「あの…骸君、今日もいいですか?」
幾らか前から骸君に私は修行の手伝いをお願いしていて、今日も何時もと同じ空き地で修行しようと考えていた。
「今から?」
「あ、はい、出来れば…
だめ…ですか?」
「ううん、大丈夫だよ」
よかった…
連日頼んでいたので嫌がられるかも…なんて考えていましたが、杞憂みたいですね。
「準備してきますので、骸君先出て待っててください」
「ん、分かった」
ふふ…今日はなんだか何時もより上手くいきそうな気がするんですよね!
骸君のおかげで私も大分成長していると思いますし。
「じゃあ、クロちゃん待っててねー?
そろそろ出ましょうか…」
そう言って、靴を履き玄関を出る。
「骸君、待ってもらってすみません、
行きましょうか?」
「うん、そうだねー」
「じゃあ「あれ?」…どうかしましたか?」
「申公豹…もしかしてだけどさ」
「はい」
「…雷公鞭忘れてない?」
「あ……あぁ!?急いでとってきます!」
恥ずかしい!内心ちょっと調子乗ってたからから微妙に恥ずかしい!!
い、いや…気づかれてないからまだ…うん、まだ大丈夫だ、何が大丈夫なのか分からないけど大丈夫だ、うん…。
ウン
…今日はもう何か駄目かもしれない。
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「ルールはいつも通りのでいいかな?」
ルール、私と骸君にはあまりも大きな実力差が有るため何回目かの修行の後にルールを設けたのだ。
そのルールは単純で、
一つ、私は私自身が諦めるまで負けにはならない。
二つ、骸君に一撃でも攻撃を当てられれば私の勝ち、
というものである。
「はい、お願いします」
かなりアレな条件である事は理解しているんですけど、それでも今まで一度も攻撃を当てられれていない私の実力ではここら辺が達成出来るかどうかギリギリのラインなのだと思う。
それに、勝った時の約束もありますし。
「では…いきます!!」
私の使う雷公鞭は強力な神器ではあるものの今の私ではその力、そもそも鞭という武器ですら使い切れていない。
それに鞭は形状上接近戦での速力では圧倒的に不利だ、幸い骸君は素手での格闘しか"今のところ"は行ってこない、ならリーチという最大の武器を捨てない為に速力で劣る私は骸君より先に仕掛けねばならないのだ。
「初手から決めるつもりでいかせてもらいます!」
後に跳ねそのまま雷公鞭を自分の前に構える、身体を捻り回転を加え正面を向くと同時に雷公鞭を振り切る!
「召雷の舞!」
雷公鞭に乗せ大きな雷を放つ、召雷の舞を避けるのはほぼ難しい…筈。
土煙が晴れるとそこには…
「…いない!?」
い、一体何処に…
「油断し過ぎ」
「へ…?」
背後からの声に咄嗟に雷公鞭を振るいながら逆方向に跳び、そして走る。
完全に読まれてた…あぁ、そう言えばこれ前も使った手ですし、油断してましたね…。
…そう私が考えている隙に骸君は目前に迫っていた。
「突骨」
脇腹に迫る拳を身を引いて避ける…が、その掌から刃のようなモノが突如として生え私はこれを身を攀じることで辛うじて避ける。
そのままの勢いで雷公鞭に雷を纏い足元に狙いを定め振るう、
だがこれは後ろに跳んで避けられる。
すかさず振り上げるが、予想より骸君の跳躍速度が速く雷公鞭は空を切る。
「まだ終わりじゃないですよ」
雷公鞭にもう一度雷を纏い今度は空中に雷を飛ばす、
普通は避けられる速度ではない攻撃を無防備な空中で受けるのだ、本来ならばほぼ必中なのではないかと思う。
それを骸君は当然のように急降下し避け、
着地後の低い体制のままこちらに跳んでくるんだからたまったもんじゃない。
本当に。
「何であれが避けられるんですか!」
愚痴りながら雷公鞭を振るう、そして後に下がりながら何とか間を詰めさせないように素早く振りまくる。
だだ滅茶苦茶な太刀筋だと隙を即座に突かれるため一振一振に神経を張り巡らせて…前にそれで詰められましたし。
「おっと…」
全てが避けられてはいるものの間合いを詰めさせないようにする事は今のところ上手くいっている、だけどこれも長くは続かないだろう…そろそろ決めないと。
そう思い短めに首元辺りの高さに振った後、間を置かず足元に振り返す。
そして後に仰け反り跳躍して躱す骸君に向かって斜めに雷公鞭を振り上げ、振り上げたのとは逆の角度には雷を飛ばす、が身体を捻りでそれも避けられる。
ここまでは予想通りですね。
「…決めます」
振り上げた雷公鞭にもう一度力を込め、
そして雷と共に地面に叩き付ける!!
「召雷の舞!!」