魔法少女まどか?ナノカ   作:唐揚ちきん

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取りあえず、この特別編だけは年内に終わらせたく書き上げました。


アンケート特別編 眼鏡の魔法少女の憂鬱 後編

~佐倉杏子視点~

 

 

「さあ、お喋りしようか。魔法少女の佐倉さん」

 

 身体を壁に貼り付けられるようにリボンで固定されたアタシに穏やかにそう言って、政夫とか言う一般人は微笑む。

 魔法とも無関係そうな中学生くらいのこの男は得体の知れない恐怖を放っていた。

 マミも、さやかとかいう新米も魔法少女も、眼鏡を掛けた魔法少女も、すべてこいつに従っているように見える。

 本当に何者なんだ……こいつ。

 何もかもを透かして見ているかのように言い当て、都合よく状況を動かした。アタシはまんまとそれに乗せられ、今や文字通り手も足も出ない。

 けど、それでも大人しくこいつの言う事を聞くのが嫌で顔を思い切り、背けた。

 誰が素直に従ってやるもんか。

 

「佐倉さん!」

 

 すっかり政夫の犬に成り下がったマミはアタシの態度が気に入らないようで、叱るように声を荒げる。

 だが、当の本人は気にした素振りもなく、勝手に話し始めた。

 

「まあまあ、巴さん。こうも一方的に接してこられれば、(かたく)なになるのもしょうがないですよ。じゃあ、彼女が話しやすくなるように拘束を解いてあげてください」

 

「はあ?」

 

 こいつ、馬鹿じゃねーの? そんな事したら、アタシは逃げるに決まっている。

 今、アタシを縛るこの拘束を解いて得する事なんか、何一つない。マミも同じ事を思ったらしく、政夫の頼みを断ろうとする。

 

「夕田君。それは聞けないわ。今、リボンを解除すれば佐倉さんに逃げ出してしまう」

 

「話をするには対等な状況下で行わないといけません。それに、彼女としても僕に聞きたいことがあると思いますし」

 

 けれど、政夫はそう説得するしながら、こちらをちらりと見上げて言った。

 確かに色々と聞きたい事はあるが、こいつの思惑通りに動くのは癪だ。絶対に頷いてやるもんか。

 マミも納得していない様子だったが、アタシを縛っていたリボンを消した。拘束の解かれた身体は地面に落ちていくが、持ち前の身軽さで着地する。

 

「佐倉さんもそれでいいかな?」

 

「やだね。誰がお前なんかと……」

 

 べーっと舌を出して、拒絶の意志を示すが政夫はそれに気にした風もなく、とぼけた口調でさらに一言加える。

 

「お腹空いてない? 近くにスイーツバイキングのお店で話そうと思ったんだけど」

 

「……まあ、話だけは聞いてやるよ」

 

 別に甘いもんに釣られた訳じゃない。こいつの話を少しだけ聞いてやってもいいと思っただけだ。

 腹が減っていたのも確かだし、奢らせてたらふく食ったら、さっさとおさらばしてやる。そう考えて、取りあえずに政夫の提案に従う事にした。

 

 ***

 

 モンブランとチーズタルトを両手に持って、交互に一口ずつ頬張る。

 うめぇ……! これで食い放題だっていうんだから、最高だ。やっぱ、お菓子は甘い方がいい。

 つい綻ぶアタシに隣に座っている政夫は、穏やかなあ笑みを浮かべて尋ねてくる。

 

「甘いもの、好きなんだね?」

 

「うるせーな、文句あるのかよ」

 

 むっとして言い返すが、それをさらりと受け流すように奴は答えた。

 

「いや、そんなことないよ。女の子らしくて可愛いと思う」

 

「ば、馬鹿か……可愛いとか舐めてんのかよ!」

 

 何なんだよ、この野郎は。飄々とした態度でこっちのペースを乱してくる。

 ただの優男のようでいて、度胸が据わっていて抜け目がない。この発言だって何か裏があるに決まってる。

 アタシは政夫の提案通り、スイーツバイキングの店に着いて来ていた。六人で来たが、開店祝いとかで安くなっているせいで店内は混んでいて、三人ずつに別れて座っている。

 隣には政夫、そして向かいの席にはマミが来る……と思っていたのだが、来たのはさっき見たばかりの黒髪眼鏡の見知らぬ魔法少女だった。

 なんだか知らないが、僅かに不機嫌そうな眼をアタシに向けているがまったく身に覚えがない。

 その視線に困惑していると、それに気が付いたらしい政夫が紹介してくる。

 

「彼女は暁美ほむらさんだ。一応僕も自己紹介しておくね。夕田政夫、よろしくね」

 

「ああ……アタシは佐倉杏子だ」

 

「へえ、いい名前だね」

 

 向こうに名乗られたからにはこっちも名乗っとくの礼儀だろう。決して、可愛いとか言われていい気になっているせいではない。アタシはそんなに軽い女じゃない、はず。ただ名前を褒められた時は少しだけ照れを感じた。

 眼鏡の奴も続けてぺこりと頭を下げて挨拶をしてくる。

 

「……暁美ほむらです。よろしくお願いします」

 

 相変わらず、身に覚えのない敵意に似た感情を向けられていて、居心地が悪かった。さっきの青髪の奴なら分かるんだが、ほぼ初対面のこいつに恨まれる謂れがない。

 意味の分かんねぇ確執を持たれて、どうしようかと考えていると政夫が単刀直入に話を始める。

 

「じゃあ、そろそろ本題に入ろうか。佐倉さんはどこまで魔法少女のことに知ってる?」

 

「杏子でいいよ。……どこまでって、言われてもキュゥべえに言われた事は大体知ってるけど、それがどうかしたのかよ」

 

 政夫は「ふーん」と意味深な反応をした後、アタシに再度確認を取るように聞く。

 

「なら、自分からあいつに聞いたことはないって認識でいいかな?」

 

 質問の意図が読み取れなかったが、取りあえず、首を縦に振って答えると奴は少しだけ目を伏せ、躊躇いがちに言う。

 

「今から言うことは君にとってショッキングかも知れないが、聞いてほしい」

 

「何だよ、急に改まって……」

 

 それから政夫はアタシの知らなかった魔法少女の秘密について語り出した。

 まず、魔法少女のソウルジェムは文字通り魔法少女の魂である事。契約により、魔法少女になった少女は魂をソウルジェムに変えられて、肉体と分離させられる。

 心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても、その身体は魔力で修理すれば、すぐまた動くようになる代わりに魔法少女が身体をコントロールできるのは、せいぜい百メートル圏内が限度だと奴は話してくれた。

 

「ふざけんじゃねぇ! それじゃアタシたち、ゾンビにされたようなもんじゃないか! そんな事、信じられる訳ねぇだろ!?」

 

 声を荒げて、アタシは叫ぶ。それじゃあ、自分が人間じゃないと言われたようなもんだ。

 周りの客がアタシの声に驚いて、こっちを振り向く。少し離れた席に座っているマミたちも視線を向けて、立ち上がろうとしていた。

 政夫はそれを見越していたように彼女たちを挙げた手で制し、周囲の奴らに頭を下げて場を収めた。

 それから、テーブルの下に隠していた方の手をアタシに見せる。

 

「じゃあ、聞いてみるといい。何でも『聞かれれば』何でも答えてくれるらしいからね、こいつは。……そうだよね、支那モン?」

 

『ボクの名前はキュゥべえだよ。政夫』

 

 政夫の手にぶら下げられるように掴まれていたのは、話の中心に居たキュゥべえだった。

 さっきの裏路地に置いて来たとばかり思っていたが、移動する際にきっちり捕まえていたらしい。

 

「おい、キュゥべえ、今の話は本当なのかよ!」

 

『そうだよ。何一つ、間違いはないね』

 

 当たり前のように淡々と答えるキュゥべえに、アタシは心底目の前に居る生き物にぞっとした。こいつは魔法少女にした仕打ちを何とも思っていない。

 それから、猛烈に怒りが胸の内から込み上げてくる。

 

「テメェ……」

 

「怒るのはまだ早いよ。佐倉さん」

 

 頭に血が上りかけたアタシを政夫は止めた。思わず、睨み付けるが、気にした風もなく、また話を再開する。

 今度聞かされたのは魔女が魔法少女の成れの果てである事。魔力を使い過ぎて、ソウルジェムを完全に濁らせてしまえば、ソウルジェムはグリーフシードへ変わり、魔女が生まれる。

 怒りよりも言葉を失った。何だそれは……。それじゃ魔法少女は魔女になるために作られたっていうのか!?

 

「これも、本当なのかよ……キュゥべえ!」

 

『紛れもない事実だね』

 

 キュゥべえの言葉を聞いた瞬間、怒りで頭の中が真っ白になったアタシは立ち上がってソウルジェムから槍を取り出そうとする。

 だが、それは対面していたほむらの腕に掴まれて、邪魔される。いつの間にか、周りからは色と音が消えて、静まり返っていた。

 色があるのはアタシとほむらだけで、他の白と黒だけになった奴らは固まったように動かない。

 

「な……これは」

 

「止めてください、佐倉さん。ここで暴れれば、他の人たちにも被害が出ます」

 

 落ち着いた表情でいうほむらに、この現象を起こしているのがこいつだと理解する。

 まさか、時間を止める魔法……? そうか、だから政夫はマミではなく、この魔法少女を同席させたのか。

 止まったまま、動かずにキュゥべえを持ち上げている政夫に、どこまで計算ずくなんだと呆れた。

 そのおかげか、冷静に戻ったアタシはソウルジェムから取り出しかけた槍を収めて、ほむらに謝る。

 

「アタシが悪かったよ」

 

 魔法少女の格好になっていたほむらが服装を制服に戻すと、さっきまでの静寂が嘘のようにざわざわした音が蘇ってくる。

 何事もなかったように腰を下ろすほむらを見て、こいつもなかなか強かな女だと感じた。

 

「ちなみにこの支那モン、複数個体が居て、その個体すべてが意識を共有しているらしいから殺したところで大して気分は晴れないと思うよ」

 

「もっと早く言えよ、それ」

 

 どうにも政夫の思う通りに動かされている気がして、自分がとんでもないアホのように思えた。

 だが、今知った情報のおかげでこいつに言うべき言葉が見つかる。

 

「じゃあ、魔法少女が魔女にならないために、使い魔を魔女に育てるのも正しい事だよな? グリーフシードがなきゃ、アタシたちが魔女になっちまう」

 

 綺麗事を行ってられる余裕なんかない。魔女になるくらいなら、使い魔に人を襲わせて魔女にする事の方が正しい。魔女が落とすグリーフシードがなければ、それこそアタシら魔法少女は破滅だ。

 

「そう思うよね? でも、佐倉さん。君、グリーフシードを落とさない魔女と出会ったことってない?」

 

「そりゃあるけど……それが今の話と何の関係があるんだよ」

 

 魔女が全部、グリーフシードを落とす訳じゃない。魔女の中にはソウルジェムを落とさない奴も居る。

 魔法少女をやってれば遅かれ早かれ、気付く事だ。だからこそ、一匹でも多くの魔女を……。

 

「グリーフシードは魔女の卵。魔女はソウルジェムがグリーフシードになると生まれる。これは分かりやすいよね。魔法少女だった魔女にはソウルジェムだったグリーフシードを落としても何の不思議もない」

 

 流れるように語る政夫の弁舌はアタシの思考を中断させ、耳の奥まで言葉を送る。そこでようやく、何で政夫がこの話題を振ったのか理解した。

 そんな、まさか……それじゃ今までアタシがやって来た事は一体何の意味が……。

 

「じゃあ、使い魔から成長した魔女は――一体どこからグリーフシードを持ってくるんだろうね?」

 

「使い魔から成長した魔女は、グリーフシードを落とさないっていうのかよ……?」

 

 愕然とするアタシにキュゥべえが答えた。

 

『基本的にはそうだね。まあ、自分のグリーフシードを使い魔に入れて飛ばす魔女や、そもそも本体を持たない魔女も居るから一概には言えないけどね。それにソウルジェムから生まれた魔女も稀にグリーフシードを落とさない個体も居る』

 

 今まで魔女を生み出すためにわざと使い魔を逃がしてきた。その割にグリーフシードを落とさない魔女でも外れくらいにしか思っていなかったけど、ただの間違いだったっていうのか?

 思い返せば、グリーフシードを落とす魔女と落とさない魔女の違いをちゃんと理解していなかったかもしれない。

 魔女になるのだから、グリーフシードを落とすだろう。そういう固定概念がアタシの中にはあった。

 

「別に責めようっていう気はないよ。これを聞いて君が他人の命をどう思っているのか知りたかっただけさ」

 

 政夫はそう言って、カップに入った紅茶を一口含んだ。

 冷めているというより、アタシを気遣っているような素振りが少しだけおかしかった。

 数拍空けた後、政夫はアタシに眼を向けて尋ねてくる。

 

「僕はこれだけ情報を提供したんだ。今度は君の話が聞きたいんだけどいい?」

 

「……話せる事なんか詰まんねー身の上話くらいしかねーぞ」

 

 そう前置きを置いてから、昔を思い出しながら語り出す。

 

 

 *****

 

 

~暁美ほむら視点~

 

 

 それから佐倉さんが話してくれた彼女自身の過去は、別の時間軸でも聞いた事のないほど込み入った内容だった。

 巴さんと(たもと)を別った事は知っていたけれど、彼女の家族の事や契約の願い事については初めて聞かせてもらった。

 最初はあまり乗り気ではなかったせいか、ぽつりぽつりと話していた佐倉さんだったが、政夫君が相槌や軽い質問などを交えて聞いていると、段々とより深くまで語ってくれる。

 すべてを聞き終えると、政夫君は彼女に言った。

 

「君のすべてを肯定することはできないし、それは君自身望んではいないと思う。だけどね、これだけは言わせてほしい。――『よく、頑張ったね』」

 

 それは私もかつて言われた労いの言葉だった。

 きっと、心の奥でひっそりと絶望を抱える魔法少女なら誰もが待ち望んでいた、優しい言葉。

 佐倉さんも例外ではなく、一際目を大きく開くとそこの涙の雫を溜め込んだ。

 本当はその言葉は彼女のお父さんに言われたかっただろう。けれど、それはもう叶わぬ願いだ。

 泣きそうな顔を隠すように目元を服の袖でごしごじと擦る佐倉さんに、政夫君は制服のポケットから取り出したハンカチを差し出した。

 オレンジ色のレースの付いた女物のハンカチ。それは彼に母の形見だと前に聞いた事があった。

 差し出されたそれを佐倉さんは引っ手繰るように受け取ると、後ろを向いて自分の顔に押し当てる。

 時間にして十分くらい経った後、彼女はぐしゃぐしゃに濡れたハンカチを政夫君に返して言った。

 

「お節介だね、アンタ……」

 

「あはは。よく言われるよ」

 

「だろーな」

 

 相変わらず、誰にでも優しくする彼にやっぱりやきもきする。

 ほぼ誰にでもこういう対応するので、好意を持たれてしまうのに政夫君はそれに気付いていない。

 

「カップが空だね。喉乾いただろう? 飲み物持ってくるよ、何がいい?」

 

「……何でもいい」

 

 持っていたキュゥべえをぽいっと捨てて、彼は彼女のカップを手に取った。解放されたキュゥべえはさっと逃げ出してどこかに消える

 続けて、私にも同じように尋ねてきた。私も佐倉さんに倣って、同じように彼にお任せをした。

 政夫君が空のカップを二つ持って、席から離れると目元を僅かに腫らした佐倉さんは私に話しかけてくる。

 

「おい。アンタ」

 

「何ですか?」

 

「ひょっとして、政夫の彼女か?」

 

 その問いに一瞬だけ硬直してから、顔を真っ赤に染めて俯いた。

 私が政夫君の彼女に……。傍からだとそういう関係に見えるのかな? もしそうだったら凄く嬉しい……。

 恥じらっている私だが、何とかか細い声で彼女に返事をする。

 

「まだ、違いますけど……」

 

「そうか。妙にアタシの事睨んでいるから、もしかしたらって思ったけど」

 

 さっき、政夫君に可愛いって言われたのを嫉妬していたのを見抜かれていたらしい。

 別の意味で恥かしい。他の人からはお似合いに見えているのかなんて考えていた自分の思い上がりを振り払った。

 けれど、佐倉さんは私に突き刺す言葉の刃を止めない。

 

「そうだよな。そんな縁の大きなダセー眼鏡に、今時見ない三つ編みなんかしてるアンタじゃ釣り合わないし」

 

「だ、ださい……私の格好ってそんなにダサいですか……?」

 

「うん。すごい芋っぽいっていうか、垢抜けてないっていうか……昭和っぽい?」

 

「昭和!?」

 

 私の格好は昭和なの……。かつてない衝撃に打ちのめされる。

 政夫君とは釣り合わないほど、自分のファッションセンスは壊滅的だった事を今、初めて知った。

 落ち込む私に慰めるように佐倉さんが声をフォローの声をかける。

 

「いや、ごめん。言い過ぎた。そうだな、ほむら。アンタ、顔立ちはすごく綺麗なんだから、眼鏡外して髪下ろせば結構イケるって」

 

「そう、ですか?」

 

「うんうん。そうすりゃ、政夫もイチコロだよ」

 

 そこまで褒めれれば悪い気はしない。言われた通りに三つ編みを解いて、眼鏡を外す。

 視力の問題で周りがぼやけたけれど、ソウルジェムの魔力を使って視力を上げた。寝る時も結っているので、髪が解けていると違和感が残っている。

 一度、後ろ髪を大きく手で払うと、髪がふわりと浮いてそれになりに心地がよくなった。

 

「お待たせ、二人と……」

 

「あ、政夫君。どうかな? 眼鏡外して、髪も解いてみたんだけど」

 

 二つのカップを両手に持ってきた政夫君にイメージを変えてみた私を見てもらう。

 こちらに視線を向けている彼はその場に縫い留められたように立ち止まると、持っていたカップを床に落とした。

 入っていた飲み物が床に敷いてあるカーペットを濡らす。

 

「政夫君……?」

 

「ごふっ……」

 

 思いがけない反応に驚いて立ち上がると、彼は口から泡を吹いて仰向けに倒れた。

 

「ま、政夫くーん!?」

 

 急いで倒れた彼に近付くが、まるで途轍もないショックを受けたように気絶をしている様子だった。

 何度か揺すり動かすと、うーんと呻きながら声を上げる。よかった、いきなり倒れたから心配したけれど意識は戻りそう。

 

「だ、大丈夫?」

 

「ああ。うん。いや、今僕の苦手なタイプの美人が居た気がし――がふぁっ!?」

 

 そう言いながら起き上がろうとした彼だったが、傍で顔を覗き込む私の顔を見た瞬間、また奇声を発して気絶してしまう。

 佐倉さんや、別の席に居たまどかたちも駆けつけるが、今度こそ彼は完全に意識を失っていた。

 ……そんな、私の素顔が気絶するほど嫌いだったなんて……。

 

「こんなのって……あんまりだよ!」

 

 これ以降、私は決して眼鏡と三つ編みを止めない事を心に誓う。

 私の受難は魔女も魔法少女も関係のないところで、まだまだ続きそうだった。

 

 




諸般の事情により、こちらの方の更新はこれよりしばらくは遅くなりそうです。

代わりと言っては何ですが、よろしければ、見滝原市より少し離れた場所にあるあすなろ市の魔法少女を描く小説『魔法少女かずみ?ナノカ~the Happyend story~』もよろしければ見てやって下さい。
政夫とはまた別の、人のために戦う主人公。一樹あきら君が活躍しています!

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