緋弾のアリア -瑠璃神に愛されし武偵-   作:あこ姫

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志乃 「皆様、お久しぶりです」
結衣 「さてAA編第2話だよ!」
志乃 「あまり長く語るのもアレなので」
結衣 「ここは完結に行くとしますか」
志乃 「それでは第022弾」
結衣 「『裏で策を練る人を標的は知る由もない』」
志衣 「「どうぞ!!!」」
翡翠 「あれ・・・・、私の出番は!?」

翡翠の出番がなかったまえがき㉓ 完



第022弾 裏で策を練る人を標的は知る由もない

戦姉妹(アミカ)結成の翌日、凪優先輩と合流したあたしは、凪優先輩の提案で自分専用の武器を揃える為に凪優先輩が贔屓にしている外部の武器商人?さんの所に行った。

その人の名前は機嬢(ジーニャン)と言うらしい。

名前からも想像できるが、中国人で藍幇(ランパン)という組織に所属しているらしい。

外見は・・・・驚いたことにアリア先輩にそっくり。

眼鏡外して、髪をピンクに染めて武偵高の制服着たら見分けつかないんじゃないかな。

更に、機嬢(ジーニャン)さんは姉が3人いるらしい。

名前が狙姉(ジュジュ)炮娘(パオニャン)猛妹(メイメイ)だったっけ。

凪優先輩曰く、「姉3人も機嬢(ジーニャン)と顔は一緒」とのこと。

あたしはそれを聞いたとき、見分けられる自信は無いな・・・・。と感じた。

その後、あたしは間宮の技の一つである「鷹捲(たかまくり)」を使用時に壊れない小太刀と長刀を貰った。

なんでも凪優先輩があたし専用にと依頼してくれていたらしい。

その後、「投擲武器がある方がいいでしょ」と言う事で金属製の矢を多数貰った。

これで不意討ちの迎撃とかもできそう・・・・・・。

ダーツの練習もしといたほうがいいかな・・・・?

装備をある程度揃えた後はCQC・・・・・組手の練習だった。

まず、凪優先輩の戦法でもある「隙を視認化する」ことを学ぶ。

これが難しく、少しでも焦ったりすると見えなくなったりした。

だから、常に冷静に保たなければならないのだが・・・・・・。

結果を言うと・・・・・・ダメだった。

少しでもフェイントが入って焦ると隙の視認化が出来なくなって、手痛い一撃を貰う・・・・・その循環だった。

凪優先輩は「これを1回で出来た人は居ないから気にしなくてもいい」と言ってくれたがやはり凹む。

次がダメでも早いうちに習得しなければ・・・・!そう誓った。

そして、その帰りに凪優先輩の部屋のカードキーを貰った。

凪優先輩は女子寮ではなく男子寮に住んでいた。

なんでも、教師が酔った勢いで喧嘩して住む予定だった寮が大破したらしい。

それで、修理するよりも安価な取り壊しをした結果、寮住まいの女子生徒が溢れた。

凪優先輩もその一人で空き部屋探してたら丁度男子寮に大部屋を一人で使っている人が居たので、そこに転がり込んだようだ。

その時、「なんとも武偵高らしい理由・・・・」と思ったあたしが確かにいた。

そしてその日は凪優先輩の所で泊まった。

(何故か同居人の遠山キンジ先輩は嫌そうな顔していた。なんで!?)

 

 

次の日の朝・・・・。

あたしが起きるとダイニングには遠山キンジ先輩と星伽白雪先輩がいた。

凪優先輩は「用事がある」と言って先に出たようだ。

あたしは白雪先輩お手製の朝ごはんを食べた。

その味は・・・・・物凄く美味しかった。

キンジ先輩が先に出て、あたしは白雪先輩と一緒に登校した。

えっと、今日の放課後は凪優先輩の情報科(インフォルマ)の仕事のお手伝いだったっけ。

 

Side_Out・・・

 

 

Side_Shino

 

あれは今から丁度半年前の話だ。

私は学校帰りにお台場のフジテレビの前を1人で歩いていた。

すると、ESTELLA(エステーラ)の移動販売車でリーフパイを買い食いしている同級生たちを見つけた。

「はしたない・・・・・」

私はそう思った。

だが、それを声に出さずに、心の中に留めておいて見下すように通り過ぎようとした。

「あ!『勝ち組』だ」

買い食いをしていた同級生の会話が耳に入る。

「また一人(ぼっち)でやんの」

「美人がお高く止まってるわwwww」

それを聞いてカバンの取っ手を握る力が強くなる。

・・・・・いいもん。

私は・・・・ずっと・・・・・・一人でも・・・・・いいもん・・・・・。

心がどんどん沈んでいく。

そんな時だった。

屋台からリーフパイの匂いだろうか。

いい匂いが漂ってくる。

なんていい香り・・・・・。

あまりのいい香りにリーフパイが食べたくなってきた。

でも・・・・買い食いなんて・・・・・。

「食べたい」という欲望と「買い食いは・・・」という抑制が葛藤する。

「あ」

「いらっしゃいませー。リーフパイですか?」

「えっ?」

「お客様、ラッキーですよ!最後の1葉です!」

「えっ・・・・?!わ、私はただ見ていただけで・・・・・・」

「ポイントカードはお持ちですか?」

ぽいんと・・・・かーど・・・・?

「ゴールドカードなら・・・・・」

「あー・・・・ウチは現金支払いのみで、クレジットカードはダメなんです・・・・・」

「間に合った!」

誰だろう・・・・。

見たところ同級生みたいだけど・・・・・。

「リーフパイください!」

「間に合ってないですーこのお客様で最後です・・・・」

「ぇえ!?また売り切れ!?」

リーフパイを買おうとしてたみたいだ・・・・。

売り切れの事実にかなり凹んでいるみたい・・・・。

「い・・・いえ!私は美味しそうだから見てただけですから・・・・。どうぞ」

「えっ・・・・・いいの?ありがと━━━━!!」

これが私と(愛しの)あかりちゃんの出会いだった。

 

そして時は流れて4月。

私はとあるモノを持って教室に向かっていた。

そして教室のドアを開ける。

あ、いたいた。

あそこにいるのは愛しの・・・・・・

「あかりさん、エステーラ限定のシュガーパイが手に入り―」

「ホントにスゴイよね!凪優先輩って!」

私の言葉を遮るようにあかりちゃんの言葉が耳に入り、歩んでいた足を止める。

「凪優・・・・・・・先輩・・・・?」

「あっ志乃ちゃん♥」

「今朝第2グラウンドで爆弾事件(ボム・ケース)あってさたまたま現場の近くにいてさ―」

「凪優先輩がね、武偵殺しのセグウェイを1人で殆ど片付けたんだって!」

確か、60台くらいいたとか聞いてたけれど、それを一人で・・・・・!?

「えっ・・と・・・・・・人間ですよね、凪優先輩」

そんな疑問が出た私は普通だろう。

「何言ってるの?当たり前じゃん。まぁ、『超偵でもある』とも言ってたけどね!・・・・本当に凪優先輩カッコイイ!」

あれ・・・・・・・なんだろう・・・・・・。

「良かったですね。じゃあもう帰りましょう一緒にこれを食べながら」

「おおっ!リーフパイ!!」

ライカさん、今はあなたをお呼びではないですよ。アリア先輩の所に行ってくれると助かるのですが?

「あっ今日はダメなの」

なんで・・・・?

「凪優先輩の情報科(インフォルマ)のお仕事のお手伝いがあるの。しかも部屋で二人きりで!」

・・・・・・ふたり・・・・・きりで?

「それに今、あたしお菓子(間食)NGなんだ―」

え・・・・?

「先輩と一緒に()()()入った後で体重(ウェイト)コントロール命じられて、それで()()()()()()()()()()()()()()()んだ」

おフロ・・・・・・・、食事作ってもらってる・・・・!?

「あ、もうこんな時間。あたし、先に帰るね。ライカ、志乃ちゃん、じゃねー」

う・・・そ・・・・・・

よろっ・・・・・・

一瞬で意識が遠のく。

「おっと」

ライカさんはリーフパイを受け止める。

「アイツ今朝から凪優さんの話ばっか。よっぽど好きなんだな――」

ドウシテ・・・・・・

「んぁ、(はへ)んのか?」

「・・・・・は、はい・・・・・・。気分が・・・・・・ちょっと・・・・・・」

 

ドタドタッ

私は不機嫌さいっぱいで帰宅する。

「お帰りなさいませ、志乃様」

「志乃様ご機嫌が優れないようですが・・・・・」

「うるさいっ!」

メイドを八つ当たり気味に対応し、

ばたんっ!!!

部屋の扉を乱暴に閉める。

「何よっ!凪優先輩、凪優先輩って!!」

ガンッ!!

ピアノ用の椅子を蹴飛ばす。

「あかりちゃん!は!」

がす、がす、がすっ!!!

ソファーに蹴りを何度か入れて

「私の!お友達!!」

ばっ

手に持っているウサギのヌイグルミを振り上げ・・・・・

「なのにっ!!!」

ぱぁんっっ!

思い切り叩きつける。

ふーっ、ふーっ

肩から息をする。と同時に・・・・

 

このままじゃ、凪優にあかりちゃんを取られちゃう・・・・・!

 

この思考が浮かんでくる。

 

ふぅ・・・・・・

息を整える。

お、落ち着くのよ、志乃。

先ずは・・・・・・

 

おろ・・・おろ・・・・。

私は目の前の箱を求めてそこに・・・・・。

 

この、「あかりちゃんボックス」で・・・・・

荒い息遣いで箱の蓋を開ける。

 

あかりちゃん成分を・・・・・摂取!!

はああ~~~~

ああ、あかりちゃん・・・

 

箱の中身の「あかりちゃん人形」を取り出す。

「ああ、あかりちゃん!!」

ずっと友達よね!

あかりちゃん人形をギューッと抱きしめる。

 

どさっ

そしてそのままベッドにdive!

ばっ

布団にくるまって・・・・・

あかりちゃん・・・・・

「いっぺん友達になったんだから、ずっと友達だよ」

あかりちゃん・・・・・!!

脳裏に浮かんでくる色んなあかりちゃん。

「うんうん。そうよね」

「リーフパイ美味しいよね」

「私のパイもどうぞっ!なんちゃって。あっ・・・・・あかりちゃん・・・・・」

暫く妄想に浸っていた。

「・・・・・・・・・・・・・・」

少し経ってから現実に戻る。

がばっ

起き上がって布団から脱出。

「などと現実逃避している場合じゃありませんっ!」

私はデスクに座って

さっ

メガネをかける。

ばちばち

「武偵高うらサイト」等で情報を集める。

水無瀬凪優・・・・・・・強襲科と情報科掛け持ちのAランク武偵。

ランクはAとなっている。だがSランクに匹敵する強さを持っている。

完全記憶能力持ち。そして一度見たものは本家に劣らないクォリティーで再現することが可能。

また、氷系の超偵でもある。Gは不明だが、かなりの高レベルが予想される。

この他、水、雷系の能力も使用することができる。

 

入学前はその完全記憶能力と再現能力を活かすために、様々な流派を次々と渡り歩く。

今では殆どの流派の技を使えるのではないかと噂されている。

 

 

・・・・強い!

なんだこのチート級。

この文を見る限り私たちの流派(巌流)も会得していると見てよさそうね・・・・・。

これを直接抹殺するのには無理そうだわ・・・・・!

ぐぬぬ・・・・・

不機嫌さが増す。

ばちばちばちばちばちばちばち

キーボードのタイプ音が木霊する。

それから私は色々な方法を探すのだった。

 

コンコン

「志乃様、お食事をお持ちしました」

食事・・・・今はそんな場合じゃない。

「そこに置いておきなさい!」

「「・・・・・・・・・・・・・」」

返事を返して、作業に没頭。

そして、夕方から夜になって。

更に夜から朝になって。

「こっ・・・・・これだわ・・・・・!」

バッ

「これならあかりちゃんを取り戻せる!!」

やっと見つけた・・・・・。

うふ・・・・・・・

ふふふ・・・・・

ふらっ

ずる・・・・・・

ずるるるるる・・・・・・

笑みと同時に崩れていく私だった。

何気に徹夜である。

 

Side_Out…

 

 

Side_Akari

「大体一段落付いたし休憩しましょ?はい、珈琲」

「あっ・・・・ありがとうございます!」

あたしは資料をきちんとファイルの戻し、メガネを外してから凪優先輩から珈琲を受け取る。

「(*´д`;)…美味しいですぅ・・・・・」

「そりゃあ、良かった。あ、そうだ。あかり、『3日内解消規則(スリーデイズ・キャンセル)』って知ってる?」

「・・・・???」

「簡単に言うとね、『戦姉妹(アミカ)契約から72時間以内に戦妹(いもうと)が私闘に負けたら再契約できない』ってやつね」

「え・・・ってことは」

「そうね。契約したのが昨日の20時だったし、明日の20時までになるね。だから、その間は油断しないでね」

「あ、はい・・・・・」

「その武器は小型化して身につけたほうがいいかも」

「そうですね・・・・・わかりました」

「さて・・・と・・・・もうそろそろ作業再開と行きましょうか?」

「はい・・・・・!」

あたしは休憩を終えて、メガネをかけ直して作業に戻った。

 

 

続くんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




葵   「さぁ、いかがだったでしょうか」
理子  「長さ的にはフツーなんだよね?」
葵   「まぁ・・文字数的に言ったらそうなるわね」
麒麟  「では、何故にこんなに間隔が・・・・?」
理子  「りんりん、そりゃあ決まってるでしょ?あおちーのことなんだし」
麒麟  「・・・・?なんですの?」
理子  「単にアイデアが思いつかなかっただけでしょ?」
麒麟  「そう・・・・なのですか?」
葵   「・・・・・・・・(逸らし」
理子  「ほら図星」
麒麟  「あらら・・・・・・なにも言えませんわね・・・これは」
理子  「それにまた分割だろうし」
麒麟  「?どういうことですの?」
理子  「元々、1話で行くつもりで書いて、長すぎて2話構成に変更したってこと」
麒麟  「本当ですの・・・?」
葵   「そうだよ・・・・。対決は次回ってかんじでね」
理子  「じゃあ、なるべく間隔あかないように頑張んないとね!」
葵   「まぁ、うん、そうね」
麒麟  「その前にコラボ3話が先ですわ」
葵   「そうね」
理子  「そっちも頑張ないとね」
葵   「解ってるって」
理子  「そろそろ、お別れ言っとく?」
麒麟  「そうですわね。えっと、投稿間隔が不定期なると思いますが」
理子  「長く空いてもまた読んでくれると嬉しいですっ!」
葵   「それではまた次回のお話でお会いしましょう!」
葵理麟 「「「ばいばいっ!!!」」」

それなりに長いあとがき㉓ 完

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