緋弾のアリア -瑠璃神に愛されし武偵-   作:あこ姫

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結衣 「皆さん、お久しぶりです。姫神結衣です」
翠  「皆、久しいな。結衣の相棒、椎名翠だ」
志乃 「皆様、お久しぶりです。佐々木志乃です」
結衣 「マジで此処で喋ってるの久しぶりだよね」
翠  「前回が1月だったし、約3ヶ月ぶりだな」
志乃 「そうですね・・・・。でも良かったじゃないですか。お二人は」
結衣 「えっ・・・・志乃・・・ちゃん?」
翠  「どうしたんだ?一体」
志乃 「『どうしたんだ』じゃありませんよ!お二人はこの3ヶ月の間にキッチリ出番あったじゃないですか!」
結衣 「あっ・・・・」
翠  「確かにそうだったな・・・」(←第005射参照)
志乃 「それに引き換え、私は全然出番ないじゃないですか!」
結衣 「あー・・・・確か番外編だとねぇ・・・」
翠  「何時もの前書きはお休みだもんな」
志乃 「ええ。そうですよ!折角の出番が少なくなるんですよ!それに・・・」
結衣 「未だ有るん・・・・」
翠  「そう言うな、結衣。解ったタイトルコールの後で存分に聞いてやる。志乃」
志乃 「本当ですね?椎名先輩?言質は取りましたよ?結衣先輩も良いですよね?」
結衣 「えっ・・・えっと・・・・あたしは・・・・」
志乃 「良 い で す よ ね ?」(血涙)
結衣 「解ったわよ・・・・。後で聞くわよ」(←気圧された)
志乃 「ありがとうございます!それではタイトルコール参りましょう!」
結衣 「それでは、第033弾」
翠  「開幕、カルテット。」
志乃 「穿つは毒の一撃(プワゾン)」
3人  「「「どうぞ!!!」」」

出番が少ない人物が一番最強なまえがき㉞ 完



第033弾 開幕、カルテット。穿つは毒の一撃(プワゾン)

4対4戦(カルテット)の当日の正午を少しばかり過ぎた頃。

11区の中央にある車道交差点・・・・その脇にあたしと志乃ちゃん、ライカ、麒麟ちゃんの『間宮班』、それと高千穂さん、湯湯ちゃん、夜夜ちゃん、陽菜ちゃんの『高千穂班』の面々が集まっていた。

今回の舞台は至ってフツーの市街地なのだが・・・・人気がない。

それについてはまぁ・・・・仕掛け人は凪優先輩だろうし驚く事はないだろう。

凪優先輩、今回のコレで結界を展開する役を依頼されてるとか言ってたし。

人払い・対衝撃・・・そこら辺の対策だろう。

 

「――それでは4対4戦(カルテット)、『毒の一撃(プワゾン)』を開始します」

 

教官として今回の戦いを監督する救護科(アンビュラス)の非常勤講師の小夜鳴(さよなき)徹(とおる)先生がそう宣言した。

小夜鳴先生はこの武偵高では珍しいスーツ姿の美形な男性講師だ。

まぁ、その正体は人間ではないけど。

その正体・・・それは何千年以上も生きる吸血鬼だそうだ。

そして、凪優先輩とは旧くから交流があるらしい。

なんでも、「凪優先輩が無茶しないか心配だから武偵高の講師をする事にした」らしい。

全くそれが想像できそうだから凪優先輩は(色々な意味で)恐ろしい。

 

そして、あたし自身は小夜鳴先生の真の姿との初対面の時は驚いた。

しかし、ここ最近は「人外との対戦時の対処法」を叩き込まれてるので何かと面会数も多いのでもう慣れてしまった。

因みに凪優先輩絡みで交流のある麒麟ちゃん、湯湯ちゃん、夜夜ちゃん、陽菜ちゃんも同様である。

あの巨体であのフットワークの軽さ・・・・・あんなの反則や・・・チートの類だ。

今思い出しただけでも身震いする。そしてそれが本気じゃないのだからさらに恐ろしい。

 

そんな事も頭の片隅で考えつつ、あたしは小夜鳴先生のルール説明を聞く。

 

「間宮班は『蜂』、高千穂班は『蜘蛛』の攻撃フラッグを、敵の『目』のフラッグに接触させれば勝利です。フラッグの隠匿、班員間での受け渡し、敵からの奪取、破壊は全てOK。折られたり破かれたり等の破損したフラッグは無効となります」

 

同時に高千穂班(あいて)を意識しておく事も忘れない。

 

「エリア内の物は何を使っても構いません。なお、火器の使用弾薬は非殺傷弾(ゴムスタン)のみ。そして、皆さんの持っているシンフォギアシステムの使用は可能。

ですが、それに伴うものとして『アルカノイズ』をフィールドにばらまきます」

 

と小夜鳴先生は黒いゴム弾頭の9mm弾と赤いコアが刻印された黒い結晶をつまんで見せてくる。

 

「まぁ、非殺傷弾(ゴムスタン)が頭部に被弾したり、アルカノイズに囲まれたりしたら運(・)が(・)悪(・)け(・)れ(・)ば(・)死んじゃうこともありますけどね(笑)」

 

『(笑)』を付けても物騒な台詞でとてもじゃないが教育者が言って良い様な代物ではない。

しかし、脅迫の為の虚偽、場を和ませる冗談でもなく全てが事実。

武偵高・・・・いや、武偵ではコレがデフォルト・・・・危険とは常に隣り合わせなのである。

それは、あたしは凪優先輩に散々言われている為、理解はしている。

それをは別に・・・・『運(・)が(・)悪(・)け(・)れ(・)ば(・)』か・・・・・。

こういう場面で・・・・こういう場面だからこそ自分の(デバフスキルな)『不運』が発動しないで欲しい。

こればかりはどうにもならないが、そう思うのだ。

 

小夜鳴先生によるルール説明が終了し、あたしは『間宮班の代表』として、

 

「お互い、頑張ろう?」

 

対戦チームのリーダー、高千穂さんに右手を差し出した。

しかし、高千穂さんはあたしのその手を金属製の扇で叩いてそれを拒んだ。

そして、追撃と言わんばかりにあたし達を冷たい目で見下して

 

「―――私と対等なつもり?不愉快だわ」

 

吐き捨てる様に言い放ってき(・)や(・)が(・)っ(・)た(・)の(・)だ(・)。

この対応ならば全力で捻り潰す。

あたし達はそう決めた。

志乃ちゃんは先程の件であたしの手が少し腫れたもあってか、ライカは・・・・顔合わせの事もあるのか・・・・殺気剥き出しだ。般若が二つ見える。

 

それに対するあたしと麒麟ちゃんは殺気が剥き出しで無く、然りげ無く内包している。しかしその分、滲み出る殺気の濃厚さは格段に違う。

その背後には・・・・青面金剛が2体見える。

 

それを高千穂班4人は攻撃的な表情で受け止めた。

・・・と言いつつも高千穂さん以外の3人は呆れていた。

 

このムードは今(・)に(・)も(・)始(・)ま(・)り(・)そ(・)う(・)な(・)感じだ。

 

「はいはい。それでは間宮班は南端、高千穂班は北端へ。10分後に試合開始です」

 

それを如何にも『何時もどおり』と言った感じで小夜鳴先生はニコニコ顔で手を叩いていた。

・・・・・その内面に「何、おっ始めようとしてんだよ。さっさと移動しろや」と言った感じの本(・)性(・)が内包されていたのには何も言うまい。

高千穂さんは息を吐くと、余裕な表情を浮かべながらその場を離れていった。

それを深い溜息を必死に堪えながらも湯湯ちゃん、夜夜ちゃん、陽菜ちゃんが続く。

 

その背中を見つめるあたしの手に・・・・志乃ちゃんだけじゃない。ライカ、麒麟ちゃんの手も重なる。

あたし達4人共が同じ方向を向いて、

 

(―――絶(・)対(・)に(・)負けない!)

 

気持ちが一つになってやる気に満ちた表情になっていた。

 

 

 

11区南端にある公園。

その高台に有る小さな林にあたし達、間宮班は陣取っていた。

そこで、あたしは持ち銃(UZI)とサブ銃(トーラスPT92-AFD)に非殺傷弾(ゴムスタン)の弾倉(マグ)を挿し、金属針のホルダーと折畳み式の刀が入ったポーチを腰に装着し、革製のオープンフィンガーグローブ(OFG)を拳に填める。

ライカもあたしと同じく、革製のオープンフィンガーグローブ(OFG)を拳に填める。

サーベルを腰に提げた志乃ちゃんは、片耳ヘッドセットの感度を確かめている。

それと同じものはあたし達の耳に装着されている。

これでそれぞれが離れていても会話できる。

万が一・・・・妨害電波による通信遮断が起きても良い様に装備科(アムド)の同級生・・・・柊(ひいらぎ)舞佳(まいか)ちゃんによる改良済みである。

柊さんは卓越した技術を持っていて、1年生ながらもランクはS。

凪優先輩の専属技師?でもある機嬢(ジーニャン)先輩の戦妹(いもうと)である。

凪優先輩経由で仲良くなって、今ではあたしの武装のメンテナンスを請け負ってくれている。

暫くして、手に付着した泥を払いながら麒麟ちゃんが戻ってきた。

 

「打ち合わせ通り、守るべき『目』のフラッグは埋めて隠しましたわ。攻撃フラッグ――『蜂』の小旗(フラッグ)は各自、服の中に隠してください」

「もう隠してるよ」

 

そう答えたライカはフラッグを背中に隠したようだ。

あたしはフラッグをスカートの中に、志乃ちゃんはブラウスの胸の中に隠してある。

準備を整えたあたし達は顔を合わせて最終ミーティングを開始した。

 

「攻撃は間宮様と佐々木様で。守備はライカお姉様と私が受け持ちます」

 

そう語った麒麟ちゃんはあたしの方を向く。

 

「間宮様。敵は『目』をロッカーなどに入れて鍵をかけるかもしれません」

「うん。汎用の解錠(バンプ)キーを持ってきたよ」

 

あたしはスカートのポケットから『解錠(バンプ)キー』を取り出して見せた。

『解錠(バンプ)キー』とは武偵手帳にも付属している武帝必携のアイテムである。

要は簡(・)易(・)的(・)な(・)鍵開けツールである。

簡(・)易(・)的(・)と言ったが、無論コレの上位版も存在する。

しかし、上位版を使ったとて鍵開けの時間短縮には直結しないのだ。

一番重要なのは・・・・個人の技術。

根本的な結末に直結するのだ。

あたしは・・・どちらかといえば上手い方でコインロッカー、安い車なら1~2分で開ける事が出来る。なので、鍵開け担当も兼任する事となったのだ。

 

そして、試合開始時刻が音も無く静かに訪れる。

 

 

「ではあかりさん、行きましょう」

「うん」

 

志乃ちゃんとあたしは、周囲を警戒しつつも公園から出撃する。

あたし達は四方に気を配りつつも、11区を北へと進んでいった。

先ずは歩道を進み、道路を渡って裏路地に踏み込んだ。

コッソリと裏路地を抜けたら、もうここは11区の北側。

そう、高千穂班が守護する領域(テリトリー)だ。

高千穂班が恐く陣取っているであろう工事現場に向かうには、先ず此処で見通しの良い大通りを通行せねばならない。

つまりは・・・・だ。敵が此処に防衛線を張っていても何ら違和感も無い。・・・・難所という訳だ。

 

「奥に行くには、此処を通るしかありません。待ち伏せ(アンブッシュ)に注意してください」

「うん・・・」

 

志乃ちゃんがあたしに小声で注意を促し、あたしがそれに小声で頷く。

そして、今まで以上に警戒をしつつも、志乃ちゃんの先導で危険地帯に踏み込んで行く。

今回のカルテットの為に人払いが施されている。

それ故なのか、何時もよりも街並みが不気味に思えてくる。

『疑心暗鬼』。

とは良く言ったものだ。此処が敵地だと思うと尚更の焦燥感が込上げてくる。

その時だった。

あたしの気配感知に何かが引っ掛かった。

 

「志乃ちゃん・・・迎撃準備」

「は、はい・・・・!」

 

あたしは志乃ちゃんに迎撃態勢を敷く様に指示し、小太刀を抜いた。

そして、あたし達の死角から湯湯ちゃんの、志乃ちゃんは夜夜ちゃんの小太刀による攻撃を防ぐ。

小太刀を横に薙いで、あたしは湯湯ちゃんを弾き飛ばす。

湯湯ちゃんは弾き飛ばされた衝撃を自分で調整し、上手く着地した。

 

「へぇ・・・・やるじゃん。あかり」

「そっちもね・・・・湯湯ちゃんっ!!」

 

再びあたしと湯湯ちゃんの小太刀が切り結ばれた。

そして、暫く鍔迫り合いの応酬が続いた。

その時だった。

あたしの気配察知に何かが引っ掛かった。

その困惑に隙ができる。

 

「貰った・・・・!」

「あっ・・・ヤバっ・・・!」

 

仕留めにかかる湯湯ちゃんの一撃をあたしは掠る紙一重の所で回避をする。

 

「戦闘中に考え事なんて・・・余裕だね。あかり」

「ゴメン、何かヤバい物来たみたいだから」

「どういう事・・・・・?」

「それは―――」

 

あたしの言葉はそこで遮られた。

何故なら『アルカ・ノイズ』。その大群が眼前に居たからだ。

 

「何で・・・こんなにいっぱい・・・」

「解んないけど・・・志乃ちゃん・・・此処は」

「夜夜、此処は・・・」

「「一時休戦して、4人で切り抜ける!!」」

 

あたしと湯湯ちゃんの指示は同じ物だった。

ヘタすれば死んでしまう事があるのだ。

それなのに敵対がどうとか言ってられないのだ。

呉越同舟。

今はこの局面を切り抜ける方が先決だ。

 

「「りょ、了解・・・・!!!」」

 

志乃ちゃんと夜夜ちゃんが賛同し、4人で共同戦線を張ることになった。

あたし達は胸の紅いペンダントを手に取って起動の聖詠を口にする。

 

「「Various shulshagana tron」」

「「Zeios igalima raizen tron」」

 

あたし達4人を眩い光に包まれ、あたしと湯湯ちゃんはヨーヨー型の鋸武器が、志乃ちゃんと夜夜ちゃんは巨大な鎌が装備される。

志乃ちゃんはの髪が金色に変化していた。そして魔女帽みたいなバイザー、両肩にアーマーが追加されている。

 

「「α式 百輪廻(アルファしき ひゃくりんね)!!」」

 

あたしと湯湯ちゃんの鋸武器の格納部から展開された小型の鋸がアルカノイズを切り裂いて行き、道を作る。

 

「「切・呪リeッTぉ(キル・ジュリエット)ぉ!!」」

 

そして、進軍した志乃ちゃんと夜夜ちゃんが鎌の刃を3枚に分裂させ、ブーメランのように飛ばして左右から挟撃する事によって、確実に殲滅をしていく。

あたしと湯湯ちゃんの『魔鋸・シュルシャガナ組』がヨーヨーの糸で相手を包囲する『β式 獄糸乱舞(ベータしき ごくしらんぶ)」と織り交ぜつつ脚部のブーツの小型車輪を展開させ、機動力を活かしての攻撃を続ける。

そして志乃ちゃんと夜夜ちゃんの『獄鎌・イガリマ組』がメインで殲滅を行う。

 

これを続けて暫くした頃。

漸く大技一発で全殲滅出来る範囲までにアルカノイズの数が減った。

 

「志乃ちゃん!」

「はい!」

「夜夜!」

「うん!」

 

「「禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS(きんせつじゃりん ザババエクリプス)!!」」

 

あらかじめ志乃ちゃんの両肩から放つロープで対象を絡めとり、地面に固定。同時に志乃ちゃんのアンカーを自身のギアと接続し、アームドギアから巨大な円状の刃を形成し、内側に乗り高速で突進する『非常Σ式 禁月輪(ひじょうシグマしき きんげつりん)』と『断殺・邪刃ウォttKKK(だんさつ・ジャバウォック)』で挟撃する。

 

「「禁合β式・Zあ破刃惨無uうNN(きんごうベータしき ザババサンムーン)!!」」

 

空中で湯湯ちゃんのアームドギアのヨーヨーを夜夜ちゃんのアームドギアの鎌の柄の先に接続し、巨大な刃が付いた車輪状に変化させ、回転させながら2人が相手に突撃をする。

 

この大技×2でアルカノイズの大群は総て殲滅され、紅い花火を咲かせた。

4人で協力をしたお陰で無傷だ。

だが、この戦いであたしの蜂フラッグは破損してしまった。

それは向こうも同様で湯湯ちゃんの蜘蛛フラッグが破損してしまった様だ。

 

「あかりさん」

 

志乃ちゃんがあたしの事を呼んだ。

あたしが志乃ちゃんの方を向くと何かが投げ渡された。

それは・・・・蜂の攻撃フラッグだった。

 

「志乃ちゃん、これって・・・・・」

「こっちは大丈夫です。ですからあかりちゃんは行ってください。・・・・絶対に勝ちましょう!」

 

あたしは迷ってしまった。

だが、その直後にその迷いは志乃ちゃんの激励とその時の勝気な笑顔で消え去った。

向こうでは湯湯ちゃんが夜夜ちゃんから蜘蛛フラッグを受け取って行動を開始していた。

それを見て私は志乃ちゃんの攻撃フラッグを握り締めて、何よりも覚悟を決めて。

志乃ちゃんに一度頷き返してあたしは走り始めた。北の方角へと。

 

Side_Out…

 

 

Side_Raika Hino

あたしの耳に装着したヘッドセットからあかりからの状況報告が入る。

愛沢姉妹と交戦。その直後にアルカノイズの群れの襲撃に遭う。

4人で協力し、退けるも互いの攻撃フラッグが1本ずつ破壊される。

愛沢湯湯が移動を開始し、あかりが本丸へ移動開始。

あかりは北側・・・・高千穂班の陣地深部への侵入したと言えるだろう。

状況としては一進一退と言ったところだ。

そして・・・・移動を開始した愛沢湯湯は・・・・

 

「恐くは本丸に居るであろう高千穂麗のサポートに向かったのだと思いますわ。そして、間宮様からのお話を伺うに愛沢姉妹の行動は遊撃的でしたわ」

 

公園の林に陣取って『目』のフラッグを一緒に守る麒麟が言う。

あかり達が愛沢姉妹と交戦した地点は11区の南北を分ける道路付近。

となれば、敵の侵入を待ち伏せてカウンターに転じる作戦なのだろう。

となれば、攻撃は愛沢姉妹に一任し、守備を固める作戦も考えられる。

だが、高千穂のあの性格からしてそれは無いと見て良いだろう。

 

「守備に最低1人は必要だから、あと1人攻撃手が居るな」

 

高い木の下でそう言ったあたしの読みは

 

「――左様。それが、某に御座る」

 

突如として背後に生じた気配によってあたしの意見は肯定された。

 

「!?」

 

あたしが振り返ると――木の上に逆さ吊りでぶら下がっている風魔陽菜と目が合った。

風魔陽菜・・・・・!

アイツは高名な忍者の子孫だと専らの噂だ。気配を遮断しての敵陣への侵入など容易い事だろう。

あたしが風魔の存在を認識した頃には風魔が木から落ちてきてあたしが背に隠していた蜂の攻撃フラッグが掠め取られていた。

・・・・・これだから諜報科(レザド)とは戦(や)りにくい・・・・!

あたし達、強襲科(アサルト)と諜報科(レザド)の戦闘スタイルは正しく正反対。偶にアリア先輩、凪優先輩やあかりみたいなオールラウンダー型の例外は存在するのだが、基本的にはあたしの様な強襲系は風魔の様な奇襲系に分が悪い。

そして・・・・その奇襲型の風魔の標的は・・・・麒麟。

そのことに気付いたあたしは直様に風魔を攻撃をしようとするが、その姿はあたしの背後だ。風魔の素早さに追いつかねぇ・・・・・。

 

「――御覚悟ッ」

 

あたしの懸念通り風魔は麒麟に苦無を投げようとしていた。

 

「ひい゛っ・・・・・」

 

 

麒麟は怯える素振りを見せるがその場から逃げ出そうとしなかった。

その理由は、その足元に埋めて隠したフラッグが有るからだろう。

皆の為に退却の出来ない麒麟・・・・。

それを救えるのはあたししか居ない。

だが、今あたしは風魔とは背中合わせな状態。裏拳をしたとしても僅かに距離が足りない。

だったら・・・・・

あたしは振り返るのを止めて、地面を強く蹴ってバック転。

その状態で放つ部位は腕よりもリーチの長い脚。

アクロバティックな動きであたしはサマーソルト・キックを放つ。

あたしの左足が風魔の脳天に炸裂する・・・・その寸前で

 

「ッ!!」

 

風魔はあたしの蹴りを頭上でクロスした両手首で受け止めた。

当てる事は出来なかったが、麒麟へのナイフ投げ(スローイング)を阻む事が出来た。それで十分だろう。

あたしはそのまま苦無で足首を掻き切られぬ様に足を地面に落として着地する。

そして風魔と麒麟の間に割り込み、背後の麒麟を守るように両腕を広げ、

 

「戦妹(いもうと)は戦姉(あね)が守(・)る(・)!!」

 

そう力強く宣言した。

その直後だった。

あたし達を取り囲む様にアルカノイズの大群が押し寄せて来たのだった。

 

「麒麟・・・下がってろ。 Killter ichiival tron」

 

あたしはシンフォギアシステムのペンダントを手に聖詠を唱える。

魔弓・イチイバルを顕現させ、アルカノイズ共の殲滅にかかる。

しかし、あたしのイチイバルは遠距離型だ。

近距離のアルカノイズは撃ち漏らしが有ってしまう。

丁度、その難を逃れたアルカノイズは麒麟に襲いかかった。

 

「麒麟っっっ!!」

 

あたしは叫び、麒麟の下へ向かおうとするがアルカノイズ共がそれを阻む。

アルカノイズの攻撃が麒麟に迫る。

しかし、麒麟はそれを避けようともしていなかった。

何故だ・・・・・。麒麟・・・・。

そう思った時、あたしは気づいた。

麒(・)麟(・)が(・)何(・)か(・)を(・)狙(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)事(・)に(・)

麒麟はアルカノイズの攻撃を身体を上に捻る事でその攻撃を回避し、

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

自分のシンフォギアシステムのペンダントを握り締め、聖詠を唱えた。

麒麟は武器はガントレット、脚部にアンカーユニット、首には長い白のマフラー状のウィングが装備された形態になった。

そしてそのまま、

 

「せぇぇぇいっ!!」

 

アルカノイズを上から殴りつけた。

殴られたアルカノイズは消滅した。

 

「麒麟・・・・お前・・・・・」

「あ、ご無事ですか?ライカお姉様」

 

唖然とするあたしに麒麟は声を掛けてきた。

 

「ああ・・・あたしは無事だ」

「そうですか。なら良かったですわ。でしたらライカお姉様と共に戦わせてくださいまし。私は何時までもただ守られるだけのか弱い少女ではありませんのよ」

 

あたしの答えに麒麟は安堵した表情を見せ、自らの共闘を申し込んできた。

その時だ。あたし達の死角からアルカノイズが襲いかかってきた。

が、そのアルカノイズはあたし達の直前で斬られて消滅した。

 

「大丈夫でござるか・・・・?お二方」

「「風魔(様)・・・・!!」」

 

そのアルカノイズを斬り伏せたのは刀型のシンフォギア、絶刀・天羽々斬を装備した風魔だった。

 

「この局面、此処は一時休戦し共闘するのが最善かと・・・。如何なされる、お二方」

「ライカお姉様・・・・・」

 

風魔があたし達3人での共闘を提案し、麒麟があたしに答えを求める。

このままではジリ貧なのは確実。だったら・・・・・

 

「解った。その提案、呑んでやる。麒麟、指示を頼む」

「了解ですわ。お姉様は遠距離を・・・風魔様はフォローしつつの中距離をお願いします。私は近距離を中心に受け持ちますわ」

「了解!」

「・・・承知」

 

麒麟の指示を了承したあたしと風魔は自分の攻撃範囲の最適間合いのアルカノイズを確実に殲滅していく。

暫く、殲滅を行いアルカノイズも最初の1/3位までに減った頃だった。

 

「お姉様は今からフォローに回ってください。風魔様、大技行きますわよ!」

「わ、解った!」

「承知!」

 

あたしは麒麟と風魔の行く手を阻むアルカノイズをアームドギアとして形成した両手に携える2丁のクロスボウから多連装のエネルギー矢を掃射、高速連射する技、『QUEEN'S INFERNO』で殲滅していく。

 

「「双星ノ鉄槌 -DIASTER BLAST-」」

 

風魔の天羽々斬の刀と麒麟のガングニールの槍、二振りのアームドギアによる上段から叩きつけるような同時攻撃を行った。

これが止めとなり、あたし達に襲いかかってきたアルカノイズは総て殲滅された。

何とか無傷で済んだものの、些か疲れた。

こんな状況で風魔に襲われたらひとたまりもない。

そう思っていたら風魔が此方にやって来た。

 

「・・・なんだよ」

「これを・・・・。我が一族に伝わる疲労回復に効く丸薬でござる」

 

そう言って黒い丸薬をあたしに渡した。

 

「なんで・・・・これを。あたしに?一時的に共闘したとは言え、あたし達的同士だろ?どうして・・・・敵に塩を送るマネを・・・?」

「某は唯、手負いのライカ殿に勝利しても面白くない。それだけの事」

「『正々堂々』に勝利ってか・・・・。全く忍びらしくないな」

「・・・・よく言われる事ぞ。まぁ・・・これも御館様に似たのでござろうな」

「そうかよ・・・・。後悔するんじゃねぇぞ?」

「ふん。この不肖・・・風魔陽菜が全力を持って御相手仕る」

 

その直後、風魔の忍術に寄るものなのだろう。

あたしの視界が塞がれる。

あたしは極僅かな足音と風魔の武器である苦無の音を頼りに位置を予測し、改造トンファーで風魔の苦無に寄る一撃を防御する。

こうして、麒麟が見守る中、あたしと風魔の戦いが幕を開けた。

 

Side_Out…

 

(後半に)続くよっ!




葵  「はい。如何だったでしょうかっと」
理子 「マジで久しぶりの本編だね・・・・」
麒麟 「実に3ヶ月ぶりに進みましたわね。本編が」
花梨 「その間、番外編ばっかりだったもんね・・・・」
理子 「て事はさ、アイデア思い浮かんで無かったんでしょ。あおちー」
葵  「うぐっ・・・そうだよ。だから思いつき易いの書いてたわよ」
麒麟 「それで、割とバンドリ!の二次創作の更新進んでたのですね」
花梨 「そのうちの一つは割とノリノリで書いてるし」
葵  「あ・・・・うん。それは事実ね。紛れもない」
理子 「で、今回なんだけどさ・・・・」
葵  「どしたん?理子」
理子 「原作であった理子の出番削られてんじゃん!」
葵  「あーそうだった。まぁ・・・前回も絡み無かったしカットでいいかなと」
理子 「その整然性のために?マジかよぉ・・・・」
麒麟 「マァマァ(((ノ´ー`)ノ理子お姉様。前回の番外編主役だったし・・・・」
理子 「『良いじゃありませんの』ってか?」
麒麟 「はい♫私の出番は原作より増えてますし良いかと」
花梨 「あー・・・・強化されてるし出番増えたのか」
葵  「そうね。ぶっちゃけ麒麟はAA編のあかりに次ぐ主役だから」
花梨 「中の人的に気に入ってるんだね・・・・」
葵  「そゆこと」
花梨 「成程ね・・・・ねぇ、そろそろ最後の挨拶行かない?」
理子 「ねぇ・・・・理子の慰め・・・無いの?まさかの放置?」
葵  「安心して。AA編以外で理子の出番かなり増えるから」
理子 「あおちー・・・・・ホント?」
葵  「マジだ。メインヒロインだし。理子は」
理子 「えへへぇ~そっかぁ・・・・なら許す」
麒麟 「あの・・・・花梨お姉様・・・・」
花梨 「言わないで。本人の名誉の為に」
葵  「それが円満解決する方法だから。割とマジで」
麒麟 「えぇ・・・。それって葵様次第じゃないですか」
花梨 「まぁ・・・うん。そうだねぃ・・・」
葵  「うん。善処はする。善処は」
理子 「ねぇ~あおちー達、そろそろ最後の挨拶行こうよ~」
麒麟 「そう・・・ですわね」
花梨 「確かにいいタイミングよね」
理子 「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰だよ。皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵  「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
花梨 「と、言う訳で、これからもよろしくお願いします!」
麒麟 「それでは、また次回のお話・・・第033弾での」
葵  「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
4人  「「「「ばいばいっ!!!」」」]

ヒロイン=チョロイン疑惑浮上なあとがき㉞ 完
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