語って慣れてないとウザイな」
翠 「何言ってるの?このバカは」
結 「だってそうじゃん」
翠 「(´Д`)ハァ…そんなんだからこうなったんだな」
結 「え、何が」
翠 「知らなかったのか? この作品のまえがき、ローテ制になってるぞ?」
結 「What? デジマ?」
翠 「マジもマジだ。明らかに出番減ってるだろう?」
結 「そういえば、リメイク前は毎回だったのに今回でまだ5回目……?」
翠 「それでも多い方だがな……」
結 「で、次は何時なんだよ……出番!」
翠 「順当で第024弾だな……」
結 「かなり先じゃん! 葵の奴ぅ……」
翠 「抗議するならタイトルコールの後にしろよ?」
結 「そうする。『第016弾』」
翠 「『戦闘だって大切な学びの場』」
結 「どうぞ!! じゃあ、葵の所行ってくる!」
翠 「あぁ、行ってこい逝ってこい。(……出番減らされないと良いけどなぁ)」

結果的にフルボッコにされたバカとその保護者がお送りしたまえがき⑯ 完


第016弾 戦闘だって大切な学びの場 ★

 私の6ウニカと理子のワルサーP99、お互いの銃から発砲された銃弾はぶつかりあって相殺される。

 私の6ウニカに使う銃弾は.454Casull、対する理子のワルサーP99に使う銃弾は9x19mmパラベラム弾。単純な銃弾威力で言えば私の方が上だけど……今の相殺された事を見るに確実にアレだよな、アキの十八番、『神速』。

 身体に雷を流し込んで目で追えない程の戦闘を行う技術……クソ厄介と言うしかない。それを理子が使えるとか聞いてないんだけどっ! 

 目で追えない現状、気配で対応してる状態だ。気が抜けない。

 

「相殺されてる事に驚きみたいだけどさ、これはどうカナ?」

 

 攻撃の対応に焦る私を嘲笑う理子は意表を突くような箇所を狙ったのだろう。

 私の足元に向かって発砲。

 

「せぇぇいっ」

 

 ワルサーの発砲と同時にホルダーから抜いたブーツナイフで叩き斬る。

 綺麗に斬られた9x19mmパラベラム弾は足元に散らばる。

 

「ふぅん。やっぱり斬ったんだ」

「あらま。驚かないんだ」

「まぁ、なゆなゆだしね。そうすると思った」

「あらら。想定内だったんだ。驚くかと思ったのに」

 

 余裕綽々といった表情の理子に予想が外れた私は虚を突かれた風に返した。

 

「んー? だってなゆなゆだし」

「そのりくつはおかしい」

 

 理子の言葉に突っ込んだ私は悪くない。

 え、なんなの? 『私=人外』って数式が成り立ってんだとしたら限りなく不本意なんだけど。

 

「おかしくないよ? だから、こういうふうな仕込でも有効打になるかなってっ」

 

 その言葉の直後、先程斬られた銃弾が発光し、眩い光と共に爆発を起こす。

 

「けほっ……。なるほど炸裂弾だったってわけか」

「そ。ご名答ー。でもそんなに効果はなかったけどね」

「そうでもない。結構煙たかったし。あとウザい」

「そっちの方向で効いてるんだ。流石、ゆいゆいとゆーくん」

 

 アイツ等ァ!! 確かにあーいうの開発しそうだけども!! 

 アイツ等は後で〆たろ……。絶対だよ、こん畜生。

 

「オイ、理子」

 

 私はドスの効いた声で理子を呼び止める。

 

「え、何? ……なゆなゆ」

 

 理子は私の少し漏れ出す殺気にビビりつつも応答。

 

「後でアイツ等〆るから手伝え」

「え、良いけどさ……今は敵同士だよね? 今言う必要ないよね?」

 

 私の発した要望に理子、困惑のご様子。(当然)

 

「知ってる。 逃げた後だと理子(アンタ)に言う機会無いでしょうが!!」

「え、そんな理由なの!? もうなんなの、なゆなゆ」

 

 私の理由を聞いて困惑な理子だった。当然といえば当然である。

 

「知らん」

 

 私はきっぱり断言した。

 

「自分のことなのに!? 理子、直で逃げたいんだけどっ!!」

 

 理子は更に困惑度合いが上昇した。私的になぜ逃げる必要があるのかは知らんけど。

 

「逃すわけ無いでしょう?」

「もう、なゆなゆの相手疲れるしやだよぉ・゜・(ノД`)・゜・」

 

 私の言葉にツッコミ疲れで涙目のご様子な理子は何かを投げた。

 どうしてこうなっているんだろうね? (←※ 自覚なし)

 

「ぬったりしていってね!」×たくさん

 

 爆弾──チャリジャックの時に出た「ぬったり爆弾」。

 携帯版故に大きさが小さく、数が大量だ。

 

「………………ガチで超うぜぇよ!! (゚Д゚)ウゼェェェ」

 

 爆弾に対し私が真っ先に思った感情はそれだった。

 だって、全部の爆弾が

 

「ぬったりしていってね!」

 

 って言ってんだもん。

 あの合成音声(ゆっくりボイス)を何重奏も聞かされてみてよ。イラッとくるわ! 

 しかもなんか時折理子本人の声やら何故かアリアの声やらも聴こえてくる。

 なんなの。このお遊び感満載爆弾。

 確かに最強だ。精神疲労的にねぇ!正しくSAN値直葬だわ。

 

「どぉ……? 理子特製の『にいにぃ爆弾』の威力は」

「おい。なにそのネーミング。新潟に怨みでもあんのか」

「どうして新潟が出てくるのさ。 お兄ちゃんが爆発するけど」

 

 私の発言に新潟が無関係だと断言する理子。

 こういう思考出るのって、誰か鉄道ファンでも居たのかしら? 

 割と作者がそうなんだけど。(事実)

 そんなことはどうでもいいんだよ

 

「そっちの兄にぃかよ」

「うん」

「明るい笑顔ですこと」

 

 理子の笑顔に引いた私である。理子って怨み持つほどの兄貴分いたっけ……

 あ。居たわ。本人泣くだろうなぁ。敢えて言わんけども。

 ご本人の名誉もあるし。うん。

 

「まぁね。…………ねぇ、なゆなゆ」

「ん? なにか?」

「シリアスどこいった」

「真顔でいうことか。あー、アレだよ。休憩中。今はシリアルの時間です」

「なにそれ」

「(゚⊿゚)シラネ」

 

 知らないったら知らないんだよ。

 ずっと戦闘してたらアリアの出番無いまま終わるでしょ! 

 

「そういう問題!? あと、キーくん忘れられてるんだけど!?」

 

 理子は愕然としていた。もっと高尚な理由でもあるとでも? 

 無いでしょ。キンジについてはナチュラルに忘れてた。

 

「だから、休憩だ。休憩。ここはバーなんだしなんか飲む?」

原作主人公(キーくん)の扱いがマジ酷い件。 そしてマジで休憩に入っちゃったよ。なゆなゆ(この人)。もうなんなの」

 

 私の自由度にワケワカメな理子でした。

 

「私に聞くなよ。何も飲まないの?」

「いや、アンタ自身のことじゃん。……あ、とりまシンデレラで」

 

 私の言葉に突っ込むもキチンと注文する理子。

 

「かしこまり。私もそれにするかな」

 

 バーにあった物を(無断)拝借して私はカクテルを作り始める。

 え……? 『未成年だし、お酒はダメ』? 

 解ってるって。だから、ノンアルコールのカクテルにしてるやん。

 シンデレラってのはオレンジジュースとレモンジュースとパインジュースを1:1:1の配合で作るカクテルのこと。……分量はそれぞれ40mlってところ。

 未成年でもカクテル呑んでる雰囲気を味わえるからいいよね。コレ。

 

「ほい、完成」

「ありがと」

 

 出来上がったので給仕。 グラスを滑らすことはしないよ?したらグラス粉砕しちゃうし。 

 

「なんか、聞きたいこと、あるでしょ?」

「うわ、鋭い。じゃあ、単刀直入に聞くけど、なゆなゆの目的は?」

 

 カクテルを口にしつつも本気で斬り込む理子。

 

「んと、『理子の実力を測ってからのあわよくば指導』・『O☆SHI☆O☆KI』かな」

「…………後半のなんなの!?」

 

 私の言葉に唖然となる理子である。

 一体どうしたって言うんだ。

 

「え? 知りたい?」

「そりゃそーだよ! 解答によっては今すぐここから逃げたいんだけども!」

 

 理子は結構焦っていた。まぁ、無理もない。

 

「あー、安心して。執行するの私じゃないし」

「いや、安心できないよ!? 他人の依頼なの!?」

 

 私のフォローに更に焦る理子。私フォローしたはずよね? 

 

「まぁ……そんなところ……かなぁ?」

「ぇえ!? ナニソレコワイ」

 

 瑞穂さんのアレは……依頼というより、命令だった気がする。

 

「あぁ、安心して。正社員レベルでバイト雇用されるだけだし」

「なんだ……。そっかぁ……。安心した」

 

 私の言葉に安堵する理子だった。

 

「〈……理子に真実を教えなくていいの? 凪優〉」

「まぁ、なんだ。知らぬが仏ってものよ。瑠璃」

 

 瑠璃はジト目で私に問い掛けるが、私は面白そうなので黙っておくような返答。

 

「なゆなゆぅー、なんか、言ったぁ?」

「別に?」

 

 無駄に理子は勘付いたので敢えてすっとぼける私である。

 

「きのせいか……」

「うん。そう。気のせいよ」

 

 理子は勘違いだと認知したので、ダメ押しで肯定しておくことにした。変に勘付かれて逃亡されたとなれば、また追いかけて捕まえるの超メンドイから。

 

「そういえば、なんで、なゆなゆは私が此処にいるってわかったのさ」

「え? そりゃあ、盗聴してたし」

「はぁ!? 盗聴ぅ!?!?」

 

 驚いた理子は自分の体をまさぐり始めていた。

 まぁ、なんだ。キンジが見てたらこれだけでヒスっていただろうね、確実に。

 だって理子はスタイル良いもん。アリアより。

 これをアリアの前で言うものなら戦争勃発やね。ボッコボコにしてやるけど。

 

「安心して。盗聴器なんて仕掛けてないし」

「え……? どゆこと?」

 

 私の言葉にイミフな理子である。頭に『?』が乱立しているし。

 

「理子はさ、霧の標印(アンネベルン・マルケ)って知ってるよね?」

「うん。確か、それってカツェの使うマーキング術式だったよね」

 

 カツェ──『厄水の魔女』こと、『カツェ=グラッセ』の名前が出てくるあたり、術式はやっぱ知ってたか。同僚だしね。

 

「そ。アレの改良版を使ったの」

 

 私は球体状の靄を具現化させた。

 口から発動していないところも改良点である。

 

「これを対象者に触れさせると位置情報だけじゃなくて盗聴とかもできるの」

「つまり、あれの上位互換版ってところなんだ」

「そうよ。でも弱点があってね」

「弱点??」

 

 理子が首を傾げたので、私は先程具現化した物を理子に向かって投げつける。

 

「Σ(゚д゚;)ちょ……」

 

 理子は自分に向かって来る事に驚いていたけれども、靄の球は理子に届く事無くその数m手前で落ちて、そのまま霧散した。

 

「…………………………」

 

 この期待外れ感に理子は無言だった。

 

「球状にした時、すんごい射程短いのよね」

 

 私がこの改良版の弱点を苦笑い気味に言う。

 

「あぁ……確かに致命的だね…………接近しないと仕込めないとか」

 

 理子も苦笑いで返す。

 

「じゃあ、尚更どうやって仕込んだのさ」

「そんなの、服を捲って直接──「セクハラぁぁぁぁぁぁっ!」」

 

 私の発言を遮って理子は大絶叫だった。

 服を捲って直接とかというセクハラ発言を聞いたら当然の反応といえば当然の反応である。

 

「いや、女同士だし気にしなくても…………」

 

 私はきょとんとした表情で返す。

 百合ぃがあるし別に良いジャマイカ。

 

「いや、気にするからね!? なにしてんの!? アンタ!?」

「ああ、安心して。理子(お前)が意識ないときにやったから」

 

 理子のツッコミを私は笑いながら受け流した。

 

「それは安心…………できるかっ! そんな時なんて無かったでしょ!?」

「いや、あったじゃん。先週くらいに」

「先週…………? ( ゚д゚)ハッ! まさか、あの時に!?」

 

 理子は私の指摘で何か──先週の『精神と身体両方瀕死状態になった地獄のバイトヘルプ』を思い出したらしい。

 

「そのとーりっ。理子(お前)がバイト後、燃え尽きた時に仕込ませていただきました(・д・)」

「あぁ……そう…………」

 

 私がドヤ顔で披露し理子はゲンナリしていた。

 

「うん♪」

「そうなの……じゃあ…………」

「あらぁ? どうするのぉ……?」

「殺すっ」

「やってみなっ!」

 

 私の告白に理子は怒って私に発砲。

 私は煽りながらもそれを跳んで回避する。

 

「〈ねぇ……なにやってんの? バカなの? 死ぬの? 〉」

「え……? ただ真実を述べただけですが? バカとはひどいし、死ぬ気はサラサラないよ」

「〈何処かだよ。最早どっちが悪役か解んなくなってんだけど!? 〉」

「そんなのフツーにわかるでしょ? 理子の方じゃん」

 

 ハハ。ナニヲイッテイルノヤラ。

 私は瑠璃(相棒)のツッコミにきょとんとした表情で答えた。

 

「「わかるかァァァァァァァっ!! セクハラしたテメーが悪いわァァァァァっ!!!!」」

 

 その後、理子と上の個室の床をぶち抜いて天井から登場したアリアからの総ツッコミを受けた。

 

「…………なにやってんだよ。凪優…………」

 

 同じく上から登場し、呆れ顔のキンジ。良かった。頭冷えてんね。

 これで勝率は上がるだろう。

 

「仕方ないじゃない。必要悪よ。必要悪」

「だとしても、それは無いわよ。凪優」

「次は多分は気をつけるって」

「『多分』かよ…………」

 

 私の(華麗なる)スルーを否定するアリアの言葉を更に(華麗に)スルーする私に呆れるキンジ。

 

「さて、アリア、キンジ…………来るよ」

 

 私はアリア達に警告を出した直後に理子のP99による砲撃を懐から取り出したマテバとトーラスジャッジで瞬時に相殺させて防ぐ。

 

「凪優、ここからはあたしにやらせて」

「わかった。でも、危なくなったら交代だからね」

「ありがと」

 

 凪優と選手交代したアリアは、理子の持つ銃、ワルサーP99が1丁のみと判断し、

 自分の持つガバメントの弾数が8発×二挺=16発とワルサーP99の弾数が16発×一挺で互角と判断し動く。

 

「アリア。二挺拳銃が自分だけだと思っちゃダメだよ?」

 

 理子はワルサーP99をもう一挺スカートから取り出した。

 

「……!」

 

 既に射撃体勢に入ったアリアは止まるわけにはいかず、至近距離から撃ち始める。

 アリアと理子の撃ち合いはせめぎあっており、格闘も混じりつつの撃ち合いになっていた。

 

「―はっ!」

 

 自分のガバメントが弾切れを起こした刹那、アリアはその両脇で理子の両腕を抱えた。

 

「キンジ、凪優!」

 

 アリアの要請にキンジは兄の形見のバタフライ・ナイフを開き、私は小太刀を抜いて理子に接近する。

 

「動くな!」

「動かないで」

 

 こんな明らかに劣勢な局面で理子は余裕綽々な表情で言葉を紡ぎだした。

 

双剣双銃(カドラ)…………奇遇だよね、アリア」

「理子とアリアは家系、キュートな姿、色んな所が似ている。それに、二つ名も」

「?」

 

 理子の言葉にアリアは困惑とした表情だ。

 

「あたしも同じ名前を持ってるのよ。『双剣双銃(カドラ)の理子』。でもね、アリア」

 

 何か嫌な予感を感じ取ったキンジの足が止まり、私は理子に更に接近する。

 

 なんだろう…………

 

『アレを発動させては絶対にダメだ』

 

 そんな気がする。

 当たっても欲しくない私の嫌な予感は的中していた。

 何かの予備動作だろうか、理子の髪が生き物の様に動いている。

 オイオイ、まさかのアレの応用!? 厄介極まりないじゃんか。

 

「アリアの双剣双銃(カドラ)は本物じゃない。お前はまだ知らない。この力のことを!」

 

 理子の蠢く髪は背後に隠してあったナイフを抜き、私達に襲いかかる。

 アリアは驚きつつも1擊目を避ける。

 

「ぅあっ!」

「ぅぐっ!」

 

 ……が、反対のテールに隠し持っていたナイフによる2撃目を避けきれず、アリアは側頭部を、私は右頬を深く斬られ2人仲良く私がアリアを受け止める形で吹っ飛ばされる。

 その拍子でなのか、仕込まれたモノによるのか、身体が麻痺してやがるよ……。

 

「あは……あはは…………曾お爺さま。108年という歳月はこうも子孫に差を作っちゃうもんなのですね。勝負にすらならない。コイツ、パートナーどころか自分の力(・)すら使いこなせてない! 勝てる! 勝てるよ! 理子は今日、理子になれる! あはは、あはははははっ!」

 

 理子は私達を圧倒する実力を見せた事で勝利を確信したのか高笑い状態だった。

 

「瑠璃…………」

「〈既に治癒力全開にしてる。万全にはまだ時間かかるけど〉」

「どんぐらいで動ける程度になる……?」

「〈まぁ、余裕見積もって50秒ってとこかな〉」

「解った。キンジ!」

 

 私は荒い呼吸を整え自分の身体が快癒する時間を瑠璃に確認し、それを基に組み立てた策を講じるために理子以外で唯一無事なキンジへ指示を飛ばした。

 

「な、なんだ……?」

「アリアを連れて離脱しろ! アリアにラッツォなりの処置をしとけ」

「凪優、お前はどうするんだ!?」

「私は理子の相手しとくさ。アイツにはお返しする案件が出来ちゃったし」

「お前が『時間稼ぎをする』だって!? いくら凪優でもそんな身体状態でやるのは無茶だ!!」

 

 キンジは困惑し、私に止めるように諭す。

「私の身体は動ければ問題ないわ。『無茶』だなんてやってみなきゃわかんないでしょ。何よりもこの状況を打破するにはアリアの力が絶対に必要なの。だから、アリアを回復させる為に! 早く!」

「解った!」

 

 私の言葉に頷いたキンジがアリアを抱えたのを確認し、私は瞬間移動でキンジを上に飛ばす。

 

「それで、凪優はこの狭い中でどこに飛ばしたのかなぁ?」

「さぁ? どこでしょうねぇ?」

 

 まるで雑魚を相手するかのような態度の理子に(本当は結構ギリギリな状態だけど)余裕綽々な表情で返答する私。

 

「ふぅん。ま、どこでもいいや。じゃあ、凪優で遊ぼうかな。間違って殺しちゃうかもだけど」

「上辺を身につけた位で天狗になっている奴が何を言っているのかしら?」

「…………なんだと?」

 

 私の言葉に反応した理子は低くドスの効いた声を発した。

 

「アンタのそれ、タダの劣化パクリじゃない」

「あたしのコレが『劣化パクリ』だと!?」

「そうよ。今からその能力の真髄ってモノを見せてあげる」

 

 私の指摘に激昂する理子を他所に自身の後頭部にあるバレッタを外し、纏められていた髪を解いた。

 

七叉槍(Sette lancia)

 

 そのキーワードがトリガーとなって私の髪が理子と同じく蠢き、髪の穂先に七つの刃が形成される。

 

「なっ……それは…………」

 

 私の発動した術式に見覚えがある理子は驚愕の表情を見せていた。

 

「イ・ウーに所属している理子はコレのこと、勿論知ってるわよね?」

「当たり前だ。どうしてお前が!? それを使えるのはあたしが知る限り『氷天の魔女』しか居ないはずだ!」

 

 態々解説ありがとう。それにしたって結びついていないのかな? 

 まぁ何れはバレるんだし此処で明かしても良いよね。

 そう思った私は改めて名乗ることにした。

 

研鑽派(ダイオ・ノマド)筆頭、『氷天の魔女』水無瀬凪優」

「凪優が……『氷天の魔女』……だと……!?」

 

 突然の幹部級が登場した事によって驚きを隠せない理子。

 

「さて、お手合せ願おうか? 『武偵殺し』さん?」

 

 私は理子を獰猛な笑みで煽った。

 

 続くんだよ

 




理子 「リメイクしても終わらない事は確定なんだね」
葵  「文字数1.5倍増しなのに終われる方が可笑しいっての」
花梨 「リメイクしようが変わらない所あったよね?」
葵  「あったけどさ、問題あった?」
理子 「大アリだよ!!なんで、しれっと理子がセクハラされてんのさ!?」
葵  「書いた当時は思いつきで入れたけど残しといても大丈夫かなって(笑)」
理子 「『(笑)』じゃないよ!」
葵  「ちゃんとメイン敵感増してるからいいじゃない」
理子 「・・・・釈然としない」
葵  「気のせい、気のせい」
花梨 「絶対に違うね。確信犯でしょ」
葵  「まぁ否定はしないわ」
理子 「あとさ、今回はなんで理子がツッコミ役なの?」
葵  「ホラ、俗に言う『ギャップ萌え』ってやつよ」
花梨 「絶対違うと思うんだけど。しかし、凪優ボケ倒してたね」
葵  「そうね。煽りも満載だったよね」
理子 「たまには良いよね」
葵  「あ、わかる?」
理子 「うん。なんとなくだけど」
花梨 「『だがそれがいい』ってやつだね!」
葵  「そんなところかな?そういや、理子も慣れたんじゃない?あとがきに」
理子 「前は2回目だったけど、リメイク後は16回目だもん。そりゃ慣れるよ」
花梨 「そういえば、何故このスタイルになったんだっけ?」
葵  「やった当初はコッチの方がサクサク浮かぶからな」
理子 「でも現在は?」
葵  「まえがきよりかはマシだけど、苦行レベル」
花梨 「どうしてそうなった」
葵  「私も知らない。ここいらで謝辞に行く?」
花梨 「さんせー」
理子 「そだね」
花梨 「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰!御蔭で葵は執筆頑張れるから今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいな!」
理子 「モチベーションと集中力次第で投稿が未定だけどなるべく間隔が空かないように頑張るからよろしくね!」
葵  「と、言う訳で、これからもよろしくお願いします」
理子 「それでは、また次回」
花梨 「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは……」
3人  「「「ばいばいっ!!!」」」

慣れたら慣れたでリメイク前から145文字増えたあとがき⑯ 完

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