理解してもらえないのは分かっていた。
それでも。それでも言わなきゃいけない事だから。
たとえ、分かり合えなくても聞いてほしかった。
これはきっと私のわがまま。
そして、私のケジメ。
魔法少女としてじゃなく、ほむらちゃんの友達としてのケジメ。
「ありがとう、ほむらちゃん。ここでまた家族や友達に会えた事は嬉しかったよ」
「…………」
ゴンべえ君に言われた通り、私は彼女の事をちゃんと考えていなかった。
勝手に分かってくれるって自分の想いを押し付けて、向き合おうともしてこなかった。
きっと一番私に振り回された友達だと思う。
だから、助けてほしいとは言わない。
だけど、彼女にだけは最後まで私の選択を見届けてほしい。
これもやっぱり私のわがままだ。
「……まどか。あの男に本気で勝てると思う?」
ほむらちゃんは、私の顔を見ずに質問だけを投げかけた。
私は彼女が不安を感じているのだと思ってわざと明るく言った。
「勝つよ。勝って、皆と一緒にここから出ようよ。だから、ほむらちゃんも心配しないで……」
「勝てるはずないわ!」
大きな声でほむらちゃんは
「……絶対に勝てない。まどかはあいつの恐ろしさを解ってない。あいつは私たちの心の中を覗き込んで来る。そして、一番触れられたくない部分を抉り抜いて見せ付けてくるのよ。『ほら、お前の中にはこんなに汚いものがあるぞ』って」
ぼろぼろと大粒の涙を流しながら、彼女はなおも続けた。
「自分の中の、自分でも意識していなかった感情を、私に知らしめたわ。私は、貴女を……独り占めにしたいだけだった。守りたいとか、救いたいとか、そんなのはただの欺瞞! 本当は、本当は……貴女にずっと傍に居て欲しいだけなのよ!」
私の握った手のひらを強く握り返し、思いの丈をぶち撒ける。
突如、頭を殴られたような気分になった。
初めて、私は自分がどうしようもなく、他人の鈍い事を思い知った。
今まで気付けなかった。知ろうとさえしていなかった。ほむらちゃんはそんなにも私を必要としてくれていたのだ。
ゴンべえ君に言われたとおりだ。
私は結局、ほむらちゃんの気持ちを理解して来なかった。
相手の事を考えている
きっと、私からほむらちゃんへの感情と、ほむらちゃんから私への感情は、温度が違う。好きという感情の種類が違う。
だから。
「私は……私はほむらちゃんの想いに、応えてあげられない」
一度言い淀みかけたけれど、それでもどうにか声に出した。
愕然とした表情で彼女が私を見つめている。
罪悪感が喉の奥から
自分に好意を持ってくれている相手を拒絶するのが、こんなにも心苦しいなんて知らなかった。
でも、ここで誤魔化してしまった。それは彼女の想いを無視するのと変わらない。
それだけはしたくなかった。
「ほむらちゃんがそこまで私を必要としてくれるのは嬉しいよ。でも、私はほむらちゃんだけの味方にはなれない。守らないといけない人たちがたくさん居るから」
「……そう。そうなの」
涙がつうっと彼女の頬を流れていった。
彼女の顔が俯き、目元が前髪で隠れる。今どういう顔をしているのか分からない。
握り締められた私の手がぐいっと思い切り引っ張られる。しゃがみ込んでいた身体がバランスを崩し、ほむらちゃんの上に覆い被さるように転がった。
目の前に彼女の顔が視界いっぱいに広がる。
「ほむらちゃ……ぐっ」
息が苦しい。一体何が起きたの?
私の喉を何かが絞め付けている。
これは、どういう事?
ほむらちゃんが指が私の首を絞めている。
「どう、し……て?」
「まどかを独占できないのなら、ここで貴女を私の手で殺すわ。そうすれば、最期まで一緒に居られる。誰にも邪魔されずにね」
彼女は仄暗い笑みを浮かべていた。
身体を捩って、ほむらちゃんの手を振り払おうとしても駄目だった。
震える彼女の指には力なんてほとんど籠められないはずなのに、張り付いたように私の喉から離れない。
……そうまで私を殺したいの? もう立ち上がる事もできないくらいに弱っているのに。
「まどか。死んで! 死んでよ! そうすれば最期まで一緒に居られる! だから! 死んでよ、まどかぁっ!!
」
駄目だ。彼女の指が離れない。彼女の手が放してくれない。
だったら、魔法少女になって、彼女を。
彼女を……どうするつもり?
一時的に
彼女は私と一緒に居たいだけ。そして、その想いはきっと変わらない。
何故なら、それこそがほむらちゃんの願い。
その願いを叶えてあげる事はできない。
……それなら。
それなら、もう彼女を――殺すしかない。
一方的に、理不尽に、身勝手に、彼女の願いを否定する他にない。
だって、私は『皆』の神様なのだから。
そう理解した私は薄桃色の衣装を纏い、弓をほむらちゃんの胸に押し付けていた。
右手は既に弦を引いて、その指先に魔力の矢を作っている。
「ほむらちゃん…………ごめんね」
零れた謝罪は今から彼女を殺す事についてなのか、それとも彼女の願いを受け入れられない事についてなのか、自分で判断が付かなかった。
「…………」
弓を射る。
その動作をここまで意識したのはきっとこれが魔法少女になって初めてだと思う。
でも……これで、終わりに――。
指先で摘まんだ
それを見た私は、人差し指と親指に挟まれた鏃を消す。
ほむらちゃんの表情が驚愕に歪んだ。
「どう、して……?」
「分かっちゃったから。ほむらちゃんがわざと私に殺させるためにこんな事してるんだって」
私の首を絞めていた彼女の手には、もう力は籠められていなかった。
ほむらちゃんが居なくなれば、この結界は維持できなくなる。そもそも私がここに来た理由もなくなる。
そうすれば、ゴンべえ君からは逃げられる。
だから、ほむらちゃんは私を殺そうとする振りをした。私に殺されるために。
「でも、それじゃあ、ほむらちゃんが救われない」
彼女は観念したように
「……ゴンべえは私の結界を利用しているわ。力を使い果たした私を消さなかったのは、まどかたちをこの結界から逃がさないため。私が居る限り、貴女たちはゴンべえから逃れられない」
「逃げないよ。私は逃げない。ここでほむらちゃんを殺す事で逃げる事ができても、それじゃ意味がないんだよ」
ほむらちゃんの背中をそっと抱き締める。
彼女も同じように私の背に手を回した。
「だって、私はそのためにここに居るんだから」
~なぎさ視点~
黒い色が街に広がる。
夜の
この世界から色を奪うために舞い降りてくるような漆黒は一切の躊躇なく、なぎさたちへと襲い来る。
「さあ、抗ってみせてよ」
膨大な数の黒い布から発射されるステッキの嵐。
数が増えれば増えるほど、攻撃の密度と範囲が増加する黒の豪雨。
……ここで何とかできるのは、なぎさしかいないのです。
なぎさは意を決して、もう一度魔女の姿になると周囲の皆を口の中へ放り込んだ。
「え、なぎささん。何を……?」
「おい、何のつもり……!?」
ごちゃごちゃ文句を言う前に全員口の中に収容して、なぎさは空へと飛び上がった。
身体中に全方位からステッキが突き刺さる。連続で肉を削る衝撃は刺突は想像を超えるものだった。
景色すら激痛で霞み、ステッキ同士の衝撃音は聴覚を惑わせる。平衡感覚など一瞬にして消え去っていた。
ただただ、秒数を数える。進んでいるが前でも後ろでもどうでもいい。もうこの街にぶつかるような建物は存在しないのだから、地面に落下しなければそれで十分だ。
全身を休みなく抉られながら、それでもなぎさはひたすら飛んだ。
一秒……二秒……三秒……四秒……五秒……六秒……。
痛みで思考が吹き飛びそうになる中、それだけはしっかり数えていく。
七秒……八秒……九秒……十秒……十一秒……十二秒……。
そこまで数えた時、音が一度途切れるのを確かに聞いた。
その時を聞き逃さず、口を思い切り開く。そこから『新しいなぎさ』を吐き出す。脱皮するように『全身ボロボロのなぎさ』を脱ぎ捨てるとそのまま直進を続ける。
一秒……二秒……。
その後、再生したなぎさの身体に再び、大量のステッキの連射が突き刺さる。飛んで来るステッキの数がさらに増え、全身に感じる衝撃も何倍にも膨れ上がる。
それでも先ほどと同じように身体を抉る嵐は十二秒後、二秒間だけ止まった。
なぎさも同じようにその間に脱皮を行ない、身体が全損する前に再生する。
―—やっぱり、そうなのですか。
全身を削られながら、確信した。
この攻撃は範囲や密度という点においては、なぎさの知る限り、どの魔法少女の攻撃よりも優れている。
飛ばしたステッキから新たに発射台となる布を作り出し、ほぼ三百六十度から標的を狙い続けるこの戦術に逃げ場はない。
それでも決して攻略法がない訳ではない。
数を増やした事により一撃の威力は確実に落ちている。そうでなければ、いくら合い間に脱皮による再生を挟んだとしても十二秒もの間、ゴンべえの猛攻を耐えられるはずがない。
教会でゴンべえにコテンパンにされた経験があるなぎさだから分かる。
連射と範囲に注力した分、威力は通常の三分の一以下にまで下がっている。それでも魔法少女の肌を抉るくらいは可能だろうし、何よりあれだけの数の刺突を受け続ければ、十二秒もかからず絶命するだろう。
そして、数を増やし続ける事によって、多人数を一度に相手にできる代わり、一人相手の攻撃は雑になっている。
どれだけ発射台が増えても、なぎさの身体に刺さるステッキの数には限度がある。ステッキ同士がぶつかり合う事によって返って無駄になるステッキの方が多い。
何より、十二秒間に打ち出すステッキを生み出すために二秒間の生成時間がかかっている。それだけあれば脱皮による再生で時間を稼げる。
『マミ、ここはなぎさが時間を稼ぐのです!』
ソウルジェムの念話で口の中に居るマミにそう伝えると、返事の代わりに彼女の考えた作戦内容が返って来る。
いきなりなぎさに呑み込まれた後、即座にこちらの意図に気付き、自分のしなければいけない事に専念していたらしい。
頼もしい、というより少々怖く感じるが、きっとそれが巴マミという魔法少女の在り方なのだろう。
『……了解なのです。じゃあ、その作戦で行くのです』
念話を終わらせ、十二秒間の激痛に耐えた後、二秒のクールタイム中に再生を済ませる。
次の十二秒間に皆がどこまでできるかが、この戦いの鍵になる。その間、なぎさは的になり、時間を稼ぐ事が仕事だ。
そう覚悟を決めた時、違和感を感じた。
攻撃が来ない。二秒間の生成時間はとっくに過ぎている。
その事実に気付いた時、違和感は一気に恐怖へと変わった。
「よく耐えたね。いくら再生ができるとしても文字通り身を削る攻撃の中に飛び出るのは勇気が要るだろうに」
すぐ傍で声がした。
同時になぎさの背中に何かが触れた。
この感触は靴。革靴を履いた脚が今背中に乗っている。
振り落とそうと身体を捩ったが、すでに背中には靴の感触はなかった。
「驚いてる? 冗談だよね? あれだけハンカチによる空間転移を見せたんだから、当然僕が直接来ることくらい想定できたはずだよ」
声は真下から聞こえた。
視線を向けた先には黒い手品師がシルクハットのツバを押え、宙に浮かんでいる。
瞬く間に姿は消え、右上から衝撃を味わった。
蹴られたと認識した時には、衝撃で僅かに開いてしまった口の隙間からステッキを差し込まれていた。
「内側からの攻撃には対応できないんだったね。お前は」
歯に挟まったステッキの感触が布状に変化する。
吐き出そうとする前に口内で大量のステッキが生成される。内側に収まりきらなくなったステッキがなぎさの体内を内側から突き破る。
「はい、お終い」
目の前の光景が切り替わり、なぎさは魔法少女の姿でゴンべえの腕の中へ抱き上げられていた。
一対一で勝負になるなんて、欠片も思っていなかったが、圧倒的な力の差に辟易する。
「お友達が出て来なかったんだけど、どこに行ったのか教えてくれる?」
「皆、食べてしまったのです」
お腹を擦りながら、そう答えると彼は薄く口の端を吊り上げた。
「そっか。なら、お前のお腹を切り裂けば、皆に会えるね」
「……脅しのつもりなのですか?」
「脅し? それならもっと効果的なのにするよ。そうだね、こういうのはどう? お前のソウルジェムに僕の否定の魔法を直接流し込む」
人差し指でゴンべえはなぎさのソウルジェムをそっと撫でた。
ぞくりと背筋に冷たいものが走る。
「どうなると思う? 僕の魔法は、魔力を消すことができる。ふふ、魂が消えていく感覚っていうのはお前たち魔法少女が体感したことのないほど辛いものだよ? 痛みや苦しみだけじゃない。自分の感情や記憶がどんどん消えてなくなっていくんだ。耐えられると思う?」
ソウルジェムの表面をなぞりながら、楽し気に語る。
口調は軽いが、その台詞の節々には何とも言えない真実味があった。
脅し、ではない。この男はきっと、それができるし、事実しか述べていないのだろう。
言葉に詰まっているなぎさを疑っていると取ったのか、ゴンべえは一つ頷いて喋り出した。
「そうだね。確かに脅しにしてはイメージし辛いだろう。じゃあ、もっと分かりやすく、目で見て理解できる拷問に変えようか」
白い手袋に包まれた指先をパチンと鳴らす。
地面に張り付いていた布や宙に固定されていた布がひらりとその場から“剥がれ落ち”、なぎさの身体に
「う゛あ゛!?」
目の前の中空に腕が突然現れた。
ちょうど肘くらいの長さの、誰かの右腕……。
違う。気付いた瞬間、血の気が引いた。この腕は――なぎさの腕。
すぐに自分の右肩の先に目を向けると、そこから先は黒い布に突き刺さっていて、そこから先が隠されていた。
腕だけではない。両脚も同じように膝の辺りまで布で隠されている。
何が起きているのか分からない。ただ分かるのは右腕も両脚も痛みはないという事だけ。
あまりにも目の前の気味の悪い光景に、自然と
振り返えると脚があった。
なぎさの、脚が……。
恐怖が限界を超えた。
「あ……あ、あ、あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「騒がない、騒がない。落ち着いて、痛みはないだろう?」
顎先を掴まれて、無理やり前を向かされた。
平然とした表情でゴンべえは言う。
「僕の魔法で空間転移ができるのはもう分かるよね。それのさらに応用。物をすべて転移しきらずに中途半端にしただけさ。大丈夫。
そう言われて、恐る恐る右腕の指を動かそうとすると、目の前の腕の指が思った通りに動いた。
「良かったのです……いや、よく考えると全然良くないのです、この状況! 何なのですか? 何なのですか!?」
「だから、脅しさ。今はまだお前の腕や脚は繋がっている。魔法でハンカチ同士の空間を連結させているだけだからね。でも、この中途半端な状態で魔法を解除するとどうなると思う?」
「ど、どうなるって……」
ぞっとした。
ゴンべえとの戦いで何度も背筋の凍る思いならしてきた。
でも、これは違う。
圧倒的な力に対する恐怖とは別種の、言うなれば、残酷なものに対する恐怖。
この男は、なぎさをバラバラに『切断』するつもりなのだ。
「多分、すぐには死なないだろう。というか、お前たちの特性上、まず死なない。ただ、痛いだろうね。すっごく。それにとっても――『怖い』よね? 自分の千切れた身体なんて」
そう言いながら、ゴンべえはさらになぎさの身体を黒い布で分断し始める。
浮いていた右腕や近くにあった両脚もさらに細かく宙へと浮かぶ。なぎさとゴンべえを取り囲むように各パーツに分かれたなぎさの身体が布と一緒に空間に固定されていく。
「さあ、教えて。お友達はどこへ逃げたの?」
怖い。
こんな残酷な方法で尋問されるなんて誰が考え付く?
これは駄目だ。無理だ。もうどうしようもない。
顎が震えて、嚙合わせる事もできない歯同士がカタカタと音を立てている。
呼吸すらままならない。こひゅうこきゅうと荒い音が喉から聞こえた。
恐怖で頭がおかしくなりそうなのに、どこか他人事のようになぎさを観察するなぎさが居る。
「時間稼ぎか。まあ、『
ビクっと身体が動く。
必死に顔を伏せて、感情を見せるのを防ぐがそんな事が無意味な事くらい分かっていた。
なぎさの行動などお構いなしにゴンべえは推理を続ける。
「確か水をゲートにしての転移だったと思うけど、お前の中に都合がよく水があったとは考え難い。水の代わりに即席で用意できる何かを使ったと考えるのが妥当だ。水……液体……例えば、血とか」
……当たっている。
あの時、マミが立てた作戦。
それはさやかの力でなぎさの体内から移動して、体勢を立て直すというもの。
さやかは杏子の流した血だまりをゲートにして、なぎさの中から脱出した。
「この結界内の水場はもう残っていないから、転移先は同じく血だまりでもある場所かな? こっちはいくつあるか分からない。はてさて、僕のアドバイス通りに黒髪を殺しに行ったのか――いや、そんなことできるほど非情になれるならここまで追い込まれてないよね。なら……」
両手を外側に大きく広げて、道化のように笑った。
「僕を狙撃しようとしているってとこだ」
その通り。
マミの作戦はゴンべえを遠距離から仕留める事。
なぎさが捕まる事も織り込み済みで狙撃を行なう手筈だった。
けれど……。
「できないよね? それをさせないために僕は“弾避け”を、周りに配置したんだもの」
そこまで読まれていたのか。
なぎさの命懸けの囮も、マミの作戦もほとんどゴンべえは通じなかった。
これでは何のために頑張ったのか分からなくなる。
ゴンべえはそっとなぎさの左肩に手を置いた。
「さ、これで話しやすくなったよね。お友達はどこから狙っているの? その方角を指で指し示すだだけでいい。簡単な事だろう? それとも一人だけ痛みと恐怖を味わってみる?」
嫌だ。身体を刻まれるのは絶対に嫌。
痛みを味わうのも、常軌を逸した恐怖を味わうのも嫌だ。
なぎさは左腕を上げて、人差し指を立てる。
唯一左腕に何もしなかったのは、なぎさに示させるため。
なぎさに、友達を売らせるため。
どこまでも計算高く、心をへし折ってくる。
それならもう、仕方ない。
どうにもならないのだから、それしかない。
「そう……仕方ないのです……」
人差し指を上げて、思い切り――自分の下
「……何のつもり?」
「み、見て、分からないのですか……? あっかんべー、なのです!」
恐怖も、絶望もある。
それでも、友達を売るくらいならバラバラにされた方がマシだった。
最後の最後の、一番大事なものは渡せない。
たとえ、涙で滲んだ視界が死に際に見るものだとしても、それでも……。
「魔法少女の絆、舐めないでほしいです!」
マミ、さやか、杏子、それからほむら。
ウチの情けない女神を頼むのです。
なぎさの魔法少女の能力がいまいち映画だけだと分からないのでシャルロッテの能力がこんなんだったなーというノリで書きました。